7346.94[サムイデスナー](共)
7377.63[samuidesunel]〈共>
7383.98[samukadesuna:]〈新>
7503.32[samuine:]〈新>
7503.32 [samuina:] 〈新〉
⑤他の待遇場面との違い
B・0場面と比較した注があるものを挙げる。0場面 と同じであるという注記は次の4つの回答にあった。
027597[gigiroka=mu刈a:](0に同じ)
3733.31 [sabulina:コ (ニ0)
3752.13[sabi:na](0・A・B区別なし。)
3721,11[sabina:](この場合0と同じ)
B場面の注記では,A場面と同じであるという注記が11 回答につけられていたが,A場面の注記としてはむしろ
。場面と同じという注記が目立つ。これは0→A→Bの 順に調査したためだろう。しかし,実際に回答が同じも のが多いのはA場面とB場面で,地点では174地点180
回答であった。3場面ではB・A場面と0場面の問に
大きな待遇度の差があるということであろう。〔語形の記号化〕
記号化は全場面共通の方針で行っているので「7.1形 容詞表現の概要と記号化」の「D.地図の分割方針」「E。
記号化の基本方針」を参照のこと。
325図 寒いですね(O場面)
326図 寒いですね(O場面)
〔語形の採用と統合〕
A.図のねらいと特徴
本項目は,「親しい友達に向かって」という対等な関 係の待遇条件では「寒いですね」をどのような形式で表 すのかをみることがねらいである。注意すべき文末形式 についてみると,この0場面では敬語や丁寧語はあま り付かず,終助詞も最も親しみをこめたものや無造作に 使うと見られるものが付く。
B場面と比べ待遇度が低いA場面では表現の幅が収束 して見出し数が減っていたが,0場面では,そのA場面 よりさらに見出し数が少ない。これは前半の321・
323・325図の問で顕著である。見出し数はB・A・0
場面の順に278・213・84と,極端な減少を見せている。終助詞を扱った後半322・324・326図の見出し数は B・A・0場面の順に,98・115・85である。終助詞
部分だけでは高い待遇を表すための様々な形式を付ける ことがないため,各地の表現形式にそれほどバリエーシ ョンが出ないからであろう。
分布を概観すると以下のようである。
325図「寒いですね」では,尊敬や丁寧の要素を含ん でいない水色のサムイ類がA場面よりさらに増え,全 国を覆っている。0場面では「寒い」部分の語彙的な違 いしかない。琉球諸島でも「〜ビーン」の類を付けず形 容詞のままの語形になっている。
326図「寒いですね」では322・324図でほとんど分 布に違いがなかったのに対して,榿色のナ系の分布が増 えるという変化が見られる。B・A場面でネ系だった地 域がナ系を使っている。関東を中心とした地域ではナ 系・ネ系の待遇度による使い分けがあるようである。一 方,九州ではナ系に代わってネ系が分布し,関東と逆の 関係になっている。目立つ語形として,高知県に「ネヤ」
がある。琉球諸島では3場面ともに分布に差がなく,本 図でも「サー」「ヤー」を含む語形が分布する。
B.語形の採否
B−1.参考話者や使用状況による採否
次の回答は,話者自身が使用する語形ではなく,使用 者が条件に該当しないために不採用とする。
6564.23[samulina=]<女>
6397.11[samuine=ta]〈女性がいう。〉
次の注は,聞いたことがあるだけで話者自身は使わな いものとして不採用とする。
6393.86[sabuino:]〈聞く。〉
また,次の回答は「古老」という注記から,主たる話 者よりも上の世代の使用とみなし,参考話者の扱いでダ ガー付きで地図に載せる。
6593.00[samuino:](ゆ)〈古老男,稀〉
次の同席者は採用条件に合うので,参考話者の回答と して採用する。
2751.10[sabe:nas:]〈古〉(同席者の回答)
次の同席者は採用条件にあわないため不採用とする 6277.12[sam呵。](平山)
さらに,0場面の「親しい友達に向かって」という場 面設定に明らかに合わないものは不採用にした。次の回 答は,はっきりと「甥,姪」とあり友達とは言えないの で不採用とした。
7404.20[samuinεa]〈古〉〈甥,姪などの身内へ〉
ほかに「目上」「目下」「年上」という注記があるもの
もある。目上・目下や年上の親しい友人という存在もあ り得ると考えて,これらは採用とした。併用回答と共に 挙げる。
5462.29 [sabi:d3anaekaコ
ク [sabi:na:]〔ゆ〕〈目下に言う。>
6559.45[sabuina:]〈男〉
ク [sabuinON]〈女,男→年上〉(敬意がなく ても)
6563.87[samuina:]
〃 [samuinOl]〈男ことば,目下の者に対して 用いる。>
7219.50[samkuane:]〔ゆ〕(na:よりne:が低い。 ne:
は目下に言うことばだと言うが,同輩にも使って いる。)
〃 [samukana:〕
8313.72[samine:](ゆ)〈目下に〉
〃 [samina:]〈同年または目上に>
6594.20[sabuino:](このノーはこの項ではややてい ねいすぎ)
ク [sabuinお:]〈同僚あるいは目下に〉
これらの併用回答をみると,5462.29以外の地点は終 助詞部分が異なるだけである。0場面の回答として採用 するものの,親しい友人であっても年齢的上下や立場的 上下によって終助詞が使い分けられているということで あろう。
B−2.意味的な観点からの採否 a. 「寒い」に相当する語
「寒い」という語を含んでいない回答は不採用とする 方針であるが,0場面にはそのような回答はなかった。
「寒い」に相当する「ヒヤイ」「カンガイイ」などの 形容詞表現,また,「サムイ」という語を使っていても
「サムクナッタ」という動詞表現,および他の動詞述語 も「寒い」という内容を表すものは採用する。詳しくは 前述「7.1.形容詞表現の概要と記号化」の「B−1.「寒い」
に相当する語」を参照のこと。
この「サムイ」以外の語を使った回答は,B場面60 回答・A場面71回忌に対して,0場面75回答と漸増し
ている。
「サムイ」に相当すると見なして採用した回答と「サ ムイ」とを併用している地点では次のような注が見られ
る。
0724.21[samuina:]
ク [∫ibareru3aコ〈多>
1778.45[samuina]
ク [∫ibareruna]〈非常に寒いとき>
4658.69[sam山fna]
ク [飾arer山na:](少)くかなり寒いとき,めっ たに使うことはない〉
〃 [kand3ir山na:]〈多>
6287.81[samuino:]
〃 [g麺aino:]〈ヒヤイの方がサムイより寒さが 上〉
「シバレル」や「ヒヤイ」はサムイより寒さが厳しい時 に使うという説明が多い。
b.表現の採否
以上のように,形容詞述語・動詞述語は広く採用した が,「寒い日ですね」のような名詞述語表現は採用しな い。名詞を使った表現項目は他に次の「名詞述語類a
(肯定)」の「(珍しい)本ですね」などがあるので参照 できる。とはいえ,この名詞述語になった表現は0場 面では次の1地点のみである。他の場面ではもう少し回 答数があったことを考えれば,名詞述語で答えるのは丁 寧な表現であるということか。
4598,07 [sabulig尊ana:]
感嘆表現は採用しているが,本場面では次の1例のみ あった。
6383.28[naNtosamuina:]
八丈方言中之郷でも
7659.62 [koge:rod3aコ
であり,A・B場面のような感嘆形[〜te]ではない。
なお,否定疑問表現は採用している。A・B場面の各 19回答に対して,0場面では9回答と少なかった。
0場面には琉球方言でくhiisanu>という語形がある。
これは「寒くて,寒いので」という理由を表す形である という。これらも採用した。具体的には以下の回答であ
る。
1157.92 [hi:sanqja:]
1231,72 [pi:sanu]
123199 [pi:san両a:]
1241.49 [pi:han司a:]
1261.16 [hi=sanu]
1270.26 [hi:san可al]
2086.03 [pi:sanu:]
また,次のような回答があった。
一l12一
1801.80[∫ibaretanasamulina・]
一行に書かれていることから,続けて発話されたものと 思われるが,これを次のような併用回答として扱うこと にする。
1801.80 [∫ibaretana]
ク [sam田ina・]
c.地図化しない部分
この項目の質問文にはないが,「とても」「非常に」に 相当する寒さの程度を表したり強調する語が付いている 回答があった。この部分は地図としては取り扱わない。
また,「イヤー」のような感動を表す語も対象にしない。
この種の程度や感動を表す語がついた回答は,B場面で は30回答近く,A場面でも11回答あったが,0場面で は7例である。「タイヘン」「バカニ」「スコシ」「エライ」
などがついた回答は見られず,その代わり,時を表す
「キョーワ」を付けた回答が目立った。
ズイブン
0724.21[zumbu∫ibaren13a]
1835,20 [zulibul∫ibarerulna:]
イヤー
1801.80[導a6ibaretanasamしuina・]
オー
6557.65 [o:sabuina=]
キョーワズイブン
0840.33[幻。:waz血mb田samulina]
1868.21[㎏o:z田ibulNsam田inaoi]
キョーワ
0717.50[kjo=wasam田ina=]
1835.20[幻。:wasam田ina〕
5575.11[幻a:samu肌nal]
5594.81[幻。:wasam田ino]
〃 [幻Olwasam田ina]
6512.15[幻。:sam田ma]
6527.20[幻。:wasamuinamo]
〃 [幻・=wasamimamo]
6549.51[㎏o=wasamuina=]
7308.05[1qo:wasabuino:]
7308.37[幻。:wasamuino=]
7325.86[キョーワサミーノー]
7350.54[幻ulwag奪akanai]
7366.87[幻。:wasamimo:]
8321。58[1Φwasami=ne:]
〃 [幻UWasaりkane:]
0246。88 [kjuJagi:sa巧a]
0248.Ol [幻 ujagigurusa切a:]
オイキョーワ
0776.88[oi㎏o=wasa:mulina]
C.語形の統合
C−1.音声の統合九州地方に,共通語の[k]に相当する位置に[η]
の現れる回答があったが,調査結果を尊重してそのまま 見出しとした。
836L42 [g虹aoano:]
地点は鹿児島県枕崎市である。これについては第2集解 説書20ページを参照のこと。
C−2,語形の部分統合
A・B場面と同様,325丁目寒いですね」と326図
「寒いですね」の部分に分割し,325図の「寒い」にあ たる部分において部分統合を行った。部分統合について は「7.1.形容詞表現の概要と記号化」「D−3。回答の分割と 部分統合」で述べたとおりである。
321図で統合した部分を以下に挙げる。
sam, saam, saNm, sab, saab, saNb, saNb
なお,0場面で接頭語がついた回答は次の二つのみで あった。
5675,36[osamu:]
6652.43[osamo:]
形容詞「寒い」を扱った地図はGAJには収められて おらず,これら統合された形は他の図から推定できない。
そこで,ここにくsam>以外の統合部分をもつ地点を挙 げる。併用回答中で同じ統合部分をもつ地点は重複を避 けて掲げる。
saam :0776.88,4647.69,4652.79,4666.42,4675.45,
4676.57,4694.72,5647,27,7305.22 saNm:4714.60,4715.98,4752.94
sab :2751.10,2764.81,2773,12,2775.21,2791.57,
2793.04,3609.46,3649.73,3704.48,3714.95,
3720.70,3721.11,3722.42,3725.32,3726.68,
3731.38,3733.31,3734.14,3736.03,3740.34,
3741.06,3747.46,3750.64,3752.13,3752.79,
3760.57,3761.75,3762.42,3770.33,3772.61,
3773.12,3780.65,3781.21,3783.11,3791.09,
3791.41,4597.66,4598.07,4609.53,4629.81,
4637.20,4638.Ol,5462.29,5471.49,5508.16,
5516ユ9,5518.20,5527.81,5556.91,5557.85,
5566.37,5567.46,5575.52,5579.79,5588.78,
559074,5595.89,5597.42,5597.68,5612.62,
5613.27,5615.67,5620.22,5622.19,5623.94,
5624.84,5631.78,5632.27,5633.42,5642.29,
5646.80,5652.74,5653.33,5660.50,5661,77,
5662.78,5670.47,5672.89,5673.18,5680.23,
5681.22,5681.79,569028,5695.47,5697.57,
6339,06,6348.34,6357.64,6358.43,6369,32,
6374.58,6377.11,6378.06,6384.87,6385.98,
6418.54,6419.10,6421.57,6431.76,6435D4,
6440.35,6445,13,6455.57,6457.29,6461.78,
6469.77,6472.37,6475,60,6482.27,6485.21,
6485.49,6486.58,6490.31,6495.07,650496,
6510.74,6519.90,6522.32,6522.89,6523.87,
6524,67,6526.55,652795,6528.52,6534.67,
6538.42,6539.22,6545.31,6547.33,6548.53,
6553.22,6557.65,6559.45,6563.30,6563,87,
6568ユ6,6573.32,6573.79,657586,6583.30,
6593.98,6594.20,6601.37,6603.52,6604.01,
6605.36,6610.08,6611.15,6613.68,6615.89,
6620.15,662α70,6621.07,6623.54,6629.13,
6636.30,6639.97,6642.32,6642.57,6650.06,
6650.72,6655.44,6657.54,6662.49,6667.81,
6697.59,6700.04,6700.97,673026,7275.24,
7308.05,7323.74,7324,56,7333.97,7334.34,
7341.77,7342.65,7349.91,7365.25,7366.13,
7405.86,7408.46,7504.72 saab : 4672.19,4684.87.5566.95 saNb :3689.56,4609.53
saNb : 274386,2754.56.2761.66,2771.97,2772.75,
2784.51,2790.38,2792.25,3688,82,3701.52,
3702,37,3702.83,3705.92,3710.70,3730.43,
3777.19,3792.49,4609.27
以上の中で際だつのは,〈sab一〉の地点数である。待 遇度の高い場面ではあまり見られず,待遇度の低い本場
面では185地点あり,B場面78地点やA場面98地点に
比べ2倍以上の地点数になっている。統合された語形の主な対立点はくsam>かくsab>.か であるが,両方を併用し,注があるものを例示しておく。
〈sab>の方を多く使うという注は次の地点である。
5613.27[samuina:]
〃 [sabuina:]ゆく多>
6445.13[samuina:]
〃 [sabuina:]〈多>
6610.08[samulina:]
ク [sabUlina:]〈古〉〈多>
6611.15[samulina:]
〃 [sabUlina:]<多>
6494.07[サムイノー]
ク [サブイノー]〈多〉
逆にくsam>の方を多く使うと答えたのは次の2地点 である。
5622.19[samuina:]〈多〉(共)
ク [sabinal](ゆ)〈古>
6601,37[samuIina:]〈多〉
〃 [sabUIina:]
これはくsab>の方が5622.19のように古い言い方である ことと関連すると考えられる。〈sab>の方が古いという 注がある地点は次のとおりである。
2751.10[samuina:]
ク [sabe=na:]〈古〉(同席者の回答)
6357.64[samuino:]〈新〉
〃 [sabuino:]〈古>
6469.77[サムイナー]
ク [サブイナー]<古風>
6485.21[サムイノー]
〃 [サブイノー]〈古〉(老人,古い人,又は 田舎の人の言い方である。)
7504.72[samuIino]〈今〉
ク [sabuino]〈昔〉
その他の注があるものとしては,
6358.43[samuino:]
ク [sabu孟no:]〈サブイが普通の云い方>
6421.57[sabY:no:]〈下〉
〃 [samU了no:]
6486.58[サムイナー]
ク [サブイナー]〔ゆ〕〈両方を使う。>
6575.86 [sarnulinej a]
ク [sabulin句a]〈正しくはsamuliだ。〉
琉球方言で「サムイ」に相当する語であるヒーサン類 の部分統合した部分を挙げる。
hiis, hwiih, hwii, piis, piiθ, p買団, piih, pi勾,
琉球方言のヒーサン類で部分統合を行った地点と語形は