特集
メキシコ
える。メキシコの
4
輪市場は、日産、フォルクスワー ゲン、ゼネラルモーターズなどが生産拠点をメキシコ各地に持ち、生産・販売・輸出を行ってきたが、
ここ数年、各社とも北米向け、および南米向けの生 図2 世界自動車生産国ランキング
出典:国際自動車工業連合会/OICA
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
1 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 日本 日本 日本 中国 中国 中国 中国 中国 中国
2 日本 日本 日本 日本 日本 日本 日本 米国 米国 中国 日本 日本 日本 米国 米国 米国
3 ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ 中国 中国 米国 米国 米国 米国 日本 日本 日本 4 フランス フランス フランス フランス 中国 中国 中国 ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ ドイツ 5 カナダ 韓国 韓国 中国 フランス フランス 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 韓国 6 スペイン スペイン スペイン 韓国 韓国 韓国 フランス フランス フランス ブラジル ブラジル インド インド インド インド インド 7 韓国 カナダ カナダ スペイン スペイン スペイン スペイン スペイン ブラジル フランス インド ブラジル ブラジル ブラジル ブラジル メキシコ 8 英国 中国 中国 カナダ カナダ カナダ カナダ ブラジル スペイン スペイン スペイン スペイン メキシコ メキシコ メキシコ ブラジル 9 中国 メキシコ メキシコ 英国 英国 ブラジル ブラジル カナダ カナダ インド フランス メキシコ スペイン カナダ タイ スペイン 10 イタリア 英国 ブラジル メキシコ ブラジル 英国 英国 メキシコ インド メキシコ メキシコ フランス フランス タイ カナダ カナダ 11 メキシコ イタリア 英国 ブラジル メキシコ メキシコ メキシコ インド メキシコ カナダ カナダ カナダ カナダ ロシア ロシア ロシア
図3 完成車4輪メーカー工場概要
メーカー 拠点 製造開始 製造実績
2014年(千台) 完成時製造能力
(千台) 備考
日系 日産
クエルナバカ 1966年
805
ツル、ティーダ、ピックアップほか アグアスカリエンテス 1982年 マーチ、ティーダ、セントラ
同第2工場 2013年 セントラ
同新工場 2017年 300ダイムラーとの合弁
ホンダ グアダラハラ 1995年
143 CR-V
セラヤ 2014年 フィット
トヨタ ティファナ 2004年 71 タコマ(ピックアップ)
グァナファト 2019年 200カローラ
マツダ サラマンカ 2014年 102 デミオ、アクセラ
BIG3 FCA
トルーカ 1968年
500 クライスラー、フィアット ラモスアリスペ 1982年
デラマデロ 1995年
フォード
クアティトラン 1970年
442 新規投資、増産対応発表
チワワ 1983年
エルモシージョ 1986年
GM
トルーカ 1965年
678 新規投資、増産対応発表 ラモスアリスペ 1981年
シラオ 1995年
サンルイスポトシ 2008年
欧州
VW プエブラ 1965年
475 新規投資、増産対応発表
シラオ 2013年
アウディ サンホセチアパ 2016年 150
BMW サンルイスポトシ 2019年 150
他 起亜 モンテレイ 2016年 300
産能力強化に乗り出し、加えて、マツダ、ホンダ、
BMW
、クライスラー、起亜なども新規生産拠点を 立ち上げており、2019
年にはトヨタの新拠点が立 ち上がる。これらのほぼすべてはメキシコ中央高原 域に集中しており、これに呼応して協力会社群、ベ ンダー企業群も一斉に動き出し、既に進出済みの企 業にとっては増産対応、未進出企業にとっては拠点 立ち上げの動きに繋がっている。日系、非日系の完成車メーカーが、ほぼ同時期に これだけの規模で、同一国内の生産拠点を立ち上げ、
拡充することは稀なことのように思うが、建設関連 企業にとってはマーケットの活性化であり、大きな ビジネスチャンスである。
完成車生産量でしばらく世界
10
位前後であったメ キシコは、2014
年には320
万台を生産、既に世界7
位 の生産国となっており、さまざまな将来予測値はあ るものの、現在建設中または建設予定工場能力を考 えると、さらに大幅な生産上積みと建設投資が見込 まれる。②エネルギー改革に伴うインフラ関連投資
また、
2013
年12
月に連邦議会で憲法改正法案が可決、公布、エネルギー改革が本格的に実施され、
これまで
PEMEX
とCFE
独占事業であった石油、電 力事業が民間開放されることになった。石油鉱区開 発入札実施、製油精製事業・燃料貯蔵/
輸送/
分配事 業などの民間参入、IPP
事業推進、電力卸売市場を 通じた電力料金引下げなどを目指している。これらにより、外国資本を含む民間資本による開 発促進、効率化が見込まれ、建設市場としても活性 化が期待される。具体的には、石油関連では油田開 発、石化精製プラント、パイプライン敷設などが挙 げられ、現在増えている日本への原油輸出のさらな る促進策として国土横断パイプラインの敷設や天然 ガス液化プラントや
LNG
積出港湾整備なども計画 されている。その他にも天然ガスパイプライン敷設 計画は目白押しとなっている。電力関連でも、
IPP
などによる発電所建設計画や 発送電事業分離による効率化投資なども見込まれる。③交通インフラ関連投資
(
1
)首都新国際空港プロジェクト総投資額
130
億ドル、2018
年に第1
期完成を目指 す大型プロジェクトである。予定通りの開業を目指 し、既に分割パッケージの入札プロセスが開始され ている。(
2
)メキシコシティ-
トルーカ間鉄道プロジェクト 既に4
パッケージの入札が完了し、建設が進んで いる。メキシコシティ〜ケレタロ間高速鉄道プロ ジェクトは、ご存知の通り、一旦中国企業が落札し たものの、後日撤回され、最終的には無期延期となっ ている。④その他
メキシコは地震国であり、またハリケーン被害の 図4 完成車4輪メーカー工場概要
トヨタ:テカテ(9万台)
フォード:エルモシージョ(30万台)
フォード:チワワ(エンジン)
クライスラー:デラマテロ ラモスアリスペ(24万台)GM:
クライスラー:ラモスアリスペ(17万台)
起亜:モンテレイ(30万台)
GM:サンルイスポトシ(15万台)
GM:シラオ(24万台)
ホンダ:セラヤ(20万台)
フォード:
クアティトラン(20万台)
アウディ:
サンホセチアパ(15万台)
フォルクスワーゲン:
プエブラ(40万台)
※太字はSOP前
BMW:サンルイスポトシ(15万台)
日産:アグアスカリエンテス(40万台)
日産+ダイムラー:
アグアスカリエンテス(30万台)
フォルクスワーゲン:シラオ(エンジン)
ホンダ:エルサルト(8万台)
マツダ:サラマンカ(25万台)
GM:トルーカ(エンジン)
クライスラー:トルーカ(16万台)
日産:クエルナバカ(30万台)
発生など、日本とも共通する自然災害リスクの高い 国でもある。日本は
JICA
を通じて、1990
年には地 震被害低減のための技術協力を開始、2003
年には 日本・メキシコ・パートナーシップ・プログラムに より、日本からメキシコに移転された知見や技術を、南南協力としてエルサルバドルなど中米諸国に三角 供与することも行われている。これらに見られるよ うに、投資家にとってはリスク要因ですが、自然災 害に備え高度な技術開発と蓄積を行ってきた日本の 建設関連企業にとっては、潜在的なマーケットとも 言える。
図5 地震およびハリケーン状況(メキシコ全土における地震頻度地図)
A、B、C、Dの順で地 震の 頻度は多くなります。
アグアスカリエンテス近 辺はBとなります。