た。地図化の対象とする「本ですね」の部分に限ってみ ると,同じ回答をしている地点は211地点,215回答あ
った。
〔語形の記号化〕
地図化は両場面共通の方針で行っているので「8.L名 詞述語表現a(肯定)の概要と記号化」の「D.地図の分 割方針」「E.記号化の基本方針」を参照のこと。
9.名詞述語表現b(否定)
でいずれも採用している。
語形の記号化については,各図の説明を参照のこと。
9.1.名詞述語表現bの概要と記号化 9.2,各図の説明
名詞述語表現bは,確認の問い掛けに対する否定の応 答表現をもとに,否定を意味する応答詞(「いや」に相 当する部分)と,断定の否定表現(「〜ではない」に相 当する部分)とを併せてみようとすることをねらいとす る。調査においては,0場面(親しい友人にむかって言 うとき),A場面(近所の知り合いの人に向かって,や やていねいに言うとき),B場面(この土地の目上の人 に向かって,ひじょうにていねいに言うとき)の3場面 で,「あれは役場か」と聞かれて,「いや,役場ではない」
と答えるときの表現形式を尋ねた。ここでは,B場面で 調査した結果を,331図・332図に地図化した。地図は
「(役場)ではない」に相当する部分(331図)と,「い や」に相当する部分(332図)とに分割して作成したが,
回答語形の組み合わせば地図から判断できるようになっ ている。
採用にあたっては,以.下の回答の下線部に見られるよ うな主語や修飾的な要素は除いて採用した。
1835.20陶aasukow勾ak田badewaarimasen]
1920.55陶aarewananinaninotatemonodesulkara jak田badewaarimasen]
277197 [a:a巧勾agαlbadeneoN]
6409.00[イヤーソリャヤクバジャーアリマヘンデ]
6553.22陶aarewajakubadenaidesu]
8301。68[iiearya:yakubad3agozaima∬en]
なお,後半部「役場ではない」の「役場」相当の部分 にはjakkuba, jabba, jagubaなどの変種や∫ijaku∫oある いはso:, sogeなどの指示詞類も見られるが,これらは 質問の意図とは無関係であり,後接する部分との融合も 認められなかったため,「役場」相当の部分を省略し,
「ではない」に当たる部分を記号化の対象とすることに
した。
また,終助詞付き回答も採用するが,終助詞以外の部 分が一致するものについては,α方式(第4集解説12 ページ参照)で一つの見出しに統合する、
その他,「いや」に相当する語形のみ回答されている ケースや「(役場)ではない」に相当する語形のみ回答 されているケースもあったが,断定表現aに準ずる方法
331図いいえ、
332図 いいえ、
役場ではありません(B場面)
役場ではありません(B場面)
〔語形の採用と統合〕
まず採否について説明する。
次の回答はGAJ全体の採用条件にあわないために不 採用とした。
5471.49[i:司akuba3agozan∫eN]〈稀,老女が用いる。>
5731.69[胸agulbadaa埴s6jo]〈ここ大中で使う人も いるが、自分では使わない。〉
以下の回答は,参考話者の扱いで採用した。
5670.47[胸aguba3anejo](同席者の回答)
638487[イーエノーヤクバジャアリマセンデー]〈70 歳以上の老人のことば>
6583.30[i絢akubad3agowaheN](ゆ)〈少,古老〉
ただし,5670,47の語形は,主たる話者の回答語形と同 じ見出しに統合されるので,地図上にはダガーマークが 付かない。
次の併用回答のうち,第一回答は当該地点(鹿児島県 西之表市国上)の形式ではないと判断して不採用とした。
839421[麺句akuba3agodzaimohaηgana:]
ク [ij勾akuba3agodzaimo=saηgana:]〈第一回答 は鹿児島弁。第二回答のように言う。〉
また,次の回答は,「その土地の人に向かって」とい うB場面の条件に合わないので不採用とした。
6577,43[sofewat∫iηaimastα]〈他所の人に対して言 うとき〉
以下の回答は質問の意図にあわないので不採用とし
た。
5629.11[ a:幻。:w勾akubadegozaimase切。]
また,次の地点の,伝聞の形式については不採用とし
た。
5699.61[勾aarew勾akubadewanaiso:des田ne]
前半部(「いいえ」相当部分)の扱いについて説明す
る。
「いいえ」に相当する部分として採用したものの中に は,応答詞ではなく否定の意味を表す動詞を用いた以下
一130
のような回答もあるが,いずれも下線部を応答詞として の機能を担っていると判断して採用した。
3766。86[ts前ηagmas山jag血badeaa直maseN]
5604.28[∬igaemas両akubadewaarimaseN]
6508.60[チガウワヤクバヤナイワ]
6548.53[t∫igaimas両(オakuba5aarimaseN]
7339.04[t∫igaimas両akubadewanaidesu]〈「イヤ」は 言わない。>
7608.63[ぜigaimasu:巧akulbadewaarimasen]
また,「そうではない」という断定の否定形式にあた ると思われる以下の回答も下線部を「いいえ」に相当す る部分の回答として採用した。
3740.34 [so:denedeans山jag〔血badedabanεdeanst血]
3752。13 [ndenεs山]
3761.75 [sodenesαljagαlbadenesα1]
ク [sodenaTst血j agαlbadenes曲]
3791.09 [NdenensI血jagubadenεnsl血ta]
3791.41 [nden紀s山jagubaden記ns山t田]
471055[nnegodes両agしubadewaarεheN]
4735。32 [ndenεづakubadenε・ne・]
〃 [ndenεづakubadenεnaedesul紀ne:]
応答詞と動詞を用いた形式を組み合わせた以下の回答 は,全体を「いいえ」にあたる回答として採用した。
0776。88陶a:t∫igaimas田]
3721.11 [噸a壇amdenεnsrli]
3747.46[iet∫iOaimas{μlo]
6416.59[mjat∫igaimasug句。:]
〃 [m胆可igaima∫oja]〈新,上品>
6457.29[i:et∫iηaimasu]
6521.20[麺a可igaimasude:]
6584.38[i:et∫igaimas山wa]
7313.07[導aarewa可igaimasu]
7439.91[i:et∫igaimasりse]
次の回答も上記と同様の類と見て全体を「いいえ」に あたる回答として採用した。
3704.48[soN勾aar1maseN]
3734.14[soNdearimasen]
次の回答に見られるhaiは発話を立ち上げる機能を担 っていると考えられるが,〈haiiie>全体を応答詞として 扱った。
6375.28[haii:句akuba3agozaimaseN]
次の地点で回答された語形も,調査者の注を参考にし
て下線部を応答詞として採用した。
6497.57[horaJakubadewagozaimaseN]
〃 [so均aJakubadewagozaimaseN]〈[Ua]という ところを[so6a:]とも言う。〉(第一回答の[hora=]
の場合も同様だろう。目上に[ija]は使いにく いのだろう。)
しかし,以下のような注については応答詞なしとして 処理した。
6610.08[jakulba3anaize]〈古,多〉
〃 [jakulba3anaide]〈「いや」を言わず,あい まいなe:で受ける。〉(e:は否定を表さない。うな づきとしては,e:, a:はていねいな言い方)
なお,次の回答は後半部が否定の表現になっていない と考えられる。そのため,項目のねらいにはずれるので 不採用とした。
6488.48[チガイマスナーヤクバデ]
次に,後半部(「ではありません」相当部分)につい ての留意点を記しておく。
「タ」が現在のテンスを表す地域があることから以下 の語形は,文脈に適していると判断して採用した。
3750,64 [jagubadenεgattasα1]
3791.09 [NdeneNs山jagubadenεns山ta]
以下の回答も同様に扱ったが地域を考慮するなら疑問 は残る。
5646.80 [茸ε切akubad3anakatt句。]
6446.93[奪ajakuba勾a:arimasenaNda]
ク [輯aJakuba勾a:arimasenaNdades両。]
音声の統合に関して説明する。
まず,次の語形の末尾のsは無声化した母音表記を略 したと見て,sの後に無声化したuを補充し,
5771.36[lj句agubadot∫iηaimas]→〈dociηaimasu>
のように統合した。
以下の回答に見られるnは,他の項目(「行こうよ」
など)を参照した上で,撲音と見て統合した。
5628.89[i=句agulba3aarimasenjo]
→〈勾aarimaseNjo>
また,以下の切。は切。に統合した。
7408.46 [iJ句akubatot∫igaude〜jo=]
〔語形の記号化〕
記号化にあたっては,「いや,役場ではない」の「い や」に相当する部分を「前半部」,「〜ではない」に相当 する部分を「後半部」とする。
A.前半部の記号化(332図「いいえ」)
まず,前半部の記号化の原則を色・形・大きさ・塗り つぶし方に分けて説明する。補助記号・方向は用いなか
った。
A−1.記号の色の与え方
形式を次のように分類して色を決める。
Ua, ieの類・………・………・一…赤
UN, N切aの類…・………・………緑
aa, hai, araNの類・………水 naaN, namoの類…………・……・・燈 cigau, soodenai, Ndenaiを含む類……茶その他………・・…紺
A−2.記号の形の与え方語頭の音によって,おおむね次のように記号の形を決
める。
i,eで始まる…………正方形(eeは長方形)
jaで始まる… ………・・平行四辺形 u,?oで始まる…・……円形
Nで始まる………・・…楕円形 aで始まる…・………・正三角形 hで始まる………・・…菱形
naで始まる・・………・・いちょう形 cigau類を含む…・……・涙滴形 Ndenai類を含む・………リボン形A−3.記号の塗りつぶし方と大きさの与え方 上記以外の形態の違いを表すために適宜用いた。
B.後半部の記号化(331図「ではありません」)
B−1,後半部の語形の分割
記号化にあたり,後半部(「ではない」に相当する部 分)の語形を「では」にあたる部分を「前部」,「ない」
にあたる部分を「後部」に分割する。ただし,tocigau の類はtoにあたる部分を「前部」, cigauにあたる部分を
「後部」とする。分割の例を挙げると次のとおりである。
前部 後部 dewa nai 勾a
Nde なし to
naa nεNSU aranu cigaimaSU
後部の形式を次のように分類して色を決める。
naiの類…・・…………・…・…水 desuの類・………・・……・・…榿
arimaseNの類…・…・…………茶 gozaimaseNの類………・・……赤 cigauの類………・・…緑
「aru+否定辞」の類,その他……紺b.記号の形等の与え方
形態の違いによって,おおむね次のように記号の形を 決める。
nai, nakaなど・………・…長方形 nee, neなど・………・・…平行四辺形 naidesu, needesu・…………・……正三角形 naissu, nesuなど…………・・……二等辺三角形 arimaseN, omaheNなど・・…・………正方形 90ZaimaSeN,90ZaSSeN,90WaSeN・
goz胡aheN, nagozaNsuなど・…・……円形 negaNsu, denεgasuなど………涙滴形
gowahaN, goheNなど………・曲玉形
gozarimoosaN, aimoosaNなど………紡錘形 cigaimasu, cigaimasseなど…………小刀形 「aru+否定辞」,その他………線記号 また,各語形が区別されるように,記号の大きさと塗りつぶし方を適宜用いた。
B−3.後半部前部の記号化
前部を以下に示すように記号の方向で区別する。
dewa, Nde, towa, ttoa, tona,なし・…・上 dea,(℃a, dεε…………・・……・・…右上 de, dε, dowa・・………・…・…右
N,da, daa…………・……・・……右下
Nde, deN, dedaba, do…………・…・下
勾a………・…・…・……・・左下 zjaa, t・………・…左 ja……・…・………・………左上
なお,終助詞付き回答は記号の下部に補助記号(線)
を付す。
B−2 後半部後部の記号化
「後部」の記号化について説明する。