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第2節 分析過程
1、東京都私立芝学園中学校(殴打死亡)事件
東京地裁 昭和33年5月28日判決
概要
学校事故・掌生処分判例集第3巻P,869・4の上ge 5行から7行
保健、体育担当の中学校教員が、担任生徒を訓戒中に他組の生徒等が 覗いたり騒がしくしたことに憤慨し、一生徒を殴打して死亡させた。
要因・誘因及び要因・誘因析出の根拠と補足説明 1、要因及び要因析出の根拠と補足説明
①自制心
前掲判例集P,869・4の上殺19行から下段21行
担任生徒のうち、都会生活に不慣れな新任の被告人をやゆ(原文は漢字)
し、或いは反抗するが如き言動を示し素直に被告人の指示に従わない者 があり、性来短気のため、右生徒に対し、穏やかに説諭することなく直 ちに殴打する等の挙動に出たこともあった… 被告人担任の中学3年 B組教室… において、翌日から行われる学期末試験に関し、組内で カンニングの如き不謹慎な行為を二度としないように訓戒中、生徒が早
く帰してくれと騒いだので反省のため黙祷させていたところ、すでに授
業を終えた隣室三年C組生徒ら十数名が、右B組教室内の友人と共に帰
宅するため、東側窓ガラス戸附近に集まり、数回に亘り右ガラス戸を開 閉して室内を覗き友人を呼ぶなど騒がしくなり、被告人は右生徒に対し て静止するよう再三注意していた折柄… 三年C組の生徒糸井洋・・・が突如右ガラス戸を音高く開け放ったまま(原文は漢字)、他の生徒と共に
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逃げ去ったのを目撃して憤激の余り追尾し北側階段上で… 「他人の 家の戸を黙ってあけて覗いていいのか。」と詰問すると共に手拳で同人 の顔面を五回位殴打して暴行を加え… 死亡させたものである。
※教師をやゆしたり、反抗するような態度は、生徒として無礼ではある が、殴打する等、教師としての自制心のなさが窺われる。 「生来短気の ため… 」という文言からも、もともと自制心に問題があることが窺
われる。
2、誘因及び誘因析出の根拠と補足説明
①無礼
析出の根拠は要因析出の根拠と同文
※突如、ガラス戸を音高く開け放ったまま逃げ去る等の教師をやゆした り、反抗のような態度は、生徒の教師に対する態度としては、ただのふ ざけとしてすまされることではなく無礼だと思える。
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2、福岡県庄内村立庄内中学校(被疑生徒取調殴打)事件
福岡地裁飯塚支部 昭和34年10月9日判決
概要
学校事故・学生処分判例集第3巻P,870の下段10行から17行
町立中学校内で発生した盗難事件において疑いがいだかれていた三年 生の生徒の不遜な態度に対して、教師が殴打したりした。その後その生 徒は高校に進学したが、二年生の八月に精神分裂病で退学した… 判 決は、精神病と暴行との間に因果関係は認められないとしたが、暴行に より生徒は肉体的苦痛及び精神的苦痛を受けたとし(た。)
要因・誘因及び要因・誘因析出の根拠と補足説明 1、要因及び要因析出の根拠と補足説明
①自制心
前掲判倒集第:3巻のP,876の上段12行から下段22行
被告吉田は… 図工クラブの生徒約十二に対し図画の指導をし、図 画クラブ員等は午後四時半頃までに解散したが、被告吉田は同日午後5 時頃同準備室の事務机の中に、かねて図画材料費として生徒から徴収し て保管していた現金並びに当日生徒から同様の目的で徴収した現金合計 九千円を入れた奉公袋を仕舞い机の錠前に施錠して後職員室に行き約三 十分経って五時半頃図工準備室に引返したしたところ、机の錠前が破壊 されて、現金を入れていた前記奉公袋がなくなっていることを発見した。
その直後右奉公袋は同室備付の抽斗から発見されたが、現金九千円の内 六千円(十円紙幣六百枚)は盗難にかかっていた。
被告吉田は同日中に右事実を被告西に報告したが、翌日朝被告西の指 示により右盗難につき手がかりを得るため、生徒の登校をまって前日の
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クラブ活動に参加した生徒全員に、クラブ活動後の行動を紙面に書かせ てみたが手がかりは得られなかった。その後西被告の命により訓育主任 であった被告安藤が取調を応援することになり、同日二時限の授業時間 中であった午後十時過頃から、被告吉田、同安藤の両名が校長室で前日 クラブ活動に参加した生徒全員につき事情を聞いたところ、原告修一郎 を含めて大部分のものは、クラブ活動終了後直ちに帰宅した旨答えたの に対し、訴外木下某はクラブ活動終了後五時頃まで図工室で本を読んで いたこと、そこには原告修一郎も居合わせたことなどを申述べたため、
両教官は右木下と原告修一郎を校長室に残し他の生徒はその場から退去 させた。引続き約一時間にわたって右木下と原告修一郎を取調べたとこ ろ、先ず右木下と原告修一郎はその場で言い争ったが、結局原告修一郎 は図画室で漫画本を読んでいたことを認めた。ところが下校した時刻に ついて右木下は五時頃であったと答えたが、原告修一郎は答えないので、
なお問いただしているうち、原告修一郎が「お前達は俺を疑っているの か」と言い不遜な態度を示したので、被告安藤が激昂して、椅子にかけ ていた修一郎の襟がみを掴んでたたせた上、素手で同人の顔面を二回に わたって殴打した。
前掲判例集Ps 877の下段22行から24行
被告安藤が修一郎の言動に激昴し、突さの場合感情的に殴打したもの であることは… これを認めることができる(。)
※激昂しての行動は、感情的な行動であるととられても客観的に考えて、
やむをえないと思える。
しかしながら、生徒修一郎の言動は教師としては、本気で叱るべきこ
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とであると思える。本気で叱ると激昂して叱るの区別は、その時代の社 会的雰囲気に係わることであり、一概にはっきりと区別することは難し いと思えるが、本件においては、激昂、椅子に掛けていた修一郎の襟が みを掴んで立たせた、素手で顔面を二回殴打した、の重なりにおいて、
感情的な行為であることが窺われ、教師の自制心の問題であると考えら
れる。
2、誘因及び誘因析出の根拠と補足説明
①虚言
析出の根拠は要因析出の根拠と同文
※原告修一郎は盗難事件のあった当日、クラブ活動終了後図画室に残っ て漫画本を読んでいたことを相当頑固に認めようとしなかった。
生徒木下が五時頃まで一緒にいたといっているのに言い争いをしてま で認めようとせず、結局のところ言い争いのうえ図画室で漫画本を読ん でいたことは認めざるを得なくなった。ここにおいて原告修一郎の虚言 があったといえる。
②反抗
析出の根拠は要因析出の根拠と同文
※原告修一郎に虚言があったうえ、さらに「お前達は俺を疑っているの か」といい、不遜な態度をとったことは、生徒の教師に対する態度とし て、反抗的だといえる。
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3、神奈川県私立第一商業高校(下手投げ傷害)事件 横浜地裁 昭和35年8月25日判決
概要
学校事故・学生処分判例集第3巻P,883・3の9行から13行
高等学校の生徒が、書道の授業前に他の生徒と話していたところ書道 の教師に見つかり、いわゆる下手投のような形で床に投げられ、左腰部 を強く打ち入院した。しかし、治療にあたった医師の不手際もあってか、
患部が化膿し、一生不具者として(の)生活を余儀なくされた。
要因・誘因及び要因・誘因析出の根拠と補足説明 1、要因及び要因析出の根拠と補足説明
①児童・生徒理解
②指導方法
前掲判例集P,883・5の下段19行からP,883・6行の上eS 4行
西川が… 教室に赴いた際、生徒の柏木成夫が書道の教科書で原告 を打とうとしたのを現認したこと及び西川が右両名を黒板の前に呼出し てその理由を尋ねたところ、柏木は原告が柏木の教科書を取った旨述べ、
原告はそれを争ったので、西川は、友達同志で亘いに罪をなすり合うの は良くない旨を告げ、先ず柏木を相撲の手を使って同教室の床板に倒し、
続いて原告をもほぼ同様の方法で倒したところ、原告の体が宙に浮き左 腰部を下にして横に水平となるような状況で床板に落ち、原告が左腰部
を強く打った。※教師が教室に来る前に、いたずらで友達の教科書を違う場所に置いた り、それをみつけてまたいたずらで、その教科書で叩く格好をしたり等
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は、ちょとした気分転換によくやることであり、一言注意すればすむこ とであり、ことさら事を荒立たせるようなことではないと思える。すな わち、児童・生徒に対する理解の幅の狭さが窺われる。また、体を宙に 浮かせそのまま落とす等、指導方法としての思慮の足りなさが窺われる。
したがって、まずは、児童・生徒理解、そして指導方法の問題とした。
2、誘因及び誘因析出の根拠と補足説明
①いたずら
析出の根拠は要因析出の根拠と同文
※教師が教室に入ってきて授業が始まるのに、まだ休み時間のいたずら を持ち越している等よくないのは当然である。しかしながら、一言の注 意ですませておいてもよいようなことであり、さほどせめるべきことで
もないように思える。
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