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第2章 既存の貿易と物流の現状

2.5 主要経路別輸送コストに関する分析

各ステージの工場生産活動開始時期は不確定であるが、上記推計ではステージ1は2017 年に完工後貨物量が漸増し、2019 年以降は一定の貨物量となる仮定で推計されている。ス テージ2は2019年の部分生産開始、ステージ3は2022年の部分生産開始である。これを 元に、本調査では、KHB国境を含む国別輸送量を表 2.18に示すように推計した。JAIPは、

アラブ市場指向のテナントに特徴があるものの、実際に輸出が実現できているテナントは 少なく、多くはパレスチナ国内を市場としている。また、パレスチナ製品のイスラエル国内 での販売制限なども考慮して推計した。5章における輸送量推計にはこの数値も含まれてい る。

2.18 JAIP発着の輸出入(KHB、アシュドッド経由)及び

国内・イスラエル向け輸送量推計

年 輸送量 合計

目的地別輸送量

KHB パレスチナ イスラエル アシュドッド港

10% 60% 10% 20%

2019 396,000 39,600 237,600 39,600 79,200

2022 1,580,000 158,000 948,000 158,000 316,000

2025 2,772,000 277,200 1,663,200 277,200 554,400

出所:調査団

2.4.5 ヨルダンからの砂、骨材輸送

パレスチナの建設事業における砂、骨材(砕石)需要は年間300万トンに及び、85%はイ スラエルからの供給だが、13%はヨルダンから、残りは自国内からである。このため、KHB 国境での輸入量68万トンのうち、40万トンがヨルダンから輸出される砂・骨材となってい る。パレスチナは自国領内(エリアC)での採掘活動にイスラエルの免許が必要であり、自 国供給が制度的に制限されている。

ヨルダン国ヨルダン及びパレスチナと周辺地域における物流貿易情報収集確認調査最終報告書(第2章)

2-38

出所:ヨルダン、イスラエル、パレスチナの荷受人企業

図 2.22 主要輸送経路別の輸送コスト

表 2.19 経路別海運コスト(USD)

発地 目的地 必要日数 輸送コスト

(USD) 港湾利用費用

アカバ港

北欧 17 1,133

US$250 ニューヨーク 43 2,676

シンガポール 30 483

上海 42 335

ハイファ港/

アシュドッド港

北欧 19 1,100

US$577 ニューヨーク 52 2,200

シンガポール 25 1,100

上海 30 800

出所:ヨルダン、イスラエル、パレスチナの荷受人企業

表 2.20 パレスチナ発貨物の経路別輸送コスト比較(USD)

経路

(発着地) 経由地 発生地

コスト1:

域内陸送 (KHB /Ashdod

まで)

コスト 2:

KHB 国境通過

コスト 3:

域内陸送 (KHB- Aqaba)

コスト 4:

港湾利用 費、通関

コスト5:

海運費 合計

Palestine - Singapore

KHB JAIP 380 376 282 250 483 1,771

Other 542 376 282 250 483 1,933

Ashdod Other 579 - - 577 1,100 2,256

Palestine - Shanghai

KHB JAIP 380 376 282 250 335 1,623

Other 542 376 282 250 335 1,785

Ashdod Other 579 - - 577 800 1,956

Palestine – New York

KHB JAIP 380 376 282 250 2,676 3,964

Other 542 376 282 250 2,676 4,126

Ashdod Other 579 - - 577 2,200 3,356

Palestine – North Europe

KHB JAIP 380 376 282 250 1,133 2,421

Other 542 376 282 250 1,133 2,583

Ashdod Other 579 - - 601 1,100 2,280

出所:ヨルダン、イスラエル、パレスチナの荷受人企業

表 2.20に示したように、アシュドッド港発のアジア港湾向け輸送はアカバ港経由よりも 高額であり、KHB 国境・アカバ港経由の方が有利である。また、北欧、ニューヨークには 両者の差は少ない。一方で、パレスチナ貨物全体から見て、アカバ港経由の輸出量が少ない のは、KHB 国境における、待ち時間、保安検査、貨物ダメージを含む不確定さ、懸念があ るためである。これらの懸念が解消されれば、パレスチナ貨物のアカバ港湾利用が促進され るものと考えられる。