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11O母

第3節  事例3 C児(5歳)

1.ナラティヴの種類

 産出されたナラティヴの種類は以下のようになった(Tab1e1O.)。

産出されたナラティヴは計4話であり、ナラティヴの種類は過去経験が3

話、作話場面が1話、テーマ話題が1話であった。C児においては、撮影

開始時が遅かったため、A・B児に比べて少ないナラティヴ数となった。

         Tab1e11.C児のナラティヴの種類

産出されたナラティヴ ナラティヴの種類

①けんかの話 過去経験

②作話 作話場面

③七夕の話 テーマ話題

③熊の話 過去経験

④地震の話 過去経験

2.C児の物語の展開構造

 産出されたナラティヴを物語の展開構造により分類した(Tab1e.11)。

C児の物語の展開構造において見られた項目は、設定場面4話、説明(事

物)5話、説明(人物)5話、心的反応5話、結果3話であった。

Tab1e12,C児の物語の展開構造

産出されたナラティヴ 物語の展開構造

①けんかの話 設定一*説明(人物)一*心的反応一結末

②作話 設定一説明(事物)一説明(人物)一心的反 梭鼬許

③七夕の話 設定一*説明(人物)一説明(事物)一心的

ス応一結末

④熊の話 *説明(事物)一心的反応一説明(人物)

⑤地震の話 *説明(人物)一心的反応一*説明(人物)

*は話の流れの中で、何度か繰り返された場合を示す。

 C児のナラティヴの特徴を物語の展開構造それぞれにおいてどのような 発話が見られたのかについて、以下に抜粋し分析した。

 設定場面に関しては、発話開始時にこれから話す内容のテーマとなる一 言を必ず入れて発話されていた。C児は母親だけでなく、ビデオ撮影して       31

いた私に対しても話しかけるように発話を行っていた。そのため、母親が 知っている内容でも私は全く知らない内容である場合があったため、発話 開始時に設定を入れて語りが展開されていたのではないかと思われる。相 手がどれだけ知っていて知らないのかを考え、話を構成することが可能で あるため、母親に学校での出来事を報告する際など、母親に対して初めて 語る内容の場合は発話開始時に設定を入れて話を始めていた。

αプんかの話

1C:(友人)Aと(友人)Bがけんかした 2母:なんで?

θ古タの話

19 C:7月7日に着物を着て(学校で)遊んだ、なんで遊んだかと

いうと、7月7日は七夕で、織り姫と彦星が会えるからそ

れと同じように着物を着て刺した。

 説明(事物)に関しては、以下の発話に見られるように相手に機織りを 伝えるために、鶴の恩返しにも機織りが出ていたことを引用して伝えよう

としていることが分かる。相手に分かりやすいように伝える工夫が見られ

る。

θ古タの話

22母:行使ってやるのは分かるよ。七夕で2人が会うのはなぜ?

23C:意味は分からない。先生が言ってたけど、忘れた。織り姫は、

    機織り、鶴の恩返しみたいな。

 また、2つの物を比較してどちらが強いのかを母親に聴いている場面が あった。C児は、今回の東北の震災を受けて地震に興味を持っていた。ま た、広島に行った経験があり原爆に対しての興味も持っていた。以下の発 話は原爆と地震の威力に関しての質問であり、被害を受けるという点でど

ちらの影響が強いかといった、見た目に似ている・違うというカテゴリー 分けではなく、被害の影響と言ったより抽象的なものの比較に対して興味

をもっていた。

θ地震の話=

61C:うん。オーバー?地震と空爆はどっちが強い?

62母:地震と空爆?

63C:どっちが強い?

 説明(人物)に関しては、①においてけんかした時の様子が語られてい る。C児はけんかになるまでの経緯を話しつつ、友人Aの身長が低いため けんかをしても負けることが分かっていた為、自分が友人Aを助けるため にけんかに加わったと説明している。出来事が起こる背景的要因に加えて、

相手がなぜその行動に出るのか、また自分がその行動に出るのかの理由を 組み込みながら言吾りが行われていた。

○げんかの話

3C:

4母:

5C:

Bが書いた字がきれいに見えなくて、Aが代わりに書いてあ  げたらBが怒ってけんかになった

けんかになったの?

(Aが)怒ってたから助けようと思った 6母:

7C:

助ける?

Aは身長が低いから、助けて2対1でけんかした

 また、以下の発話では作話場面において見られた説明(人物)である。

絵に登場していた2人の登場人物の会話を手話文法であるロールシフトを 用いることで、表現していた。

0作話  0x危∫ゴ月θ∂〃刀8〃θθ

※大きな足跡を子どもたちが発見して、恐竜や怪獣の足跡ではないかと話  し合っていたが、お父さんが大きな足跡を付けて歩いていたという話。

18C:(3ぺ一ジ目)

    首が長い動物が走った足跡じゃないかなあ?へえ〜本当?

 心的反応に関しては、友人が怒ったという友人の心的反応を表現するだ けではなく、なぜその感情になったのかの理由も加えて語りが行われてい

た。

○げんかの話

3C:Bが書いた字がきれいに見えなくて、Aが代わりに書いてあ

    げたらBが怒ってけんかになった

33

 また、③では具体的な場面を提示して、織姫と彦星は2人が神様から呼 び集められて会えるときはうれしいと心的反応が生まれる場面も含めた 語りが行われていた。

θ古タの話

24母:彦星の仕事は何?

25C:食べる草あげる。織り姫と会えない。会いたいから(神様が

    2人を呼び)会えるときは、うれしい

 結末に関しては、母親が最後どうなったのかを質問し、応答する形で発 話される場合もあったが、自発的に語られることもあり結末をまでを意識

して語りを展開することが可能であることが分かる。

○げんかの話=

10一母:解決方法は何?

11C:相談して決めた。仲直りしよって決めた 12母:誰が終わり、終わりって言ったの?

13C:(友人)C 14母:Cが?

15C:すぐにご飯食べた

 作話場面における結末には、最後どのような状況になったのかというこ とと、それに対して登場人物がどのように感じたかといった心的反応を含 めて語られている。結末の語り方を含めて、首尾一貫した語りが獲得され

ていた。

θ炉房= 0x允r♂刀θ∂♂加8作θθ

※大きな足跡を子どもたちが発見して、恐竜や怪獣の足跡ではないかと話  し合っていたが、お父さんが大きな足跡を付けて歩いていたという話。

18C:(4ぺ」ジ目)

    男の子がお母さんに誰だと思うと聞くと、お母さんは大き     な足跡の男じゃないかなあといった。そうかなあ〜(主人     公のっぶやき)

   (5ぺ一ジ目)

    お父さんだと思う。(絵を見て)なあ〜んだ

C児の物語構造の特徴をまとめると、設定場面から結末までの首尾一貫

した発話が可能となっていた。話の最初には設定を自発的に語られ、事 物・人物の説明においては他の話の例を持ってくるなど相手に話が伝わり やすいようにする工夫が見られた。母親からの働きかけはあまり見られず、

C児が自分なりに物語を構成し語られていた。たまたま、テーマ話題にお いて4歳児と同じテーマの話が話されていたが、ロールシフトを用いて3 人の登場人物の様子やそれぞれの心的反応、また結末までを入れた語りを 行っていた。

 心的反応に関しては自分を含めて、他者や絵本の登場人物など自分以外 の第三者の感情を推測して語ることが可能であり、なぜその感情を抱いた のかなどそれに至る経緯も含めて語ることが可能であった。

 結末においては、登場人物の心的反応を加えるなどして自発的に語りが 行われていた。

3.母親の発話機能

 母親の発話機能に関して分類した結果以下のようになった(Tab1e13.)。

○けんかの語

1C:

2母:

3C:

4母:

5C:

6母:

7C:

8母:

9C:

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