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第 3 章 Amper プロジェクト

第 4 節 Amper に関連した拙稿

3.2. 実験、分析

スペイン語には、CV構造の音節が50%から55%の割合で現れる。そして母 音の時間的縮約がない。一方、英語のようなストレス等時性のある言語では、

音節構造の種類が多く、音節末が複雑である。ストレスの置かれない母音の時 間的縮約が非常に重要となる。アクセント脚の等時性が見られ、アクセント脚 のリズムを守るためにストレスのない音節はストレスのある音節に押されて圧 縮される。音節リズム言語とストレスリズム言語を比較したWhite & Mattys (2007) やO’Rourke (2008a) では、以下のパラメーターを用いた。

¾ Pairwise Variability Indices

‘índices de variabilidad de pares sintagmáticos’

¾ PVI-V (pares vocálicos):文中の母音のひとつひとつの長さを、

その隣り合う母音との平均で割り、その値をすべて足していく。

さらにそれを、母音の数より 1少ない数で割り、百分率にするた めに100をかける。正規化されている。

¾ PVI-C (pares consonánticos):文中の子音の長さを合計し、子音 の数より1少ない数で割る。正規化されていない。

PVIは隣接する母音の時間長差が大きいときに値が大きくなり、隣接間の差

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が少ないときに値が小さくなる。つまり、PVI値が小さいほどモーラリズムの 度合いが強く、PVI値が大きいほどストレスリズムの度合いが強いと言える。

どちらの方法でも、スペイン語 (やフランス語) では英語やオランダ語より 低い値をとるとされている (White & Mattys (2007) ではスペイン語のPVI-V は36、PVI-Cは43、英語のPVI-Vは73、PVI-Cは70)。

¾ Variation Coefficient

‘coeficiente de variación’

¾ Varco-V:母音の長さの標準偏差をその平均で割り、100をかけた もの。

¾ Varco-C:子音の長さの標準偏差をその平均で割り、100をかけた

もの。

Varco-VとVarco-Cでも同じことが確認できる。スペイン語は41と46、英 語は64と47という値であったとされる。Varco-Cには、Varco-Vに見られる ほどのはっきりとした差はない。O’Rourke (2008b) でも、ペルーのリマとク スコのスペイン語で似た値が算出されている (Varco-Vが39、Varco-Cが37)。 インフォーマントは、高等教育を受けたことのないグループ (以降、G1) と 高等教育を受けた経験のあるグループ (以降、G2) 各 2 人、計 4 人。Amper の規定に基づいた短い定型の平叙文 (NP+V+PP 構造) を発話させ、その音声 を分析した。

表4:ブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおける、

高等教育の有無別PVI-V、PVI-C、Varco-V、Varco-Cの値 PVI-V PVI-C Varco-V Varco-C

G1 30.80 45.21 36.14 38.32 G2 33.63 49.34 36.63 39.07

表5:White & Mattys (2007) におけるスペイン語、フランス語、英語、

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ドイツ語それぞれのPVI-V、PVI-C、Varco-V、Varco-Cの値

PVI-V PVI-C Varco-V Varco-C

Español 36 43 41 46

Francés 50 56 50 44

Inglés 73 70 64 47

Alemán 82 52 65 44

今回使用したブエノスアイレスのスペイン語データにおけるPVI-V、PVI-C、

Varco-Cの値は、スペインのスペイン語の値と似ている。Varco-Vに関しては、

ブエノスアイレスのデータの方がやや低い。しかし他の言語とも比較してみる と、すべてスペインの値を上回っている。

図14:左から順にスペインのスペイン語、フランス語、英語、オランダ語、

ブエノスアイレスのG2のスペイン語、G1のスペイン語、

リマのスペイン語、クスコのスペイン語のPVI-V値。

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図15:図14と同様、各言語 (同順) のPVI-C値

図16:図14と同様、各言語 (同順) のVarco-V値

図17:図14と同様、各言語 (同順) のVarco-C値

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