〈da> <Nda>
<cja>
デ・テ:左下向き 〈te>
〈de> <dee>
〈Nde> 〈Nde>
ジャ・ヤ:左向き
ω
〈Nja>
〈zja>
〈Nzja>
否定表現:左上向き 〈nai>〈nae>
〈nee>〈ne>
〈nεε〉〈nε〉
〈N>
後半に続く形がある:下向き
カギ・矢印 白丸
なし 白丸・黒丸 カギ
しギ丸丸 な力白黒
なし 黒丸・白丸
カギ・矢印 十字 なし
「前後部」「後部」に上記の要素が複数含まれる場合は,
その全ての補助記号を付ける。例を挙げる。
〈sabidenebe一〉の場合計4本の補助記号 「後部」のくde>:左下向き白丸つき1本 〈ne>:右上向き白丸つき1本 〈be>:右向き飾りなし1本 後半に続く形がある:下向き飾りなし1本 E−2.321・323・325図凡例における語形の並べ方 凡例における配列はF−1で分けた丁寧表現の中心的な 部分である「中前部」の①〜⑥系の順に並べ,その中は
「サムイ」に相当する「前前部」のa〜n類の順に並べ た。方向による区別がある場合は上向きから始め時計回
りに回転させる順番に配列した。補助記号の有無のみが 異なる見出しがある場合は,補助記号がない回答を先に
し,その直後に補助記号が付くものを配した。
E−3.322・324・326図の記号化方針
322・324・326図は後半の地図である。後半で「前 部」「後部」に分けられる回答については,「前部」を
【色】で,「後部」を【形】で表す。「前部」または「後 部」になるものは,以下の①〜⑲種類の系に分けられる。
それぞれ,「前部」に現れることもあれば,「後部」に現 れることもある。
系
①ナ系
②ノ系
色榿榿
形円形 涙滴形
赤赤茶茶茶茶
系 シ系系系 系系モ行や行 ネニナザチダ ③④⑤⑥⑦⑧
⑨アンタ系 緑
⑩サ特異 緑
⑪母音系 水
⑫ヤ行系 水
⑬バ系 紺
⑭ワ系 紺
⑮コト系 紺
⑯その他 紺
⑰ラ系 紺
⑱割下 紺
⑲ガ系 紺
紡錘形 楕円形 曲玉形 爪形
T形・Y形・傘形
涙滴形・紡錘(うち,〈do>で始まるものは大記号)
矢印形の大記号 刀形
紡錘形の大記号
正方形・〈勾a>は長方形 星形
浅羽・細国形 蝶形
鍵穴・リボン形などの大記号 下向き二等辺三角形
二等辺三角形(べた)
二等辺三角形(ぬき)
「後部」にしか出てこない語形が2種類ある。これは 色を決める必要がないので,形のみ示す。
⑳シ系 曲玉形
⑳マイ系 いちょう形
⑳「シ系」が⑤「ナモシ系」と同じ曲玉形であるのは,
両者の連続性を見られるようにするためである。
以上の方針に従えば,例えばくjanaa>は,「前部」〈ja>
に対して⑫系の水色,「後部」〈naa>に対して①系の円 形が与えられる。前後が逆になるくnajaa>という語形
は,「前部」〈na>に対して①系の丹色,「後部」〈jaa>
に対して⑫系の正方形が与えられる。
「後部」がなく「前部」だけからなるものは「前部」
の属する色と形を与える。〈no>は②系の榿色・涙滴形 である。
「前部」または「後部」が長音節か短音節かの点のみ が異なる回答は,長音節のものに【補助記号】を上向き
に1本あるいは2本付けて区別する。例を挙げる。
〈na>は榿・円形で補助記号なし 〈naa>は榿・円形で上向き補助記号1本 〈naaa>は榿・円形で上向き補助記号2本
前部・後部に分割しない⑤ナモシ系・⑨アンタ系・⑬ バ系・⑭ワ系・⑮コト系・⑯その他は,語形全体に対し て上の【形】を与える。系の内部の区別は【塗りつぶし
方】で表す。
【大きさ】は基本的に小記号で表す。〈Nna>〈Nnaa>
〈Nnoo>〈Nne>〈Nnee>のように,撲音で始まる語形に 大記号を用いる。〈na珂ai>も例外として大記号にした。
その他,特別な場合に大記号にする。まず,⑧ダ群系 のうち〈do>〈doo>〈donaa>〈donee>のように〈do〜〉
で始まるものは例外的に大記号にした。これらの語形の 分布が地図上で固まっており,それを目立たせるためで ある。また,⑨アンタ系・⑪母音系・⑯その他も大記号 である。⑯その他は紺色であるが,同じ紺色の⑬バ系・
⑭ワ系・⑮コト系・⑰ラ系・⑱力系・⑲ガ系と区別がは っきりするように大記号にする。
なお琉球方言での⑰ラ系・⑲ガ系には,疑問を表すも のとそうでないものがあるが,凡例上では語形のみに着 目し意味の区別はしない。
【方向】は基本的に上向きのみで,音節中の母音のわ ずかな相違がある場合のみ回転を使う。例えば,
<nae> 上向き 〈naε〉 右上向き
にする。また,系としてのまとまりを表すため,形と塗 りつぶし方ではどうしても記号に限界があるとき回転さ せる。⑨アンタ系がこれにあたる。
最後に,後半に該当する部分がない回答について言及 する。記号は極小の蝶ネクタイ形で表す。この数には場 面差があり,B場面213回答, A場面47回答,0場面10 回答となっている。待遇度が低いほど何らかの終助詞を 付けようとしており,終助詞の有無が待遇の程度と関わ っていることを示している。
E−4.322・324・326図凡例における語形の並べ
方凡例中の配列は,まず色で表現している「前部」の①
〜⑲系の順に並べ,同色になる系の中は,「前部」のみ で「後部」のないものを先にし,「後部」があるものは その①〜⑲の順に並べた。方向による区別がある場合は,
上向きから始めて時計回りに配列した。
E−5.併用語形の地図上の配列
併用回答がある場合,地図上の配置は前半図の配列を 優先し,後半図の配列を前半図に合わせる。つまり,
322図は321図に,324図は323図に,326図は325図に 合わせる。321・323・325図における記号の並び順に 合わせてそれぞれの後半の記号を配列した(第5集解説 書4〜5ページを参照)。
以上E・Fで述べた分割と記号化の方針はこの「形容 詞表現」全体の方針であり,B・A・Oの全場面に共通 である。つまり,3場面の「前半図」(321・323・325 図)同士・「後半図」(322・324・326図)同士では,
色・記号・塗りつぶしだけでなく,回転や補助記号も含 み,同じ記号は同じ語形を表しているので,直接対照す ることができる。さらに,322・324・326図の方針は
「名詞述語表現a(肯定)」とも共通させている。
7.2.各図の説明
321図 寒いですね(B場面)
322図 寒いですね(B場面)
〔語形の採用と統合〕
A.図のねらい
本項目は「寒いですね」を表す時に,「同じ土地の目 上の人」に「ひじょうにていねいに」話すという高い待 遇条件において,どのような表現を用いるかを知ること がねらいである。調査票には特に「文末形式に注意」と あり,丁寧の助動詞・補助動詞や,終助詞について着目 することが要求されている。本場面は最も高い待遇場面 であるため,表現にバリエーションが多く,321図274 見出し,322図98見出しと,前半図は3場面中もっとも 見出し数が多い。
回答は,純粋に「気温が寒い」と感じたことを表出し たものばかりではなかった。質問文「今日は寒いな」と いう表現自体,挨拶ことばとして,または会話の導入に 使われる形式的な表現でもありうるという性質をもって いるためか,回答の中には,いたわりやねぎらいのこと ばが入ったりしているものもある。しかし,それが慣用 化した挨拶的表現かどうか判断できないものが大半であ
る。
本項目の基本は,あくまで,「寒い」という気温の評 価や体感を話し手が述べたてるというところに置く。さ らに具体的には「B−2意味的な観点からの採否」で述べ
る。
分布を概観すると以下のようである。
321図「寒いですね」では,下色のオサムーゴザイマ スと茶色のオサムイデスという,共に接頭辞オのついた 形が,東北を除く全域に広がっている。次に広い分布を 見せるのは尊敬や丁寧の要素を含んでいない水色のサム
一102一
イ類で,秋田から紀伊半島東部までの東日本に細長く分 布している。特に東北の内陸部,中部の内陸部に目立つ。
この敬語要素の有無がまず大きな対比をなしている。丁 寧形式についてみると,東北では岩手県にサムガンス・
サムゴアンスなどの「〜ガンス」「〜ゴアンス」を用い る形が集中している。また,山梨県に「〜ゴイス」と長 野県東部に「〜ゴワンス」「〜ゴワス」が分布している。
九州南部にも「〜ゴワス」「〜ゴワヒ」が分布する。琉 球諸島には「〜ビーン」「〜オールン」が分布する。
322図「寒いですね」では,関東を中心とした東日本 の赤色のネ系と,東北北部および西日本の三色のナ・ノ 系に分布が分かれている。うちノ系は瀬戸内海周辺の地 域に比較的固まっている。ネ系は西日本でも,高知県・
島根県・宮崎県に分布がある。目立つ分布に,九州北部 のアンタ系,九州南部のドナーがある。また,東北から 中部の内陸部に,曲玉形が連なるが,これらは,青森で はネス,その他の東北地方ではナシ・ナス,中部ではナ モという語形である。これらの語は分布から見て何らか の関連性がある可能性がある。琉球諸島では「サー」
「ヤー」を含む語形が分布する。なお,静岡県・愛知県 などで該当する語形がない,すなわち終助詞をつけない という地域の分布も広がっている。この地域では前半が
「オ〜ゴザイマス」であり,この語形と終助詞は共存し にくいと見られる。
B.語形の採否
B−1.参考話者や使用状況による採否
次の回答は,話者自身が使用する語形ではなく,使用 者が条件に該当しないために不採用とする。
5631.78〔osamu:goasu]〈女性のことば,男性は使 わない。>
5672.89[osamulgozaimasu]〈婦人がよその人に対し て使う。〉
ク [OSamU:90ZarimaSU]〈
6600.34[samuina:∫i]〈女性>
6620.15[osamukuoarirunaN]
浪合から来たことば〉
〃
﹀
(ゆ)〈女性のことば。
次の回答は「この土地の目上の人」という待遇条件に 合わないという注記があるが,あくまで再調査した別の 話者からのコメントであり,主たる話者は使用するもの とみて採用とした。
5670.47[osamugozaimasu](再調査:これはよその ものに対する言い方。村の人に対してならば,村
長にたいしてもsabina, sabuinaでよいと言う。)
この注記にある再調査結果〈sabina>〈sabuina>は,参 考話者の回答として採用した。
次の注の同席者は居住地や年齢などが採用条件にあわ ないため不採用とする。
6277.12[samulgodzaimasu](平山)
B−2.意味的な観点からの採否 a. 「寒い」に相当する語
「寒い」(琉球方言のヒーサン類・ピグルカリ類を含 む)に相当する語がない次の回答は不採用とした。
6398.07[kotaemasuno:]
しかし,「寒い」に相当する「ヒヤイ」「カンガイイ」
などの形容詞表現,また,「サムイ」という語を使って いても「サムクナッタ」という動詞表現も多い。形容詞 述語でない点,テンスが過去になる点で質問文と直接は 対応しないが,形容詞述語で表現することが一般的でな い地域である可能性,目上の人に対して自分の感覚や評 価を直接に述べ立てることを避けた表現をしている可能 性があり,これらを不採用とはしなかった。他の動詞述 語も「寒い」という内容を表すものは採用する。詳しく は「7.1.形容詞表現の概要と記号化」の「B−1.「寒い」に 相当する語」を参照のこと。
このほかに「キビシイ」を使った次の回答も採用する。
5666.89[samusagakibi∫u=gozaimasune:]
しかし,同じように「キビシイ」という語を使っていて も,次の回答は「寒い」に相当する語がないため不採用
とした。
6515.41 [kibi∫i:desuna:]
b.表現の採否
a.で述べたように,形容詞述語のみならず動詞述語ま で広く採用したが,「寒い日ですね」のように「日」「天 気」「日和」といった語を使っている以下の名詞述語表 現は採用しない。名詞を使った表現項目は他に「名詞述 語類a(肯定)」の「(珍しい)本ですね」などがあるの で参照できる。
2761.66[sanbYs血dana:](寒い日だなあという表現を する。)
3701.52 [sanbisαIdanes亡1:]
3781.21 [ko:rTgYdesαlna]
4609.27[samuigidesulno]
4628.23[sam伽醜dano=]
4731.58[sam山Ygidanass中]