第 3 章 CDM/JI に関する各国の動向の調査・分析
3. バングラデシュ
(1). 基本情報7
1. 面積:14万4千平方キロメートル(日本の約4割)
2. 1億5,250万人(2013年3月、バングラデシュ統計局)
3. 主要産業:衣料品・縫製品産業
4. 実質GDP:1,156億ドル(2013年、バングラデシュ中央銀行)
5. 経済成長率:6.3%(2012年度、バングラデシュ財務省)
6. 貿易(2012年)
7. 輸出:239.92億ドル(既製品(ニットを除く)、ニットウェア、冷凍魚介類、ジュート
製品、革製品、ホーム・テキスタイル)
輸入:333.09 億ドル(石油製品、繊維、化学薬品、機械機器、食用油、プラスティッ
ク・ゴム、鉄鋼製品、綿花、紡績糸、穀物類)
バングラデシュは、2009年にバングラデシュ気候変動戦略および行動計画(BCCSAP: Bangladesh Climate Change Stragtegy Action Plan)を採択し、2009年から2018年まで の気候変動への適応計画を策定している。
この計画では、「食糧安全保障、社会安全、健康」、「包括的災害マネジメント」、「インフ ラストラクチャー」、「調査研究・知識のマネジメント」、「緩和活動と低炭素開発」、「キャ パシティビルディング、組織開発」の6つの柱をもつ行動計画であり、特に気候変動への キャパシティ及び適応力の拡大を活動の主軸としている。
また、この計画の資金は、歴史的なCO2排出量に基づき、先進国が拠出すべきとしてい る。そのため、資金を受け入れるための「気候変動基金」を設立している。
バングラデシュは、UNFCCC に対し、2002 年 11月の第1回国別報告書に続き、2012 年12月に第2回国別報告書が公表・提出された。また、以下のようにCDMプロジェクト を国内で実施するための体制を構築している。
バングラデシュにおけるCDMプロジェクトの準備の進行
バングラデシュによるステップ 時間
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に署名 1992年6月9日 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の批准 1994年4月15日 京都議定書の批准登録 2001年10月22日 政府による国家指定機関(DNA)の設立 2003年10月13日
7
(2) CDM の承認体制
① 指定国家機関
(バングラデシュの指定国家機関(DNA)の構成)
(国家CDM理事会)
その議長として総理大臣首席秘書官、メンバー兼事務局長として環境局局長が置かれて いる。
1. 京都議定書の範囲の下で、国家レベルでの承認済みすべてのCDMプロジェクトの 調整および運営;
2. 国家CDM委員会に必要な情報と指導を与えること;
3. CDM委員会によって既に承認されたプロジェクトを、検討を行った後承認する; 4. CDMプロジェクトの準備及び実現に関与するすべての関連省庁・機関の連携を確
保する;
5. 理事会は3ヶ月に一度会議を実施する必要がある。しかし、議長は、必要があると 認めるときは、いつでも会議を招集することができる。
(国家CDM委員会)
その議長として環境森林大臣、メンバー兼事務局長として環境局局長(気候変動・国際 条約担当)が置かれている。
1. 国家CDMのスキルの準備;
2. 国家CDM理事会によって受け入れられた結論の実現; 3. 持続可能性に関する国家基準の準備;
4. CDMプロジェクト評価ガイドラインの準備;
5. UNFCCC事務局に、必要な指示や監督を与えること;
6. CDM関連の部門にプロジェクトを選択するための指示を与えること;
7. CDMへの資金調達支援または国家CDM理事会への送付のために、検討後準備が できている計画の承認を提供すること;
8. 委員会は2ヶ月に一度会議を実施する必要がある。しかし、議長は、必要があると 認めるときは、いつでも会議を招集することができる。
2012年12月、バングラデシュCDMウェブサイトが開設された。
② ホスト国承認
(バングラデシュの国家CDMプロジェクト承認を得るための手順)
ステップ01:提案されたCDMプロジェクトのPDDおよびPINの提出
ステップ 02:国家 CDM 委員会の会議でプロジェクト提案を上程 project proposal
ス テ ッ プ 03 : 提 案 の 承 認 ま た は 拒 否 : Approval or decline of proposal
ステップ04:最終承認のため、国家CDM理事会の会議でPDDのプレゼンテーション 04:
Presentation of PDD for the final approval in meeting of National CDM
ステップ05:ホスト国の承認レターを発送
国家CDM理事会による承認を得た後、提案者にホスト国の承認に関連するレターを発 送
最終承認のための国家CDM理事会の会議でプレゼンテーション
国家CDM委員会は、プロジェクトの評価を行う。プロジェクトが受け入れ可能である と見なされる場合、委員会は、提案を受け入れる。
プロジェクトを評価した後、環境局は、国家CDM委員会に提案の要約を提出する。
CDMプロジェクトの提案者から、バングラデシュの環境局の事務局または環境・森林 省へ、PIN・PCNまたはPDDの提出。
(CDMプロジェクトの承認のための条件(持続可能な開発の基準))
持続可能な開発の基準
社会的な基準 提案されたプロジェクトが、雇用機会、貧困撲滅と社会的平等を確 保できること。プロジェクトは、地元住民の生活の向上を支援する 役割を果たす必要がある。
経済的な基準 プロジェクトは、地元のスポンサーに利益を与え、賃金やビジネス にプラスの影響を持ち、または新技術を移転することによって、
人々の経済的地位を変えることができなければならない。
環境に関する基準 プロジェクト提案は国家環境政策と適合している必要がある。それ は温室効果ガスの排出量と化石燃料の使用の削減、地域資源の保 全、地域環境と公衆衛生への圧力を減らすこと、またはその他の環 境改善のための機会・可能性をつくり出す必要がある。
(参考)
(バングラデシュのグリッド排出係数)
(出所)Guidebook of Clean Development Mechanism,環境森林省環境局,2011年9月
(ベンガル語)
(注)グリッド排出係数は、各年のバングラデシュ電源開発理事会(Bangladesh Power
Development Board: BPDB)年次報告書中の各発電所の効率から計算できる。
http://www.bpdb.gov.bd/bpdb/index.php?option=com_content&view=article&id=75&Ite mid=81
8 2013年8月にバングラデシュ政府から発表された排出係数として0.67 ton CO2/MWhがAsia Led
Partnershipのウェブにて公開されているが、バングラデシュ政府のウェブサイトでは、確認できていな
い。詳細は次のウェブ参照。http://asialeds.org/resources/bangladesh-grid-emissions-factors バングラデシュのグリッド排出係数
2007 年 ~2009 年 に お い て 、 バ ン グ ラ デ シ ュ の グ リ ッ ド 排 出 係 数 は 0.620 ト ン
CO2eq/MWhと計算された。この係数は特定の間隔で再計算される8。
(3). CDM登録・有効化審査状況
2013年末までにバングラディッシュで有効化審査されたプロジェクト、登録プロジェク トを以下の表 13、表 14のようにまとめた。ここで示したように製造業(煉瓦工場)での エネルギー効率化やLFG・コンポスト由来のメタン回収・利用プロジェクトが僅かながら 実施されている。この中には高効率照明バルブの配布のようなPoAプロジェクトも含まれ ている。
表13:登録済みプロジェクト一覧(2013年12月31日現在)
(出典)日本エネルギー経済研究所にて集計
表14:有効化審査プロジェクト一覧(2013年12月31日現在)
(出典)日本エネルギー経済研究所にて集計
プロジェクト名 ホスト国 セクトラルスコープ 年削減量
(t- CO2 / 年)コメント期間
1: エネルギー産業 13: 廃棄物処理・処分
1: エネルギー産業 13: 廃棄物処理・処分 13: 廃棄物処理・処分 1: エネルギー産業 Landfill Gas Extraction and
Utilisation at Matuail Landfill, Dhaka, Bangladesh
Bundled Waste Heat Recovery (WHR) CDM Projects in Bangladesh
Akij Particle Biomass Thermal Energy Generation CDM Project Energy Efficiency in Solid and Hollow Brick Making in Bangladesh
Improving Kiln Efficiency in the Brick Making Industry in Bangladesh (Bundle-2) Improving Kiln Efficiency in the Brick Making Industry in Bangladesh
Improving Kiln Efficiency of the Brick Making Industry in Bangladesh
34,842
26 Feb 10 - 27 Mar 10 58,070
Installation of 30,000 Solar Home Systems (SHS) in Rural Households .
Organic Waste Composting at Sylhet, Dhaka, Bangladesh
バングラディッシュ
バングラディッシュ
59,48702 Jul 13 -31 Jul 13
39,51626 Jun 13 - 25 Jul 13
42,011
15 Nov 11 - 14 Dec 11
185,71403 Mar 05 - 03 Apr 05 10 Nov 09 - 09 Dec 09 58,819
27 Oct 07 - 25 Nov 07 10,980
31 Dec 05 - 30 Jan 06 88,428
14 Oct 05 - 13 Nov 05 バングラディッシュ
4: 製造業
4: 製造業
4: 製造業
4: 製造業
4: 製造業
1: エネルギー産業 バングラディッシュ
バングラディッシュ
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