「個所」とr緬条」の二語にしかもちいられず,「個月」・「個国」・「個年」などは,「カ月」・
「か鷹」のように,かな表認されている。「個所」の場合でも,単独でつかう聯合および「工事
〜」・「折損〜」のように複合語としてもちいられる場合にかぎられ,数詞につづいてっかわれる 揚合には,かな表寵されるのが普通である。以下に「かしょ」と「かじょう」の表記偏をしめす。
かし」一一・政所91・か所32・個所13・ケ所3
かじょう…箇1条2・玉条2・個条1tケi条1
以上にみたように,当用漢字補正案にしめされた漢宇のうち,削除候補の漢字は,ほとんど一 般的には使用されていない。また,追加候補の漢字は,量的にはあまり重要な役割をはたしてい ないし,質的にも,少数の漢字をのぞいて,それほど必要度のたかいものは,おおくないという ことができる。
2・3 層別の漢字の種類
層別の漢字の出現度数については,表3(30ページ)にしめした。各回ごとの異なり字数にで いりがあることは,薪聞に繊現した漢字がどの属にも平均して使摺されるものばかりでなく,特 定の層にかたよって出現するもののあることを意味している。そこで,嵐現した3,213字が六つ の贋にどのように分布しているかを概観するために,それぞれの漢字がいくつの層に出現するか を欄阪手函別に集計したのが表9である。
表9 層別にみた異なり字数のちらばり
痴言騰蜂1表外測計
六つの贋に共通して出現した異なり字数 五つの屠にだけ出現した異なり字数 四つの贋にだけ
三つの層にだけ 二つの層にだけ
一一一一ツの層にだけ
ft tt
/t
n
927 57 9 1
王
1
412 230 103 51 27 25
58 85 96 187 331 612
i,397 372 208 239 359 638 計 gg6 i s4s 1 1,36g 1 3,213
六つの憩こ共通して繊現するのは,1,397字で,総異なり数の43.5パーセントをしめる。また,
制限範囲甥にみると,学習漢宇のほとんどが五つ以上の層にわたって出現しているのに対し,表 外漢宇の82.5パーセント(1,113字)が三つ以下の層にしか出現していない。おおくの層に共通
して出現する漢字は,おおむね,使用度数のおおきいものであり,逆に,出現する層がすくない 字は,使/弼順位がひくいものであることは,常識約にも推測される。しかし,なかには,使用度 数がすくなくても,多層にわたって繊現するものもあれば,かぎられた層にしか出現しなくても,
使用度数のLL較的おおいものも存在する。たとえば,六履に共通して鵬現する「峡」の使用度数 は9隣であり,VI層(広告)にしか出現しない「揃」の使用度数は59回である。
このように屡による宇種のでいりをみることによって,それぞれの層で特徴的に使用される漢 掌の傾肉をとらえることができる。しかし,厳密な方法ではない。なぜならば,使用度数のおお い漢字には,すべての暦に共通して繊現しているが,かならずしも平均して使用されず,特定の 層に集中して使用されているのも,すくなからず存在するからである。たとえば,全体順位109 位のr党」は,全体使溺率1。968パーミルで,すべての層に出現している。ただし,1層(政治)
一43一
での使用率は,6.481パーーミル,罵内での使用順位は15位であるのに対し,他の層での使用率は V・ずれも1パーミルにみたず,層内順位も300位に達するものはなV・。つまり,「党」はP聾で特 徴的にもちいられる漢字ということができよう。このような層溺の特徴漢宇を主観によらず統計 的に抽禺することは,そうめんどうではない。各層の延べ度数を合計して,比例配分係数をさだ めておき,各漢宇ごとに,それぞれの層で理論的に算出される期待値としての度数と実際の出現 度数を比較することによ?て,それはえられる。ただし,ここでは省略する。
3. 音訓使用状況
3・1 当用漢字音濁il表との関係 3・11 僧体の傾向
標本としてIM現した漢字がどのような音訓に使用されたかを,「改定当用漢宇音調表」を基準 として分類したのが表10である。表中で「表内G目)jとしたのは,当時の「音訓表」で表内音 訓とみとめられるものをさし,「三内(新)」としたものは,「改定音訓表」に一追加されたもので,
当時は表外音訓あつかいをされていたものをさす。なお,この表には,旧名・地名としてもちい られたもの,および,この調査で〈特殊訓〉としたり,「改定音訓表」の付表にかかげられたり した熟字訓は,のぞいてある。
表lo 制限範囲別の膏訓使用状況
音 訓
f
異 な pT
表口(剛表構噺)隊 外1 言卜
王,975
(70. 1)
1,270
(57. 2)
3, 245
(64.4)
65
(2. 3)217
(9, 8)
282
(5. 6)
778(27. 6)
732(33. 0)
1,510
(30. 0)
2,8工8
(100. O)
2,219
(100.O)
5, 037
(IOO. O)
延 べ
納㈲i謡曲)隊夕q
704147
コ(99.5)
i52,087
(96.8)
856234
フ(99.0)
685
(O. 1)
1,626
(1. 0)
2, 311
(O. 3)
2,828
(O. 4)
3, 422
(2.2)
6, 250
(O.7)
707, 660
(100.0)
157,135
(正OO.0)
864, 795
(100. O)
まず,異なりについてみると,「三内(lli)」の64.4パーセントに対して,「表内(新)」と「表 外」をあわせたものが35.6パーセントに達している。この傾向は,訓のほうにいちじるしく,音 では,当時の表半音の比率が29.9パーセントであるのに対し,訓では,42.8パーセンi・にもおよ んでいる。しかし,延べでは,訓で表外音訓が3.2パーセントをしめるものの,全体では、門内
(新)」と「表外」をあわせても,1.0パーセントにしかならず,ほとんどが表内音訓でまかなわ れていることがわかる。ちょうど,制限範囲朋にみた,当用漢宇と表外漢字の関係にみられるよ
うな傾向が,音訓の場合にも看取される。特に,「表外」は,異なりで30.0パーセントをしめる が,延べでは0。7パーセントと一挙にへってしまう。それにくらべると,「表内(新)」は,延べ のO.3パーセントにすぎないが,異なり数との比較でいえば,減少率がちいさく,門外音訓のな かでも,比較的よく使用されるものが,「改定音訓表」でえらばれたことを意味しているといえ
よう。
つぎに,層別に表外音訓の比率をながめてみると,表11のようになっている。表外音訓とは,
「表内(新)」と「表外」をあわせたものである。金体として,表外漢字の使用率と平行関係に あることがわかる。一般に,表外二音訓の使用率は,表外漢字の使用率よりもたかくなることが予
一44一
ee 11層騨こみた一門音訓の使用率(延べ)
一一一
鼈鼈鼈
王 政 治
H 社 会 皿 経 済
IV文化・家庭 V・運動・芸能
VI 広 告
0
X 0 音
外嚢
音
2壊39王4 ②②0.貸し1㌔
表外訓x生00 訓
1.3
16 18 25
4,3
9, 3
表外音訓 ×loo 音訓
O. 4
0. 6
0. 6
]3
1.8 2. 8
表外漢掌使用率
e. 7
1.5 0. 7
].6 3. 0
32
想されるが,この表外音訓の使用率には,人名・地名がふくまれていないので,そうなっていな い。H層(祉会)で表外漢字の使用率にくらべて表外音訓の使用率がひくいのは,表外漢宇のお おくが人名・地名に使用されていることをものがたっている。VI層(広告)を別とすれば, V層
(運動・芸能),IV層(文化・家庭)に,表外音訓の使用がおおいことがうかがわれる。
3・12 表内音談の分析
表10では,「表内G臼)」に属する音部iは,3,245種類が出現したことになっている。総数は,
3,394だから,約96パーセントが出現しているわけである。逆に4パーセントほどが使嗣されて いない。ただし,この異なり数は,本漢字調査用に整理された音翻数によっているので,現行の
「改定音訓表」によって,娼現しなかった音訓をかぞえなおすと,表12のようになる。なお,現 行の音綱表では,派生形・対応形などをふくむが,それらをすべて1種類とかぞえたものが,表 i2の( )内の数である。
表12調査に出現しなかった表割音訓の数
表 内 (旧)
表 内(薪)
音
1
24(2013)
26( 86)
訓 134(1506)
三27( 333)
圭68(35王9)
三53( 419)
これによると,ギ表内(照)」では,4.5パーセントが不使用ということになる。また,音では,
大蔀分が使用されているのに対し,訓では,8.9パーセントが使用されていない。つま9,訓は,
表外転の使用がおおい組割、表内調で使用されないものもおおいということになる。この理由と して,単純には,表内訓に相当する和語には,新聞に嵐現しにくいものがあることがかんがえら れるが,表三綱の使梢のおおきさをかんがえあわせると,むしろ,和語の表記形式のゆれのおお
きいことによるものとおもわれる。
一回も使用されなか〈:)た表内音謂のリストは,付表2(509ページ)にかかげてある。そのうち,
r表内(II])」に属するものは,おおよそ,つぎのようなグループに分類することができる。
(1>その漢宇が補正案削除候補であることなどのため使用されないもの…劾(ガイ)・遵(ジ ニン)・虞(おそれ)・煩(わずらわす)
{2)文章語的で三代語としてはあまり使用されないもの…衆(シュ)・浦(ホ)・基(もとい)
政(康つりごと)・陵(みささぎ)
(3)専門用語などにしか出現しにくいもの…繭(ケン)・穂(スィ)・錘(つむ)
(4}一般にかな表記されやすい傾陶にあるもの…因(よる)・上(のぼせる)・明(あくる)