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Q&A編

Ⅱ よりよい児童生徒の生活を考える

15 指導の仕方に差がある場合の生 徒指導

A(1) 全 教 職 員 が 歩 調 を そ ろ え て 進 め る効果的な生徒指導

個々の教師が、それぞれの基準で異なる 指導をしていては、効果的な生徒指導を行 うことは難しいでしょう。学校のきまりを 守らせる指導であっても、問題行動への対 応の仕方であっても、学校全体が具体的な 指導のよりどころとなる一つの方針に従っ て指導する、つまり全校一致の体制で臨ま なければ、学校の中が混乱してしまいます。

いかなる事情があろうと、全教職員の共通 理解のもとに、歩調をそろえて指導に当た ることは、生徒指導の原則です。このため、

各学校では、具体的な対応マニュアル等を 作成し、取り組んでいます。

(2) 指導上の留意点

しかし現実には、教師によって指導方法 や指導内容に差がある場合が見られます。

そうした中で生徒指導を進めるのはなかな か大変ですが、新任教師として取り組む上 での留意点をいくつか挙げてみます。

ア 校内に指導の不一致が見られるときは 自分だけの考えではなく、学年主任や生 徒 指 導 主 任に 相 談 し たり 、 管 理 職か ら 指 導 を 受 けた り し て 取り 組 む よ うに し ます。

イ 指導する上で迷いが生じたときは、

自分だけの考えではなく、学年主任や 生徒指導主任に相談します。例えば直面 している身近な問題事例について、どの ような指導が適切か他の人の意見を聞く

などして、共通理解に基づく指導の姿勢 を明らかにします。

ウ 指導の不一致で一番被害を受けるのは、

児童生徒です。指導の不一致により児童 生徒の信頼を損なうことは絶対にあって はならないことです。

エ 児童生徒が遅刻を繰り返すような場合、

本人にただ注意を促すだけの指導に終わ らせず、遅刻をせざるを得ない理由や原 因について、児童生徒の側から把握し、

改善策を共に考えていくようにします。

また、確かな指導体制により、教師の役 割分担を明確にした指導を進めます。

オ 個々の教師が指導する場合と、共同で 指導する場合をはっきり区別します。全 教職員で指導する場合には、共通実践で きるよう、共通理解を図っておきます。

具体的には

① 全員が意見を出し合い、互いに傾聴し、

指導の手立てを見出すことです。

② 協議を通して、全員が同一歩調で指導 できる方法を見出すことです。

③ 決定した事項については、個人的に反 対でも、全員が実行することです。

16 基本的な生活習慣を身に付けさ せる指導

A(1) 身に付けさせたい基本的な生活習慣 基本的な生活習慣は、人間の態度や行動 の基礎になるもので、児童生徒にとって、

社会的な自立や自己実現のために大変重要 なものです。個人的な生活習慣(朝一人で 起きる、顔を洗うなど)については家庭で 十分にしつけられるべきことでしょうが、

集団生活や社会生活に関する生活習慣(時 Q 小 学 校 低 学 年 で は 、 挨 拶 や 返 事 な ど が し っ か り と 身 に 付 い て い な い こ と が あ り ま す 。 こ う し た 基 本 的 な 生 活 習 慣 も 、 学 校 で 指 導 し な け れ ば な ら な い のでしょうか。また、そうであれば、そ の指導はどのようにしたらよいのでしょ うか。

Q 児 童 生 徒 が 学 校 の き ま り に 違 反 し た と き 、 個 々 の 教 師 の 指 導 方 法 や 指 導 内 容 に 差 が 見 ら れ る た め 、 い ざ 自 分 が 指 導 す る と い う と き 、 戸 惑 う こ と が あ り ま す 。 生 徒 指 導 を 進 め て い く に は 共 通 理 解 ・ 共 通 実 践 が 大 切 と 聞 い て い ま す が 、 指 導 上 ど の よ う な こ と に 留 意 し たらよいのでしょうか。

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間を守る、挨拶をするなど)については学 校における指導も必要です。

基本的な生活習慣の内容についての例と して、具体的には、次の事項があり家庭と 学校の両面からの指導が大切です。

○けじめのある生活ができる ①時刻を守る

②身の回りの整理整頓をする

○礼儀正しく人と接することができる ③進んで挨拶や返事をする

④丁寧な言葉遣いを身に付ける

○約束やきまりを守ることができる ⑤学習のきまりを守る

⑥生活のきまりを守る

〈参考文献〉

・「規律ある態度」(県教育委員会)

(2) 基本的な生活習慣の指導

基本的な生活習慣を身に付けさせるため には、児童生徒の発達の段階に応じて、習 慣化されるまで継続した指導を行うことが 大切です。食事・睡眠・排泄・衣服の着脱・

清潔などの習慣ができていないときは、学 校で補完しなければなりません。

ところで、基本的な生活習慣の指導は「習 慣化」に重点があります。特に小学校低学 年では、児童は生活経験も少ないので具 体的な行動の模範を示し、一つの正しい 行動様式を身に付けさせることが大切で す。挨拶をする習慣も毎日行うことから 身に付きます。指導者としては「ねばり強 く」、「必ずできるまで」の指導姿勢が必 要です。

ただし、指導が一方的にならないよう、

本人の意志で習慣化に導くような「動機付 け」を工夫する必要があります。それには 道徳教育との関連などにも配慮し、学年が 進むにつれて、基本的な生活習慣のもつ意 味・必要性・価値などについても考えさせ るようにしたいものです。

また、1日の動きを掲示するなど、児童が見 通しをもって生活できるようにすることも 必要です。

17 忘れ物をなくすための指導

A(1) 忘れ物をする原因

忘れ物の原因は、多くの児童生徒に共通 しているものと、児童生徒によって異なる ものとがあります。効果的に指導するため には、その児童生徒なりの原因をつかむ ことが必要です。それらの手掛かりとなる ものをあげると次のようになります。

ア 依存心が強く、ルーズな生活態度はないか。

イ 連絡事項をよく聞いたり、掲示板をよ く見て行動したりしているか。

ウ 必要な事項についてメモをとる習慣が 身に付いているか。

エ 忘れ物の種類に目立った傾向が見られる か。

オ 家庭に帰ってから、翌日の準備をする 習慣が身に付いているか。

カ 生活支援などを必要とする家庭環境で あるか。

(2) 学級(ホームルーム)担任としての指 導の手立て

児童生徒一人一人に連絡帳を持たせ、次 の日の授業の内容や準備する物などを記録 させる方法があります。小学校の場合は、

できれば学級で同じ様式の連絡帳を用意 させて、その様式に合わせて黒板に枠どり をしておくと、児童生徒が黒板の内容を迷 わず書くことができるので便利です。

次に、連絡帳に書いても家庭に帰ってか ら連絡帳を開かないようでは無意味になり ます。そこで毎日見る習慣が身に付くまで は、必ず家の人に見てもらって、見たとい うサインや押印をしてもらえるよう、家庭 の協力を得るようにしましょう。

また、帰りの会の時に、次の日に持って くる物の説明をしたり、各自が正しく連絡 帳に書いているかを見届けたりすることも 大切です。さらに、持ってくる物の見本を Q 小学校4年生で、忘れ物を繰り返す 子がいます。その都度注意しているので すが、その時は「はい、気を付けます」

と言うものの、翌日また別の物を忘れ、

そのたびに注意をするのですが効果が上 がりません。どうしたらよいでしょうか。

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並べて示す方法も、忘れ物をなくすことば かりでなく、興味・関心を高める上でも効 果のある方法です。

(3) 忘れ物をなくすための指導の留意点 忘れ物をしたことに対して罰を与えるこ とは好ましいことではありません。時には、

忘れ物をしたときの不便さを体験させたり、

人から物を借りると、貸してくれた人に大 変迷惑をかけることを分からせたりするこ とも大切です。また、忘れ物を家庭に取り に行かせることは、交通事故などにあう危 険があるばかりでなく、学校管理の面から も問題がありますので、学校全体で方針を 決めておく必要があります。さらに逃避か らわざと忘れたり、家庭で工面できずに「忘 れること」を繰り返していないか、留意す る必要があります。

18 授 業 や 活 動 の 始 ま る 時 刻 を 守 らせるための指導

A(1) 心の触れ合いのある学級づくり まずは、毅然とした態度で、教室に入る よう指導することです。授業は学校で一番 大切なものだということを、教える必要が あります。

次に集団行動をとれるように、学級とし てのまとまりを工夫することが必要です。学 級には人を育てる機能があり、まとまりの あるよい学級には、教師と児童生徒、児童 生徒相互の間に心の触れ合いを通して高め 合う雰囲気があります。

心の触れ合いを育てるには、次の点に留 意する必要があります。その一つは、「言 葉を通しての心の触れ合い」です。それは、

意見を認め合い、話し合いを深めることで す。例えば、指示・伝達の場合でも、教師 から一方的に話すだけでなく、児童生徒の

意見や感想を述べ合う機会を多くつくるこ とによって心は開かれるものです。

二つには、「共に考えることや協同作業 を通して得る心の触れ合い」です。学級行 事や学校行事を行う際に、児童生徒と共に 考え、準備し、実施することを通して心の 触れ合いが生まれます。

三つには、「共通の活動を通した心の触 れ合い」です。例えば、学級活動でゲー ムやスポーツのようなものを取り入れる と親しみを感じるようになります。言葉 よりも共通の活動の方が、心が通じる場 合があります。心と心の触れ合いを通し て、学級の児童生徒同士が同一目標に向 かって連帯感を強め、集団行動なども速 やかにとれるようになるものです。

(2) 他の教師と協力して行う指導

チャイム着席ができていない状態が学校 全体に蔓延している場合、一人の教師の努 力だけでは効果は得にくいものです。この ような場合、教職員の共通理解の下、学年 や学校全体で取り組むことが必要です。あ る学校では、児童生徒が、職員室から教室 までの教師の移動時間を見計らって廊下に 群がる悪い習慣が身に付いていて、なかな か直りませんでしたが、次のような取組で、

これを直したそうです。

ア 教師全員が始業、終業の時刻を守る。

教師はチャイムが鳴る前に職員室を出 て、教室の中でチャイムを聞くように し、終わりのチャイムも守りました。

イ 共通実践による指導を進める。

チャイム着席をしない児童生徒には、

必ず指導することを教師間で確認し、全 ての教師が実践しました。

ウ 巡回指導を行う。

授業の空いている教師は、チャイムと 同時に、学年ごとに廊下を巡回し、チャ イム着席を指導しました。

Q チャイムが鳴っても休み時間の延長の ように廊下で遊んでいる児童生徒がいま す。教室に入るように指示しても素直に入 ろうとする態度の見られない児童生徒もい ます。どのように指導したらよいでしょう か。

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