第 3 章 調査結果
3.1 天然ガスセクターの現状
3.1.3 組織・体制
3.1.3.2 天然ガスセクター組織・構成
(1) 天然ガスセクター関連各社概要 1) ペトロバングラ(Petrobangla)
沿革ペ ト ロ バ ン グ ラ の 前 身 、 BMOGC(Bangladesh Minerals, Oil and Gas Corporation)は、「バ」国の石油、ガスおよび鉱物資源の探鉱・開発を担う機 関として 1972 年 3 月に設立されたが、同年 9 月 BMOGC から鉱物資源を取り扱 う BMEDC(Bangladesh Mineral Exploration and Development Corporation) と石油およびガスを取り扱う BOGC(Bangladesh Oil and Gas Corporation)に 再編成され、BOGC は 1974 年に Petrobanlga と改称された。1976 年には原油・
石油製品の輸入・精製・販売を担う BPC(Bangladesh Petroleum Corporation) が設立され、その後 1985 年には、BOGC と BMEDC は BOGMC(Bangladesh Oil, Gas and Mineral Corporation)として再合併した。その後 BOGMC は 1989 年に再度 Petrobangla に改称となり、石油、ガスおよび鉱物資源の探鉱・開発を目的と して設立される各社の株式および利益を保有する権限を与えられ、現在に至 っている。
業務ペトロバングラは次項にその詳細を述べる傘下各社によって実施される以下 の主要業務を統括・管理している。
·
ガスおよび石油の探鉱・開発·
ガス生産・搬送・販売·
CNG の普及促進·
NGL(天然ガス液)からの LPG、ガソリンおよびディーゼルの生産・販売·
石炭採掘·
花崗岩採掘2) 探鉱・生産部門
BAPEX (Bangladesh Petroleum Exploration and Production Company) BAPEX は 1989 年に石油およびガスの探鉱会社としてペトロバングラから分離 する形で設立され、その後 2000 年には独立性を高める観点からガス生産も行 う事となり、会計年度 2009-2010 においては、Saldanadi, Fenchuganj およ び Shahbazpur の 3 ガス田から 14.14bcf の天然ガスを生産している。探鉱部 門においては最新式のリグや地震探査装置を昨今調達し、試掘・探査活動を強 化している。
BGFCL (Bangladesh Gas Field Company Limited)1965 年に設立された Pakistan Shell Oil Company Limited (PSOC)を前身と し、60 年代後半より Titas および Habiganj ガス田にて活動を開始していた が、その後 PSOC は 1975 年に「バ」国政府により買収され、BGFCL と改称され た。
会計年度 2009-2010 においては、Titas, Habiganj, Bakhrabad, Narsingdi お よ び Meghna の 5 ガ ス 田 よ り 「 バ 」 国 全 生 産 量 の 約 37% に あ た る 258.30bcf(707.59MMCFD)の天然ガスを生産している。
また、最新の埋蔵量を把握すべく、現在 ADB の支援により Titas および Bakhrabad ガス田における 3D 地震探査を実施中である。
SGFL (Sylhet Gas Field Limited)もとは Pakistan Petroleum Litd.が保有する会社であったが、「バ」国の独立 に伴い「バ」国政府により接収され、1982 年に SGFL として法人組織化された。
会計年度 2009-2010 においては、Sylhet, Kailashtila, Rashidpur および Beanibazar の 4 ガ ス 田 よ り 「 バ 」 国 全 生 産 量 の 約 8% に あ た る 57.27bcf(156.90MMCFD)の天然ガスを生産している。
3) 搬送部門
GTCL (Gas Transmission Company Limited)天然ガスグリッドの一元的な運営・管理、および「バ」国全土へのガス供給に必 要なガスグリッドの拡張を目的として 1993 年に設立された。
現在 GTCL は総延長 875km の高圧ガスパイプラインを保有・運営し、会計年度 2009-2010 においては、487bcf の天然ガスを搬送している。また、総延長 193km のコンデンセート用パイプラインも保有・運営している。
4) 販売部門
TGTDCL (Titas Gas Transmission and Distribution Company Limited) 1964 年にパキスタン政府と PSOC の合弁で設立されダッカ市へ天然ガスを配 送していた。「バ」国独立後の 1975 年、100%政府出資によりペトロバングラ傘 下の会社となった。「バ」国最大の販売会社であり、ジャムナ川以東のダッカ管区をフランチャイ ズエリアとし、会計年度 2009-2010 においては、「バ」国の天然ガス全販売量 の約 74%にあたる 528.58bcf の天然ガスを販売している。総顧客数は 155 万 件にのぼり、この中には 4 件の肥料工場、34 件の発電所が含まれる。
尚、民間セクター参入の一環として TGTDCL の株式のうち 25%が既に民有化さ れており、更なる 10%の民有化が今年度中に実施される予定となっている。
BGSL (Bakhrabad Gas System Limited)1980 年に天然ガスの生産・搬送・販売会社として設立され、その後生産部門が BGFCL に、主要パイプラインが GTCL に移管され、現在に至っている。
現在は、後述する KGDCL のフランチャイズエリアを除くチッタゴン管区をフ ランチャイズエリアとし、会計年度 2009-2010 においては、「バ」国の天然ガ ス全販売量の約 15%にあたる 105.47bcf の天然ガスを販売している。
JGTDSL (Jalalabad Gas Transmission and Distribution System Limited) 1977 年よりペトロバングラによってシレット管区における天然ガスの生産・販売が進められてきたが、需要の高まりに伴い 1986 年に同管区をフランチャ イズエリアとする販売会社として設立された。
シレット管区にはガス田が多数存在しているため、他の販売会社に比べ安定 的に天然ガスを供給しており、会計年度 2009-2010 においては、「バ」国の天 然ガス全販売量の約 7%にあたる 45.45bcf の天然ガスを販売している。
PGCL (Pashchimanchal Gas Company Limited)「バ」国北西部におけガス販売を目的として 2000 年に設立され、会計年度 2009-2010 においては、「バ」国の天然ガス全販売量の約 4%にあたる 25.60bcf の天然ガスを販売している。
KGDCL (Karnaphuli Gas Distribution Company Limited)合理的なサービス向上を目的として、元来 BGSL のフランチャイズエリアであ ったチッタゴン地区およびチッタゴン丘陵地帯のガス販売・運営・管理を BGSL から引き継ぐ形で 2010 年 2 月に設立され、2010 年 7 月より商業活動を 開始している。
SGCL (Sundarban Gas Company Limited)「バ」国南西部におけるガス販売を目的として 2009 年に設立され、南西部への パイプライン敷設が完了され次第、商業活動を開始する予定となっている。
尚、民間セクター参入の一環として SGCL の株式は 49%が民有化される事とな っている。
販売部門各社のフランチャイズエリアを図 3.1.10 に示す。
図 3.1.10 販売部門各社のフランチャイズエリア
5) CNG & LPG 部門
RPGCL (Rupantarita Prakritik Gas Company Limited)1987 年に設立され、運輸セクターにおける CNG の普及促進、および NGL から の LPG、ガソリンおよびディーゼルの生産を行っている。
近年 CNG は急速に普及しその使用量は全天然ガス使用量の数パーセントを占 めるに至っており、現在では価格改定による需要抑制策が採られている。
(2) 天然ガスセクター関連各社の組織・構成
図 3.1.11 は天然ガスのフローを示す天然ガスセクター組織図である。
パイプライン完成後 商業活動開始
BGFCL SGFL BAPEX
(E&P) Tullow
Consumer Consumer
JGTDSL TGTDCL PGCL SGCL
Consumer Consumer Consumer Consumer
探鉱・生産部門
送ガス部門
配ガス部門 BGSL KGDCL
Chevron Santos Niko
現在は生産をしていない
BGFCL SGFL BAPEX
(E & P) Tullow Chevron Niko Santos
JGTDSL TGTDCL PGCL SGCL BGSL KGDCL
顧客 顧客 顧客 顧客 顧客 顧客
GTCL
図 3.1.11 天然ガスセクター組織図(ガスフロー)
IOC を含む生産各社より生産された天然ガスは、GTCL の搬送網を通じ(上図のと おり直接販売会社に供給されているケースも一部ある)販売各社に送られ、販売 各社が各需要家に天然ガスを販売している。
一方、図 3.1.12 はガス販売によって得られた収益の分配フローを示す天然ガス セクター組織図である。
配ガス 配ガス 配ガス 配ガス 配ガス 配ガス
マージン マージン マージン マージン マージン マージン
ガス料金 ガス料金 ガス料金 ガス料金 ガス料金 ガス料金
Consumer Consumer JGTDSL TGTDCL
Consumer Consumer Consumer Consumer
PGCL SGCL
Chevron Santos
BGSL KGDCL
Niko
BGFCL SGFL BAPEX
(E&P) Tullow
顧客 顧客 顧客 顧客 顧客 顧客
生産マージン
探鉱 マージン
送ガスマージン
PDF & GDF
VAT & SD IOCへの支払
BGFCL SGFL BAPEX
(E & P) Tullow Chevron Santos Niko
GTCL
JGTDSL TGTDCL PGCL SGCL BGSL KGDCL
Petrobangla
「バ」国 政府
図 3.1.12 天然ガスセクター組織図(財務フロー)
ガス料金は先ず販売各社によって各顧客より徴収される。販売各社は3.1.8.2 章 の表 3.1.27 に示されている定められた配分率に従い、自社の割当分を除いた収 益を、搬送会社、生産および探鉱各社(IOC 分はペトロバングラを経由)に分配 し、同じく定められた税率に従い中央政府に税金(VAT & SD)を支払っている。
ここで生産・搬送・販売会社間のガスの受け渡しに関わる契約(ペトロバングラと 各販売会社との契約を含み)は存在していない。これらの契約は政府・関連機関の ガイドラインに基づき今後結ばれる予定ではあるが、現時点では各社に営利を追 及する企業体としての独立性は与えられていない。さらに配分される収益では将 来に向けての投資および保守管理を充分に行うことができないという状況にある。