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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.4 有効性の概括評価

2.5.4.1 国内で実施した試験

本剤の有効性の評価に用いた臨床試験の概略を表

2.5.4.1-1

に示した.

2.5.4.1-1

有効性の評価に用いた国内臨床試験

試験の 種類

CTD番号

(試験番号) 試験 デザイン

被験薬 投与方法・経路

(本剤の用量)

患者数 投与期間

評価時期 及び 評価項目 臨床

III 試験

5.3.5.2.1 (10038080)

オープン ラベル多 施設共同 試験

成人では4.5 gを,

小児では90 mg/kg

14回投与(30 分以上で点滴静 注)

成人:118

(Full analysis set(FAS) 109例,

Per protocol set(PPS) 94例,安全 性解析対象集団117例)

小児:12

(FAS 10例,PPS 8例,安全性 解析対象集団12例)

7日間

(最長14日間)

4日目(投与 72時間後)の 解熱効果.7 日目及び投与 終了時(又は 中止時)の解 熱効果・臨床 効果など

2.5.4.1.1 患者集団の特性

FN

患者における本剤の有効性評価は,本剤が投与された日本人の成人

118

例と小児

12

例のう ち,治験実施計画書に適合した解析対象集団(Per protocol set:PPS)の対象症例の成人

94

例と小 児

8

例の試験成績に基づき評価した.

FN

は,種々の病態において好中球数の減少が出現し,発熱を伴う疾患である.特に白血病や リンパ腫などの造血器腫瘍に対する治療時に起こりやすいことが知られている.本試験での造血 器腫瘍・固形腫瘍等の臨床診断名では,成人が白血病

58.5%(55/94

例)で最も多く,次いで悪性 リンパ腫

27.7%

(26/94例),多発性骨髄腫

5.3%(5/94

例),骨髄異形成症候群(MDS)3.2%(3/94 例),

MDS+myeloid sarcoma, Myeloid sarcoma,甲状腺癌,前立腺癌及び中咽頭癌各 1.1%

(1/94例)

の順であった.小児では白血病が

50.0%(4/8

例)で最も多く,原始神経外胚葉性腫瘍,悪性脊椎 腫瘍,神経芽腫及び慢性活動性

Epstein-Barr

(EB)ウイルス感染症が各

12.5%

(1/8例)であった.

また,成人の投与開始前における好中球数は

100 /μL

未満の患者が

73.4%

(69/94例)で最も多く,

次いで

100 /μL

以上

500 /μL

未満が

17.0%

(16/94例),

500 /μL

以上

1000 /μL

未満が

5.3%

(5/94例)

の順であったが,小児では全例が

100 /μL

未満の患者であった.

2.5.4.1.2 治験デザイン

本剤は,外国では多くのエビデンスに基づいて

FN

の適応が承認されており,主要な

FN

診療 ガイドラインでは本剤が

FN

に対する標準的な治療薬として位置付けられている.また,本剤の 薬物動態が日本人と外国人とで大きく変わらないことから,外国での用法及び用量を日本人の

FN

患者に適用すれば,外国でのエビデンスと同様の有効性が期待できると考えた.したがって,本 剤の有効性が外国の臨床効果と大きく異ならないことを確認する目的で,日本人の

FN

患者を対 象としたオープンラベル試験を計画した.

本剤の用法及び用量は,本剤の外国添付文書及び

IDSA

5)

NCCN

14)による癌関連感染症の予防 と治療に関するガイドライン(Prevention and treatment of cancer related infections)等により,FN においては一般感染症に対する最大用量と同量又はそれを上回る用量が設定されており,1日最 大投与量は,成人では

4.5 g

4

回投与,小児では

90 mg/kg

4

回投与となっている.また,外 国における小児

FN

患者に対する本剤の評価論文(第

5.3.5.1.6

項及び第

5.3.5.1.7

項)では,

90 mg/kg

1

4

回投与で評価されている.

以上のことから,本試験における用法及び用量は,外国で承認されている最大用量と同様に成 人の用量を

4.5 g

1

4

回投与,小児では

90 mg/kg(1

回投与量の上限は成人の

4.5 g

を超えな いこと)を

1

4

回投与として設定し,試験を実施した.

2.5.4.1.3 有効性の要約(成人)

2.5.4.1.3.1 投与 4 日目の解熱効果(主要評価項目)

投与

4

日目における解熱効果の有効率[95%信頼区間,以下同様]は,

50.0%

(47/94例)[39.5%,

60.5%]であった(表 2.5.4.1.3.1-1)

.また,評価時点における好中球数別での解熱効果の有効率は,

好中球数

100 /μL

未満で

37.5%

(18/48例)[24.0%,

52.6%]

100 /μL

以上

500 /μL

未満で

62.5%

(10/16 例)[35.4%,84.8%],500 /μL以上

1000 /μL

未満で

1/2

例[1.3%,98.7%],1000 /μL以上で

76.2%

(16/21例)[52.8%,91.8%]であり,白血球分画不明では

28.6%(2/7

例)[3.7%,71.0%]であ った.

2.5.4.1.3.1-1

投与

4

日目の解熱効果(成人,評価時点の好中球数別):PPS

好中球数区分(/μL) 対象症例数 有効(%) 無効(%) 有効率*1 (%) 有効率の95%信頼区間

全体 94 47(50.0) 47(50.0) 47(50.0) [39.5,60.5]

100未満 48 18(37.5) 30(62.5) 18(37.5) [24.0,52.6]

100以上500未満 16 10(62.5) 6(37.5) 10(62.5) [35.4,84.8]

500以上1000未満 2 1(50.0) 1(50.0) 1(50.0) [1.3,98.7]

1000以上 21 16(76.2) 5(23.8) 16(76.2) [52.8,91.8]

白血球分画不明 7 2*2 (28.6) 5*3 (71.4) 2(28.6) [3.7,71.0]

*1:有効率=有効と判定された被験者数/PPS症例数×100

*2:白血球数:170 /μL及び300 /μL

*3:白血球数:150 /μL,200 /μL,300 /μL,400 /μL及び未測定

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-12

2.5.4.1.3.1.1 原因菌別の投与 4 日目の解熱効果

原因菌が検出された患者での解熱効果の有効率は,

30.8%

(4/13例)であった(表

2.5.4.1.3.1.1-1)

. 解熱効果が「有効」であった

4

例の原因菌の内訳は,単独菌感染例の

3

例でS. aureus,B. cereus 及びK. pneumoniae(各

1

例),複数菌感染例の

1

例でCorynebacterium sp.及びE. coliであった.ま

た,

β-lactamase

産生菌検出例での投与

4

日目の解熱効果の有効例数は

2/4

例であった.投与

4

目の解熱効果が「有効」であった患者

2

例は共に単独菌感染例であり,原因菌はS. aureus及びK.

pneumoniae(各

1

例)であった.

2.5.4.1.3.1.1-1

原因菌別の投与

4

日目の解熱効果(成人):PPS

原因菌 対象症例数*1 有効 無効 有効率*2(%) 単独菌

グラム(+)好気性菌

S. aureus 1 1*5 0 100

S. epidermidis 1 0 1 0

S. mitis 4 0 4 0

B. cereus 2 1 1 50.0

グラム(-)好気性菌

E. coli 1 0 1*5 0

K. pneumoniae 1 1*5 0 100

K. oxytoca 1 0 1 0

複数菌

2菌種 2 1*3 1*4,5 50.0

合計 13 4 9 30.8

*1:対象症例数は,解析対象集団の患者数から投与前に原因菌が検出されなかった患者を除いたものとした.

*2:有効率=有効と判定された患者/対象症例数(判定不能症例を除く)×100

*3:Corynebacterium sp.及びE. coli感染例

*4:S. aureus及びE. cloacae感染例

*5:β-lactamase産生菌検出例

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-13及び表14.2.1.10改変

2.5.4.1.3.2 副次評価項目

2.5.4.1.3.2.1 投与 7 日目の解熱効果

投与

7

日目における解熱効果の有効率[95%信頼区間,以下同様]は,

54.8%

(51/93例)[44.2%,

65.2%]であった(表 2.5.4.1.3.2.1-1)

.また,評価時点における好中球数別での解熱効果の有効率

は,好中球数

100 /μL

未満で

50.0%

(10/20例)[27.2%,

72.8%]

100 /μL

以上

500 /μL

未満で

81.3%

(13/16例)[54.4%,

96.0%]

500 /μL

以上

1000 /μL

未満で

3/5

例[14.7%,94.7%],

1000 /μL

以上 で

76.9%

(20/26例)[56.4%,

91.0%]であり,白血球分画不明では 19.2%

(5/26例)[6.6%,

39.4%]

であった.

2.5.4.1.3.2.1-1

投与

7

日目の解熱効果(成人,評価時点の好中球数別):PPS

好中球数区分(/μL) 対象症例数 有効(%) 無効(%) 判定不能 有効率*1 (%) 有効率の95%信頼区間

全体 93 51(54.8) 42(45.2) 0 51(54.8) [44.2,65.2]

100未満 20 10(50.0) 10(50.0) 0 10(50.0) [27.2,72.8]

100以上500未満 16 13(81.3) 3(18.8) 0 13(81.3) [54.4,96.0]

500以上1000未満 5 3(60.0) 2(40.0) 0 3(60.0) [14.7,94.7]

1000以上 26 20(76.9) 6(23.1) 0 20(76.9) [56.4,91.0]

白血球分画不明*2 26 5(19.2) 21(80.8) 0 5(19.2) [6.6,39.4]

*1:有効率=有効と判定された患者数/PPS症例数(判定不能症例を除く)×100

*2:白血球数は未測定

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-15

2.5.4.1.3.2.2 投与終了 / 中止時の解熱効果

投与終了/中止時における解熱効果の有効率は,

61.7%

(58/94例)[51.1%,

71.5%]であった(表

2.5.4.1.3.2.2-1)

.また,評価時点における好中球数別での解熱効果の有効率は,好中球数

100 /μL

未満で

34.4%

(11/32例)[18.6%,

53.2%]

100 /μL

以上

500 /μL

未満で

78.9%

(15/19例)[54.4%,

93.9%]

500 /μL

以上

1000 /μL

未満で

3/4

例[19.4%,99.4%],

1000 /μL

以上で

85.3%(29/34

例)

[68.9%,95.0%]であり,白血球分画不明では

0/5

例[0%,52.2%]であった.

2.5.4.1.3.2.2-1

投与終了/中止時の解熱効果(成人,評価時点の好中球数別):PPS

好中球数区分(/μL) 対象症例数 有効(%) 無効(%) 判定不能 有効率*1 (%) 有効率の95%信頼区間

全体 94 58(61.7) 36(38.3) 0 58(61.7) [51.1,71.5]

100未満 32 11(34.4) 21(65.6) 0 11(34.4) [18.6,53.2]

100以上500未満 19 15(78.9) 4(21.1) 0 15(78.9) [54.4,93.9]

500以上1000未満 4 3(75.0) 1(25.0) 0 3(75.0) [19.4,99.4]

1000以上 34 29(85.3) 5(14.7) 0 29(85.3) [68.9,95.0]

白血球分画不明 5 0(0) 5*2(100) 0 0(0) [0,52.2]

*1:有効率=有効と判定された患者数/PPS症例数(判定不能症例を除く)×100

*2:白血球数は150 /μL,200 /μL,300 /μL,400 /μL及び未測定(各1例)

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-18

2.5.4.1.3.2.3 投与 7 日目及び投与終了/中止時の臨床効果

投与

7

日目における臨床効果の著効率は

42.6%

(23/54例),有効率は

79.6%

(43/54例)[66.5%,

89.4%]であった(表 2.5.4.1.3.2.3-1).投与終了/中止時における臨床効果の著効率は 29.0%

(27/93 例),有効率は

59.1%(55/93

例)[48.5%,69.2%]であった.

2.5.4.1.3.2.3-1

投与

7

日目及び投与終了/中止時の臨床効果(成人,評価時点の好中球数

別):PPS

評価時期 好中球数区分(/μL) 対象 症例

著効(%) 有効(%) 無効(%) 判定

不能 著効率*1(%) 有効率*2(%) 有効率の 95%信頼区間

投与7日目

全体 54 23(42.6) 20(37.0) 11(20.4) 0 23(42.6) 43(79.6) [66.5,89.4]

100未満 14 5(35.7) 5(35.7) 4(28.6) 0 5(35.7) 10(71.4) [41.9,91.6]

100以上

500未満 14 8(57.1) 4(28.6) 2(14.3) 0 8(57.1) 12(85.7) [57.2,98.2]

500以上

1000未満 2 1(50.0) 0(0) 1(50.0) 0 1(50.0) 1(50.0) [1.3,98.7]

1000以上 24 9(37.5) 11(45.8) 4(16.7) 0 9(37.5) 20(83.3) [62.6,95.3]

白血球分画不明 0 - - - -

投与終了 /中止時

全体 94 27(28.7) 28(29.8) 38(40.4) 1 27(29.0) 55(59.1) [48.5,69.2]

100未満 32 5(15.6) 6(18.8) 20(62.5) 1 5(16.1) 11(35.5) [19.2,54.6]

100以上

500未満 19 9(47.4) 4(21.1) 6(31.6) 0 9(47.4) 13(68.4) [43.4,87.4]

500以上

1000未満 4 1(25.0) 1(25.0) 2(50.0) 0 1(25.0) 2(50.0) [6.8,93.2]

1000以上 35 12(34.3) 17(48.6) 6(17.1) 0 12(34.3) 29(82.9) [66.4,93.4]

白血球分画不明 4 0(0) 0(0) 4*3 (100) 0 0(0) 0(0) [0,60.2]

*1:著効率=著効と判定された患者数/PPS症例数(判定不能症例を除く)×100

*2:有効率=著効及び有効と判定された患者数/PPS症例数(判定不能症例を除く)×100

*3:白血球数は150 /μL,200 /μL,400 /μL及び未測定(各1例)

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-21

2.5.4.1.3.2.3.1 原因菌別の投与 7 日目及び投与終了/中止時の臨床効果

原因菌が検出され,かつ投与

7

日目の臨床効果が判定された

5

例の著効の割合は

1/5

例,有効 の割合は

2/5

例であった(表

2.5.4.1.3.2.3.1-1)

.臨床効果が「著効」であった

1

例は複数菌感染例

であり原因菌がCorynebacterium sp.及びE. coli,「有効」であった

1

例は単独菌感染例であり原因 菌がS. mitisであった.

また,原因菌が検出され,かつ投与終了/中止時の臨床効果が判定された

13

例の著効率は

7.7%

(1/13例),有効率は

30.8%(4/13

例)であった.臨床効果が「著効」であった

1

例は複数菌感染 例であり原因菌がCorynebacterium sp.及びE. coli,「有効」であった

3

例は共に単独菌感染例であ り原因菌がS. aureus,S. mitis及びB. cereus(各

1

例)であった.

2.5.4.1.3.2.3.1-1

原因菌別臨床効果(成人):PPS

原因菌

投与7日目 投与終了/中止時 対象症

例数*1 著効 有効 無効 判定 不能

著効 *2 (%)

有効 *3 (%)

対象症

例数*1 著効 有効 無効 判定 不能

著効 *2 (%)

有効 *3 (%) 単独菌

グラム(+)好気性菌

S. aureus 1 0 0 1*6 0 0 0 1 0 1*6 0 0 0 100

S. epidermidis 0 0 0 0 0 - - 1 0 0 1 0 0 0

S. mitis 1 0 1 0 0 0 100 4 0 1 3 0 0 25.0

B. cereus 0 0 0 0 0 - - 2 0 1 1 0 0 50.0

グラム(-)好気性菌

E. coli 0 0 0 0 0 - - 1 0 0 1*6 0 0 0

K. pneumoniae 1 0 0 1*6 0 0 0 1 0 0 1*6 0 0 0

K. oxytoca 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0

複数菌

2菌種 1 1*4 0 0 0 100 100 2 1*4 0 1*5,6 0 50.0 50.0

合計 5 1 1 3 0 20.0 40.0 13 1 3 9 0 7.7 30.8

*1:対象症例数は,解析対象集団の患者数から投与前に原因菌が検出されなかった患者を除いたものとした.

*2:著効率(%)=著効と判定された患者/対象症例数(判定不能症例を除く)×100

*3:有効率(%)=著効及び有効と判定された患者/対象症例数(判定不能症例を除く)×100

*4:Corynebacterium sp.及びE. coli感染例

*5:S. aureus及びE. cloacae感染例

*6:β-lactamase産生菌検出例

5.3.5.2.1項 10038080 CSR 11-22及び表14.2.1.28改変

2.5.4.1.3.2.4 投与 4 日目, 投与 7 日目及び投与終了 / 中止時の細菌学的効果 (有

効率及び菌消失率)

細菌学的効果評価対象例

13

例(単独菌感染例としてS. mitis感染が

4

例,B. cereus感染が

2

例,

S. aureus,S. epidermidis,E. coli,K. pneumoniae及びK. oxytocaによる感染が各

1

例,複数菌感染 例としてS. aureus及びE. cloacae並びにCorynebacterium sp.及びE. coliによる感染が各

1

例)から 投与開始前に

15

株の原因菌(内訳はS. mitis

4

株,S. aureus,B. cereus及びE.coliが各

2

株並び にS. epidermidis,Corynebacterium sp.,K. pneumoniae,K. oxytoca及びE. cloacae が各

1

株)が検 出され,検出された原因菌はいずれも投与

4

日目までに消失した(表

2.5.4.1.3.2.4-1)

. 投与

4

日 目までに

3

例が投与中止したため投与

4

日目の対象症例数及び対象株数は

10

12

株,更に投与

7

日目までに

5

例が投与中止(終了)したため投与

7

日目の対象症例数及び対象株数は

5

6

株 であったが,原因菌はいずれも投与

4

日目までに消失していた.すべての評価時点において,患 者ごとの細菌学的効果(有効率)及び原因菌ごとの細菌学的効果(菌消失率)はいずれも

100%で

あった.