参考文献 2. 3
3. 既往火山噴火被害(現象)
3.7. メラピ
最大噴火とされる11月5日に発生した火砕流は,
Gendol 川を山頂から14km下流まで到達した.数度
にわたり流下した火砕流は大量の土砂を堆積させ,
谷地形を埋めるだけでなく,河川断面を越流して氾 濫している.また,山頂から上流域にかけた全域に わたって,噴出した火山灰,火砕流堆積部が不安定 な状態で堆積した(図3.7.2.2).
山頂から 30Km 以上離れた Yogyakarta 市内や
Merapi 火山南西に位置する世界遺産となっている
Borobdurでも数cmの火山灰の堆積を観測した.畜
産物,交通機関への影響・被害範囲は非常に大きい ものであった.
また,土石流・洪水の氾濫被害は,噴火直後から 発生した.その発生頻度は高く,橋梁,灌漑用施設,
道路構造物など公共施設も各地で被災し,家屋,耕 地にも多くの被害が発生した(表3.7.2.2).
表3.7.2.2 土石流による被害状況
項目 被災数
死亡者 4 名
負傷者 168 名
避難者 4,605 名
被災家屋 721 棟 被災道路 20 区間 被災灌漑施設 32 箇所 被災橋梁 14 橋梁 被災砂防施設 77 基
一方,砂防施設はMerapiエリアに約250基整備さ れていた.噴火直後にはその効果を発揮していたも のの,想定以上の土石流が頻発し,洗掘,堆積を繰 り返す大きな河床変動,コンクリートの著しい摩耗 等から,約80基の砂防施設の機能が大きく損なわれ た(図3.7.2.3).
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参考文献
1) (社)全国治水砂防協会 日本・インドネシア砂防技 術協力30年史編纂会 「日本・インドネシア砂防技術 協力30年のあゆみ」p158-180.
12) BNPB ホ ー ム ペ ー ジ 「Press Release ANCAMAN LAHAR DINGIN MERAPI TERUS BERLANGSUNG 」 http://www.bakornaspb.go.id
・December 16,2010 ・April 29,2011.
13) BPPTK ( Balai Penyelidikan dan Pengembangan Teknologi Kegunungapian:火山技術開発研究所,Laporan Aktivitas G.Meapi, October 21,2011〜December 21,2011 (http://www.merapi.bgl.esdm.go.id)
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3.7.3. 二次災害
(1)チ川の河床及び流路変動
プチ川には,2010年10月以降のメラピ火山の噴 火活動によって生産された土砂が流れ込み,河床上 昇,流路拡幅,砂防ダム下流域の河床低下,土砂の 氾濫による地盤高の上昇などが発生した.
図3.7.3.1に示すように,プチ川とプロゴ川の合流
点では,プチ川の川幅が数倍に広がり,多くの農地 が流失した.また,図3.7.3.2に示すように,マゲラ ンとジョグジャカルタを結ぶ国道とプチ川が交差す る地点において,多くの土砂がプリ川左岸域に氾濫 し,多くの家屋が土砂に埋まった.
図3.7.2.2 Gendol 川に堆積した火砕流堆積物
(出典BNPB HP 2010.11.16掲載を転載編集)
図3.7.2.3 損傷した砂防堰堤(Apu 川 AP-D3)
(2)チョデ川の河床上昇
ジョグジャカルタを流れるチョデ川にも多くの土砂 が流れ込み,河床が上昇した.噴火後3ヶ月経過し た時点で噴火前の河床よりも約2m上昇しており,5 ヶ月ごには,さらに河床が10cm程度上昇していた.
このような河床上昇により,河川が氾濫し易くなっ ており,わずかな降雨で河川水が氾濫するようにな った地域もある.堆積している土砂の粒径は,図
3.7.3.3に示すように,約1mmであった.
図3.7.3.1 プチ川の河岸浸食
図 3.7.3.2 プチ川の土砂の氾濫
図 3.7.3.3 チョデ川の河床材料
火山の写真 桜島
2012 年 2 月 稲垣撮影