• 検索結果がありません。

ヒットパターン信号による事象選別

ドキュメント内 ] 博士論文、修士論文 uchiyama mron osx (ページ 65-83)

BGO-GSO コンプトン事象(図 7.10またコンプトン事象に関しても正しく再現できている。

2000 ch 付近のピークは、511 keV のγ線が、BGO-Bottom/WellとGSOとの間でコンプ トン散乱した事象である。

GSO事象そのもののコンプトン連続部は後方散乱の成分によりシミュレーションと実験の 正確な比較はできなかった。しかし、この(GSO-BGO)コンプトン事象は後方散乱の成分 に殆んど邪魔されないので、高い精度比較することができる(表7.2)。

Unit Event Experiment[cnts] Simulation[cnts] Ratio(Sim/Exp)

W30 511 keV GSO 9659±98 9494±69 0.98±0.01

BGO-GSO Compton 7149±84 6681±58 0.93±0.03

W31 511 keV GSO 9089±95 9251±68 0.98±0.01

BGO-GSO Compton 6559±81 7268±60 1.11±0.02

Table 7.2: 実験とシミュレーションでのGSO事象、コンプトン事象の事象数の比較

7.4 ヒットパターン信号による事象選別

ヒットパターン信号による隣接したユニット間での反同時計数について、較正実験の結果とシミュ レーションの結果を比較する。§7.3 と同じようにFast-Slowダイアグラム上の事象選別を行なっ てGSO事象を選別した後、最隣接の4つのユニットを用いて反同時計数をとる。

22Naを照射した場合について比較をする。実験で得たスペクトルではコンプトン連続部は後 方散乱成分が主であったので、直接の比較はできない。後方散乱の成分は、GSOでコンプトン散 乱された事象ではなく、検出器外でコンプトン散乱された光子がGSOに入射し主に全吸収により エネルギーをGSOに与えた事象だからである。全吸収の事象に関してはヒットパターンによる反 同時計数は有効ではない。

まず図 7.11はシミュレーションで得たヒットパターンによる反同時計数をとった場合ととっ てない場合のスペクトルを比較したものである。コンプトン連続部がおよそ1/4に減少すること がわかる。一方でコンプトンエッジ付近は、散乱光子が低エネルギーであるためにヒットパター ンによる事象除去が有効ではないこともわかる。

実験との比較は、ヒットパターンによって除去された事象のエネルギースペクトルで行なう。

除去された事象は後方散乱の成分が少ないと期待できるからである。結果を図7.12 に示した。全 体的に実験のデータの方が多少上回っている。散乱の成分の中にもGSOでコンプトン散乱した成 分があるためであると考えられる。

最後に133Baを照射した場合について、シミュレーションと実測のスペクトルの比較を 図7.13

に示す。80, 303, 356 keVの相対的なピーク面積はよく再現できているが、やはり200 keV付

近の散乱の成分が実験のスペルトルには見られる。

66 CHAPTER 7. 井戸型フォスイッチカウンタのγ線応答

Figure 7.1: 井戸型検出器(PINとGSO)

Figure 7.2: 井戸型検出器(ファインコリメー タ)

Figure 7.3: アンチ検出器(サイド) Figure 7.4: アンチ検出器(コーナー)

Figure 7.5: HXD全ユニット

7.4. ヒットパターン信号による事象選別 67

Figure 7.6: 実測の2次元ダイアグラム Figure 7.7: シミュレーションの2次元ダイア グラム

Figure 7.8: Geant4と実験の比較(GSO) 22Na 線源

Figure 7.9: Geant4と実験の比較(BGO)22Na線源

68 CHAPTER 7. 井戸型フォスイッチカウンタのγ線応答

Figure 7.10: Geant4と実験の比較(GSO-BGO Compton)22Na線源

Figure 7.11: ヒットパターンによるコンプトン抑制(W31 22Na 線源の照射)

7.4. ヒットパターン信号による事象選別 69

Figure 7.12: ヒットパターンによる事象除去(シミュレーションと実験)

W3122Na線源の照射。ヒットパターンによって除去された事象の数のシミュ レーションと実験の比較。

Figure 7.13: Geant4と実験の比較(GSO)133Ba線源の照射

Chapter 8

まとめ

• HXDの主検出部であるGSO結晶シンチレータの詳細なγ線応答の測定を行ない、γ線吸収 エネルギーとシンチレータの光量の関係に Gd K端で不連続があることを明らかにした。

• HXDの全系を集めた地上最終較正実験を3週間に渡って行ない、放射線源からの較正用γ 線をHXDに照射することで、エネルギー・光量関係、エネルギー分解能といった検出器の 基本的な特性を測定した。そして井戸型フォスイッチカウンタが目標としていた性能を十分 有していることを明らかにした。

• 最近公開された測定器シミュレーション・ツール群Geant4を基にしたモンテカルロシミュ レーションコードを作成し、GSO結晶シンチレータのγ線応答を再現できることを確認した。

• 50〜100 keVのエネルギー領域のγ線をGSOシンチレータが吸収した場合、Gd Kα 蛍光X 線が結晶外へ避散する確率が最大で20% にもなることを、実験およびモンテカルロシミュ レーションにより示した。

• Geant4を基にして、較正実験の結果を取り入れるとにより、複雑なジオメトリを持つ井戸

型フォスイッチカウンタのγ線応答シミュレータを構築した。

• HXDの特徴である波形弁別およびヒットパターンによる効果的な事象選別の機能を、較正 実験の結果の比較と構築したシミュレータによる結果とを比較した。

• 測定した検出器の応答の解析そして検出器応答のシミュレータはまだ完全なものではなく、

今後の詳細なデータ解析や軌道上で得られる結果を踏まえて、引続き改良を行なっていかな ければならない。

71

Appendix A

最終較正実験の結果

73

74 APPENDIX A. 最終較正実験の結果

Figure A.1: Slow整形波高値のエネルギー分解能(W00-W13)

75

Figure A.2: Slow整形波高値のエネルギー分解能(W20-W33)

76 APPENDIX A. 最終較正実験の結果

Figure A.3: Fast整形波高値のエネルギー分解能(W00-W13)

77

Figure A.4: Fast整形波高値のエネルギー分解能(W20-W33)

78 APPENDIX A. 最終較正実験の結果

Figure A.5: BGO結晶の線形性(W00-W13)

79

Figure A.6: BGO結晶の線形性(W20-W33)

80 APPENDIX A. 最終較正実験の結果

Figure A.7: BGO結晶のエネルギー分解能(W00-W13)

81

Figure A.8: BGO結晶のエネルギー分解能(W20-W33)

Appendix B

物理相互作用

ドキュメント内 ] 博士論文、修士論文 uchiyama mron osx (ページ 65-83)