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児童の活動と観察・記録

第1章 背景,先行研究,問題の所在

2.2 本研究の計画

3.4.4 児童の活動と観察・記録

殿させた標本2種(濁った部分,沈んだ部分)も紹介(図 34-7)。

〔第2時〕

① 前時③の標本(3種:実演したもの,濁った部分のもの,沈んだ部分の もの)を観察。沈殿部の乾燥標本を紹介。

② 前時②の活動を,実際に全員が実施し,水が運動場の砂を分ける(大き さの違い)ことを体感させる。

〔第3時〕

① 自然界の砂を紹介(川原,海浜の写真;図 34-8,図 34-9)。 ② 砂浜の砂2種(粗・密のところより)を観察させる(虫眼鏡)。

③ 自作の「サイズ表」(図 34-10)注1を用いて,上記の実物標本の砂を大 きさで分類する。

〔第4時〕

① 4種の異なった目(φ4.0 ㎜,2.0 ㎜,1.0 ㎜,0.6 ㎜)のふるいを紹 介する(図 34-11)注2

② 4種のふるいで事前に分けておいた砂場の砂の標本5種を観察する(見 る,さわる,比べる)。

③ 観察・記録Ⅱ<終了時>(12 分間)

注1 山崎博史広島大学大学院教授製作の実物を使ったサイズ表をヒントに,第1学 年児童用に作成した。

注2 山崎博史広島大学大学院教授の助言により,この4種のふるいを選び,砂場の 砂の選別による標本作りに用いた。

3.4.4 児童の活動と観察・記録

3.4.4.1 児童の活動

第1時〜第4時における児童の活動の概要を述べる。

第1時では,学習の冒頭で乾燥させた砂場の砂を紹介した。「今日は,砂場に

行くのではなくて,砂場の砂を持ってきたよ。」と話したとき,以前に生活科で

「すなあそび」をしているとき,活動中の児童に依頼して砂を採取したため,

当該児童やそれを見ていた児童の「ああ,あのときの砂だ。」等の声を聞いたこ とが,児童の興味をより喚起したようだ。乾燥させた砂を見たとき思わず出た 児童のつぶやきなどの反応から,水気がなくなったことによる色の違いにまず 目が向いたことがわかった。観察・記録Ⅰは個人で行うよう指示したが,砂の 標本は直径5センチメートルの蓋付きペトリ皿に大さじ一杯程度の砂を入れた ものを,4人組に1セットずつ渡した。蓋を取って中を見る児童,蓋付きのま ま振って音を聞く児童,蓋を取り2つに小分けし2人組で観察する児童など,

児童個々が思い思いのペースで観察と記録を行っていた。事前の計画では,第 1学年児童の実態から 10 分と判断していたが,文字記録に集中している姿を見 て,児童に「あと2分にします」と声をかけ,最終的に 12 分間の観察・記録時 間とした。頑張って書いたから読みたい,紹介したいという児童のリクエスト があり,数名発表する時間を設けた。以上の概要は,授業を行った両学級とも ほぼ同様である。ペットボトルでの実演は,興味津々な様子が見て取れた。

第2時では,前の時間③の標本3種(実演したもの,濁った部分のもの,沈 んだ部分のもの)を紹介した。前に並べた標本を児童が一人ずつ観察するスタ イルのために個々の観察時間は短いものの,標本個々の様子を見たり,比較し たりと,ペットボトルの中に砂と水が入っているだけの標本には第1学年児童 の興味を喚起する部分があることが見て取れた。乾燥標本を見る,さわる学習 場面でも,つぶやきなどから興味を喚起されていると判断された。児童個々が 実際にペットボトルをふって体験する場面では,小学校第1学年児童の場合一 般に「ふることそのもの」に集中してしまうことが多いのであるが,このとき は,「観察したものと同じになったか」という目で確かめながら活動していたこ とが,多くの児童の様子から見て取れた。

第3時では,川原と海浜の写真を紹介し,そこに水と砂があることを紹介し た。ペットボトルの実験では水が砂を分けたことから,自然界の水でも砂を分 けた場所があることを話すと,写真の砂の部分に注目したつぶやきなどの反応 が多く見られた印象を受けた。そのため,写真の砂浜のどのあたりからという ことがわかり,砂浜の砂2種(粗のろころ,密のところ)の標本も,より身近 に感じられたようであり,砂の観察・記録時と同様,ペトリ皿に入れた標本を 各グループに配布すると,すぐさま両者を比較しながら観察を始めた。小学校 第1学年には難しいとも思われたが,“つぶ”の大きさによって,礫,砂,泥な

どの名前があることを紹介し,自作の「サイズ表」の見方・使い方を紹介した ところ,混乱なくグループに分けることができ,「れきだ」「大きいすなだ」「中 くらいのすなだ」などと分類できた。授業の終わりに,「お気に入りの“つぶ”

をお土産に持って帰っていいよ」と話すと,見かけた範囲ではほとんどの児童 が「これ」と瞬時に選択し,お土産にしていた。したがって児童は“つぶ”の 違いが判別できていると判断した。

第4時では,水が砂を分けたのではなく,「すなばあそび」のときに児童が行 っていたように「ふるいを使って砂を分ける」ことを紹介するため,4種の異 なった目(φ4.0 ㎜,2.0 ㎜,1.0 ㎜,0.6 ㎜)のふるいを写真(図 34-11)で 紹介した。写真や教師の説明から,児童は,ふるいの目の大きさが違うことに より,仲間分けができることが概ね理解できたと,児童の反応から判断した。

4種のふるいで5つの仲間にわかれることは,理解は難しいと思われるが,直 感的な理解はしていたように見受けられ,事前に分けていた5種の標本を“つ ぶ”の大きさの違いで比較していた。観察・記録Ⅱは,Ⅰと同様個人で行うよ う指示し,標本や記録用紙等の条件も,同じように設定した。記録時間につい ては,前回に合わせて 12 分間とし,延長は行わない旨を事前に伝えた。観察風 景は,蓋を取って中を見る児童,蓋付きのまま振って音を聞く児童,蓋を取り 2つに小分けし2人組で観察する児童など,児童個々が思い思いのペースで観 察と記録を行っていたのは,前回と同様であった。頑張って書いたから読みた い,紹介したいという児童のリクエストもあったが,授業終了時刻となったた め実施しなかった。

3.4.4.2 児童の観察・記録

事前に実施されていた別の教員による「すなばあそび」の生活科学習では,

前述の「3.3.2.2 低学年における観察と記録」で示した生活科の観察の特徴①

〜④が認められる観察・記録である。この「すなばあそび」以前の生活科の観 察・記録は,筆者による絵と文によるいわゆる「絵日記風」の記録や絵による 記録を行っていたので,今回の特設単元授業における「言葉のみ」による砂の 観察・記録は,小学校第1学年児童にとって初めての記載方法である。

上述のように,第1学年児童は 12 分間の観察・記録時間に集中できていたた め,特徴①は概ね示していないと考える。教室内の自分の席で,標本を観察し ては記録することを何度も繰り返していたため,特徴②は示していないと考え る。当初予定していた観察・記録時間を児童の様子を見て延長したことから,