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児童生徒を生かす学級(ホームルーム)経営

1 学級(ホームルーム)経営のねらい

(※以下、「学級」のみの表記とする。)

学級は、一人一人の児童生徒が教師や友 達との「出会い」「ふれあい」「学び合い」

を通して成長していく場であり、そのよう な場づくりが学級経営の大きなねらいで す。したがって、児童生徒一人一人が十分 に能力を発揮できるよう、よりよい学級の 雰囲気づくりをすることが、学級経営には 大切です。

2 学級経営の内容

学級経営のねらいを達成するためには、

学級経営の内容を知っておく必要がありま す。

それを大別すると、次のようになります。

(1) 学級目標の設定と管理に関すること (2) 教科指導に関すること

(3) 道徳、外国語活動、総合的な学習の 時間及び特別活動などの指導に関する こと

(4) 生徒指導に関すること

(5) 進路指導・キャリア教育に関すること (6) 教室環境の整備に関すること (7) 学級の望ましい人間関係の育成、個

別指導及び教育相談に関すること (8) 家庭との連絡及び連携に関すること (9) 学級事務に関すること

学校の教育目標は、関係する法令などを 踏まえ、児童生徒や地域の実態をよく見極 め、学校の全教職員の共通理解のもと、校 長が定めるものです。また、「本年度の方 針と重点」や「目指す学校像・自校の存在 意義・地域等から求められる使命」などと いう形で、具体的な目標まで定められるの が一般的です。それらの目標や使命を具現 化する場が学級であり、その内容をしっか りと把握して実践することと、評価・改善 を適宜行うことが重要になります。

3 学級経営の方法

学級経営は、思いつきで行うものではあ りません。学校の教育目標を念頭において、

学級担任の考え方、児童生徒の思いや願い などを踏まえて、計画的に行われる必要が あります。その計画案に当たるものが、「学 級経営案」と言われるものです。

(1) 学級経営案の作成

学級経営案は、学級担任が作成するもの です。その形式は、通常、学校の特色など を生かして、各学校で定めています。また、

学級経営案には、「学級独自」の部分と「他 学級と共通」の部分とがあり、記載内容に ついては、学級間で調整して作成すること が必要です。そのため、他の学級担任とも 連絡・調整を密にし、よりよい学級経営案を 作成していくことが大切です。これにより、

風通しのよい学級経営を行うことができま す。

学級経営案の作成に必要と思われる内容 は、概ね次のとおりです。

ア 目標

学校教育目標、学年目標、学級目標 イ 学級の実態

在籍数、要保護・準要保護児童生徒数、

学級内の人間関係に関する課題など ウ 努力点

本年度の学校、学年及び学級の努力点 エ 学級の組織

委員や係の置き方、当番活動、班活動・

係活動の仕方など オ 学習指導

教科、道徳、外国語活動、総合的な学習 の時間及び特別活動、学校・学年・学級行 事などに関すること

カ 生徒指導

基本方針、努力事項、具体的事項など キ 教室経営

清掃分担、掲示計画、保健衛生に関する ことなど

ク 学級の事務

年間を見通した事務計画、経理に関する ことなど

ケ 家庭との連携

学級通信、家庭訪問、家庭との連絡の仕 方など

コ 評価項目

学級経営の評価項目 (2) 学級経営の実際

学級経営をより望ましいものとするた め、最も大切なのは学級担任と児童生徒が 心を通い合わせることです。そのためには、

学年主任や他の学級、学年の教員、管理職 などと情報交換したり、指導方法について

基本編   児童生徒を生か   す学級(ホーム   ルーム)経営

相談をしたり、一人一人の児童生徒を多面 的、多角的に理解するよう努め、一人一人 のよさを認め、励ますことです。そして、

学級担任と児童生徒の信頼関係を深めなが ら、よい学級をつくっていこうとする気持ち や態度を育てることが大切です。

次に、学級経営の内容に即して、要点を 述べることにします。

ア 学級目標の設定と管理

学校の教育目標を念頭におき、児童生徒 と理想の学級を構想し、それに合った目標 を決めます。日々の活動を通して共に実現 を目指してこそ、よい学級がつくれます。

よい目標を設定するためには、学級の児童 生徒とよく話し合い、教師の強制にならな い配慮が大切です。

イ 教科指導

児童生徒一人一人の能力を最大限に伸ば せるように、児童生徒の実態や欲求等に留 意し、児童生徒が生き生きとした活動がで きるような教材研究を行うことなどが大切 です。

ウ 生徒指導

すべての児童生徒が、明るく楽しく、し かも充実した学校生活が送れるように指導 し、援助することが大切です。学校生活の 基盤は学級にあるので、その指導の中心は 学級担任になります。

エ 教室環境の整備

快適な環境で、児童生徒の生活を包み込 むような配慮が必要です。「人が環境をつ くり環境が人を育てる」と言われますが、

児童生徒にとっても快適な環境が大切で す。人的にも物的にも最善の配慮をしなけ ればなりません。教室環境は、学級担任と 児童生徒が「協働して」つくりあげるもの です。掲示物一つをとっても、心地よさを人 の心に与えることができます。

(※右段〔よりよい教室環境のための資料〕参照)

オ 個を大切にする指導

カ 家庭との連携

極めて大切なことなので慎重な取組が必 要です。教師からの一方的な関係にならない よう配慮することが大切です。相手の立場に 立ってみたり考えたりして、相互に理解し合 える関係づくりに努めましょう。

キ 教職員人事評価制度との関連

学級経営案に定めた評価項目により、学級 経営を自己評価するのは重要なことであり、

教職員人事評価制度はその機会の一つです。

本制度の目的は、教職員の資質・能力の 向上を図り、学校全体を活性化させ、教育 力を高めることにあります。このことから、

組織の一員として学校全体や学年・分掌な どの目標と連鎖させて個人の目標を設定 し、自己評価を活用して、取組を充実させ ていくことが大切です。

〔よりよい教室環境のための資料〕

学級という集団は、一つのかたまりに見 えますが、一人一人の個性をもった児童生 徒で構成されていることを忘れてはなり ません。児童生徒の生活全般を通して、

一人一人の児童生徒をよく見つめ、望ま しい方向に伸びるように導くことが、個 を大切にした指導と言えるのです。

す。

足もとの整理整頓 安全にも気を遣う

○学習や生活に関する掲示物

・学校教育目標、学年目標、学級目標、生活 目標、時間割表

○あると便利な物

・カレンダー ・行事予定表 ・学級ポスト

・学年、学級便り ・係の役割分担表

・日直や当番の表示など

○特に意識させたいもの

・努力目標 ・話し方、聞き方のルール等

○スッキリ さわやかな教室

・窓辺にあまり物を 置かず日光を取り 入れる

・ガラスはいつもピ カピカがよい

・掲示物の色使いは 明るく

・汚くなる場所こそ きれいに

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○意欲をかきたてる教室

・学習の足跡や関連する資料 を掲示する

・子供たちの作品を掲示して 学び合えるようにする

・立体模型などの教具を置き 触れて学べるようにする

・学級活動コーナーを設ける

(学級会の予定、学級新聞、意見箱など)

・工夫や努力が認められたり 具体物に触れたりできる環 境は、自信と達成感をもた らす

○教室の後方

・ロッカー(整理整頓に気遣わせる)

・子供たちの作品 ・係活動掲示

・児童、生徒会活動

○共有物の例

・鉛筆削り ・画鋲 ・マジックペン

・セロハンテープ ・書類整理箱

・ボール ・模造紙 ・画用紙 など

・壁面には、子供 たちの作品

・新聞の切り抜き などの情報欄

・ベランダなどの 安全管理は大切

・生き物や植物を 置 く と 潤 い が 生 まれる

※各学校での教室経営事例にしたが って、安全かつ活気に満ちた教室 経営を行ってください。

○便利な教室

・個人の物を使いや すく収納する場所 を確保

・共有物は使いやす いところに置く

・何がどこにあるか が 分 か る 事 は 「 安 心感」をもたらし、

居心地のよい場所 になる

※掲示物については、特別支援教育の視点 から、集中を妨げないよう、落ち着ける 教室環境をつくることが必要です。

基本編   児童生徒を生か   す学級(ホーム   ルーム)経営

(参考) 学校運営と学校自己評価、教職員人事評価

各学校は、学校の特色や児童生徒、地域及び保護者からの意見や期待等を踏まえて、学 校全体の長期的な目標である「目指す学校像」、中期的な「重点目標」、年度目標である

「評価項目」を「学校自己評価システムシート」上に設定し、共通理解を深め、実現に向 けて組織的な取組を進めます。

各学年・各分掌は学校全体の目標を実現するために何を行うか目標を設定し、個人は各 学年や各分掌の目標を実現するために目標を設定します。個人の目標が達成されることに より学年や分掌の目標が達成され、ひいては学校全体の目標が達成されるのです。

※市町村立学校においては、それぞれの教育委員会の規程により学校自己評価に取り組んでいますので、

御確認ください。

「教職員評価システムの手引き(改訂版)平成 28 年 7 月」より 基本編   児童生徒を生か   す学級(ホーム   ルーム)経営