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第 3 章 台風と高潮に対する将来変化と不確実性の評価

3.2 現在気候実験

3.2.2 台風 1330 号の再現実験

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図-3.2.7 気象庁ベストトラックによる台風 1330号の進路図

(赤線:高解像度台風モデルの結果,青点線:気象庁ベストトラック)

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図-3.2.8 台風1330号のPcの時系列(赤線:高解像度台風モデルの結果,

青点線:気象庁ベストトラック),緑円はモデル内のピーク時を示す

図-3.2.9 台風1330号のVmの時系列(赤線:高解像度台風モデルの結果,

青点線:気象庁ベストトラック),緑円はモデル内のピーク時を示す ピーク時

ピーク時

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図-3.2.10 台風1330号のPcの観測値(気象庁ベストトラック)と モデルによる計算値の散布図

(2)台風 1330 号による高潮の再現実験

台風0918号と同様に高潮計算の際には,台風中心気圧データを経験的台風モデル に入力し,得られた台風気象場を外力とすることで高潮モデルを用いて三河湾にお ける高潮の再現計算を実施する.台風1330号では最大風速半径の値を河合ら(2014)

に倣って 30 km に固定する.台風進行速度については,経度方向に−0.3375 °/h,緯

度方向に0.075 °/hに設定し,計算期間において一定とする(表-3.2.3).高潮モデル

の計算期間に関しては,2013年11月7日0時UTCから台風上陸後の2013年11月 9日0時UTCまでの2日間とした.また,計算領域は図-3.2.11に示す通りであり,

計算時間ステップは1秒間隔としており,その他の計算設定については台風0918号 の設定と同じである(表-3.2.4).対象とするレイテ湾はおよそ10 mから20 m程度 の水深で,遠浅の地形のため,高潮による潮位が上昇しやすい条件となっている.

この事例については側面境界条件として,潮汐モデルNAOの出力値(天文潮位)を 15分間隔毎に入力する.

図-3.2.12 は台風 1330 号によってレイテ湾において発生した潮位偏差の分布図で ある.最も甚大な被害となったタクロバンはレイテ湾内のサンペドロ湾最奥に位置 している.フィリピンでは,台風1330号の接近に伴い観測機器が破損したため,リ アルタイムな観測値は存在せず,後日,土木学会・フィリピン土木学会合同台風30

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表-3.2.3 台風1330号に対する経験的台風モデルの計算設定

図-3.2.11 台風1330号による高潮に対する高潮モデルの計算領域 赤点:タクロバン

号高潮災害調査グループ(2013)によって行われた現地調査による痕跡高データ

(Tajima et al., 2014)を本研究の観測値として用いる(図-3.2.12中の青点は観測点 を示す).タクロバンにおける最大潮位偏差の計算結果が 6.09 m となったのに対し て,観測値では 6.2 m と報告されており,高精度に高潮を表現できていることと判 断できる.図-3.2.13 はレイテ湾全体を囲むように選定した 13 地点の観測値とモデ ルによる潮位偏差の計算値との散布図である.バイアス誤差は0.44 m,RMS誤差は

0.9 mとなっており,6 mを超える大きな潮位偏差も,2 m程度の比較的小さい潮位

偏差もともに高精度に再現できている.相関係数は0.87と高いことからもタクロバ ン以外の地点についても潮位偏差を高精度に表現できていると判断できる.

台風1330号 設定値

中心気圧 高解像度台風モデルによって計算される出力値

入力間隔 15分間隔

最大風速半径 30km

台風進行速度

経度方向:-0.3375°/h 緯度方向:0.075°/h

[m]

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図-3.2.12 台風1330号による潮位偏差

の分布図,青点は精度検証 に用いた13地点

図-3.2.13 台風1330号による潮位偏差の 観測値(痕跡高データ)と 計算値の散布図

表-3.2.4 台風1330号による高潮に対する高潮モデルの計算設定

初期条件 ゼロ値 (u=0, v=0, h=0)

気象外力 経験的台風モデルによる気象場

気象庁ベストトラックによる台風進路データ 境界条件 潮汐モデルNAO (15分間隔)

時間間隔 1秒

鉛直解像度 1層

海底地形

海底地形:ETOPO1 (1分×1分格子) 海岸線:USGS Landuse (30秒×30秒格子)

対象台風 2013年台風30号 (Haiyan)

対象時間 2013年11月7日0時UTC-2013年11月9日0時UTC

水平解像度 1km

タクロバン [m]

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