• 検索結果がありません。

パラメータの推定とモデルの適用結果

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 108-112)

4.3 道路空間の照度と地区特性に関する物理的環境要因を考慮した中心市街地でのひ

4.3.4 パラメータの推定とモデルの適用結果

106

107 b) 地区単位のモデルの適用結果

道路一区画のモデルの適用結果をふまえ,地区特性を考慮したモデルを先に説明した六 つの地区に適用する.パラメータ β,b の値を変化させながら,(4.3.7)式の時間帯ごとのタ ーゲットの交通量qyt,沿道の監視性の指標γytおよび交差点の数Nyに地区ごとの観測値を与 え,各地区の時間帯ごとのPyt(x)を求めた.この各地区の時間別のひったくりの発生しやす

Pyt

(x)の平均値で与えられる地区-時間別のひったくりの発生しやすさの理論値と,地区-時間別のひったくり発生割合の観測値の誤差が最も小さいとき,パラメータβ,bは最適値 となる.沿道の監視性の指標については,先にも述べたように対象時間内には変化がない

とした.Pt(x)の算出については,住宅街のパラメータに加え,ここでは照度r,視認距離L(r)

は前項で推定した数値を用いる.ターゲットの交通量については各地区の交通量のうち,

歩行者の交通量に0.5をかけたものを時間帯別に与えた.ターゲットは歩行中の女性である と考えられるため,本来であれば女性の歩行交通量を用いるべきであるが,計測した交通 量には性別を考慮していなかったため歩行者交通の半分が女性であると仮定した.推定の

結果,β=2.0,b=4.9のときに理論値と観測値の誤差が最少となった.図-4.3.12に地区-時間

別のひったくりの発生しやすさの理論値と観測値を示す.

モデルの適用結果の検定は,その精度をより詳細に検討するため,地区別,時間別の発 生分布それぞれで行った.地区別,時間別のひったくりの発生しやすさの理論値,観測値 の分布について,ともにχ2検定を行ったところ,地区別は有意水準5%,時間別は有意水準 1%でそれぞれ適合している結果となった.地区別,時間別ともに良好な結果が得られたこ

図-4.3.11 ひったくり発生地点分布の比較

108

とから,モデルは各地区の時間別のひったくりの発生しやすさを十分に表現できるもので あると言える.図-4.3.13 に地区別の分布,図-4.3.14 に時間別の分布をそれぞれ示す.図

-4.3.13の地区別のひったくりの発生しやすさの分布では,D 地区の観測値と理論値の誤差

が他の地区に比べて大きい.これは,24 時間営業の店舗が地区内に多く立地しているため その周辺では監視性が高くなっていると考えられる.24 時間営業の店舗を含め,監視性に 影響を与える施設のタイプについては再検討の余地がある.図-4.3.14 の時間別のひったく りの発生しやすさの分布については,20-21時と22-23時で観測値が理論値を大きく上回る 結果となった.この時間帯は交通量,特に歩行者が多いため犯行を目撃されやすいと考え られるが,飲食店や商業施設などの周辺に歩行者が集中し,それ以外の場所では歩行者が 少なく,ターゲットとなりやすい可能性がある.1-2時と2-3時で理論値が観測値を大きく 上回ったことについては,先の24時間営業の店舗の影響が考えられる.また,この時間帯 においてはターゲットとなる女性の歩行者がほぼ存在しないことが影響していると考えら れる.

図-4.3.12 各地区の時間別のひったくりの発生しやすさの分布

109

図-4.3.14 時間別のひったくりの発生しやすさの分布 図-4.3.13 地区別のひったくりの発生しやすさの分布

110

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 108-112)