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地球楕円体における 2 点間直線距離の導出

地球を半径

R = 6378.137 km (

赤道半径

)

の真球と仮定した場合、地点

A (

経度

x 1 ,

緯度

y 1 )

28

と地点

B (

経度

x 2 ,

緯度

x 2 )

の距離

d

は以下の式にて導出される。

     

 sin 1 sin 2 cos 1 cos 2 cos 2 1

arccos y y y y x x

R

d       (6)

しかし、実際の地球は赤道半径

>

極半径の楕円体に近く、本研究のように世界規模の立 地モデルを検討する場合には、真球として扱うと誤差が大きくなる。その為、研究者は国土 地理院のデータを基にして下の表

3-1

を作成した

[22]

。表

3-1

に示す各種地球楕円体モデル が一般に用いられている

(

他にも複数のモデルが存在するが、ここでは割愛する

)

。正確な 地点間距離の検討を行う為には、緯度経度情報を取り扱う際、どのモデルにおける値である か確認することが重要である。国または地域にもよるが、現在では一般に、

GPS

や海上での

測量では

WGS84

、陸上での測量には

GRS80

を用いることが多い

[22]

。尚、表中備考に記し

た通り

WGS84

GRS80

の差はわずかであり、同じものと扱っても差し支えはない。地球

楕円体における

2

地点間の直線距離導出の公式は複数あるが、今回はヒュベニの公式と呼 ばれるガウスの平均緯度式の改良式を用いた。本公式の厳密式は以下の数式にて表される

[23] [24]

。また、長半径と短半径は表

3-1

の値を用いた。

3-1

代表的地球楕円体モデルとその長半径・短半径

測地系 発表年 長半径

R x (m)

短半径

R y (m)

備考

Bessel 1814

6,377,397.155 6,356,079 2002

年の測量法改正まで日本

で用いられていたモデル。日本 測地系。

GRS80 1980

6,378,137.000 6,356,752.314140

最も一般的に用いられている

モデル。世界測地系

(

現在は日

本も

GRS80

を使用

)

WGS84 1984

6,378,137.000 6,356,752.314245 GPS

及び海上での測量に用い

られているモデル。

GRS80

と比 べ短半径が

105  m

長い。

29

しかし、計算量が膨大となる為、リアルタイムに処理を行う必要がある地図ソフトウェア などでは上記公式を簡略化した下記の式を用いている場合がある。この式はヒュベニの公式 の厳密式の第

1

項目のみを使用した数式に相当する

(

(21))

2

地点間の距離

D      M   2   lN  cos   2 (21)

3.3.2 2

地点間直線距離の導出方法による誤差

上述のように、緯度経度情報を取り扱う際には地球の形状をどのような測地系

(

モデル

)

 

 

 

 

 

 

 

2 4 6

7

7

5 2 4 5 2

3 4 3 2

6

5 2 2 4 5 2

3 2 4 4 2 4 4 2 2 2 3 2

4 6 2 4 2 2 2 4 2

3 3 2

2 6 2 4 2 2 2 6 4 2

6 528 1935360 816

cos

2652 1680

1935360 192 cos

2954 1935360 416

cos 1935360 62

cos

27 3 5760 24

cos

180 90

158 158

70 5760 16

cos

675 642

54 27 10 5760 7

cos 24 cos

27 18

9 24 1

cos cos sin

l t t N t

l t N t

l N t

N l

l t t N t

l t

t t

t N t

l t

t N t

l N t

l t

t N t

l N

s

 

 

 

 

 

 

 

 

2 2 2 2 2 1

1 2

1 2

' 1 2

2 2

2

e e e

f f e l

 

 

第 二 離 心 率 の

第 一 離 心 率 の 平 均 緯 度 経 度 差 緯 度 差

 

    

2 2

1 1

2 2

, : ) ( , B

, : ) ( ,

A 298 . 257222101

) 1 80 (

) ( :

) ( :

cos sin

D 2

ラ ジ ア ン 経 度 の 緯 度 地 点

ラ ジ ア ン 経 度 の 緯 度 地 点 扁 平 率

極 半 径 短 半 径

赤 道 半 径 長 半 径 地 点 間 の 距 離

 

Rx Ry f Rx GRS Ry Rx

s s

 

 tan

cos '

sin 1

1

2 2 2

2 2

3 2

 

t e

e W

W e M Rx

W N Rx

子 午 線 曲 率 半 径 卯 酉 線 曲 率 半 径

(8)

(10) (11) (12) (13)

(14) (15) (16) (17) (9)

(18)

(19)

(20)

 

 

 

 

 

 

 

 

2 4 66

6

4 3 4 4 2

2 5 2 2

4 4 4 2 4 2 2 2 4 4 2

2 3 4 4 2 4 4 2 2 2 4 2 2 2

2 6 2 4 2 2 2 4 2

2 6 2 4 2 2 2 2 2

3 6 2 4 2 2 2 6 4 2

10 8 6 4 2

42 1148 224 1935360 64

cos

4200 784 1935360 256

cos

2016 1935360 192

cos

15 15 96 8 15 20 5760 8

cos

630 90

48 102 4 4 60 5760 16

cos

135 1062

36 207 5760 36

3 3 3 3 24 2

cos

54 21 3 9 6 24 3

1 cos

l t t N t

l t N t

l N t

l t t t t

N t

l t

t t t N t

l t t

N t

l t t t N t

t t N t

N s

 

 

 

 

 

 

  

30

として取り扱っているかを考慮する必要がある。これは地球上のある地点における緯度と 経度が、地球の形状を仮定した後にはじめて定まる為である。地球楕円体のモデルと地球を 真球として扱った場合のモデルについて、各緯度経度の地点においてそれぞれ

0.01

°あた りの距離を求めると、図

3-1

及び図

3-2

のようになる。

尚、各地球楕円体モデルにおける距離の計算には、前述のヒュベニの公式を用いた。計算 結果より、地球を真球として扱った場合と各種地球楕円体モデルとして扱った場合では、

2

地点間の直線距離に差が生じる。また、

Bessel

測地系と

GRS80/WGS84

測地系においても、

特に緯度方向で、わずかではあるが差が生じることが分かる。

ここで、各地球楕円体モデルにおける真球モデルとの緯度経度それぞれ

0.01°

あたりの距 離の差を求めると、図

3-3

及び図

3-4

のようになる。計算結果より、

GRS80

測地系と真球 モデルでは、緯度方向は

0.01° (

1.1 km)

あたり、赤道付近において約

7.5 m

、極付近にお

いて

3.7 m

の差が生じる。対して、経度方向では±

55°

付近において

0.01° (

0.6 km)

あた

り約

1.5 m

の差が生じることが分かる。その為、本研究のように世界規模の立地モデルを扱

う場合、

2

地点間の距離を真球モデルで導出すると誤差が非常に大きくなる。

尚、前述のヒュベニの公式における厳密式と簡略式における緯度経度それぞれ

0.01°

あた

りの差を

GRS80

測地系にて求めると、図

3-5

及び図

3-6

のようになる。緯度方向は最大で

も赤道付近で

0.01° (

1.1 km)

あたり

50 mm

の誤差、経度方向は最大でも緯度±

55°

付近で

0.01° (

0.6 km)

あたり

0.55  m

の誤差しか生じないことから、ヒュベニの公式の厳密式と

簡略式における誤差は、本研究においては十分無視できることが分かる。

3-1

各測地系における緯度

0.01°

あたりの距離

3-2

各測地系における経度

0.01°

あたりの距離

-90 -60 -30 0 30 60 90

1.104 1.106 1.108 1.110 1.112 1.114 1.116 1.118

Sphere Bessel

緯度0.01°あたりの距離 [km]

緯度 [deg.]

真球 GRS80 WGS84 Bessel GRS80 & WGS84

-90 -60 -30 0 30 60 90

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

経度0.01°あたりの距離 [km]

緯度 [deg.]

真球 GRS80 WGS84 Bessel

Sphere, GRS80,

WGS84, Bessel

31

3-3

各地球楕円体における真球モデルと

の緯度

0.01°

あたりの距離の差

3-4

各地球楕円体における真球モデルと

の経度

0.01°

あたりの距離の差

3-5

ヒュベニの公式の厳密式と簡略式に

おける緯度

0.01°

あたりの距離の差

3-6

ヒュベニの公式の厳密式と簡略式に

おける経度

0.01°

あたりの距離の差

本章のまとめ

以上の検討結果を踏まえ、本研究では

2

地点間の距離を

GRS80

測地系におけるヒュベニ の公式を用いて導出を行い、重力モデルによる最適立地シミュレーションを実施する。また、

計算環境は

CPU: Intel Core i5-3320M (2.6 GHz

2

コア、

4

スレッド

)

、メインメモリ

: DDR3

PC3-12800 16GB

OS: Microsoft Windows 7 Professional SP1

とし、シミュレーション計算プ

ログラムは、

Microsoft Visual Studio 2012 Update 5 (Visual C++ /OpenMP)

にて最適ハブ立地 の検討、及びそのハブネットワーク構築を行った。

-90 -60 -30 0 30 60 90

-5 0 5 10

緯度0.01°あたりの距離の差 [m]

緯度 [deg.]

真球-GRS80 真球-WGS84 真球-Bessel

GRS80 & WGS84 Bessel

-90 -60 -30 0 30 60 90

-1.5 -1.0 -0.5 0.0

経度0.01°あたりの距離の差 [m]

緯度 [deg.]

真球-GRS80 真球-WGS84 真球-Bessel

GRS80 & WGS84 Bessel

-90 -60 -30 0 30 60 90

-60 -40 -20

0 GRS80

緯度0.01°あたりの距離の差 [mm]

緯度 [deg.]

簡略式-厳密式

-90 -60 -30 0 30 60 90

0.0 0.2 0.4 0.6

経度0.01°あたりの距離の差 [

 m]

緯度 [deg.]

簡略式-厳密式

GRS80

32

拡大東アジア経済圏における最適ハブネットワークの提案

本章の目的

1980

年以降、世界全体の直接投資はアメリカまたは

EU

加盟国などの先進国から新興国 への直投資が増加することが目立つ。結果として、東アジア国の

GDP (

特に中国やタイなど で工業付加価値の対

GDP

)

が高くなり、東アジアの経済が進化しつつある。東アジアの 経済発展などにより、海上貿易貨物が増加しているという理由で大型コンテナ船を受け入 れる為、港湾施設を増強する働きも活発になっている。大型コンテナ船

(8000 TEU

を超え る船

)

2004

年に世界全体で

0.8%

だったが、

2013

年には

9.2%

に上昇した

[25]

。さらに、

2013

年における港湾コンテナ輸送取扱及び貨物取扱量の世界ランキングでは、東アジアが 世界の上位

10

港のうち両方とも

9

港を占めることになった

[13]

。これにより、国際輸送物量 は東アジアが中心となっていることが明らかとなった。経済は東アジアの時代であり、成熟 経済ゾーンである

EU

経済圏や北米経済圏から東アジアをコアーに流入流出しているのが 実態である。言い換えれば、グローバルハブネットワークの生成を検討する場合には、経済 と同様に東アジアを軸として考える必要がある。従って、本研究ではアジアを軸にグローバ ルネットワークの研究を進めている。

本論文は拡大東アジア経済圏、

EU

経済圏及び北米経済圏をグローバル経済圏として、グ ローバル最適立地問題についてハブ立地及び階層構造型最適グローバルハブネットワーク システムの構築を検討し、提案することを目的としている。そこで、本章では拡大東アジア 経済圏におけるグローバルハブ、コンチネンタルハブまたはエリアハブなどとして最適ハ ブ立地、並びにそのハブのネットワークの検討を行う。さらに、拡大東アジア圏のグローバ ルハブまたはコンチネンタルハブのその層下である最適ナショナルハブを提案する為に中 国、日本並びにインドネシアの国内最適ハブを検討する。尚、拡大東アジア圏については、

経済圏を主とした概念であるパンパシフィック的視点からオーストラリアとニュージーラ ンドを加え、拡大東アジア圏とした。

最適立地問題の解法は多く存在しているが

(

例えば、

Genetic Algorithm (GA)

、タブサーチ

(Tabu Search)

、シミュレーテッドアニーリング

(Simulated Annealing)

、局所探索法

(Local

Search)

、蟻コロニー最適化

(Ant Colony Optimization)

など

)

、第

3

章で述べたように今回の

研究は重力モデルを採用し、人口と距離の総和を最適立地シミュレーションの基本数値と し、この基本数値が最小となる立地を計算することによって最適ハブ立地を選定する。

拡大東アジア経済圏における最適ハブネットワークの検討と考察

先述のように、最適立地シミュレーション

(

重力モデル

)

の基本数値が最小となることを 前提条件として、拡大東アジア圏における最適ハブ立地を検討する。この重力モデルに使用 するパラメータとしては、輸送貨物量及び距離データが必要であるが、輸送貨物量データの 予測が極めて難しいという理由から人口をパラメータとした。本研究は人口以外にも

GDP

33

GNI (Gross National Income) per Capita

あるいは首都

/

都市の総生産額なども考えるが、将来、

所得水準が平準化すれば総生産などは人口に比例する為あえて人口をパラメータとした。

本研究の前提条件により、拡大東アジア圏における人口データの収集を第一に行い、次い で国家の州都あるいは都市または県都を代表地点として選定する。次は選定された代表地 点に人口割り付けをすると共に都市間の距離を直線近似し、その距離を推定してから人口 と距離を積算するマトリックス表を作成し、最適ハブ立地

1

ヶ所から

5

ヶ所までを検討す る為に最適シミュレーションを行う。