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よりよい学級(ホームルーム)をつくる

Q&A編

Ⅲ よりよい学級(ホームルーム)をつくる

34 学級(ホームルーム)担任として の心掛け( ※以下、「学級」のみの表記とする。)

A(1) 開かれた学級経営〈学級経営案の作 成〉

学校の教育活動はすべて組織で行われる ものです。学校教育目標を達成するために、

学校・学年経営を踏まえ、学年主任や他の 学級担任と連携を取りながら、学級経営目 標を設定し、具現化のための計画を立案し ましょう。

特に、指導要録等、学級の児童生徒の実 態を把握するための資料を確認し、指導上 配慮を要する児童生徒が在籍する場合に は、保護者や関係する先生等と十分な連絡を 取り合い、新学期に備えましょう。

また、保護者や児童生徒に対し、学級経 営の方針を分かりやすく説明するための資 料(シラバス等)を作成しましょう。相互 理解を深め、保護者と一体となって児童生 徒を育てる姿勢が最も重要なことです。

更に、学級経営の評価項目を事前に示す ことも、信頼関係を築くためには有効です。

(2) 児童生徒との人間関係づくり

まず、担任の教師として自らの心を開い ていくことが大切です。担任としての思い や願い、学級経営目標を、児童生徒に分か りやすい言葉で説明する努力していきまし ょう。

次に、年度当初の学級活動の時間に児童 生徒とともに学級目標を決めましょう。児 童生徒の思いや願い、保護者の思いが込めら れた学級目標を決めることで、「この学級 をみんなの力でよりよい学級にしていこ う」とする自立心が芽生えてきます。

話合い活動を中心とした「学級の組織づ くり」、「学級の問題の解決」、「学級集

会活動(レクリエーション)」などの議題

(題材)で学級活動を行い、集団や社会の 一員としての自覚を深めさせることも大 切です。そして、きれいに清掃した教室に花 を飾り、児童生徒の作品を掲示するなどの教 室環境にも配慮しながら、児童生徒が安心 して学習や生活ができるような学級づく りを心掛けましょう。

また、毎日児童生徒全員に一言でも声をか けるよう心掛け、特に元気のなさそうな児童 生徒からは、心配事や悩みなどがないか、よ く話を聴くことも重要です。このことは、い じめなどの生徒指導上の問題の未然防止や 早期の発見・対応のためのサインを見極める きっかけにもなります。

そして、児童生徒とのやりとりは記録に まとめ、整理することで、その日一日の児 童生徒のかかわりを振り返るとともに、児 童生徒の理解を深める貴重な情報となり ます。このように、児童生徒をよく見て、

声をかけながらよい点を見出し、認め、励 ましながら毎日を送るように心掛けまし ょう。

(3) 保護者との連携

学校教育は、校内で完結するものではあ りません。児童生徒のよい点を伸ばし、欠 点を改めていくなど児童生徒に対する指 導の在り方については、保護者と共通理解 を図る必要があります。連絡を密にとり、

学級通信や保護者会、家庭訪問など相互の 交流を通して、保護者と信頼関係を築いて いくことが重要です。

35 学級目標を立てる上での留意点

A 学級目標を設定し実践するには工夫が 必要です。目標の羅列であったり、それら を単に教室に掲げておいたりするだけで、

Q 学級経営では、学校の教育目標を具 現化させるような学級目標を立てること が大切とされていますが、どのような点 に留意して、設定し実践していったらよ いでしょうか。

Q 校長先生から「あなたに2年3組の 学級担任をお願いします」と言われまし た。私は大変うれしく思いましたが、反 面、不安な気持ちになりました。最初の 児童生徒との出会いから日々の心掛けを どのようにしたらよいのでしょうか。

Q&A編

その実現のための具体的な手立てがない ために、うまく機能しない場合があります。

そのため、次の点に留意しておく必要があ ります。

(1) 学級目標の設定

学級目標は学校の教育目標、学年目標と 関連させることが大切です。

学級目標は担任としての方針をはっきり させ、児童生徒の実態、保護者の学校に対す る期待などを十分把握して設定します。です から、4月早々に、慌てて設定するのではな く、実態を見据えた上で設定することが大切 です。

(2) 児童生徒が取り組める学級目標 ア 児童生徒の学級への期待感、貢献する気

持ちの育成

例えば、「仲よく」という学級目標を 設定する場合でも、小学校低学年では

「クラスの友だちと仲よくしよう」、高 学年では「学校の友だちと仲よくしよう」

というように、児童生徒にどんな学級・

学校にしたいか、児童生徒の抱負につい て十分に話し合わせた上で、発達の段階 を考慮して、決めていくことが大切です。

イ 学級目標を実現させる指導

担任は学級目標の実現に向けて漠然と した指導ではなく、児童生徒の行動目標を 決めるなどして、実現へ向けて積極的に取 り組むことが大切です。その際、次の二点 について考慮し、実践することが必要です。

(ア) 学級目標の具体化

学級目標が児童生徒に具体的に理解さ れるために、発達段階に応じた表現、例え ば、「友だちと仲よく」のように、自分は、

この学級目標実現のために何をすべきか ということが分かるようにすることが大 切です。

(イ) 学級目標実現への具体的な活動 目標実現へ向けての様々な具体的活動 計画を立てることが大切です。例えば、

学校行事や学年行事などの中で「私たち の学級はどのように参加し、どう取り組 むのか」ということを具体的に計画し、

活動するということです。また、毎朝あ る いは 短い期 間内 に評価 でき る目標 を

活動に取り入れることも大切です。

36 まとまりのある学級づくりの具体策

A(1) 学級の生活目標をつくる過程の重視 まとまりのある学級をつくるための方 法の一つに生活目標の設定があります。以 下の点に留意しながら、児童生徒にも話し 合わせて、どんな学級にしたいかなどの願 いを盛り込み、担任と児童生徒の気持ちが 結集されるようにつくり上げ、運用してい くことが大切です。

① 生活目標は、毎日の生活の中で常に意 識されるよう具体的な言葉や表現等で表 す。

② 日々の学級の活動を生活目標に照らし て点検・確認する。

③ 重点目標を、学期毎とあるいは月毎につ くって、当面の課題を適切に取り上げる。

④ 生活の目標が達成されたときは、学級全 員で喜びを分かち合う。

こうして自分たちの学級は自分たちの手 でつくっていくのだという意識を、いつも喚 起しておくことが必要です。

(2) 触れ合いの場の設定

児童生徒は、先生と一日に一度は話した いという気持ちをもっています。そこで大 切なことは、学級担任として児童生徒との 触れ合いの場を多くもつことです。そのた めに、日々の声かけはもちろんのこと、休 み時間などは一緒に遊んだり、スポーツをし たり、楽しいことを一緒に行ったりします。

また、清掃時間などにおいては、ともに働 き、その中で声をかける機会をもつようにし ます。このように、児童生徒と一緒に過ごす ことで、心の交流が深まるとともに、一人一 人への深い理解と学級の実態把握ができ、学 Q 先輩の先生に「学級づくりで大切な ことは、児童生徒に、自治的な意識をも たせることです」と言われました。学級 の現状は、一人一人の関心がバラバラで まとまりがなく、学級内の仕事なども進 んでできず、指示を待って行う状態です。

子供が自主的、自発的に行動し、学級と し て ま と ま り の あ る 行 動 を 生 み 出 す に は、どうしたらよいでしょうか。

Q&A編

級の課題解決の糸口が見つかってくるもの です。

ただ、教育の仕事は、根比べの面もあり、

時には待つことも必要です。児童生徒はそ れぞれに悩みや苦しみをもちながら、強く 生きていこうと努力しているのです。教師 は、待ちの姿勢と長い見通しをもった温か い目で児童生徒一人一人を認め、励ましな がら指導していくことが大切です。

(3) 学級活動等への積極的な参加

学級活動をはじめとして、児童会活動・

生徒会活動、学校行事、クラブ活動・部活 動などへ積極的に参加するように勧めるこ とが大切です。学級生活向上のために係活動 を活発化させたり、全員で役割を分担し、協力 して楽しい集会活動を行うなどしたりして、そ の成果をしっかり見届け、認め励まし、学級へ の所属感を深めることが重要です。そのために は、活動のための時間、場所を決めておいたり、

紙やペン等の用具を準備しておいたりすると よいでしょう。これらの経験が、学級の中での 協力的な態度や積極的な活動を生み出す力と なり、児童生徒は自ら活動する中で成長してい くものです。

37 係活動、当番活動の指導

A(1) 「係活動」と「当番活動」の特質

「係活動」は、児童生徒が自主的に役割 を分担し、協力して、学級生活の充実と向 上を目指す活動です。また、児童生徒の創 意工夫に満ちた主体的な活動を通して、学 級生活がより楽しく、明るく、豊かになる ことをねらいとしています。

「当番活動」も、日常の学級生活を円滑 に進めて行く上で、とても重要な活動(仕 事)です。学級の集団生活を質的に向上さ せるためには不可欠な活動であり、全員ま たは輪番で役割や仕事を分担し、結果に重

点が置かれる活動です。

(2) 仕事の内容とその必要性の理解 担任になったとき、児童生徒に、自分た ちの学級をどのような学級にしていきたい か、そのためには何をどのようにしていけ ばよいかについて全員で十分話し合わせ、

考えさせるようにします。学級活動での話 合い活動は、自分たちの学級にはどのよう な仕事が必要で、その具体的な内容は何か を一人一人に理解させることです。その結 果、児童生徒は、すぐに仕事が始められま す。

係活動や当番活動は、自主的、実践的に 取り組むことが大切ですが、当然担任の適 切な指導が必要です。特に注意したいこと は、児童生徒の活動が滞ったときです。担 任があせって、強制的にやらせようとする と、自主性を阻害し、かえってやる気を低 下させてしまいます。担任には「待つ心」

も必要です。どこに原因があるのか、しっ かり見定め、その上で意欲を高める指導を していく必要があります。

(3) それぞれの係や当番への協力

係活動、当番活動は、目標にどれだけ近 付くことができたかという視点と、個人と してどれだけ集団に寄与し、貢献したかと いう視点から考えさせていくことが大切 です。

例えば、係活動に対して自分はどんな点 で協力や工夫ができたかを新聞づくりを 通して考えさせます。

一人一人の児童生徒が係活動や当番活 動についての役割意識をもち、責任を自覚 して学級の仕事に取り組むとき、学級は活 発になり、魅力あるものになります。一人 一役を定めて協力して当番活動に当たら せ、みんながいろいろな体験をすることが できるように工夫をすることも大切です。

児童生徒は、認められることによって、意 欲的になります。

学級の中で一人一人の児童生徒の取組を しっかりと見取り、適切に評価し、認め励ま すとともに更なる指導に生かす「指導と評価 の一体化」を図っていくことで、児童生徒は Q 学級の係活動や当番活動の仕事に対

して、児童生徒の取組が活発ではありませ ん。児童生徒が役割意識をもち、学級の中 でよりよく活動するためにはどのような ことに配慮し指導・援助する必要があるの

でしょうか。 Q&A編