6. 耐震重要度ⅠA,Ⅰ配管系の一次耐震診断定量評価
6.3. フランジ継手の一次耐震診断
6.3.2. 地盤変状に起因する相対変位に対するフランジ継手の一次耐震診断
(1) フランジ継手の地盤変状に関する地震影響比
フランジ継手の地盤変状に関する地震影響比は、Pgeq/σaとする。
ここで、Pgeqは、フランジ継手に作用する曲げモーメント Mgに応じて定まる全相当圧力 σaは、許容ガスケット面圧
(2) フランジ継手に作用する曲げモーメント Mg
フランジ継手に作用する曲げモーメント Mg (N・mm)は、次の算式で得られる値とする。
① 曲がり部間にフランジ部がある場合
90k R1
M EI
p g =
② ノズルから第1曲がり管の間にフランジ部がある場合
y ga
g
g M
M δ
= δ
ここで、δg :6.2.2(2)に規定する地盤変状によるサポート間の相対変位 δga :6.2.2(3)地盤変状に係わる変位吸収能力 (mm)
k p :曲がり管のたわみ係数(kp≧ke)
( ) ( )
[ ]
ey o g
p
k
S h S
h
k = 1 . 28 + 0 . 03 θ 90 / θ − 0 . 66 + 0 . 75
θ
g :曲がり管の変形角度(度)で、θ
g=sin−1(δg/Lb) δg及びLb :6.2.2に規定する値h :曲がり管のたわみ特性値
h = TR
1/ r
2k e :弾性変形時のたわみ係数で、次式より算出する。
ke 1.h65
=
R 1 :曲がり管の曲げ半径 r 2:曲がり管の平均半径 (mm) T :曲がり管の肉厚 (mm)
θ:曲がり管の曲げ角度 (度)
S o :管材料の指針降伏点で、215(N/mm2)とする。
EI :配管の曲げ剛性 (N・mm2) Z, M y,S y は、6.3.1に規定する値 (3) フランジ継手の全相当圧力
全相当圧力Peqは、次の算式で得られる値とする。
pgeq= m・p +α・pge
ここで、pge:フランジ継手に作用する曲げモーメントの等価ガスケット圧力で、平面座ガスケット
使用の場合、次の算式で得られる値。なお、軸方向引張力 Fのガスケット面圧に与え る影響は小さいのでここでは省略する。
3
16
e g
ge D
p M
= π
Mg :前項(2)により定まる曲げモーメント (N・mm)
m,α,D, De , N, bは、6.3.1に規定する値
(4) 許容ガスケット面圧
許容ガスケット面圧σa (N/mm2)は、は、6.3.1に規定する値の1.2倍の値
地盤変状による相対変位により発生する曲げモーメント (N・mm)の値Mgは、
(a) 曲がり部間にフランジ部がある場合、曲がり管の曲がり剛性に応じたモーメントが作用す るとして、
90k R1
M EI
p g =
ここで、
[ ( ) ( ) ]
ey o g
p
k
S h S
h
k = 1 . 28 + 0 . 03 θ 90 / α − 0 . 66 + 0 . 75
I : 管の断面2次モーメント(mm4) kp:曲がり管のたわみ係数(kp≧ke) α:曲がり管の角度(度)
θg:曲がり管の変形角度(度)で、θg = sin−1(δg/Lb) δg及びLbは、6.2.2で規定する値
ke:弾性変形時のたわみ係数で、次式より算出する。
ke 1.h65
=
h:曲がり管のたわみ特性値
Sy:管材料の設計温度における降伏点、または0.2%耐力 (N/mm2) Syo:管材料の指針降伏点で、215 (N/mm2)とする。
なお、90度曲がり管でスケジュール管の時、
I k
pR
の値は次の近似計算式を使ってもよい。
+
−
=
1.25 0.3ln 405 . 0
031 40 . 0
Sch
p
Sch D
R k I
ここで、Dは、配管の外径(mm)、Schは配管のスケジュール
ただし、δgの値は、δg=δbとしている。δbは当該曲がり管に係る変位吸収能力
(b) ノズルから第1曲がり管の間にフランジ部がある場合
フランジ部に作用する曲げモーメントMgは、変位吸収能力δgaに対しては、配管材の降 伏モーメントが作用すると仮定して、実相対変位δgの値に比例したモーメントとする。
y
ga g
g
M
M δ
= δ
ここで、
My:管の降伏モーメント (Nmm) My =ZSy
Sy:管材料の設計温度における降伏点、または0.2%耐力 (N/mm2) Z:管の断面係数、 Z=πr2t (mm3)
r:管平均半径 (mm) t:管厚み (mm)