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地盤変状変位に係る配管スパンの一次耐震診断

6. 耐震重要度ⅠA,Ⅰ配管系の一次耐震診断定量評価

6.2. 変位吸収能力に対する一次耐震診断

6.2.2. 地盤変状変位に係る配管スパンの一次耐震診断

地震の影響要因のうち4.2.3に規定する「地盤変状に起因する相対変位」に関する診断指針である。

(1) 地盤変状に関する地震影響比

地盤変状に関する地震影響比は、δg /δgaとする。

ここで、δg は、配管スパン両端の地盤変状による相対的移動量、

δgaは、変位吸収能力δga

(2) 地盤変状によるサポート間の相対変位

地盤変状による配管支持点間の相対変位量 δ g (mm)は、5.4による。

(3) 地盤変状に係る変位吸収能力

地盤変状に係る変位吸収能力 δga は、下式の算式により得られる値とする。

δ

ga

δ

yj

+ δ

b または

δ

La いずれか大なる方の値 ここで、

δ yj :変位吸収能力 (mm)で、6.2.1(3)で規定する値 δ Lj :変位吸収能力 (mm)で、次の算式により得られる値

δ

La

= f

Lj

・ L

j

fLj :許容傾斜であつて、、次の算式により得られる値

y j

Lj D

f =1.67L ε

εy、Lj及びD:6.2.1(3)と同じ

δ b :曲がり管に係る変位吸収能力 (mm)で 、次の算式により得られる値

δ

b

= L

b

f

b

Lb :地震方向に直交する平面に対する曲がり管で挟まれた分の配管スパンの有効投影長さと する。

fb :曲がり管に係る許容傾斜で、次の算式により得られる値

16 .

035

0

.

0 D

f

b

=

D:6.2.1(3)と同じ

地盤変位に対する変位吸収能力は簡易判定法によることができる。

(1) 簡易判定法は、地盤変状による影響が支持を介して配管が受ける場合の、配管系の耐震性 能を簡易に評価するものである。

(2) 簡易判定法は、①配管の地盤変状吸収能力、②フランジ部の耐震性能評価、③ノズル耐震 性能評価、④伸縮継手の耐震性能評価及び⑤サポートによって構成している。これは、耐 震告示(KHK指針)の評価方法を簡略化している。

(3) 耐震告示の第17条「配管の支持方法」(重要度Ⅱ、Ⅲのレベル1耐震性能評価に用いる評 価方法 ) を基にして、重要度Ⅰa、Ⅰの配管系のレベル2耐震性能評価における標準的応 答解析手法である等価線形解析法、すなわち曲がり部の塑性変形吸収能力を考慮して提案 された簡易評価法である。

当該一次耐震診断に拘わらず、耐震告示に基づく等価線形解析法による評価を行うことにより耐震 性能を有していることを確認(二次耐震診断)することができる。

変位吸収能力の評価の手順は、(図 6-2)による。

図 6-2 地盤変状に係る変位吸収能力の評価手順

Ljは、地震方向に直交する平面に対する配管スパンの有効投影長さで、レベル1簡易耐震性能評価 における変位吸収能力に準じて、(図 6 3)を参考にして定める。

XZ 投影平面 YZ 投影平面

XY 投影平面

F C

:支持点(X) :曲がり点 X 軸方向配管スパンの

投影長

D

E

A

LBC

LDE

LAB

B

X 軸方向の地盤変状量:δx 有効スパン長:Lj

Lj=LAB+LBC+LDE+LFG 投影スパンとして考慮さ れない配管長

δx G

図 6-3 直管に係る配管投影長

Lbは、地震方向に直交する平面に対する曲がり管で囲まれた部分の配管スパンの有効投影長さで、

(図 6 4)を参考にして定める。

XZ 投影平面 YZ 投影平面

XY 投影平面

G

C

:支持点(X) :曲がり点 X 軸方向配管スパンの

投影長

D

E

A

LBC

B

X 軸方向の地盤変状量:δx 有効スパン長:Lb

Lb= LBC+LDE δx

LDE

投影スパンとして考慮さ れない配管長

F

図 6-4 曲がり管に係る配管投影長

表 6-6 投影長スパンの取り方

投影長スパンの例 水平X方向 (δx)

水平Z方向 (δz)

鉛直Y方向 (δy)

Ly1

Lz1

有効投影スパン長 Lj= Ly1+Lz1 Lb= 0.

有 効 投 影 ス パ ン 長

Lj= Ly1 Lb= 0

有効投影スパン長 Lj= Lz1

Lb= 0

Lz2

Lz1

Lx1

Ly1

Lx2

有効投影スパン長 Lj= Ly1+Lz1+Lz2 Lb= Lz1+Lz2

有 効 投 影 ス パ ン 長

Lj=

Ly1+Lx1+Lx2 Lb= Lx1

有効投影スパン長 Lj=Lx1+Lx2+Lz1+Lz2 Lb= Lz1

Ly1

Lx1

Lx2

Lz2 Lz1

Lx3

有効投影スパン長 Lj= Ly1+Lz1+Lz2 Lb= Lz1+Lz2

有 効 投 影 ス パ ン 長

Lj=

Ly1+Lx1+Lx2+L x3

Lb= Lx1+Lx2

有効投影スパン長 Lj=

Lx1+Lx2+Lx3+Lz1+Lz2 Lb= Lx1+Lx2+Lz1+Lz2

:曲がり管

X Z

Y

δx δz

δy

X Z

Y

X Z

Y

地盤変状の方向 例1

例2

例3