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第 3 章 調査結果

3.1 天然ガスセクターの現状

3.1.6 天然ガスの搬送

3.1.6.5 地域別天然ガス供給見通し

(1) ベラマラ新発電所

ベラマラ新発電所の導管網モデル上のノード(N77)に関わる解析結果は、以下の とおりである。

2015 年時点では、ガスグリッド上において供給が需要を満たす状況が予測され、

他のインフラ整備と共にエレンガ(N60)に計画通りに圧縮機(吐出圧力 1000 psi)

が設置されるとの前提でその下流のベラマラ新発電所(N77)において 791psi 以上 の圧力が保持され需要量である 68 MMCFD のガスを配送できることが確認された。

2020 年, 2025 年, 2030 年時点では、「バ」国のガス生産能力が減退してガス導管 網から需要家に対するガス供給不足の状況が予測される。この場合の解析におい

ては、ほとんどのガス田について供給圧力を一定に設定しガス田からの流入ガス がその設定圧力を保つべく(実際の需給バランスとは関係なく)流入してくると いう条件を適用して、想定されるガス需要を満たすに十分な配送能力を導管網が 持つかどうかの検証を行った。その結果、ベラマラ新発電所への導管網は充分な 圧力を維持して需要量を配送する能力を有していることが確認された。

(2) ハリプール新発電所

2015 年時点において、導管網モデル上のハリプール新発電所(N72)へのガスの 供給状況は、60 MMCFD の需要に対して 967 psi と十分な圧力で供給できることが 確認された。

2020 年、2025 年、2030 年時点では、上記(1)ベラマラ新発電所で記載したように ほとんどのガス田の圧力を一定とし、ガス供給が想定とは無関係に流入してくる という条件において、ハリプール新発電所への導管網は充分な圧力を維持して需 要量を配送する能力を有することが確認された。

(3) カフコ肥料工場

導管網モデル上のカフコ肥料工場(N41)は、ガス田からのガス供給(Semtang ガ ス田および Sangu ガス田)のノードであると同時に、需要家として発電所(4 カ 所)および肥料工場(2 カ所)を同時に扱うノードとしている。このようにガス の供給と需要を同時に扱うノードにおいては、需給バランスにおいて需要が多け ればガスの消費ノード、供給がおおければガスの流入ノードとして取り扱い、N41 においては 2015 年、2020 年、2025 年及び 2030 年の各年度において需要量が多い ためにガスの消費ノードとして取り扱っている。なお一つのノードに需要家が複 数ある場合、単一の需要家として扱わなければ計算できないため、この場合も発 電所と肥料工場を一つにまとめたガスの消費家として取り扱っている。

以上の前提において、2015 年時点において導管網モデル上のカフコ肥料工場を含 むノード(N41)へのガス供給状況は、需要量 60 MMCFD を 1351 psi で供給可能で あることが確認された。

2020 年、2025 年、2030 年時点では、上記(1)、(2)と同様の条件において導管 網は N41 へ充分な圧力でガスを供給できる能力を有していることが確認された。

しかし、実際の需給バランスは図 3.1.12 に示すように、「バ」国政府の今後の政 策・方針等による抑制効果を考慮しても潜在需要は 2030 年に 5829 MMCFD まで伸 び、一方、埋蔵・生産量情報に基づく供給量は 2019 年以降漸減して 2030 年には 1812MMCFD まで低減する状況が予測されている。

こうした状況下で、北東部の既存ガス田、開発が予定されるオフショアガス田や LNG 受入基地からも遠隔に位置するベラマラ新発電所に対して、その需要に見合 う供給を可能にするには JICA, WB, ADB 他の既存報告書等でも繰り返し提案され ている下表に示す対策を「バ」国政府が計画的に実施するより他に策はないと考え る。(ハリプール新発電所およびカフコ肥料工場についても同様)

以下の対策は、その実施にあたり、国民の同意と協力、資金、継続的な活動を必 要とするが、その出発点であるガス価格適正化に対する国民の同意が容易に得ら れないこと、またペトロバングラを中心とする既存体制の改革が遅々として進ん でいないため、それらの対策を実施するための種々の計画(プロジェクト)がこ れまで不首尾に終わり現在に至っている。

ガス供給源から遠隔地にある個別発電所(ベラマラ新発電所)へのガスの優先供 給のためには次に挙げるような政策・施策が実施される必要がある。もし「バ」国 政府が実施しなければ優先供給は困難となるリスクがある。

課題への対策 実績(今後の動向)

① 需要抑制

1) ガス価格適正化

2) 代替エネルギーの開発・供給

(石炭、石油、再生可能エネルギー)

3) 従量制導入(特に工場、家庭)

4) 省エネ、エネルギー保全に対する教育と 民意の向上

②’供給制限

1) 既存顧客に対する計画供給(時間/地域)

2) 既存顧客に対する計画供給(量/地域)

3) 新規顧客に対する接続契約の制限

これまで十分な対策が取 られてきたとは言えない。

SCADA を駆使した効率的な 供給制限

③ 供給増加

1) 探鉱、試掘による P3 →P1, P2

2) 既存ガス田の生産能力増強 3) 新規ガス田の開発

4) LNG 輸入 5) 天然ガス輸入

教育・訓練による能力向上 開発資金の付与

海外の資本・技術の導入