1. SigmaSystemCenter の機能
1.4. グループ管理
1.4.2. プールサーバの登録
「N+1フェイルオーバ」、「サーバの用途変更」などを実現するには、グループにプールサーバを用意します。
プールサーバは、以下の形態でグループに登録できます。
一つのグループに所属するプールサーバ
一つのグループにのみ属するプールサーバです。
このプールサーバ形態では、「サーバの追加」、「サーバの置換」の2種類の構成変更を行えます。
複数のグループに所属するプールサーバ
1台の物理サーバを複数のグループのプールサーバに定義すると、全体のプールサーバの台数を削減で きます。ただし、該当するプールサーバが属するそれぞれのグループは、同等のサーバスペックである必要 があります。
このプールサーバ形態では、「サーバの追加」、「サーバの置換」の2種類の構成変更を行えます。
他のグループで稼動中のプールサーバ
「複数のグループに所属するプールサーバ」のバリエーションの一つになり、所属する複数のグループのど れか一つでサーバが稼動している状態を示します。つまり、停止して待機している物理サーバではなく、
動作しながら相互に待機しあう状態です。この形態では、「サーバの用途変更」の構成変更を行えま す。
サーバが稼動しているグループ以外ではプールサーバとして登録していますが、一つのグループでサーバ が稼動しているため、「サーバの追加」、「サーバの置換」の構成変更は行えません。「サーバの追加」、
「サーバの置換」を行うには、必ず稼動中のグループで「稼動中のサーバをプールへ移動」を行い、「複 数のグループに所属するプールサーバ」の状態にします。
共通プール
グループに「サーバの追加」、「サーバの置換」などの構成変更を行う際に、下記の条件を満たすことに よって、どのグループにも所属していない管理対象サーバをグループの稼働サーバとすることができます。
共通プールが使用される条件:
構成変更を行う対象のグループが共通プールの使用を許可している。
詳細は「4.12.14 プロパティ」を参照してください。
構成変更を行う対象のグループのプールに待機しているサーバが存在しない。
構成変更を行う対象のグループで稼動しているサーバが存在している場合、稼動中のサーバとハー ドウェア情報が一致しているサーバが共通プールに存在する。
構成変更を行う対象のグループに配布されるソフトウェアをインストール可能なサーバが共通プール に存在する。
構成変更を、コマンドを使用して行っている。
• 共通プールからグループに移動して稼動状態になったサーバは、グループ プールに待機させることはできません。必ず共通プールに戻ります。
(共通プールからグループプールに移動した後、稼動状態になったサーバ は、グループプールに待機させることができます。)
• 運用管理ツールから共通プールにあるサーバに対して「ソフトウェアのインス トールを行い、グループに追加します」を選択して稼動状態にした場合、
そのサーバは、いったん共通プールからグループプールに移動した後、稼 動状態になったものとして扱われます。従って、そのサーバはグループプー ルに待機させることができます
• 仮想サーバを管理するグループは、プールサーバの使用はできません。
物理サーバが稼動していないときに、物理サーバのプロパティ画面(「4.7.10(2) ハードウェアタブ」)から
「機種名」の設定を行うことにより、ハードウェア情報を設定することができます。「機種名」が設定されて いない場合は、サーバがグループで稼動した状態になった時にSystemProvisioningが
ESMPRO/ServerManagerから自動取得した値を設定します。
共通プールの機種名について一例を説明します。
図 1-18 共通プールの機種名 (例1)
機種名が設定されていない物理サーバ#1と物理サーバ#2は、稼動しているサーバが存在しないサブグ ループ#1のサーバ追加の対象となります。稼動しているサーバが存在するサブグループ#2のサーバ追加 の対象にはなりません。
System Provisioning
サーバプール サーバプール
稼動サーバ
#1
共通プール(どのサーバグループにも参加していない管理対象の物理サーバ)
物理サーバ
#1
機種名: 機種名:
物理サーバ
#2 サーバ追加
サーバ追加の 対象となる
サーバ追加の 対象とならない サーバ追加
機種名:A
サブグループ#1 サブグループ#2 サーバグループ
新規に導入した物理サーバは、機種名が設定されていません。既に稼動して いるサーバが存在するサブグループの「サーバ追加」、「サーバ置換」等の対象 とする場合は、あらかじめ機種名の設定を行ってください。
図 1-19 共通プールの機種名 (例2)
稼動サーバ#1のプロパティで同じ機種名を設定することにより、物理サーバ#1は、サブグループ#1のサ ーバ追加の対象となります。サブグループ#2(異なる機種名が設定されている稼動サーバが存在)のサ ーバ追加の対象にはなりません。
また物理サーバのプロパティ画面(「4.7.10(2) ハードウェアタブ」)の「サーバ設定の情報更新を禁止しま す」をチェックすることで、機種名に任意の値を設定することもできます。
同じグループ内にESMPRO/ServerManagerから取得した機種名と任意の 機種名が設定されている稼動サーバが混在しないように注意してください。
System Provisioning
サーバプール サーバプール 稼動サーバ
#2
共通プール(どのサーバグループにも参加していない管理対象の物理サーバ)
物理サーバ
#1 機種名:A サーバ追加
サーバ追加の 対象となる
サーバ追加の 対象とならない サーバ追加
機種名:X
サブグループ#1 サブグループ#2
サーバグループ
機種名:A 稼動サーバ
#1
稼動サーバのプロパティ を参照して設定
「サーバ設定の情報更新を禁止します」をチェックすることで、任意の機種名が 設定されたサーバのグループを形成することができます。