第 3 章 Amper プロジェクト
第 4 節 Amper に関連した拙稿
2.2. 結果
Ramus et al. (1999)によれば、ストレスリズムか音節リズムかは子音と母音 の継続時間を測定することによって判定できる。文の中で母音が占める割合 (%V)と、母音と子音それぞれの標準偏差(ΔV、ΔC)で表されるそれぞれの可変 性がわかればよい。
図11:各言語の%VおよびΔC (Ramus et al. 1999)
図11はRamus et al. (1999)によって示された各言語の%VおよびΔCをグ ラフにまとめたものである。下辺に示したアルファベットは順に英語、ポーラ ンド語、オランダ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、カタルーニャ語35、 日本語を示しており、それぞれの%V の値を白抜き点で、ΔC の値を黒点でグ ラフ内に示してある。
%V は左から右へ徐々に高い値をとっており、日本語だけが極端に高い値を
35 頭文字が大文字のものはロマンス系言語
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示していることがわかる。一方ΔCは左から3言語が高い値をとっており、中 央の4言語は中間、右端の日本語は極端に低い値をとっている。ここに示され た8言語のうち、左から3言語がストレスリズム言語、フランス語からカタル ーニャ語までの4言語が音節リズム言語、そして日本語はモーラリズム言語と されている。
今回の実験で得られたΔV、ΔC、%Vの値をブエノスアイレスのスペイン語 コーパスにおける高等教育の有無別平均値で表2に示す。
表2:ブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおける、
高等教育の有無別ΔV、ΔC、%Vの値 高等教育の有無 ΔV (ms) ΔC (ms) %V
あり 24.02 42.94 46.03
なし 24.57 42.48 47.00
%Vに関しては、2つのグループ間で有意差はない。また、先行研究 (White
& Mattys (2007)、O’Rourke (2008a)) によって発表されている他の地域の%V 値と比較すると、今回のブエノスアイレスのスペイン語の発話データから算出 された%V 値は、同じ南米であるペルーの数値よりもヨーロッパのスペインの 数値に近かった。さらにΔCのデータに関しても、ペルーの値よりスペインの 値に近かった。
図12はWhite & Mattys (2007)、O’Rourke (2008a)で示された%Vのデータ と、今回のブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおける%V データを比較 するため1つのグラフに示したものである。白抜きの点は左から順にスペイン のスペイン語、フランス語、英語、オランダ語の値、ひし形の黒点は左からブ エノスアイレスのG2、G1の値、そして三角の黒点は左からペルーのスペイン 語のリマ方言、クスコ方言の値である。
図13はWhite & Mattys (2007)、O’Rourke (2008b)で示されたΔCのデー タと、今回のブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおけるΔCのデータを ひとつのグラフに示したものである。各点は図11と同じ言語を示す。
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図12:White & Mattys (2007)、O’Rourke (2008a)および ブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおける%V値の比較
図13:White & Mattys (2007)、O’Rourke (2008b)および ブエノスアイレスのスペイン語コーパスにおけるΔC値の比較
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