Q&A編
Ⅰ よりよい授業をつくる
Q 今度の校内授業研究会で、研究授 業をすることになりました。そこで、
当 日 行 う 授 業 の 指 導 案 を 事 前 に 研 究 主任に提出しなければなりません。指 導 案 の 形 式 や 書 き 方 の 基 本 的 事 項 は どのようなものでしょうか。
Q&A編
- 85 -
・本単元の主なねらい
・既習内容(前学年や前単元までの学習)とのかかわり、
その後の学習内容とのかかわり など
・本単元に関する児童の実態、既習の学習内容の定着状況
・事前調査(レディネステスト等)の結果、考察 など
単元のねらいと児童の実態を踏まえ、
・どのように指導していくか(指導の方針、指導形態)
・個に応じた指導、配慮事項、実生活へのつながり など
・4と5を合わせて表で示し、
「指導と評価の計画」としてもよい。
(学習指導案例) 第3学年1組 算数科学習指導案
平成○○年○○月○○日(○)第○校時 指導者(または授業者) ○ ○ ○ ○ 1 単元(題材)名 「ぼうグラフと表」
2 単元(題材)について (1) 教材観
(2) 児童観
(3) 指導観
3 指導目標
資料を分類整理し、表やグラフを用いて分かりやすく表したりよみ取ったりすることができるようにする。
(1) 目的に応じて観点を決め、資料を分類整理して、進んで表やグラフを用いて表そうとする。
【算数への関心・意欲・態度】
(2) ・・・・・・・・・ 【数学的な考え方】
(3) ・・・・・・・・・ 【数量や図形についての技能】
(4) ・・・・・・・・・ 【数量や図形についての知識・理解】
4 指導計画(11時間扱い)
(1)せい理の仕方・・・2時間(本時 1/2)
(2)ぼうグラフ・・・6時間 (3) ・・・・・・・・・
5 単元の評価規準
6 本時の学習指導
(1) 本時の目標 日常の事象について、観点を決め、落ちや重なりがないように分類整理しようとしている。
【関心・意欲・態度】
観点を決め、落ちや重なりがないように分類整理することができる。 【技能】
(2) 展開
学 習 活 動 指導上の留意点 評価(支援)等
7 備 考 在籍児童数 32名
・本単元に関する児童の実態、既習内容の定着状況
・事前調査(レディネステスト等)の結果、考察 など
・「予想される児童の反応」という項目で記載することもある。
Q&A編
- 86 - 「指導観」には、教材観・児童観を受け、
単元(題材)のねらいと児童の実態を踏ま えた指導の方針、指導形態、個に応じた指 導や配慮事項、実生活へのつながりなどに ついて記述します。
(2) 「指導目標」について
ここでは、単元(題材)全体を通しての ねらいをはっきり記述します。その際に、関 心・意欲・態度、数学的な考え方、技能、
知識・理解の4観点から目標をしっかりとと らえることが大切です。
(3) 「指導計画」について
ここでは、学習内容の全般を大局的にと らえ、どのような学習内容を、どのような 時期に実施するかを記述します。
併せて、単元(題材)の評価規準を記述 しておくことが大切です。
(4) 「本時の学習指導」について ここでは、授業の進め方を具体的に想定 し、項目ごとに整理して述べておかなけれ ばなりません。
指導案例では、「学習活動」「指導上の 留意点」「評価(支援)等」の3項目を設定 してありますが、他の形の指導案もあります。
評価については、「おおむね満足」の 評価規準と、そこに達していない児童へ の指導の手立て、評価方法などについて 記述します。
展開場面では、児童の反応やつまずき を、どれだけ予想できるかが重要です。
理解の早い児童に対する発展的な課題の 用意や、理解が順調に進まない児童に対 する手立てなど、具体的な支援を考えて 記述しておくことが必要です。
※指導案の書き方は、編成要領・指導資料・
評価資料・指導実践事例集など、県教育委 員会が作成している資料を参考にしてく ださい。
3 「教科書」・「補助教材」の使用
A(1) 「教科書」は教科の主たる教材 教科書とは「小学校、中学校、義務教 育学校、高等学校、中等教育学校及びこれ らに準ずる学校において、教育課程の構成 に応じて組織排列された教科の主たる教材 として、教授の用に供せられる児童又は生 徒用図書であって、文部科学大臣の検定を 経たもの又は文部科学省が著作の名義を有 するもの」(教科書の発行に関する臨時措 置法第2条第1項)と規定されています。
また、教科書については法令で「小学校 においては、文部科学大臣の検定を経た教 科用図書又は文部科学省が著作の名義を 有する教科用図書を使用しなければなら ない」(学校教育法第34条)「中学校、
高等学校、中等教育学校、特別支援学校に おいては、第49条、第49条の8、第6 2条、第70条第1項、第82条において 準用」と示され、教科書を使用しなければ ならないこととされています。
(2) 「教科書」を活用するための工夫 教育基本法等に示される教育の理念・目 標や学習指導要領の内容等は、教科書が作 成されることによって、初めて目に見える 形で実現されます。したがって、学校では この教科書を主たる教材として使用し、児 童生徒に各教科における基礎的・基本的な 内容を確実に身に付けさせていくことが大 切です。
教師に期待されることは、教科書を主た る教材としながら、教師の創意工夫を生か し、学習指導を展開していくことです。そ のため、教師自らが教科書を繰り返し読 み、教科書の行間に込められている内容や 考え方などを読み取り、魅力のある授業展開 をしていくように努めなければなりません。
(3) 「補助教材」の精選
授業を展開していく上で教科書の役割は 極めて大切ですが、児童生徒に対して、き め細かい授業を行うとき、「教科書を補充 する教材(補助教材)」が必要になってく ることがあります。教師個人の判断で勝手 に取り入れるのではなく、学年や教科部会 等に諮り、児童生徒への学習効果や保護者 の経済的負担等から検討し、十分活用でき るものを精選して取り入れるようにしなけ Q よ く 研 究 会 な ど で 、 参 加 者 か ら
「教科書を教える」「教科書で教える」
といった意見を聞くことがあります。
特に後者の「教科書で教える」という ことは、どのようなことでしょうか。
併せて、教科書以外の補助教材を使用 するときの配慮事項には、どんなこと がありますか。
Q&A編
- 87 - ればなりません。なお、小・中学校では、
補助教材を使用する場合には、あらかじめ 校長に、その旨を申し出て、校長が市町村 教育委員会の承認を受けたり、届け出た りすることになっています。
4 「発問」を行うときの心構え
A(1) 発問は授業の命
発問は、「教材」「児童生徒」「教師」の 間のかけ橋になるものであり、児童生徒の 中にある考え・変化を引き起こし、発展・
変容させていこうとするときの働きかけと なるものです。授業は、この働きかけ、つ まり発問の善し悪しでうまくいくかどうか が決まるところから、「発問は授業の命」
と言われています。
(2) 二種類の発問
一つは、児童生徒に記憶の再生を求める 発問です。もう一つは、学習していること をどれだけ理解できたか、あるいは応用で きるかを見る発問です。
特に大事なことは、その発問が児童生徒 の学習意欲を喚起し、教材に対して興味・
関心をもたせ、考える動機付けを与える力 や内容をもっているかどうかということ です。
また、授業の展開に関わる主な発問は、
授業前にあらかじめ用意されることになり ますが、実際には、授業の中で目前の児童 生徒の発言内容や考え方に対応して、即時 的、補助的に発問する必要があります。こ こで教師に望まれることは、深い教材研究 の他に、児童生徒一人一人を理解し、普段 から児童生徒の発言内容を的確に聞き取 り、その結果を整理・構成する力を身に付 けていく努力をしていくことです。
(3) 「よい発問」の条件
ア 重要な知識や概念について理解度等を 確認できる。
イ 学習に必要な経験的背景があるかどう
かを見られる。
ウ 児童生徒が総合的にどれだけ理解した かを評価できる。
エ 考えを誘発したり、刺激したりできる。
オ 学習意欲を喚起できる。
カ 児童生徒が意見や考えを発表する機会 を与えられる。
その他に、内容以外の指導技術として、
児童生徒にとって分かりやすい言葉づかい や教師の話し方(調子・間・声の大小)、
表情などが、よい発問を支える条件です。
5 「考える力」を育む授業
A(1) 授業の導入の工夫
児童生徒の能力と興味・関心、理解度、
それに児童生徒の考え方の傾向などの実 態を、教師は前もって把握し、一人一人を 伸ばす授業の導入を工夫することです。た だし、児童生徒にとって興味・関心があれ ばよいというわけではありません。必ずこ のあとの学習のねらいにつながる内容を 含んだ課題、つまり、考え始めるきっかけ
(動機)を提供するものでなければならな いのです。
(2) 児童生徒が考えるきっかけづくり どのような課題を設定することが効果 的なのかを考えてみることにします。
例えば「鉄は沈むのに、鉄の船はなぜ浮 くのだろうか?」といったように、これま でにもっていた知識との間にずれや矛盾を 感じさせるようにすることも効果的です。
ただし、このあと、教師の方で最初から
「こんなふうに考えなさい」とか「これこ れを」と言って、考え方まで指示しては「考 える力」を身に付けさせられません。教師 は、児童生徒が思考する活動について考え るべき課題にしっかり向きあわせ条件を Q 「教育的に価値の高い変化を引き
起こすことができて、初めてすぐれた 発問となる」と言われますが、具体的 に ど の よ う な 発 問 を す れ ば よ い の で しょうか。
Q 研究授業をしたとき、指導者から
「考える力を伸ばそうとして、あれこ れ と 思 い を め ぐ ら さ せ て い る だ け で は本当の考える力は育たない」と助言 がありました。
では、考える力を育む授業を行うに は ど の よ う な 点 に 気 を 付 け れ ば よ い でしょうか。
Q&A編