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ドキュメント内 方言と日本語教育 (ページ 60-63)

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図8−5  「tt一 (総称)」

来語が方雷形に残ったものとしては,「かぼちゃ」(実はこれ自体忘れられが ちであるが外来語である)を意味する九州のボブラ・ボーブラ(ポルトガル 語)が知られる。

 近畿周辺にベコ,中国・四国・九州にはべベノコ・べ(一)ベンコが見られ るこれらの地域では「牛(総称)1をべやべべ・べ(一)べとは雪わない。それ

ではこれらの語形はどのようにして生まれたのであろうか。その点は,「牛(総 称)」の分布を合わせて考えてみたい(なお,東海地方を中心に分布が見られ

るコボ・コンボ(一)は一一部の地域で「牛(総称)」をボーと雷うようであ

る)。

8.2.4.牛

 図8−5には「牛(総称)」の地図を示した。

 東北地方にはよく知られているベコが分布している。それ以外は,ほぼ全 国的に共通語と同じウシが分布している。

 ウシに類似した形のウヒは長崎五島列島と宮綺に見られる。その他,オシ は島根・鳥取また新潟・江形に,ウーシは佐賀・五鵬・熊本・屋久島・奄美 といったように九州西部から琉球北部に分布が見られる。ウヒについては「う し」の音声上の変種と見てよさそうだが,オシとウーシに関しては,あるい は,オウという連母音を持つ「おうし」との関係を考慮する必要があるかも

しれない。

 やはりウシに似た形でウシメというのが八丈島・茨城・千葉・石川に分布 している。この末尾のメというのは指小辞などと呼ばれるもので親しみを込 めて物を呼ぶ時に末尾に付加するものである。愛知・静岡・長野に見られる ウシンボーのボーも「坊」のような指小辞とみることができるかもしれない が,これについてはべコなどで考えられる鳴き声との関連も考慮しなければ ならない。

 ベコは東北地方と北海道そして北関東の一部に広く分布を示す。ベコのべ は「うし」の鳴き声を語源とするものであろう(語源であるから,現在この 地域で一般的に牛の鳴き声をべ一と聴くとは限らない)。実は地図には示さな かったが牛を「べ一」と呼ぶ地域がある(京都府福知由市・綾部市,宮崎梁 児湯郡高鍋町)。これにコが付いたもので,コは先に触れた指小辞と呼ばれる

もので東北地方の広い地域で使われる。

 鳴き声をもとにすると考えられるものとしては奈良・鵬根・徳島のモーン,

愛知・兵庫・愛媛のボー,能登のバッコ・ボッコ,長野・新潟のべ一ボー,

鹿児島から宮崎にかけてのべブなどがあげられる。最後の二つの語形の末尾 のボー・ブに関しては,先に推回したウシンボーのボー(坊)のようなもの も考える必要があるのかもしれない。

 全体に鳴き声そのものの語形よりもそれになんらかの形が付加した語形の 方が有力なのは,前者がやや幼児語的なひびきを持つことを嫌ったものであ

ろう。

 ところで,wm 8−4に回ると,図8−5「牛」において東北地方に分布して いるベコが「子牛」においては近畿とその周りに分布している。東北地方に おける「牛」に嶺るベコのコは指小辞であり,積極的な「意味」を撫わない

ものである。それに対し,近畿における「子牛」のべコのコは「子」であり,

意味」三E法が違うものである。つまり東北地方のべコは「牛+指小辞」であ って,近畿のべコは「牛+ff 」なのである(ただし,東北地方のべコはすで にかなり固定した形となってコを付けない形では摺いなくなってしまったと 考えられる)。これから考えると,あるいはかっては(文献には現れないが)

中央でも「牛」をべ(もしくはべ一)と呼んでいたのかもしれない。特に近 畿周辺部で「子牛」をベコと呼ぶ点,それを支持する。そのべ(一)が「牛」

においては新しい形であるウシに押しやられて地理的に東北地方に(東北地 方では独惣に指小辞を付けた形で受入れられ)残った。中央においては「子 牛」の申に(「子」を付けた形で)残ったが,さらに「子牛」のべコは新しい 形であるコウシに押嶺され,現在では近畿周辺に分布している。このような 見方は考えられないだろうか。igJ 8−5に兇られる南九粥のべブや長野北部の べ一ボーが,先にも述べたように「べ一+坊」であるとすると,中央でも「牛」

がべ(一〉であったことをさらに裏付けることになろう。特にこのような擬声 語をもとにするような語においては,使用される場面や位相も考慮する必要 があり,文献にはいかにも現われにくい語形である点にも注意が求められる。

 そうだとすると,目梨・静岡・神奈川に見られるウシンベーはウシとべ一 との混交であると考えられ,かつてのべ一の分布領域を推測するつてともな

響モー(モー)

Xモーン(モーン>

Aンモー(ンモー〉

ムンモーン tメー(メー)

Vメーン(メーン)

Aンメー一一(ンメー〉

λンメーン(ンメーン)

liムー(ムー)

▼ンムー(ンムー)

vボーげ一)

Yン* 一(ンボー)

人ソフー(ソフー一>

Nペー(べ一)

Nベーン(ベーン)

 ウー(ウー)ee  ンー(ンー)

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