- 175 -
第4部 第2章 地域医療構想の実現に向けた取組
- 176 - 1 目指すべき姿
急速な高齢化の進展に伴い医療・介護の需要の大幅な増加が見込まれる中、医療機能 の分化・連携と在宅医療等の充実を進め、発症から急性期、回復期、在宅医療等まで良 質かつ適切な医療が効率的に提供される体制を構築し、県民が住み慣れた地域で必要な 時に、必要なサービスの提供を受けられる体制を確保します。
2 現状と課題
(1) 医療機能の分化・連携と病床整備
限られた医療資源で増大する医療需要に対応するためには、各医療機関が担う医療 機能を明確にするとともに、病床機能に応じた患者を受け入れる体制を構築し、医療 機関相互の連携を図る、医療機能の分化・連携を進めることが重要です。
医療機能の分化・連携は、病床稼働率の向上に寄与することが見込まれることから、
結果として将来の必要病床数の減少にもつながります。
(2) 在宅医療等の体制整備
高齢化の進展のほか、病床機能の分化・連携の推進に伴い慢性期の入院患者の一部 が在宅医療等へ移行することにより、本県では、平成37年(2025年)に在宅医 療等の必要量が、平成25年(2013年)の約1.8倍になるなど、その需要が大 幅に増加することが見込まれています。
こうした中、在宅医療等は、高度急性期から回復期、慢性期へ移行した患者の退院 後の受け皿として、極めて重要な役割を担うことになります。
そのため、急変時の対応や看取りのための連携体制の構築など、在宅等での長期療 養を支援する多職種協働による包括的かつ継続的な医療提供体制の確保が急務となっ ています。
【図表4-2-1 病床機能の分化・連携による在宅医療等の新たなサービス必要量の推計 結果(患者住所地ベース)】
(人/日)
平成32年
(2020年)
平成35年
(2023年)
平成37年
(2025年)
療養病床からの転換分
(在宅医療等) 2,702 5,403 7,204 一般病床からの転換分
(外来) 1,632 3,264 4,352 (3) 医療従事者の確保
将来の医療需要を踏まえ、適切かつ持続的な医療提供体制を構築していくためには、
第4部 第2章 地域医療構想の実現に向けた取組
- 177 -
各医療機能に対応できる医療従事者を確保していく必要があります。
医師の都市部への集中などによる地域偏在や、産科、小児科、救急等を担当する医 師が少ないなどの診療科偏在への対応も課題となっています。
(4) 地域医療介護総合確保基金
医療と介護サービスの提供体制の改革を推進するため、消費税財源を活用した基金 を創設し、病床の機能分化・連携、在宅医療の充実、医療従事者の確保のために必要 な事業を実施しています。
基金を活用し、地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組などを支援することが 必要です。
3 課題への対応
(1) 医療機能の分化・連携を進め、高度急性期から回復期、在宅医療等まで切れ目のな い医療提供体制を整備します。
(2) 地域包括ケアシステムの構築に併せ、在宅医療連携拠点等の機能強化や、在宅医療 を担う医療従事者の確保・養成等、在宅医療体制の整備を進めます。
(3) 医療従事者の確保・養成を図るとともに、医師の地域偏在や診療科偏在の解消に取 り組み、県民が住み慣れた地域で必要な医療を受けられる体制づくりを進めます。
(4) 地域医療構想の実現に向けた取組については、地域医療介護総合確保基金を有効に 活用します。
【図表4-2-2 医療機能の分化・連携のイメージ】
高度急性期
発症直後に対応 特に高密度の医療
高度急性期・急性期病院
慢性期病院 回復期病院
医療機能の分化・連携のイメージ
連 携
発症
在 宅
急性期
発症後の早期安定 に向けた医療
回復期
急性期を経過した患者の 受け入れ、在宅・生活復 帰支援など
慢性期 療養病床 長期療養
一般病床
急性期・
回復期等
が混在 機能分化
第4部 第2章 地域医療構想の実現に向けた取組
- 178 - 4 主な取組
(1) 医療機能の分化・連携と病床整備
ア 急性期病床から地域包括ケア病床等回復期病床への転換促進 イ 地域医療構想調整会議での協議を通じた医療機能の分化・連携 ウ 病床機能報告制度を活用した医療機能情報の提供と共有
エ ICTを活用した地域医療連携ネットワークの整備支援(※)
(※)利根保健医療圏では、地域の病院や診療所、臨床検査施設などを安全なネットワ ークシステムで結び、患者の情報を共有するシステム(とねっと)を平成24年(2 012年)7月から運用しており、中核病院の専門医や診療所のかかりつけ医がこ れらの情報を診療に役立てている。
(2) 在宅医療等の体制整備
ア 地域において在宅療養を支援する連携体制の構築 イ 患者を支える多職種連携システムの確立
ウ 在宅医療連携拠点に対する広域的な支援と在宅医療・介護連携推進事業を実施す る市町村への支援
エ 人生の最終段階における医療提供体制の整備 オ 在宅医療を担う訪問看護師の確保・育成
カ 在宅歯科医療の推進を担う地域在宅歯科医療推進拠点の充実 キ 在宅医療を担う薬局の整備促進と薬剤師の育成
(3) 医療従事者の確保
ア 埼玉県総合医局機構による一元的な医師確保対策の推進 イ 医師の地域偏在・診療科偏在の解消
ウ 看護職員の養成、離職防止・定着促進、再就業支援 エ 看護職員の資質の向上
第4部 第2章 地域医療構想の実現に向けた取組
- 179 -
【図表4-2-3 ICTを利用した地域医療連携ネットワークの例】
健康記録 医療情報
検査・画像施設 調剤薬局
中核病院 介護施設
健康サポート
(見守り)
県全域に拡大
かかりつけ医
個人健康管理
(本人入力・自動も可)
救急・災害対応 急性期医療
慢性期医療 在宅医療介護
診療所
(医科・歯科)
利根保健医療 地域医療ネットワークシステム(とねっと)
- 180 -
- 181 -
第5部 医療費適正化計画
医療費適正化計画は、「住民の健康の保持の推進」と「医療の効率的な 提供の推進」に関する数値目標を設定し、これらの目標達成を通じて県民 の生活の維持・向上を図りながら、医療費の適正化を図ります。
- 182 -
- 183 -