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C ESL

3.6 実機検証

3.6.1 実験構成

800 [mA]

600 400 200 0 -200 -400

6 620 mA

4.7 MHz

200 ns

図3.21 Calculated waveform of the common-mode currenticom 30 [mA]

15 0 -15 -30

6

?2 mA

(a)motor common-mode currenticom 2µs

30 [mA]

15 0 -15 -30

623 mA

(b)Z-matched circuit currentiz

2µs

図3.22 Calculated waveforms of the common-mode currenticom and Z-matched circuit currentiZ

spectrum analyzer

current probe

Zmat

iZ? ?icom

図3.23 Configuration used for the machine verification

10に設定し,インダクタは1 A,抵抗は1/4 W,コンデンサは100 V定格のチップ部品 で構成している。インピーダンスマッチ回路のインピーダンスZmat とモータコモンイ ンピーダンスZm の周波数特性を図3.24 に示す。ケーブルインピーダンスを含んだモー タコモンインピーダンスに対し,インピーダンスマッチ回路の大きさは1/10で,位相は 4.5 MHzまで概ね一致している。

コモンモード電流は電流プローブ91550(ETS-Lindgren)を用い,インバータ三相出力線 で測定する。スペクトラムアナライザはN9020(Agilent)を用いている。周波数レンジは 100 kHz-10 MHzRBW10 kHzVBW30 kHzに設定し,ピーク検波方式でコモン モード電流icom の周波数成分を測定する。

3.6.2 コモンモード電流抑制結果

図3.25 にコモンモード電流icom とインピーダンスマッチ回路電流iZ の実測波形を示 す。図3.22 のシミュレーション結果と同様に,コモンモード電流icom が抑制されてい る。なお,実験のインピーダンスマッチ回路電流iZのピーク電流値16 mAがシミュレー ションの23 mA に対して小さいのは,コモンモードチョークの抵抗成分や他のダンピン グ要素の考慮が不十分であることが原因として考えれる。

次に,従来の抑制技術と提案するインピーダンスマッチ型ACC のコモンモード電流

1 k[Ω]

100 10 1

0.1100 k 1 M 10 M

[Hz]

[deg]

180 90 0 -90

-180100 k 1 M 10 M

[Hz]

(a)magnitude

(b)phase

|Zm|

|Zmat|

6 Zm

6 Zmat

?1/10

図3.24 Frequency characteristics of the Z-matched circuit impedanceZmat

icomのスペクトラムを比較し,本手法の有効性を示す。図4.13にコモンモード電流icom のスペクトラム波形を示す。条件は図3.11の(i)-(iii)に加え,(iv)インピーダンスマッチ 型ACCである。(iv)インピーダンスマッチ型ACCの抑制効果は(iii)従来型ACCに対し て100 kHzから10 MHzの周波数帯域で優れており,(ii)コモンモードチョークに対して 1 MHzにおいて約15 dB抑制効果が高く,6 MHzまで優位性を維持している。この効果 は,インピーダンスマッチ回路とモータコモン経路との位相を広範囲で合致させたことに よるコモンモードトランスの励磁電流の分流条件の成立の拡張と,インピーダンス比によ るものである。さらに良いことには,インピーダンスマッチ回路には負荷電流は流れない のでチップ部品で構成でき,コモンチョーク単体に対し体格増なしで効果的な抑制効果を 得ることが出来る。

ここで,抑制効果の実験結果と理論値(20.6 dB)との差異はコモンモードトランスの伝 達特性やアンプの周波数特性が考えられる。また,今回は,AM帯域のノイズに焦点を充 てたため,約3倍の4.5 MHz以下の周波数帯にインピーダンスマッチ回路を同定したが,

それ以上の高周波数帯域ではモータコモン経路の位相不一致が生じており,抑制効果が低

30 [mA]

15 0 -15 -30

6

?2 mA

(a)motor common-mode currenticom 2µs

30 [mA]

15 0 -15 -30

616 mA

(b)Z-matched circuit currentiz

2µs

図 3.25 Measured waveforms of the common-mode current icom and Z-matched circuit currentiz

-20 -30 -40 -50 -60 -70 -80 -90

[dBm]

100 k 1 M 10 M

[Hz]

(i)no restraint method

(iii)conventional ACC

(ii)common choke coil

(iv)Z-matched ACC

?18 dB

?15 dB

図3.26 Measured spectrum of the common-mode currenticom

減している。

3.6.3 放射磁界の抑制結果

放射ノイズは車載ラジオアンテナの電磁障害を引き起こす。本節では,インピーダン スマッチ型ACCの放射ノイズ抑制効果について言及する。図3.27 に磁界強度の試験構 成を示す。インバータ内にインピーダンスマッチ型ACCを搭載しており、インバータと

battery Loop Antenna

inverter motor

5 cm

5 cm P

N U

WV

- + -+

foam polystyrene6

copper plate

base(iron)

heat sink

-図3.27 Configuration used for measuring the magnetic field strength near the motor lines

モータ間の線(以降はモータ線と記す)に流れるコモンモード電流による磁界をモータ線 から5 cmの距離で測定した。磁界強度はループアンテナ(EM-6992,Electro-metrics)を用 いた。実験条件及びスペクトラムアナライザの設定はコモンモード電流測定時と同様で ある。

図3.28にモータ線からの放射磁界強度スペクトラムを示す。100 kHzから 10 MHzの 周波数帯域で抑制効果が得られている。例えば2 MHzにおいては27 dB低減している。

これは,インピーダンスマッチ型ACCのコモンモードトランスの励磁電流ieをインピー ダンスマッチ回路に大部分を分流させ,インバータ内部に閉じ込めたことに起因する。な お,図4.13 のコモンモード電流の低減量に対して,放射磁界強度の低減量は小さくなっ ている。その原因として,モータ線の5 cm下部に存在する銅板に帰りのコモンモード電 流が流れることによる放射磁界キャンセルや定在波が挙げられる。モータ線の配線長や接 地電位との位置関係により放射磁界強度の低減量は異なってくるが,提案方式は一定の効 果は期待できると考える。

3.6.4 コモンモードトランスの体格

コモンモードトランスの体格は,トランスに印加される電圧とその時間の積(ET 積)

に関係する。図3.29にインピーダンスマッチ型 ACCを動作させた場合のトランス電圧 波形を示す。コモンモード電圧が変化すると,インピーダンスマッチ型ACC搭載のイン バータシステムの様々な容量成分(例えばモータコモン容量,インピーダンスマッチ回路

-50 -60 -70 -80 -90 -100 -110 -120

[dBm]

100 k 1 M 10 M

[Hz]

no restraint method

Z-matched ACC

Shade noise

? 27 dB

図3.28 Measured spectrum of the magnetic field strength near the motor lines

容量,Yコンデンサ容量)が充放電される。したがって,容量の総和が小さければ,コモ ンモードトランスに印加されるET積は少なくなる。

インピーダンスマッチ型 ACCはコモンモードトランスの 4 巻線目を従来型 ACC DCバスコンデンサ Cdc ではなく,YコンデンサCY1 に接続している。インピーダンス マッチ型ACCET積はモータコモン容量が 3.6 nFYコンデンサ容量が4.7 nFの場 合,5.3×105Vsであった。従来型ACCのトランス電圧はDCバスコンデンサ容量が 1.0µFの場合,コモンモード電圧は概ねトランスに印加され,ET積は1.3×103Vsで あった。

この結果より,インピーダンスマッチ型ACCは従来型ACCに対して1/24倍にET積 が減少しており、コモンモードトランスの断面積や巻き数を大幅に低減することが出来る ことも大きな利点である。

3.7 まとめ

インバータのコモンモード電流低減手法として,インピーダンスマッチ型のアクティブ コモンモードノイズキャンセラ方式を提案した。モータのコモンモード経路の位相特性と 合致したインピーダンスマッチ回路をコモンモードトランスとグランド電位の間に配置 し,インピーダンスマッチ回路とモータコモン経路との位相を広範囲で合致させること

40[V]

30 20 10 0 -10 -20 -30

6

common-mode voltage

transformer voltage

5.3×10−5Vs

-10µs

図3.29 Measured waveforms of the common-mode transformer voltage

で,コモンモードトランスの励磁電流の分流条件の広帯域化を図るとともに,インピーダ ンス比を利用して,コモンモードトランスの励磁電流をモータコモン経路よりもインピー ダンスマッチ回路に多く分流させることで,従来の電圧キャンセル方式に対し1 MHzに

おいて25 dBの抑制効果を得ることを実験により確認した。加えて,インピーダンスマッ

チ回路には負荷電流は流れないのでチップ部品で構成でき,また,コモンモード電圧が 印加される容量成分を小さくすることで,コモンモードトランスのET積を抑制し,コ モンモードトランスの断面積や巻き数を大幅に低減することが出来ることも大きな利点 である。インピーダンスマッチ型ACCをインバータに配置することで,コモンモード電 流の大部分をインバータ内部に閉じ込めることが可能になり,実験では1 MHzにおいて 26 dB抑制され,インバータ−モータ間配線からのAM帯放射ノイズ低減に有効であるこ とを実証した。

4

バランス型ブリッジレス PFC によるコモ

ンモードノイズ低減

PFC回路において,整流ブリッジダイオードを簡略化し,低損失が期待できる ブリッジレスPFC方式が提案されているが,コモンモードノイズが大きいとい う欠点があった。これに対し,コモンモード電流の経路となる浮遊容量にコモン モードノイズ源となる対地電圧を相補的に印加し,コモンモード電流を抑制する バランス型ブリッジレスPFC回路が報告されているが,実用化に至っていない。

本章では,低ノイズと低損失が期待できるバランス型ブリッジレスPFC回路の 実用化を目的に,内在する問題点を明らかにし対策案を提案する。

4.1 はじめに

欧 州 の CO2 規 制 95 g/km(2020) や 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 の ZEV 規 制 を 背 景 に

EV/PHEVの普及は加速し,2030年には300万台を超える市場規模に到達すると予測さ

れている(10)。EV/PHEV用の充電器は3.3 kW〜7.2 kWの充電器が搭載され,力率改善の ためのPFC回路と変圧及び絶縁のためのDC-DCコンバータで構成されている。充電器 は系統電源に接続されるため,CISPRやFCC等のノイズ規格を満足する必要があり,系 統電源とPFC回路の間にノーマルモードフィルタとコモンモードフィルタから構成され るノイズフィルタを設置し、外部に流出するノイズを抑制している。ノーマルモードノ イズの抑制はPFCの昇圧リアクトルを活用し,Xコンデンサを追加してノーマルモード フィルタを形成する。コモンモードノイズの抑制は,コモンモードチョークとYコンデ ンサで形成するコモンモードフィルタを用いることが一般的だが,体格及び重量増加によ る充電効率及び走行中の電費低下を招き,省エネルギー化を妨げる。また,その影響は充

ドキュメント内 車載電力変換器の低ノイズ化に 関する研究 (ページ 47-55)