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分析の視点と方法

第2章 「人権」に視点をおく歴史授業実践の分析と考察

第1節  分析の視点と方法

1 分析の対象

 分析事例は小学校を主とし、歴史学習の内容から部落史学習、農民史学習、近代史 学習に位置つく実践あるいは研究を各10事例ずつ抽出した。

 部落史学習については、時代ごとの特徴も明らかにするため、1冊の研究誌あるい は書籍から2,3事例抽出したものもある。また時代については、江戸時代が6事例あ

り、やや偏った。これは、江戸時代における支配構造をもって部落の起こりとする、

いわゆる「近世政治起源説」に基づく実践の傾向を明らかにしょうとしたことや、江 戸時代においては差別支配の状況が時代の前半と後半とでは違っているのではないか

と考えていたことも原因の一つにあげられよう。

 農民史学習については、農民という概念を明らかにした上での実践の抽出ではない が、教科書記述されている「農民」から求めた。抽出では多様な研究団体、実践年代 や取り上げる時代範囲も広くと考えたが、時代では、古代、鎌倉そして近代以降の事 例は抽出できず、室町期5、江戸期4となった。

 近代史学習については、近代を明治時代以後とし、人権概念が移入され、国民国家 が形成された時代ととらえた。そこで近代史の「人権」に関する代表的な素材を、明 治期の「自由民権運動」に求め実践例を7例抽出した。他の事例として、関東大震災 時の在日朝鮮人や米騒動期の水平社運動、大正末期の普通選挙運動の3例を抽出した。。

 事例については、次頁【表2・1】に一覧表としてまとめた。

     第2章  「人権」に視点をおく歴史授業実践の分析と考察

【表2・1 歴史授業先行実践の授業名と出典名】

授  業  名 出   典   名

1 被差別部落の形成 大阪府同和教育研究協議会編『まち ひと くらし』1992年 2 竹皮値下げの戦い 大阪府同和教育研究協議会編『まち ひと くらし』1992年 3 新しい世の中へ 大阪府同和教育研究協議会編『まち ひと くらし』1992年 4 久兵衛さんの太鼓 福岡県同和教育研究会編『チャレンジ 部落史発見』2001年 5 四民平等 芥子芳雄編『同和教育と社会科』明治図書、1978年 6 近世の社会と差別された人々 外川正明著『部落史に学ぶ』解放出版社、2001年 7 明治維新と差別された人々 外川正明著『部落史に学ぶ』解放出版社、2001年

8 近代の被差別部落 板倉聖宣著『差別と迷信 被差別部落の歴史』仮説社、1998年 9 農民支配と身分制度 朝倉隆太郎編『日本の歴史の学習②』研秀出版、1991年 10 民衆からみた被差別部落の成立 冨田真由美著『民衆の生きる姿に学ぶ部落史学習』2000年 11 逃げるか、訴えるか 歴史教育者協議会『歴史地理教育』Nα473 1991年6月号 12 農民の成長 歴史教育者協議会『歴史地理教育』Nα44 1959年7月一号 13 立ち上がる民衆 歓喜隆司編『社会科教育の理論と展開』第1法規、1980年 14 農村の変化と農民一揆 朝倉隆太郎編『日本の歴史の学習②』研秀出版、1991年 15 正長の土一揆 大阪府同和教育研究協議会編『まち ひと くらし』1992年 16 寄合 長岡文雄著『子どもをとらえる構え』黎明書房、1975年

17 江戸時代の農民のくらし 有田和正著『学級づくりと社会科授業の改造』明治図書、1985年 18 農民の成長 月刊『社会科教育』Nα243 明治図書、1983年

19 江戸の農民一大庄屋中筋家で一 『社会科の初志をつらぬく会授業記録選士3集』明治、1979年一 20 出雲平野の開拓と農民のくらし 吉崎朗『共感から分析へいたる歴史学習システムの開発』1989年 21 自由民権運動 芥子芳雄編『同和教育と社会科』明治図書、1978年

22 自由民権家がんばる 山本典人著『小学生の歴史学習(下)』あゆみ出版、1985年 23 自由民権運動 香十二編『社会科学習構造化指導細密』明治図書、1969年 24 自由民権運動 『小学校社会科実践講座 日本の歴史H』教育出版セ、1990年 25 自由民権運動と国会開設 朝倉隆太郎編『日本の歴史の学習②』研秀出版、1991年 26 自由民権運動 月刊『現代教育科学』Nα377、明治図書、1988年4,月号 27 自由民権運動と明治憲法 本間昇著『小学校の歴史教育』地歴社、1980年

28 関東大震災における朝鮮人虐殺 『社会科教育』Nα373、明治図書、1993年2,月号

29 労働運動と水平社の創立 歴史教育者協議会『歴史地理教育』晦374、1984年11月号 30 もえあがる普選の火 歴史教育者協議会『歴史地理教育』恥320、1981年1月号

第2章  「人権」に視点をおく歴史授業実践の分析と考察

2 分析の方法

 本稿のテーマである 「人権」に視点をおく 歴史学習に迫り、どういう内容と

どのような方法を用いて授業がなされているかを、フレームワークを用いて分析 するため、視点を認識内容と認識方法にしぼって、以下のように設定した。

視点1

教師は目標に向けて、何をどう指導したか。(認識内容)

@  本官の目標、主発問(型)、教授活動

視点2−A

子どもはどのようにして、目標に到達したか。(認識方法)

@  学習活動、わかり方(型)、コメント

視点2−B

歴史のわかり方として、教授資料はどう活用されたか。

@ 教授資料、活用方法(型)、コメント

 各視点では、主発問、わかり方、活用方法について、以下のような類型化をし て分析し、第1章で示した人権理論と合わせて考察した。

視点1

主発問

What型、 How型、 Why型、

@ Which型、 Who型

視点2−A

わかり方 追体験型、共感型、問題追求型、

ネ学的認識型、科学的説明型、

視点2−B

活用方法 事象理解型、事象調査型、仮説検証型、

 分析フレームワークについては次頁【表2・2】に、30事例の類型化一覧表につ

いては次々頁【表2−3】に掲載した。

 第2章  「人権」に視点をおく歴史授業実践の分析と考察

【表2・2 分析フレームワ・一一・一ク】

Nα□ ○○史学習事例□  (実践 研究)   校種  □学校 出典名

実践者

授業名

w導計画

祖京1 飾な 勿 を、働禦/ご」句〆プでどう着導したのか。傭識ソタ刎 本時の目標

主発問(型)

教授活動

裾.点2−z4 子どらなどのようκしで、厚癖!こ鍵したのか。 r認識方法ノ 学習活動

わかり方(型)

@コメント

追体験型 共感型 問題追求型 科学的認識型 科学的説明型

視学2一β!鍛の,わかク方としで、教疫1資料な どう膏燗さカたのか。

教授資料

活用方法(型)

@コメント

:事象理解型 事象調査型 仮説検証型

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【表2−3 先行授業実践の主発問、わかり方、資料活用の類型化など一覧表】

実践事例 校種 時代 主発問(型) わかり方(型) 資料活用(型)

部落史1 戦国

How

追体験 事象 理解

部落史2 江戸

How

共感 事象 理解

部落史3 明治

Why

共感 事象 理解

部落史4 江戸

What

共感 事象 理解

部落史5 明治

What

問題追求 事象 調査

部白土6 江戸

How

問題追求 事象 理解

部落史7 明治

How

共感 事象 理解

部落史8 江戸

How

科学的認識 事象 理解

部落史9 江戸

Why

科学的認識 事象 理解

部落史10 江戸

Which

問題追求 仮説 検証

農民史1 平安

Which

追体験 事象 理解

農民史2 室町

How

問題追求 事象 理解

農民史3 室町

Why

科学的認識 仮説 検証

農民史4 江戸

How

共感 仮説 検証

農民史5 室町

Why

共感 事象 理解

農民史6 室町

Why

問題追求 事象 理解

農民史7 江戸

Why

問題追求 事象 調査

農民史8 室町

Why

科学的説明 仮説 検証

農民史9 江戸

Why

問題追求 事象 調査

農民史10 江戸

Why

科学的説明 仮説 検証

近代史1 明治

What

追体験 事象 調査

近代史2 明治

How

共感 事象 理解

近代史3 明治

Why

科学的認識 仮説 検証

近代史4 明治

How

共感 事象 調査

近代史5 小 明治

Why

共感 事象 調査

近代史6 小 明治

Who

問題追求 事象 理解

近代史7 明治

How

追体験 事象 理解

近代史8 大正

How

追体験 事象 理解

近代史9 大正

How

問題追求 事象 理解

近代史10 大正

How

問題追求 事象 理解

第2章  「人権」に視点をおく歴史授業実践の分析と考察

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