1.2 復興計画と観光について
1.2.1 宮城県の復興計画と観光について
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が入込数を確認する観光地点となっているケースもある。これまで観光客入込数をカウン トしてきた施設が被災してなくなってしまった場合には、新たな観測地点が設定されない 限り、入込数は減少したままの状態となることがわかる。
図表 33 気仙沼市、南三陸町、女川町、東松島市における観光地点別入込数推移
出典:宮城県観光統計より
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【宮城県の震災復興計画と観光】
宮城県の震災復興計画では、基本理念として「災害に強く安心して暮らせるまちづくり」
「県民一人ひとりが復興の主体・総力を結集した復興」「復旧にとどまらない抜本的な再構 築」「現代社会の課題を解決する先進的な地域づくり」「壊滅的な被害からの復興モデルの 構築」の五つの柱が設定された。計画期間はおおむね 10 年とし(図表 34)、復旧期に 3 年、
再生期に 4 年、発展期に 3 年と設定した。特に、復旧期の段階から再生期・発展期に実を 結ぶための復興の「種」をまき、ふるさと宮城の復興に結び付けるとした。緊急重要事項 としては、「被災者の生活支援」「公共土木施設とライフラインの早期復旧」「被災市町村の 行政機能の回復」「災害廃棄物の処理」「教育環境の確保」「保健・医療・福祉の確保」「雇 用・生活資金の確保」「農林水産業の初期復興」「商工業の復興」「安全・安心な地域社会の 再構築」「原子力災害への対応」の 11 項目が挙げられており、甚大な被害を受けた地域に とっては、いずれも重要な項目である。
図表 34 宮城県の復興計画における計画期間について
出典:宮城県復興計画より抜粋して筆者作成 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
発展期(3年)の基本的考え方 県勢の発展に向けて戦略的に取 り組みを推進していく
再生期(4年)の基本的考え方 直接の被災者だけでなく、震災の影響により 生活・事業等に支障をきたしている方々への 支援と、県再生に向けたインフラ整備などを 充実させる
復旧期(3年)の基本的考え方 被災者支援を中心に生活基盤や 公共施設を復旧させる
復旧期(3年)
再生期(4年)
発展期(3年) 種
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観光については、緊急重要事項の中に明言されていないが、復興のポイントの中に「多 様な魅力をもつみやぎの観光の再生(図表 35)」が挙げられている。詳細には「観光情報の 発信」「交通インフラの復旧・充実」「デスティネーションキャンペーン等の観光キャンペ ーンの実施」「インバウンドへの対応強化」「新たな観光ルートの構築」「震災の経験を生か した観光振興の取組み」が記され、これにより多用な魅力を有するみやぎの観光再生をす ると設定されている。ポイントと具体的な取組みの紐付けについては、「観光情報の発信」
については「的確な観光情報の発信」が、「デスティネーションキャンペーン等の観光キャ ンペーンの実施」「インバウンドへの対応強化」については「官民連携による仙台・宮城 DC の展開」「MICE の誘致」が、「新たな観光ルートの構築」については「広域観光ルートの 再構築」が、「交通インフラの復旧・充実」については「観光客の利便性、安全・安心を確 保する広域交通網の構築」が、「震災の経験を生かした観光振興の取組み」については「震 災についての学習・研修を目的とする旅行の誘致」が関連事項と理解できる。
図表 35 復興のポイント5 多様な魅力をもつみやぎの観光の再生
出典:宮城県震災復興計画より
重点事項と復興のポイントの中に、分野別の復興の方向性が記されている。県政全般に ついて、分野ごとの復興の基本的な方向性を掲げ、復旧期・復興期・発展期の各段階を踏 まえて効果的な施策の展開を図るとしている。観光の方向性については「国内外からの観 光客の誘致」「観光資源・観光ルートの整備」「観光王国みやぎ実現のための態勢整備」と ある。復興のポイントと方向性に食い違いはないが、これらのポイントをもとに実際に実
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施する事業については、「観光復興イベント開催事業」「観光復興キャンペーン推進事業」
などが挙げられている。具体の取組みとして、首都圏でのキャラバン活動や 2013 年にデス ティネーションキャンペーンをする等が挙げられている。
2014 年に公表された、「宮城県平成 26 年度政策評価・施策評価基本票25」によると、観 光関連としては 22 の事業が実施された(図表 36)。「観光復興イベント開催」や「観光復 興キャンペーン推進事業」の多くは、首都圏からの誘客を意識したものや仙台空港からの 就航地である関西や福岡を中心にしたものであった。また、海外からの誘致にも力を入れ ており、ブロガー誘致や中国の旅行会社の招請などを行っている。
25 宮城県平成26年度政策評価に係る基本票より、政策「観光資源、知的資産を活用した 商業・サービス産業の強化」より、施策「地域が潤う、訪れてよしの観光王国みやぎの実 現」http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/seisaku/26sei-kihonhyo1.html
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図表 36 2014年度に実施された観光に関連する事業の一覧
出典:宮城県 2014(平成 26)年度政策評価に係る基本票を参考に筆者作成
事業区分 事業名 決算見込額
(千円) 実施された事業について
みやぎの将 来ビジョン 推進事業
仙台・宮城観光キャン
ペーン推進事業 20,0004月から6月にかけてJRグループと連携した仙台・宮城デスティネーショ ンキャンペーンを開催した
県外向け広報事業 23,851
BSテレビによる広報番組の制作と放送。
BS-TBSにて毎週月曜日、19:54~20:00。年間51回放送うち13回は 再放送。視聴率2.3%。
外国人観光客誘致促
進事業 6,592海外旅行博への出展、プロモーション活動、パワーブロガーの誘致、
取材、視察等を通した情報発信。
外国人観光客受入体 制整備事業
ゼロ予算事 業
観光地域づくり人材育成事業により、インバウンド関係者向けの研修 会の実施。
外国人観光客安心サ ポート事業
ゼロ予算事 業
銀聯カードを安心して使用できる店に、指さし確認カードとシールを配 布した。
宮城の観光イメージ
アップ事業 995北海道からの教育旅行誘致のため、学校の教員と旅行会社を対象と
した説明会を函館と札幌で開催。
秋の行楽宮城路誘客 大作戦、秋色満載みや ぎ・やまがたの観光
非予算的手 法
山形県と連携し、東北自動車道国見SAに臨時観光案内所を設置し、
ドライブ客に宮城・山形の観光PRを実施。
みやぎ観光戦略受入
基盤整備事業 45,423 蔵王観光道路の整備、栗駒登山道湯浜コースの木道整備を行った。
地域産業振興事業 17,731
震災からの復興支援や地域資源を活用した事業の実施。大手スー パーとのタイアップにより水産加工品の販売。ものづくり産業の振興な ど。
グリーン・ツーリズム促
進支援事業 3,128継続できるグリーンツーリズムをめざし、環境整備、情報発信、活動の 活性化などに向けたアドバイザー派遣の実施。
みやぎ県民文化創造 の祭典(芸術銀河)開 催事業
14,900県民に対して、優れた芸術文化の鑑賞と発表の場の提供をする。音 楽、美術、舞台、ミュージカルなどの事業を実施。
関連する震 災復興推進 事業
観光復興緊急対策事
業 8,600 旅行雑誌まっぷるや新聞等への広告掲載。コンベンション誘致活動。
外国人観光客災害復
興緊急誘致促進事業 6,880中国からの観光客誘致のため、大連・上海で東京都と連携をいた商談 会の開催。中国の旅行会社の招請。
みやぎ観光復興イメー
ジアップ事業 5,300プロスポーツ3チームと連携をした観光PRの実施。JR主要駅での観光 復興をPRするイベントの実施。
みやぎ観光復興誘客
推進事業 6,000首都圏から本県への観光客誘致をすすめるため、仙台・宮城単独商品 の造成をする場合に、PR記事掲載に対する助成を実施。
風評被害等観光客実
態調査事業 6,959県内主要観光地点での観光客へのアンケート実施。首都圏・関西在 住者へのWEBアンケート実施。県内観光事業者の実態調査の実施。
仙台空港活用誘客特
別対策事業 20,000仙台空港就航地において、航空会社と連携した観光プロモーションの 実施。名古屋、大阪、福岡にて。
仙台空港600万人・5万
トン実現推進事業 2,701仙台空港民営化に合わせ、官民連携支援会議体を設立し、民営化の 動向などの情報を発信した。
観光施設再生支援事
業 106,895震災で被災をした旅館、ホテル等の宿泊施設に対しての交付。22件 が決定。
自然公園施設災害復
旧事業 1,000 松島公園第一駐車場の整備を実施。
松島公園津波防災緑
地整備事業 83,520松島町の観光関係者と協議を重ね、基本計画に着手、防災を目的に 県立都市公園松島を津波防災緑地として整備する。
グリーン・ツーリズム復
興支援事業 10,734県内のグリーンツーリズム関連の情報について、定期刊行物やホーム ページにより情報発信を行い、交流会も行なった。