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カナダにおける最適ハブネットワークの考察

カナダ国内の最適立地を見ると、太平洋側でバンクーバーのあるブリティッシュコロン ビア州、中部ではアメリカと隣接するトロント、大西洋側ではケベック州、それに中部のア ルバータ州と

4

ヶ所で均衡を保っている

(

6-34

及び図

6-35)

。従って、カナダにおける ハブ立地はトロントを中心として太平洋側のバンクーバー、大西洋側にケベック、そして中 部にマニトバとアルバータ州の

5

ヶ所を軸にするが、地理的にはブリティッシュコロンビ ア、アルバータ、オンタリオ、及びケベックの

4

州で十分であるものと推察する。尚、産業 界の場合には業種によって異なるが、生産、消費、地理的諸条件からすると最適立地は

2

か ら

3

ヶ所の範囲が妥当であるものと考える。

最終的には表

6-16

により、バンクーバー港湾は北米港湾取扱貨物量及びコンテナ量両方 のランキングに入っているという理由で、バンクーバーをカナダのナショナルハブ

(

または エリアハブ

) 1

ヶ所とする。または地区的バランスを配慮すると、ケベック、トロント及び エドモンドの

3

地域をリージョナルハブとする。

6-35

カナダ最適立地

1

ヶ所~

5

ヶ所までのまとめ図

北米経済圏における階層構造型最適ハブネットワークの考察と提案

北米経済圏のハブは、アメリカ中心で基本的に東部、西部、中部、中南部及び南部に最適 立地が存在している

(

6-11)

。一方、カナダの

13

州はバンクーバーのあるブリティッシュ コロンビア州などはサクラメントに、ケベック州などはオルバニー

(

ニューヨーク州

)

のネ ットワークの傘下に属している

(

6-14)

。北米の立地は特殊で、グローバル

SCM

ネット ワークからすると、大西洋側と太平洋側の両サイドにハブ港湾を設置しなければならない。

しかし、既に指摘したように、港湾取扱量からするとメキシコ湾沿岸の南西部を無視できな い。基本的にはアメリカ

3

ヶ所

(

カリフォルニア州、ニューヨーク州及びテキサス州

)

を北 米経済圏におけるグローバルとコンチネンタルを兼ねるハブとする。国内ハブ

(

ナショナル

Note

星マーク:最適立地回数

:最適立地1ヶ所

:最適立地2ヶ所

:最適立地3ヶ所

:最適立地4ヶ所

:最適立地5ヶ所

ウィニペグ、

マニトバ州

トロント、

オンタリオ州

ケベック市、

ケベック州 ビクトリア、ブリティッ

シュコロンビア州

エドモントン、

アルバータ州

163

ハブ

)

としてはカナダ

1

ヶ所とアメリカ

1

ヶ所で、前者はブリティッシュコロンビア州バン クーバー、後者はイリノイ州シカゴになる。カナダの場合は

1

ヶ所でバンクーバー、

2

ヶ所 がケベックを加えた形になる。北米経済圏のハブネットワークの階層構造の特徴は、アメリ カが主体となりカナダはアメリカの州レベルの位置付けにしかならないということである。

これは北米自体が

2

ヶ国に過ぎないからであり、人口、物量、

GDP

など全ての面でアメリ カの方がカナダを勝っていることに起因するものである。これは、北米圏の特徴を端的に示 している。結論としては、効率的且つ理論的な

SCM

ハブネットワークからすればアメリカ 中心型になるが、地域特性からして、カナダにナショナルハブを設置すべきであろう。

北米経済圏、アメリカ及びカナダの最適立地を比較してハブ立地を検証する

(

6-31)

6-31

により、カナダは北米経済圏の最適立地には入らなかったので、第一に北米とアメ

リカの最適立地の違いを検討する。これにより、北米は北部に位置するカナダに牽引されて いるのに対して、アメリカの場合はニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスを軸として最適立 地が決まっている。アイオワ、ミズリー、アーカンソー、ルイジアナと北からメキシコ湾目 がけて南下する州をさらに西部に移動するとロッキー山脈に突き当たる。人口密度、歴史、

文化、伝統などを配慮しても東部や西部に比べて見劣りがする。従って、国内ハブの対象に なってもコンチネンタルハブにはなり得ない。

FedEx

のハブが航空ハブとしてテネシー州メ ンフィスにあるのはナショナルハブの典型的な例である。また、グローバルハブ及びコンチ ネンタルハブは港湾主体のモーダルネットワークで決定される為、内陸部の最適立地が国 内ハブなり得てもグローバルとコンチネンタルハブにはなれない。

結論的にはカリフォルニア州、ニューヨーク州及びテキサス州を北米経済圏におけるグ ローバルハブとして提案する。さらに、その下層のハブはアメリカのイリノイ州、及びカナ ダのバンクーバー

2

ヶ所をナショナルハブとして提案する。

6-31

北米経済圏最適立地

1

ヶ所から

5

ヶ所までの結果一覧

立地数

1

ヶ所 インディアナ インディアナポリス イリノイ スプリングフィールド オンタリオ トロント

2

ヶ所 カリフォルニア サクラメント カリフォルニア サクラメント アルバータ エドモントン

オハイオ コロンバス ケンタッキー フランクフォート オンタリオ トロント

3

ヶ所 カリフォルニア サクラメント アーカンソー リトルロック アルバータ エドモントン

ニューヨーク オルバニー カリフォルニア サクラメント オンタリオ トロント テネシー ナッシュビル ペンシルベニア ハリスバーグ ケベック ケベック市

4

ヶ所 カリフォルニア サクラメント カリフォルニア サクラメント ブリティッシュコロンビア ビクトリア ケンタッキー フランクフォート ケンタッキー フランクフォート アルバータ エドモントン ニューヨーク オルバニー ニュージャージー トレントン オンタリオ トロント テキサス オースティン テキサス オースティン ケベック ケベック市

5

ヶ所 カリフォルニア サクラメント カリフォルニア サクラメント ブリティッシュコロンビア ビクトリア ジョージア アトランタ フロリダ タラハシー アルバータ エドモントン イリノイ スプリングフィールド イリノイ スプリングフィールド マニトバ ウィニペグ ニューヨーク オルバニー ニュージャージー トレントン オンタリオ トロント テキサス オースティン テキサス オースティン ケベック ケベック市

北米全体最適立地 アメリカ最適立地 カナダ最適立地

164

上記考察を前提に北米経済圏のグローバルハブとその所属州

(

ネットワーク傘下

)

を示 すと次のようになる。すなわち、

グローバルハブは

3

ヶ所でカリフォルニア州、ニューヨーク州、及びテキサス州である。

カリフォルニア州の所属州は

16

州と

2

準州、計

18

地域、総人口約

8,072

万人である。

ニュ―ヨーク州は

18

州、特別区

1

2

準州、計

20

地域、総人口約

9,347

万人である。

テキサス州は

26

州で、総人口約

16,630

万人である。

準州は全てカナダに属している。

カナダの州および準州はカリフォルニア州で

3

州と

2

準州、合計

5

州である。ニュ―

ヨーク州では

6

州と

1

準州、合計

7

州であり、そしてテキサス州で

1

州である。

尚、

3

ヶ所最適立地はテネシー州ナッシュビルであるが、メキシコ湾地域としてテキサス 州とした

(

6-12

及び図

6-9)

考察を含め、上記結果として北米のハブネットを提案する

(

6-36)

。具体的にはグロー バルハブを中心としてその下層にコンチネンタルハブ、エリアハブ及びナショナルハブを 配置した。カナダは前述しているように北米レベルではアメリカのハブネットワーク傘下 にあり、ブリティッシュコロンビア州

(

バンクーバー

)

のみをエリアとナショナルを兼ねて いるハブとした。同様に、北米の

3

グローバルハブはコンチネンタルハブをも兼ねている点 にも注意されたい。

6-36

北米経済圏最適

SCM

ハブネットワークシステム体系の提案

本章のまとめ

グローバル経済圏を前提としたグローバル最適立地問題に関する研究の一環としてその 下位構造に位置する北米経済圏における最適ハブ立地及び最適ハブネットワークシステム

北米階層型 ハブネットワーク

*最適ハブ立地:

カリフオルニア州 (16州・2準州)

*最適ハブ立地:

ニューヨーク州 (18州・1特別区・1準州)

*最適ハブ立地:

テキサス州 (26州) グローバルハブ:

ナショナルハブ:

最適立地:

アトランタ、

ジョージア州 最適立地:

スプリングフィールド、

イリノイ州

最適立地:

ケベック市、

ケベック州 最適立地:

トロント、

オンタリオ州

最適立地:

エドモンド、

アルバータ州

最適立地:

ウイニペグ、

マニトバ州 最適立地:

**ヴィクトリア、

ブリティッシュコロンビア州

2 3 4 5 3 4 5 4 5

5

5 1 2 3 4 5

5 3 4 5

2 3 4 5 4 5

最適立地:

インディアナポリス、

インディアナ州

最適立地:

コロンバス、

オハイオ州

最適立地:

ナッシュビル、

テネシー州

最適立地:

フランクフォート、

ケンタッキー州

1 2 3 4

:最適立地回数

1 ~ 5 : 最適立地数に選択される最適立地

* : グローバルハブ兼コンチネンタルハブ

** : エリアハブ兼ナショナルハブ (注)

165

を構築する為に北米のモード別貨物取扱量を分析し、明らかにした。特にグローバルハブネ ットの輸送の中核となる港湾を最適立地と関係付けて分析し、さらに太平洋沿岸、大西洋沿 岸並びにメキシコ湾沿岸の諸州と関係付けを行った。当該分析はハブ類型の決定要素の基 準として有効だからである。次いで、北米経済圏における

2

ヶ国のアメリカとカナダの州を 定義し、全て

64

(

アメリカ

51

州、カナダ

13

)

を対象として人口を整理した。アメリ カについてはアラスカ州とハワイ州が問題となったが、前者は北米ゾーンにカナダと共に 入る為も問題はなかった。しかし、後者は議論の対象となったが、最終的に大勢に影響はな いと判断し除外をしなかった。シミュレーションの結果に当たっては、北米の最適立地と最 適立地を推定し、その下層構造にあるアメリカとカナダの最適立地を算出した。最終的に両 者の最適立地を照合して検証し、北米経済圏の最適

SCM

ハブネットワークを構築すること ができた。つまり、グローバルハブ、コンチネンタルハブ、エリアハブ及びナショナルハブ の関係を検証し、グローバルハブとナショナルハブとの階層構造型ハブネットワークのプ ロトタイプモデルを提案することができた。

本章は、単にアメリカとカナダの最適ハブ立地を選定し、その上位ネットワークである北 米経済圏

SCM

ハブネットワークとの関係付けを検証するのみならず、三極経済圏のグロー バル

SCM

ネットワークシステム構築の一環として重要な役割を果たしているが、その基本 を達成することができたものと考える。または本研究で拡大東アジア、

EU

、及び北米の経 済圏に限定して検討した為、拡大東アジア経済圏のネットワークと

EU

経済圏のネットワー クとは階層構造型が明確となった。北米経済圏では人口的にも、地理的にもアメリカ中心で あり、結果としてアメリカ

1

ヶ国が中核となった。従って、北米経済圏については、現時点 で主権国家を尊重し、アメリカにグローバルハブ、カナダにナショナルハブと同意でエリア ハブを設定することにした。