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作製材料

ドキュメント内 圧電ゴムの圧電性能向上に関する研究 (ページ 35-39)

第 2 章 0-3 複合体圧電ゴム

2.2 圧電ゴムの原理

2.3.1 作製材料

圧電ゴムの作製には,ニトリルゴム(以下,NBRとする),クロロプレンゴム(以下,CR とする),フルオロシリコーンゴム(以下,FVMQとする)およびエチレンプロピレンゴム

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(以下,EPDMとする)の4種類のゴム材を用いた.用いた4種類のゴム材の物性を表1に 示す.

ゴム材の物性において,圧電セラミックス粒子を混合し,分極する際に重要となる物性は,

誘電率である.圧電ゴムを分極する際,混合する圧電セラミックス粒子に印加される電場は,

以下の式で示される[1].

𝐸𝑝= 3𝜀𝑚

𝜀𝑝+ 3𝜀𝑚𝐸 (1) ここで,Eは分極時に圧電ゴムに印加する電場の大きさ,Epは圧電セラミックス粒子に印 加される電場の大きさ,εpは圧電セラミックス粒子の誘電率,εmはゴム材の誘電率である.

式(1)より,ゴム材の誘電率が高い程,圧電セラミックス粒子に印加される電場は高くな るため,圧電セラミックス粒子の分極が容易となる.誘電率は,電場内に置かれた誘電体内 における電荷の偏りの程度を示すものであり,誘電率が高い程,電荷が偏り易い.表2-1の 構造式からわかるように,NBR,CRおよびFVMQは,構造内に極性の高い分子が含まれる ため,電荷が偏り易く,誘電率が高い.一方,EPDMは脂肪族であり,極性の高い分子が含 まれないため,電荷が偏り難く,誘電率が低い.誘電率を表す場合,一般的には,表1に示 すように,比誘電率が用いられる.比誘電率は,真空の誘電率(8.85410-12 F/m)に対する 物質の誘電率の比であり,以下の式で表される.

𝜀𝑟 = 𝜀 𝜀⁄ =0 𝐶𝑙

𝐴 𝜀⁄ (2) 0

ここで,𝜀𝑟は比誘電率,𝜀は誘電率,Cは静電容量,lは厚さ,Aは静電容量の測定時の電 極面積,𝜀0は真空の誘電率である.

Table 2-1 Rubber materials used as a matrix of piezoelectric rubber.

Rubber Density (g/cm3)

Relative Dielectric

Constant Structural Formula

NBR 1.05 14.0

CR 1.33 8.6

FVMQ 1.20 5.0

EPDM 0.93 2.5

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2.3.1.2 圧電セラミックス粒子

圧電ゴムのゴム材中に混合する圧電セラミックスの粒子には,PZTの粒子を用いた.用い たPZT粒子は,DPZ-LQ-S1(大日本塗料㈱製,以下,DPZと称する)およびZ-711(㈱セラ テックエンジニアリング製)の2種類である.2種類のPZT粒子の比誘電率や圧電性能は ほぼ同等であるが,粒子径が大きく異なる.2 種類の PZT 粒子の物性値を表 2-2 に示し,

DPZの体積粒度分布を図2-3,Z-711の体積粒度分布を図2-4に示す.粒度分布について,

圧電ゴムの場合は,粒子個数よりもゴム材中でのPZT 粒子の体積分率が影響するため,粒 子頻度を体積換算して,体積比として求めた結果を示している.

表2-2に示す物性値に関して,密度以外は,製造メーカより提供された値である.密度以 外の物性値の製造メーカにおける測定では,粒子の状態での測定が困難であるため,板状に 成形した後に測定されている.また,PZTのような強誘電体は,分極によって自発分極が生 じ,分極前よりも比誘電率が増加するため,表中の比誘電率は,分極後の誘電率である.密 度は,マイクロメリティクス乾式自動密度計アキュピック1340形(㈱島津製作所製)を用 いて測定した.

DPZの粒度分布は,DPZを水中に分散させた状態で,レーザ回折式粒度分布測定器

SALD-2200(㈱島津製作所製)を用いて測定した.一方,Z-711は,粒子径が大きいため,粒度分

布測定器を適用することができず,画像解析によって粒度分布を求めた.画像解析による粒 度分布の求め方は以下の通りである.

まず,6つのフルイ(目開き:300 μm,425 μm,500 μm,600 μm,850 μmおよび1000 μm)

を用いて,Z-711 を粒子径の異なる 6 段階の粒子(300 μm~425 μm,425 μm~500 μm,500 μm~600 μm,600 μm~850 μm,850 μm~1000 μmおよび1000 μm以上)に分級した.ここで,

300 μm以下の粒子は除外した.分級後のZ-711の粒子は,ディジタルマイクロスコープ

VH-8000(キーエンス㈱製)を用いて拡大観察し,外観を撮影した.拡大観察したZ-711の外観 例を図2-5に示す.撮影した観察結果の画像は,図2-6に示すように,白と黒で2値化し,

その画像を解析して分級後の粒度分布を求めた.その後,結果を合算して全体の粒度分布を 求めた.粒度分布の測定結果から得られた平均粒子径は,DPZが約1.0 μmであるのに対し てZ-711が約0.9 mmであり,約1000倍異なる.

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Table 2-2 Properties of PZT particles used in this study.

PZT Particle

Density

(g/cm3) ε*1 d33*2 (10-12pC/N)

g33*3 (10-3 V·m/N)

K33*4 (%)

Curie Point (°C)

DPZ 7.9 4240 660 17.5 74 212

Z-711 8.4 3700 610 18.6 74 210

*1) Relative Dielectric Constant, 2) Piezoelectric Strain Constant, 3) Piezoelectric Voltage Constant, 4) Electromechanical coupling Factor

Figure 2-3 Particle size distribution of DPZ

Figure 2-4 Particle size distribution of Z-711 0

2 4 6 8 10 12

0.2 0.4 0.6 1.0 1.7 3.0

Volume fanction(%)

Particle diameter(μm)

0 5 10 15

0.2 0.6 1.0 1.4 1.8

Volume fanction(%)

Particle diameter(mm)

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Figure 2-5 Photo of Z-711 particles after size classification.

Figure 2-6 Binarization images of Z-711 after classification.

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