4 考察
4.7 考察(6) 下請事業者が自社製品開発に着手するための活動
4.7.5 下請事業からの能力強化
また、自社製品を開発するにあたっては、自社が製品開発プロセスのどの部分に強みを 持っているかについても認識するべきである。ナイトペイジャーは「下請事業」「共同製品 開発事業」「自社ブランド製品開発事業」の 3 つの事業を並行して行っているが、この事例 から理解できるように、3 つの事業では、主に求められる能力が異なっている。下請事業 では価格競争力、品質といった量産力がまず求められるが、共同製品開発事業では、製品
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仕様の検討や設計を行う「製品エンジニアリング力」や、自社設備や共同開発企業、外部 のネットワークを考慮して適切な要素技術の導入や生産準備を行う「工程エンジニアリン グ力」が必要である。また、自社製品開発においては、ニーズを特定し、ニーズを満たす ための技術アイデアを決定し、製品コンセプトに落とし込む「コンセプト作成力」などが 必要とされる。下請事業はとかく受け身な業務であると思われがちであるが、そうした中 でも、取引企業とのやり取りの中で、これらの能力が経営者自身に、あるいは自社の社 員に蓄積されていないか、客観的に分析することが望ましい。
また、中小製造業者が生き残る方策の 1 つとして考えられるのが「多品種少量生産対応」
であったが、この多品種少量生産に求められるのは、発注に対応して自社設備での加工を 工夫して対応したり、協力企業に加工を依頼するといった工程エンジニアリング力である。
さらに、発注に対してより品質が高い加工方法を提案したりコストダウンが図れる仕様・
設計を提案するといった製品エンジニアリング力が発揮できれば、競合との差別化を図る 上では非常に有効である。すなわち、下請事業を営む中小製造業者が多品種少量生産に取 り組み、対応力を高めていくことは、結果的に自社製品開発、とくに他社と共同で製品開 発を行う上での能力を強化することにつながる(図表 4-12)。もちろん、製品化する見込
図表 4-12 下請事業からの能力強化
出所:筆者作成、図表 3-8 を編集
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みがある強いニーズを有していたり、製品化する見込みがある強いニーズを有するリード ユーザーとの接点があれば、自社製品開発に取り組むことも可能であろう。
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