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第1章 2010年度のCDM運営動向

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平成 25 年度京都メカニズム推進基盤整備事業

CDM・JI の運用に係る国際的枠組に関する調査

報 告 書

平成 26 年 3 月

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はじめに

2012 年に京都議定書第 1 約束期間は終了したが、我が国は引き続きカンクン合意に基づ き温暖化対策に取組むことが求められている。途上国における温暖化対策の取組みを支援 する上で、京都メカニズムは、今後も重要な位置を占めるとともに、我が国の優れた技術 の国際的な普及の観点においても、CDM(クリーン開発メカニズム)及び JI(共同実施) を積極的に推進することは極めて重要な政策的課題である。 CDM に関する国際ルール・手続きの策定、個々のプロジェクトの審査等を行う国際機関 (CDM 理事会)では、運営機関の認定、方法論の承認、プロジェクトの登録及び CER (Certified Emission Reduction:認証排出削減量)発行において着実に実績を重ねてきて いるが、その一方で、現行の審議プロセスの透明性、策定されたルールや手続きの実用性 などの面での課題も COP/MOP(京都議定書締約国会合)等で数多く指摘されている。ま た、JI についても、CDM 理事会と同様の機能・役割を担う JI 監督委員会において、独立 機関の認定、PDD に関する決定等が進められているが、実質的に CDM と同一のルールで ある独自性や柔軟性に欠けるといった指摘も多くなされている。こうした状況から、我が 国としては、CDM/JI 事業化がスムーズに進行するべく、審議方法や方法論の内容など CDM/JI に関する国際ルールの設定やその運用のさらなる改善に向けて積極的に貢献する ことが求められている。 そこで本調査では、CDM 理事会及び JI 監督委員会における実際の議論内容に関してレ ビューを行いつつ、CDM 理事会及び JI 監督委員会で行われている議論の内容、そして議 論の進め方の在り方について、現状の課題を抽出しつつ、分析・評価を行うとともに、国 内事業者が CDM/JI 事業を実施する際に有益となるような情報の整理・分析と、その情報 伝達体制の構築・運用を行った。 以下、本報告書第1 章では、CDM 事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、今後の在 り方についての検討を行い、第2 章では、JI 事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、 今後の在り方についての検討を行った。さらに、第3 章では、CDM/JI に関する各国の動向 の調査・分析を行い、最後に、第4 章では、CDM/JI 事業実施者に向けた情報提供体制の構 築・運営に関する調査内容について取りまとめた。 本報告が、CDM・JI の運用に係る国際的枠組の検討と、これらメカニズムの有効活用に 向け貢献できれば幸甚である。 2014年3月 (一財)日本エネルギー経済研究所

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目 次

はじめに 第 1 章 CDM 事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、今後の在り方についての検討 ... 1 1.2013 年度の CDM 運営動向の概観 ... 3 2.プロジェクト ... 5 (1). 集計 ... 5 (2). 主なプロジェクトの動向 ... 7 3.プログラム CDM ... 9 4.方法論 ... 10 (1). 個別方法論の状況 ... 10 (2). CDM 方法論の横断的課題及び進展... 13 5.2013 年の京都クレジット市場動向 ... 16 (1). CER 取引と EUETS 取引動向 ... 16 (2). 停滞する取引価格とその背景 ... 16 (3). 市場からの撤退と停滞するプロジェクト開発 ... 18 6.CDM 理事会の審査体制のあり方、審査手続きの効率化、改善の方向性 ... 19 付録:2013 年度の CDM 理事会報告 ... 21 第73 回 CDM 理事会報告 ... 21 第74 回 CDM 理事会報告 ... 27 第75 回 CDM 理事会報告 ... 32 第76 回 CDM 理事会報告 ... 39 第77 回 CDM 理事会報告 ... 46 第 2 章 JI 事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、今後の在り方についての検討 ... 53 1. 2013 年度の JI 関連の状況分析と JI 監督委員会の検討動向 ... 55 (1). プロジェクト動向分析 ... 55 (2). 第 9 回京都議定書締約国会合(CMP9)における決定 ... 57 (3). JI の審査体制のあり方、審査手続きの効率化、改善の方向性 ... 57 各JI 監督委員会での主なポイント ... 60 付録:2013 年度の JI 監督委員会報告 ... 62 第32 回 JI(共同実施)監督委員会報告 ... 62 第33 回 JI(共同実施)監督委員会 報告 ... 67

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第 3 章 CDM/JI に関する各国の動向の調査・分析 ... 73 1. 中国 ... 75 (1). 中国における CDM の承認動向 ... 75 (2). 試行排出量取引制度の動向 ... 77 2. インド ... 84 (1). CDM の体制 ... 84 (2). CDM の承認動向 ... 85 (3). CDM 活用に向けた動き ... 88 3. バングラデシュ ... 89 (1). 基本情報 ... 89 (2). CDM の承認体制 ... 90 (3). CDM 登録・有効化審査状況 ... 94 4. タイ ... 96 (1). 基本情報 ... 96 (2). CDM 承認体制 ... 97 (3). CDM 登録・有効化審査状況 ... 100 5. ラオス ... 102 (1). 基本情報 ... 102 (2). 温室効果ガス排出量 ... 102 (3). 気候変動に関する組織・機関 ... 103 (4). ラオスにおける気候変動関連政策 ... 104 (5). CDM の承認体制 ... 107 (6). CDM 登録・有効化審査状況 ... 109 6. ケニア ... 111 (1). 基本情報 ... 111 (2). CDM 承認体制 ... 112 (3). CDM 登録・有効化審査状況 ... 117 第 4 章 CDM/JI 事業実施者に向けた情報提供体制の構築および運営 ... 119 1. AIE の現状・専門性 ... 121 (1). JI 認定パネルについて ... 121 (2). JI 独立組織の認定状況 ... 121 2. CDM プロジェクト集計 ... 124 (1). 有効化審査 ... 124 (2). 登録 ... 131 (3). 発行 ... 138

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3. JI プロジェクト集計 ... 147 (1). トラック1 ... 147 (2). トラック 2 ... 151 4.方法論リスト ... 156 5. 横断的課題、重要方法論の論点・経緯 ... 157 6. CDM レファレンスルール ... 178 7. JI レファレンス・ルール ... 186 8. 関連リンク ... 190 用語集 ... 192

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第 1 章 CDM事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、

今後の在り方についての検討

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1.2013 年度のCDM運営動向の概観

京都議定書のもとに設けられた京都メカニズムの一つ、クリーン開発メカニズム(CDM) は、京都議定書締約国会合(MOP)において、その運営方針は決定されるが、実際の運営 はCDM 理事会によってなされている。CDM 理事会では CDM プロジェクトサイクル全般 の実施のための制度の監督に関連する規制に関する決定され、その他、CDM プロジェクト の登録、認証排出削減量(CER)の発行などが行われ、京都議定書のもとで CDM を実施する 中心的な役割を担っている。 CDM 理事会は、毎年、複数回の会合が開催れるが、2013 年度においては第 73 回(2013 年5 月)から第 77 回(2014 年 2 月)まで計 5 回開催された。はじめに CDM 理事会にお ける2013 年度の CDM 運営動向を概観する。 2012 年 12 月の第 8 回京都議定書締約国会合(CMP8)では、議論の結果、プロジェク トの有効化審査や登録申請および排出削減量の検証・認証などを行う指定運営組織 (Designated Operation Entity、DOE)が、継続して運営するために受けなければならな い定期現地査察を通じた再認定の頻度を3 年おきから 5 年おきに拡張すること、2013 年 の間に持続可能な発展に関するボランタリーツールの使用について評価しその結果につい てCMP9 で報告すること、プログラム CDM に係る作業を継続すること、登録・発行申請 提出からコンプリートネスチェックが開始されるまでの待ち時間を 15 日未満にするため CDM プロジェクトおよびプログラム CDM の登録や CER の発行に係るプロセスを合理 化する方法について検討作業を継続すること、等がCDM 理事会に要請されていた。 このような要請を受け、2013 年度の CDM 理事会における主要な論点は以下の通りであ る。 ① プロジェクト:登録プロジェクトが7,000 件1を超え、発行CERが 14 億tCO2e2

② プログラムCDM(Programme of Activities, PoA):2013 年は 34 件の登録があり、累 計で246 件が登録された。 を超え た。 3 ③ E+/E-政策と追加性の関係についての再検討を実施4 ④ DOE 認定手続き基準の改訂について検討。 。 1 2013 年 12 月現在。 2 2013 年 12 月現在。なお、京都議定書では附属書 A に記載されている GHG を全て二酸化炭素に換算し、 その排出量を算定する。その際に利用される単位がtCO2e(tCO2 equal)となっている。 3 2013 年 12 月現在。

4 E+/E-政策とは、GHG 排出量に影響を与えるホスト国の環境、エネルギー政策のこと。E+(emission plus)

政策とはGHG 排出量が増加するような化石燃料への補助金などの政策であるのに対して、E-(emission

minus)政策は GHG 排出量が削減されるような低炭素技術の支援策(例えば再エネ導入のための補助金)

のことである。CDM プロジェクトのベースライン排出量に影響を及ぼすことから、ベースライン排出量に

あたって、どのように考慮するかが大きな問題となった。CDM 理事会における検討の結果、第 22 回理事

会において、E+政策については、京都議定書採択(1997 年 12 月 11 日)、E-政策については、CDM Modality

& Procedure (CDM M&P) 採択(2001 年 11 月 11 日)以降に導入された政策については考慮しないこと とされた。

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⑤ 埋立事業での重畳事業の実施の可否について検討。 ⑥ Voluntary Cancellation に伴う登録簿規約の改訂について検討。 以下、プロジェクト、プログラムCDM、方法論、認定、クレジット市場分析の順にCD M理事会における議論の要点についてまとめるとともに、CDM 理事会の審査体制のあり方、 審査手続きの効率化、改善の方向性等について課題を抽出し、考えられる改善の方向性に ついての検討結果をまとめる。

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2.プロジェクト

(1). 集計 (有効化審査) 2013 年に提出された CDM プロジェクトは 212 件、年予想排出削減量は 3,528 万 tCO2e となった。2012 年と比べて件数、年予想排出削減量はともに減少した。 国別では、中国でのプロジェクトの割合が高く、2013 年末の時点で、提出されたプロジ ェクト件数のうち41%、削減量の 48%を占めている。一方で、2013 年にはベリーズ、ガン ビア、マラウイの3 カ国で初となる CDM プロジェクトが提出された。 表 1:有効化審査のためのパブリックコメントが行われたプロジェクト プロジェクト数 (件) 予想排出削減量 (万 CO2 換算トン) 2003 4 214 2004 59 516 2005 506 10,646 2006 959 18,011 2007 1,671 21,524 2008 1,884 20,173 2009 1,331 16,162 2010 1,432 18,181 2011 2,149 28,095 2012 1,946 32,260 2013 212 3,528 累計 12,153 169,310 (登録) 2013 年に登録された CDM プロジェクトは 272 件、年予想排出削減量は 3,147 万 tCO2e となった。これらは、2012 年と比較すると有効化審査同様に、大きく下回る件数、削減量 である。 国別では、2013 年末の時点でプロジェクト件数全体の 50%を中国が占め、次いでインド が 20%、中国の割合が半数を占めている。また、年予想削減量で見ると、件数と同様に中 国が61%と半数以上を占めている。 また、2013 年には、カーボベルデ共和国、モザンビーク、ミャンマー、ニジェール、シ エラレオネ、スーダンのCDM プロジェクトが初めて登録された。

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表 2:登録プロジェクト プロジェクト数 (件) 登録排出削減量 (万 CO2 換算トン) 2003 0 0 2004 1 67 2005 62 2,786 2006 409 7,931 2007 426 8,162 2008 431 5,726 2009 684 9,308 2010 812 10,158 2011 1,107 13,310 2012 3,230 36,291 2013 272 3,147 累計 7,434 96,885 (CER 発行) 2013 年に CER の発行を受けた件数は 2,024 件、発行量は 2 億 6531 万 tCO2e となり、 発行量は 2012 年から減少したが、件数は過去最高となった。累計では、7,590 件、14 億 2,038 万 tCO2e と発行件数が 7,000 件の大台を超えた。 国別では、2013 年末の時点で中国が発行件数の 51%、発行量の 61%を占めている。 表 3:CER が発行された件数 プロジェクト数 (件) CER 発行量 (万 CO2 換算トン) 2003 0 0 2004 0 0 2005 4 10 2006 126 2,569 2007 314 7,669 2008 472 13,787 2009 522 12,343 2010 618 13,240 2011 1,534 31,952 2012 1,976 33,937 2013 2,024 26,531 累計 7,590 142,038

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(2). 主なプロジェクトの動向 (大規模プロジェクトの登録) 2013 年 1 月から 2013 年 12 月までに登録された削減量 100 万 tCO2e/年以上のプロジェ クトは表1-4 のとおりであり、2012 年は 9 件であったが 2013 年は 7 件となった。この 7 件について適用された方法論の内訳としては、系統連係する再生可能な資源からの発電 (ACM0002)が 4 件、系統連係する天然ガスを用いた発電施設(AM0029)が 3 件となっ ている。 表 4:主要な登録されたプロジェクト(2013 年 1 月から 2013 年 12 月) (出所)UNFCCC CDM ホームページ*削減量 100 万 tCO2e/年以上 (プロジェクト登録とCER 発行の棄却) その一方で、2013 年には 39 件のプロジェクト登録がCDM理事会により棄却された (2012 年は 15 件)。その概要は次のとおりである。 ホスト国:中国5 件、ブラジル 4 件、マレーシア 4 件など 投資国:英国10 件、スイス 5 件、オランダ 3 件など

方法論:AMS-Ⅲ.H 3 件、ACM-I.C 3 件、AMS-Ⅰ.D 2 件、ACM0013 2 件など なお、CER 発行については、2013 年には 7 件が棄却された。

(今後のプロジェクトの動向)

今後のプロジェクトの動向をみるために、2013 年 1 月から 2013 年 12 月までに有効化審

登録 タイトル ホスト国 方法論 削減量

(tCO2e/年) プロジェクト番号

2013/1/29 Teesta Stage-VI Hydro Electric Project インド ACM0002 2,026,027 6055

2013/1/31 Grid Connected Gas based Combined

Cycle Power Project in Andhra Pradesh インド AM0029 1,388,315 8323

2013/6/4 Chaglla Hydroelectric Power Plant CDM

Project ペルー ACM0002 1,814,613 9116

2013/7/26 Guizhou Wujiang Shatuo Hydropower

Project 中国 ACM0002 2,642,739 9309

2013/8/6

Natural Gas Based Combined Cycle Power Generation, at Kothapeta, East Godavari, Andhra Pradesh, India.

インド AM0029 1,351,965 6506

2013/11/29 Punatsangchhu-I Hydroelectric Project,

Bhutan ブータン ACM0002 4,177,672 9210

2013/12/16 Natural Gas based Combined Cycle

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査のためパブリックコメントに付された主なプロジェクトを一覧にしたのが表1-5 である。 表 5:有効化審査のためパブリックコメントに付された主要なプロジェクト (2013 年 1 月から 2013 年 12 月) (出所)UNFCCC CDM ホームページ *削減量 100 万 tCO2e/年以上 プロジェクトタイトル ホスト国 方法論 削減量 (tCO2e/年) コメント期間 開始日

Upper Karnali Hydro Electric Project

インド

ネパール ACM0002 2,683,240 2013/1/18

Arranging CERs throughCDM over Mango/Cashew/Indian

Gooseberry plantations インド AR-ACM0003 1,930,926 2013/4/11

Sawalkot Hydroelectric Project インド ACM0002 7,325,118 2013/10/11

Baglihar stage -II Hydroelectric Project インド ACM0002 1,192,534 2013/10/11

Kirthai-II Hydroelectric Project in Jammu and Kashmir インド ACM0002 3,351,855 2013/10/11

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3.プログラムCDM

プログラムCDM(programme of activities:PoA)とは、企業又は公的主体が自主的か つ調整して実施する政策・措置又は目標設定による活動である 5 2013 年 12 月までの PoA の登録状況は 246 件である。2009 年 7 月に 1 件目の登録が成 されて以降、毎年件数が増加しており、2009 年に 2 件、2010 年に 3 件、2011 年に 12 件 であった登録件数が、2012 年に 195 件に急増し、2013 年には再び 34 件に激減した。これ は、2012 年 12 月に京都議定書第一約束期間が終了するのに伴い、駆け込みで登録申請が 急増したのと、その反動による減少のためである。 。PoAはCPA(CDM programme activity)と呼ばれる個別に実施される活動の集合体によって構成される。各 PoAにおいてCPAの個数には制限がない。 登録内容を概観してみると以下のようになっている。 ホスト国:中国42、インド 26、南アフリカ 26 など 投資国:イギリス40、オランダ 29、スイス 16 など 方法論:AMS-I.D.50、ACM0002.42、AMS-II.J.20 など となっている。 5 具体的には、一般家庭における電球を LED 電球に交換プログラムを実施するようなプロジェクトなどが あげられる。

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4.方法論

(1). 個別方法論の状況 (新規方法論) 第 73 回CDM理事会から第 77 回CDM理事会に承認された方法論は以下の方法論である。 表 6:EB73 から EB77 までに承認された新規方法論 承認 方法論番号 方法論名および概要 EB75 AM0112 廃棄物の連続蒸留を通じた低炭素原単位発電 廃棄物が連続蒸留技術(熱処理を汚染物の露点以下の中温域に制御すること で、金属の酸化を回避)を適用することにより処理され、産出物が発電に用い られるプロジェクトに適用。電力の代替分、および、一般廃棄物・バイオマス残 さの埋立地への処分に伴うメタン排出の回避分が排出削減となる。 ACM0023 ボイラーにおける効率性向上技術の導入 油・水エマルジョン技術等、効率向上技術の導入の結果としてボイラーの熱効 率が向上し、熱効率の向上が燃料燃焼による温室効果ガス排出量の削減に つながるプロジェクトに適用。 EB76 AM0113 家庭におけるコンパクトな蛍光灯(CFL)や発光ダイオード(LED)ランプの配布 高効率電球を低価格で販売または直接設置し、低効率電球を置換すること で、家庭でのエネルギー効率的な照明を拡大するプロジェクトに適用可能。 EB77 ACM0024 有機廃棄物の嫌気性処理に由来する生物起源メタンによる天然ガス代替 有機廃棄物を嫌気的消化により処理し、バイオガスを改良し天然ガスを代替す るのに用いるプロジェクトに適用可能。 表 7:EB73 から EB77 までに承認された規模方法論 承認 方法論番号 方法論名および概要 EB73 AMS-II.R 住宅建物の暖房エネルギー効率向上 住宅建物内において行われる新規装置・製品の設置または既存装置・製品の 変更などの省エネ活動で、建物断熱の改善、窓の断熱化、暖房機器・システム の効率の改善等、暖房に関連する排出削減を目的とするものに適用可能。 EB75 AMS-III.BH 石膏コンクリート壁パネルの製造・設置によるレンガ・セメント製造の代替 壁をつくる際に、石膏コンクリート壁パネルを利用して、温室効果ガス排出量の 多いレンガ・セメントモルタル建築材料を代替するプロジェクトに適用可能。 AMS-III.BI ガス処理施設におけるフレアガス回収 既存ガス処理施設からの仕様外ガスで、すべてフレアされるか、一部フレアさ れ一部自家発電等に用いられるものを回収し、原料として当該施設で不純物 等を分離、圧縮して、ガス販売ラインに注入するプロジェクトに適用可能。 AMS-III.BJ エネルギー回収を含む、プラズマ技術を用いる有害廃棄物の破壊 在来型の焼却炉の代替として、炭素を含む有害廃棄物の破壊のために、プラ ズマガス化技術を使用するものを対象。

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AMS-Ⅱ.Rは住宅建物にエネルギー効率の高い暖房施設などを導入し、GHG 排出削減を行 うものであるが、事業者からの提案によるボトムアップ方式ではなく、CDM 理事会が主導す るトップダウン方式で作成された方法論である。 この中では、抑圧された需要(suppressed demand)も考慮して、ベースライン排出量を 設定することが認められている。具体的には、プロジェクト実施以前、最低限の生活のた めの十分な暖房及室内温度に達していないことをが証明すされることが求められ、そのた めの判断基準として5項目の判断基準が示されている。この基準の中の一つあるいは二つ を満たすことで、抑圧された需要があると見なされ、ベースライン方法論の設定の際に、 通常のベースライン方法論設定手法で導かれるベースラインに更さらに、抑圧された需要 係数(1.2)を乗じて設定される。 ○抑圧された需要の有無の判断基準  プロジェクトのホスト国における電化率が 20%以下であること  一般的に燃料として動物の排泄物が利用されていること  ホスト国が低開発国あるいは小島嶼開発途上国であること  マイクロスケールプロジェクトにおける追加性ガイドラインのもとで特に低 開発である地域(SUZ)として指定されている地域) (方法論のプロジェクトへの適用状況) 登録済みプロジェクトにおける方法論の適用状況をまとめたグラフは以下のとおりであ ようになっている。全体としては、ACM0002 の再生可能エネルギーを導入する方法論が最も 多く使われており、3172 件となっている。次いで登録件数の多い、AMS-Ⅰ.D は小規模方法 論における再生可能エネルギーの導入を図る方法論であり、2029 件のプロジェクトに適用 されている登録件数となっている。合わせると、約 65%程度のプロジェクトは、再生可能 エネルギープロジェクトであることが分かる。2013 年に登録されたプロジェクトだけを見 た場合でも、同様の傾向が見られるが、興味深いのは 2013 年のみで見ると小規模方法論の 再生可能エネルギーの導入を図る AMS-Ⅰ.D が最も適用されている方法論となっていること である。この背景には様々な要因が考えられるが、後述するように、CERへの需要がほ とんど見られないために、大量の排出削減量が得られる大規模な排出削減プロジェクトの 実施への機運も失われていることによるとも考えられる。

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図 1:登録済みプロジェクトで適用されている方法論(件数)

(出典)UNFCCC 公開データを踏まえ作成

図 2:2013 年に登録されたプロジェクトの方法論

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(2). CDM方法論の横断的課題及び進展 (E-政策に関する動向) ①背景 第73 回CDM理事会において、追加性の証明の観点からE-ガイドライン(ホスト国に関 する環境政策の影響を追加性の証明の際に判断するためのガイドライン)の適用について、 改めて議論することが合意された。ホスト国における環境政策、例えば再生可能エネルギ ー普及に関わる政策によっては、CDMプロジェクトの追加性に大きな影響を与えることが、 過去の理事会でも問題として認識されていた。再エネ導入政策が実施されていることによ って、CDMによらず実施することが可能なプロジェクトもありえたためである。検討の結 果、第22 回CDM理事会において、ホスト国における環境政策、特にGHG排出量の削減に 貢献する政策について、CDMのModality & Procedures(M&P)がCOPで採択された 2001 年以降に導入された政策については考慮しないこと(ベースラインの検討の際には、それ らの政策はないものと見なして検討がすすめられること)が決められた6 しかし、第22 回CDM理事会(2005 年開催)から、既に 8 年程度、時間が経過したとこ もあり、再びE-政策と追加性の証明の関係について議論されることとなった。再び検討さ れることになったものの、E-政策をどのように評価するのか難しい部分が多く残っており、 検討作業は進んでいない 。 7 ②議論の進捗状況 。 第73 回理事会における議論では E-政策が効力を発揮した日から 7 年間は、E-政策か らの補填部分についてプロジェクト参加者による投資分析を通じた追加性の証明の検討は 必要としない、というアプローチを追求することで同意した。 さらに、第74 回理事会においては「投資分析を通じた追加性の証明における E-政策に 係るガイドライン、結合ツール及び追加性ツールの改訂」案について議論し、EB75 までに 幾つかの論点について UNFCCC 事務局に以下の問題についてさらに検討するよう要請が なされた。 (a)アプローチは義務的なものとはならないこと: (b)さまざまな選択肢が分析されること; (i)政策の効果的な実施時期; (ii)プロジェクト参加者に生じる政策の便益が考慮されない期間; (c)アプローチは追加性の証明とベースラインシナリオ選択の両方に整合性をもって 適用されること; 6 CDM プロジェクトの有効化審査手続き、登録手続き、発行手続きなど、CDM を実施するために必要な 規則が定められている。2001 年のマラケシュで開催された国連気候変動枠組み条約第 7 回締約国会議にお いて、マラケシュ合意の一部として策定された(2005年に京都議定書第1 回締約国会合決議 3/CMP.1 annex として第1 回締約国会合において正式に採択)。 7第22 回 CDM 理事会において次のように定義された。より GHG 排出量の少ない技術の導入を支援する ための政策や規制措置(再生可能エネルギー導入のための補助金等)

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(d)UNFCCC事務局はもし他に該当する規定があるならば、理事会に対しさらなる改 訂の提案がなされること。 しかし、75 回理事会などでは十分な議論がなされず、いまだにどのような形で見直しがな されるのか予想できない状況となっている。 (プロジェクト登録・管理に関わる手続きの動向) プロジェクトの登録・管理に関わる手続きに幾つかの変更が見られた。第 76 回理事会に おいては承認を取り下げる DNA からのレターを処理するプロセスに係る手順が採択され た。この手続きの改正が行われたのは、プロジェクト参加者として登録されている事業者 が、実際にはCDM プロジェクトをまったく実施しようとしないケースが多く見られるよう になったためである。アフリカ諸国で多く見られ、対応策が必要とされていた。 また、まだ改正には至っていないが、プロジェクト参加者の中からUNFCCC 事務局との 窓口役を通知するMoC についても改正作業が行われている。これは、倒産などで窓口役と なっていた企業が存在しなくなったため、UNFCCC事務局とプロジェクト参加者の間 での連絡が取れなくなってしまうケースが多く見られるようになったためである。現在、 検討されている対応策は以下の二つである。 (a) 理事会あるいはUNFCCC事務局が倒産に起因する紛争や問題について通知 を受けていること、あるいは倒産が原因の紛争や問題の解決がなされるまで発行 されて引き渡される予定のCERが一時的に移転が留保されることについて、 UNFCCCのCDMウェブサイトにおいて情報を提供すること。 (b)UNFCCC事務局により要請されたMoCの更新を怠っているプロジェクト参加 者についてはUNFCCC事務局がCERの移送を保留状態と出来ることを理事会 がプロジェクト参加者に通知する規定をPCPの中に取り入れること。 これらの動きの背景には、価格が低迷する中で、新規プロジェクト開発の機運が失われて いることがまず挙げられるだろう。アフリカ諸国に見られる政府承認取得後のプロジェク ト開発の停滞は、CDM プロジェクト開発に必要な人材や資金が、アフリカ諸国に不足して いることも影響しているとも考えられる。市場が成長を続けていれば、先進国のCDM 開発 業者が、自らの資金で必要とされる専門家を確保し、プロジェクト開発を進めていたと思 われるが、実際には、取引価格は低迷したままで、今後も価格上昇が望めない状況となっ ており民間企業が進んでリスクをとってプロジェクト開発を行う環境とはなっていない。 また、価格低迷の影響でプロジェクト開発業者の収益が伸び悩み、資金の確保が困難にな っていることも影響しているだろう。既に、述べたようにプロジェクト参加者の中には倒 産などで連絡が取れなくなっている場合も多く発生するようになっており、プロジェクト

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開発業者も厳しい経営状況に置かれているものと思われる。

CDM 開発には様々なリスクが伴い、そのリスクを踏まえた上でプロジェクト開発に乗り 出すためには、リスクに応じた利益が見込まれなければならないが、現状のCER 取引市場 では、そのような利益を見込める状況とはなっていない。このような市場の停滞が、CDM における手続きの改正などにも影響を及ぼし始めて来ている。

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5.2013 年の京都クレジット市場動向

(1). CER取引とEUETS取引動向

CER の取引は、計画段階(PDD 作成段階)に途上国の事業者と直接、交渉して将来、 発行が予想されるCER の取引を行う先渡し取引(1 次 CER)と、先進国の CDM 開発業者が、 EUETS 規制対象企業に転売する取引(2 次 CER)の大きく二つに分けられる。1 次 CER の価格については、契約の当事者となっている事業者以外には公開されないが、2 次 CER に つ い て は 欧 州 や 米 国 に お い て エ ネ ル ギ ー 関 連 の 商 品 取 引 が 行 わ れ て い る 取 引 所 Intercontinental Exchange(ICE)においても取引され、この取引所から公表されるデー タによって価格動向を知ることができる。ここでは、公開されている2 次 CER 取引価格を 踏まえて京都クレジット市場の動向を分析する。 (2). 停滞する取引価格とその背景 2 次CERの取引価格は、EUETSにおける排出枠(EUA)の価格動向から影響を受ける。 EUETSでは、各国政府が発行し、各規制対象施設に配分するEUAと呼ばれる排出枠以外に も、CERやERUを遵守に利用することを認めている。利用に当たっては、数量制限などが 課せられているが、2012 年まで合計で約 14 億トンの利用が認められており、最も大きい CERの需要となっている(日本からの需要は、2012 年まで約、3.7 億トン)8 2013 年において、2 次CERの取引価格は€1 を下回る取引が続いた。欧州のEUETSで取引 されるEUA取引価格との比較でみると、EUAが€7~€3 の間で価格変動したのに対して、2 次CERは€1 を下回った状況で変わらなかった 。 9 このようなCER 取引価格の低迷の要因は大きく二つある。第一の要因は需要の減少であ る。CER の最大の需要家である EUETS において、2012 年までにEUAに大きな余剰が生 じ、結果としてCER の需要も大きく減ってしまったためである。欧州環境庁(EEA)の発 表したレポート(Trends and projections in Europe 2013)によると、2012 年までに EU ETS では 17 億トンもの EUA の余剰が発生しており、これらは全て 2013 年以降に開始さ れる第3 フェーズに繰り越しすることが認められている。この結果、EUETS 規制対象施設 。これまでEUA取引価格と 2 次CER取引価 格に相関関係が見られたが、2013 年の値動きも同様に、EUA取引価格が上昇基調の際には 2 次CER取引価格も上昇基調で推移し、逆に下落傾向の場合も同様の傾向を示している。た だ、EUA取引価格と 2 次CERの取引価格の間の価格差は一向に縮小する気配がなく、2 次 CER取引価格は€1 を下回る低い価格帯に留まったままである。 8 EUETS では、2008 年~2012 年の第 2 フェーズにおいて約 14 億トンの CER/ERU の利用が認められて いるおり、2013 年~2020 年の第 3 フェーズについては第 2 フェーズで認められる CER/ERU 利用量の中 で、第2 フェーズで利用されなかった残りが CER の利用量とされた。第 3 フェーズについては、これに 加えて、さらに、第3 フェーズに新たに規制対象となった施設向けの利用量などを加えられた。そのため、 2008 年から 2020 年の EUETS 規制対象施設における需要として約 17 億トン見込まれることとなった。

世界銀行“State and Trends of the Carbon Market 2010” p.63-64 参照。

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は、改めてCER を購入する必要はなく、自社の保有する余剰 EUA を活用して EUETS の 規制を遵守することが可能となり、CER への需要が大きく減ってしまったのである。さら に、カナダは京都議定書から脱退し、京都議定書の第 2 約束期間について日本は参加しな いこと、さらに一度は排出量取引制度が導入された豪州では政権交代によって制度の廃止 を公約とした政党が政権に就くなど、EU ETS 以外の需要も見込まれなくなってきている ことも影響していると言えるだろう。 第二の要因は、市場に流通しているCER の質である。2013 年以降、EUETS では、フロ ンやアジピン酸由来のN2O 排出削減プロジェクトに由来する CER クレジットの利用が禁 じられているが、2012 年までに発行された CER の 11 億トンのうち、これら二つのプロジ ェクトタイプに由来するクレジットは約6 億 6,000 万トンと 2012 年末までの発行済みクレ ジットの56%を占めていた。EUETS のデータでによれば、2012 年までに規制対象施設は、 合計で約10.6 億トンの CRR、ERU を利用し、その中で、これら二つのプロジェクトタイ プに由来するCER は 5 億 6000 万トンにも及び、EUETS 規制対象施設に利用された CER の85%を占めていた。

図3:EUETS 規制対象施設で利用されたクレジットのプロジェクトタイプ(第 2 フェーズ)

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EUETS 規制対象以外にも日本企業が自主行動計画の目標達成に利用しているが、これら二 つのプロジェクトタイプに由来するクレジットの多くがいまだに利用されないままになっ ている可能性がある。2013 年には、これら二つのプロジェクトタイプから約 7400 万トン の発行がなされており、2013 年以降、EUETS では利用が認められないクレジットが市場 の供給され続けている。現在、最も大きな2 次 CER の取引市場となっている ICE では、 EUETS に利用できないこれら二つのプロジェクトタイプに由来するクレジットを除外し ていない。ICE では取引所において大規模水力発電に由来する CER クレジットは除外して いるが、それ以外については、プロジェクトタイプを選択することができないため、ICE での取引では、フロンあるいはアジピン酸に由来するN2O プロジェクトからのクレジット を取得する可能性もあり、EU ETS の規制対象企業は CER の買い控えをしているものと思 われる。 (3). 市場からの撤退と停滞するプロジェクト開発 このような価格動向は、市場に参加する企業の動きにも影響を及ぼしている。例えば、 これまで積極的にCDM 開発に関与していた欧米の金融機関が、排出量取引部門の閉鎖ある いは縮小など、排出量取引に関連する事業から撤退し始めている。例えば、JP モルガンが 子会社として保有していた CDM デベロッパーのトリコローナの所有株式を売却するなど の動きやドイツ銀行での排出量取引部門の大幅縮小など、金融機関の排出量取引市場から の撤退が相次いでいる。これらの背景には金融機関への規制強化の影響もあると言われて いるが、市場における価格の低迷も一つの要因となっていたと思われる。 さらにプロジェクト開発にも影響を及ぼしている。既に述べたように、2013 年には、287 件のプロジェクトが登録されたが、この年間の登録件数は、過去 5 年間で最も少ない登録 件数であり、2004 年に初めてプロジェクトが登録されてから、年間の登録件数としては 2 番目に少ない件数となっている(最も、少ない登録件数は2004 年から 2005 年にかけて 67 件)。 この背景にはプロジェクト開発に資金を提供してきた金融機関の排出量取引市場からの 撤退も影響している可能性もある。 今後も大きな需要が見込めない現状では、この傾向は継続するものと思われる。ただし、 各国動向調査で後述するように中国などでは自国の排出量取引制度などで、CDM を踏まえ た独自の制度を設けており、今後は先進国ではなく、新興国の需要がCDM 開発に影響を与 える可能性がある。

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6.CDM理事会の審査体制のあり方、審査手続きの効率化、改善の方向性

以下では、CDM プロジェクトの登録および CER クレジット発行申請の提出状況につい てまとめる。 登録・発行提出件数の推移については、2010 年は 2,563 件、2011 年は 3,518 件、2012 年は7,360 件と増加してきたが、2013 年は 9 月 27 日時点で 1,583 件に留まっている(図 4 参照)。2013 年の月別件数の推移を見ても、1 月の 356 件が 9 月には 89 件にまで低下して おり、2013 年を通じても提出件数が減少傾向を示していることがわかる。2012 年 12 月に 京都議定書第一約束期間が終了したため、駆け込みで2012 年の登録・発行申請が急増した 一方、2013 年は反対に申請数が通常のレベルに落ち着いた形となった。 図 4:2013 年の月別提出件数 出所)EB75 スライドより作成。 EB75 回会合での UNFCCC 事務局の発表では、2013 年の申請から処理が開始されるま での平均待ち時間(2013 年 9 月 24 日まで)は、登録申請については、7 月 16 日までは、 2012 年からの未処理分が残っていたため約 180 日間に達したが、その後、9 月 24 日には 18 日間へと減少した。申請の処理は、すべての文書がそろっているか等をチェックするコ ンプリートネスチェック(CC)と PDD や有効化審査報告書における遵守状況をチェック する情報・報告チェック(IRC)からなる。 このように登録手続きにおける“待ち時間”の減少は、UNFCCC 事務局の処理能力が改 善したことによるものだけではなく、登録申請数が減少したことも影響していると思われ 97 20 12 24 27 12 22 18 9 245 176 227 186 122 90 87 85 76 14 0 3 4 5 5 6 3 4 0 0 1 0 0 0 1 2 0 0 50 100 150 200 250 300 350 400 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 件数 2013年の月別提出件数(2013年9月27日時点) PoA発行 PoA登録 プロジェクト発行 プロジェクト登録

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る。既に述べたように、2013 年に入って登録申請数が 1583 件と 2012 年の五分の一まで低 下しており、2012 年には 7000 件を越える登録申請を処理した実績を持つUNFCCC事 務局にとっては、容易に対応できるものとなっていたと思われる。 但し、今後も登録申請数が低い水準で留まると、登録手数料収入の減少につながり、CDM 理事会の財源にも影響を及ぼしかねない。既に、2013 年の登録料手数料収入は 2012 年の 約US$6,600 万から約 US$170 万へと減少している。今後も、このような傾向が継続すれ ば、UNFCCC事務局の人員削減などにつながり、結果としてCDM 理事会における審査 体制にも影響を及ぼすことになる可能性も否定できない。今後も、CDM 開発が大きく伸び ることが期待できない中で、どのようにCDM 理事会における審査体制を維持していくかが 今後の課題となるだろう。

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付録:2013 年度のCDM理事会報告

第 73 回CDM理事会報告 第73 回 CDM 理事会(EB73)が 2013 年 5 月 27 日から 5 月 31 日にドイツのボンで開 催され、主に以下の内容が決議された。 1.統治と管理 1.1 理事会と支援機関 ・ 「CDM理事会財務委員会の付託事項」手順を採択。 ・ 「支援機構の付託事項」手順の改訂を採択。

・ 認定パネルのメンバーとして、Mr. Abderrahmane Naas, Mr. Anil Jauhri, Ms. Ann Bowles, Mr. Michael Rumberg, Mr. Ricardo Espartaの5名を任命。

・ 方法論パネルのメンバーとして、Mr. Ambachew F. Admassie, Mr. Amr Osama Abdel-Aziz, Mr. Braulio Pikman, Mr. Christiaan Vrolijk, Mr. Daniel Perczyk, Mr. Jean-Jacques Becker, Ms. Jessica Wade-Murphy de Jimenez, Mr. Kenichiro Yamaguchi, Mr. Luis Alberto De La Torre, Mr. Sudhir Sharmaの10名を任命。 ・ 小規模ワーキングのメンバーとして、Mr. Bamshad Houshyani, Mr. Daniel Perczyk,

Mr. Felix Babatunde Dayo, Mr. Gilberto Bandeira de Melo, Mr. Steven Schillerの5 名を任命。

・ 植林・再植林ワーキングのメンバーとして、Mr. David Neil Bird, Mr. Ederson Augusto Zanetti, Mr. Sabin Guendehou, Ms. Sarah Walker, Mr. Xiaoquan Zhangの 5名を任命。

・ CCSワーキングのメンバーの任期が2013年5月31日に始まることに同意。 ・ 登録・発行チームの任期を2013年8月31日まで延長することに同意。

2.個別案件

2.1 認定

・ E-0003 ”DNV Climate Change services AS”(DNV)に対し、スポットチェックの際 に明らかとなった不適合について処理するよう要請することに同意。

・ 次の機関の認定を6ヵ月間延長することに同意。

(a)E-0006 ”Deloitte Tohmatsu Evaluation and Certification Organization” (Deloitte-TECO)

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(ICONTEC)

・ 次の機関を3年間再認定することに同意。

(a)E-0009 ”Bureau Veritas Certification Holding SAS”(BVCH) (b)E-0023 ”Lloyd’s Register Quality Assurance Ltd.”(LRQA)

2.2 プログラム活動(PoA) ・ 2013年5月31日までに163件のPoAが登録となり、この中には1,433件のCPAが含まれ ている。 2.3 登録 ・ 2013年5月31日までに6,886件のCDMプロジェクトが登録された。 ・ プロジェクト#6565、#7450、#7694、#7780、#8028、#8149、#8282、#8285、#8361、 #8666の10件の登録に同意。 2.4 発行 ・ 2013年5月31日までに13億3,495万7,174トンのCERが発行された。 ・ プロジェクト#2439のCER発行要求を承認。 ・ プロジェクト#0922、#1153、#0478のCER発行要求の再提出を許可。 3.規制事項 3.1 基準/ツール (a)方法論基準 ・ 「CDM認定基準」の改定案について検討し、以下の内容をフィードバックした。 (a)知識に基づく能力要件にAE及びDOEが合致していることを評価し証明するやり 方は、AE・DOEを通じて一貫性が確保されるよう修正されるべきである。 (b)セクトラルスコープとセクターごとに必要とされる技術的知識のリストは、セク トラルスコープの特殊度と総数がバランスするよう修正されるべきである。 (c)現行基準から改訂基準への変更は、AEやDOEにとってコスト影響が少なくなるよ うに策定されるべきである。 (d)外部委託され得るあらゆる機能について、他の法人への外部委託が認められるべ きである。 ・ 標準化ベースラインに係る規定文書の改訂、標準化ベースラインの適用に係る基準の 策定、標準化ベースラインのデータ年次や更新の頻度に係るガイドラインの策定に同 意。標準化ベースラインの適用に係る基準を策定する作業と「部門別標準化ベースラ インの設定のためのガイドライン」を改訂する作業を優先し、その後で他のガイドラ

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インに係る作業について検討するようUNFCCC事務局に要請。標準化ベースラインの 適用に係る新しい基準を設定するのではなく、既存の基準の中に標準化ベースライン に係る章を設定可能か調査するようUNFCCC事務局に要請。 ・ 「パフォーマンス・普及率アプローチを用いた標準化ベースラインにおけるベースラ イン及び追加性の閾値の決定」ガイドライン案について、「部門別標準化ベースライ ンの設定のためのガイドライン」を改訂する作業に結論が出た後で、検討を開始する ことで同意。平行して、「パフォーマンス・普及率アプローチを用いた標準化ベース ラインにおけるベースライン及び追加性の閾値の決定」ガイドラインの改訂案のロー ドテストを継続して行い、ロードテストの結果について将来のEBでアップデートする よう要請。 ・ 植林・再植林部門における標準化ベースラインの実施に向けた作業プログラム案に同 意。案の中で言及されているワークショップを編成するようUNFCCC事務局に依頼。 ・ 標準化ベースライン「アフリカ南部電力系統における排出係数」を承認。 ・ 標準化ベースライン「ウガンダの木炭セクターにおける燃料転換、技術転換及びメタ ン破壊」を承認。 ・ PoA関連の基準、ガイドライン、手順の改訂に係る草案に以下のとおりフィードバック した。 (a)PoAの下でlCERが発行される場合は、CPAsのクレジット期間の各更新日をPoA の更新日と一致させることに同意。 (b)複数のCPAの発行申請を同時にしなければならない要件について検討し、 UNFCCC事務局にこの問題の解決へ向けて審議を要請することに同意。 (c)設定済みの信頼性目標を満たすための実際的なアプローチについては、ディスカ ウントと保守的なデフォルト値の使用の両方を方法論に選択肢として含めること に同意。 (d) 分散型技術・ユニットのCPAの定義については、大規模方法論の小規模なユニッ トのための単純化に関する議論において検討されることに同意(別個の議題とし て議論する必要ないことに同意)。 (e)各々のタイプに応じたひな形CPA-DDについて、全セクションの反復を避けるた め相互参照を認めることに同意。 (f)標本抽出基準が承認される前に登録されたPoAに対する標本抽出基準の適用につ いて、猶予期間を設け相対的精度の適用を義務化しないことを支持。 (g)DOEの有効性審査・検証における標本抽出について、プロジェクト規模、立地、 モニタリングシステムの品質等の基準に基づく現地調査数の決定など、標本の受 容サンプリングに対する代替的選択肢をUNFCCC事務局が模索することに同意。 (h)複数のCPAをまたがる標本抽出計画について、可能であれば具体例を提示して層 化や均質性に係る明確な基準を開発するようUNFCCC事務局に要請することに同

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意。 ・ 追加性の証明におけるさらなる標準化の作業に係る下記タイムラインに同意。 所産 EB76 2014年 分散型ユニットについての 新規大規模方法論 最終(パネル勧告) 廃棄物部門についての大規 模方法論の改訂 最終(パネル勧告) 標準化アプローチから得ら れた教訓に係る分析 コンセプト (b)大規模方法論基準 [改訂] ・ 以下の大幅修正を承認。 (a)AM0028「カプロラクタム製造工場の排ガスにおけるN2O除去」 →タイトル含め硝酸に係る全ての文言を削除 (b)AM0072「暖房での地熱資源による化石燃料代替」 →式13、16、20にある-8乗を-9乗に訂正 (c)ACM0019「硝酸製造からのN2O除去」 (i)AM0028やAM0034を適用しているプロジェクトにおいてクレジット期間の更 新時に適用され得る排出係数のデフォルト値を明記。 (ii)プロジェクト排出量がベースライン排出量を超えた場合の排出削減の算定は不 要とした。 (iii)AM0034「硝酸製造工場のアンモニア燃焼装置内部での触媒によるN2O削減」 とAM0051「二次的な触媒によるN2O除去」を統合。 [ガイドライン] ・ 「投資分析の評価に係るガイドライン」の適用に関する明確化を採択。 (c)小規模方法論基準 [新規] ・ AMS-II.R「住宅建物の暖房エネルギー効率向上」を承認。 [改訂] ・ 以下の承認済方法論・ツールの改訂に同意。 (a)AMS-II.J「効率的な照明技術に係る需要サイドの活動」 (b)AMS-III.BG「持続可能な木炭生産消費を通じた排出削減」 (c)AMS-III.AV「低温室効果ガス排出型の安全な飲料水生産システム」

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[ガイドライン] ・ 「マイクロスケールプロジェクトの追加性証明」ガイドラインの改訂を採択。 3.2 手順 ・ 「CDM認定手順」の改定案について検討し、以下の内容をフィードバックした。 (a)DOEを観察、停止、取下げの状態にするための基本的原則を検討するとともに、 いくつかの具体例が提示し、それらが明確になるようにすべきである。 (b)DOEを観察、停止、取下げの状態にすることを決定する際は理由を提示すること が明確化されるべきである。 (c)取下げのプロセスについてより明確化されるべきである。 (d)観察処分が認定手順に従わないことによる場合、観察について言及している節の なかで明確に取り扱われるべきである。 (e)再認定プロセスにおいて、理事会がそれを拒否する選択肢について明確に規定さ れるべきである。 (f)DOEによる不正行為が見つかった場合の規定を作成すべきである。 (g)追加的なパフォーマンス評価を行う閾値については、予想される登録・発行要請 の提出数を検討しながら設定されるべきである。 (h)有効化審査や検証・認証活動をほとんどもしくは全く引き受けていないDOEの扱 いについて、特別な規定を取り入れる必要があるかもしれない。 (i)APからの勧告に対して独立して再調査するためのパネルの専門家の選定について は、独立性を保証するため事前に決定された要件に基づいて行われるべきである。 ・ 「DOEのパフォーマンスモニタリング」手順の改訂を採択。 3.3 政策課題 ・ 追加性の証明の観点からE-ガイドラインの適用に係る政策をより進展させることに 同意。E-政策が効力を発揮した日から7年間は、E-政策からの補填部分についてプ ロジェクト参加者による投資分析を通じた追加性の証明の検討は必要としない、とい うアプローチを追求することで同意。

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<参考> 表:第 73 回 CDM 理事会参加メンバー 地域区分 理事 理事代理 欧州他 ●Mr. Peer Stiansen ノルウェー Mr. Olivier Kassi 欧州委員会 アフリカ Mr. Victor Kabengele コンゴ民主共和国 Mr. Kadio Ahossane コートジボアール アジア Ms. Laksmi Dhewanthi インドネシア Mr. Hussein Badarin ヨルダン 東欧 Ms. Diana Harutyunyan アルメニア Ms. Natalie Kushko ウクライナ 中南米 Mr. Antonio Huerta-Goldman メキシコ Mr. Eduardo Calvo ペルー AOSIS ○Mr. Hugh Sealy

バルバドス Mr. Amjad Abdulla モルディブ 非附属書Ⅰ国 Mr. Maosheng Duan 中国

Mr. Qazi Kholiquzzaman Ahmad バングラディシュ Mr. Jose Miguez ブラジル Mr. Washington Zhakata ジンバブエ 附属書Ⅰ国 Mr. Martin Cames ドイツ Mr. Christoper Faris オーストラリア Mr. Lambert Schneider ドイツ Mr. Kazunari Kainou 日本 注) ・ ●議長、○副議長。1年ごとに、附属書Ⅰ国・非附属書Ⅰ国からの理事が交替で務める。 ・ 網掛けのメンバーは今次会合欠席。 ・ 任期は、改選の翌年の最初のCDM 理事会まで。理事は連続最大 2 期まで、理事代理は任期の制限は ない。 ・ 理事メンバーは国連定義の5 地域から 5 名、附属書Ⅰ国から 2 名、非附属書Ⅰ国から 2 名、島嶼国か1 名の代表として就任。 ・ 下線は新任。

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第 74 回CDM理事会報告 第74 回 CDM 理事会(EB74)が 2013 年 7 月 22 日から 7 月 26 日にドイツのボンで開 催され、主に以下の内容が決議された。 1.統治と管理 1.1 理事会と支援機関 ・ 「理事会及びパネルワーキンググループの会合日程」を改訂。 ・ 「CDMの専門家への委託事項」手順を採択。 2.個別案件 2.1 認定 ・ 次の機関の認定を6ヵ月間延長することに同意。 (a)E-0002 “JACO CDM, LTD”(JACO)

(b)E-0032 “LGAI Technological Center, S.A.”(APPLUS) (c)E-0047 “CEPREI certification body”(CEPREI)

・ 次の機関をスポットチェックすることに同意。E-0031 ”Perry Johnson Registrars Carbon Emissions Services”(PJR)。

2.2 プログラム活動(PoA) ・ 2013年7月26日までに198件のPoAが登録となり、この中には1,528件のCPAが含まれ ている。 ・ 2013年7月26日までにPoAに係るCERが58,401トン発行された。 2.3 登録 ・ 2013年7月26日までに7,111件のCDMプロジェクトが登録された。 ・ プロジェクト#4816、#5801、#6116、#6595、#7487、#7594、#7988、#8106、#8609、 #9114、#9116の11件の登録に同意。 2.4 発行 ・ 2013年7月26日までに13億6,487万9,124トンのCERが発行された。

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3.規制事項 3.1 基準/ツール ・ 「CDMプロジェクト基準(PS)」「CDM有効化審査と検証に係る基準(VVS)」及び「追 加性の証明、適格性要件の進展及びPoAにおける多様な方法論の適用に係る基準」の改 訂案を採択。さらに、理事会は、UNFCCC事務局に対して、第75回理事会において検 討するために、PoAにおける単一のモニタリング期間におけるCPAが複数の発行申請 を行うことを認める提案(もし可能であれば、実施可能な日程表を含む)を準備する よう求めた。この提案においては、1回のモニタリング期間において発行申請の限度を 2回とした場合を基本として作業をするとともに、PoAの標本調査計画に生じる影響に ついても評価することが求められた。 ・ CDMプロジェクトとしてのCCSの具体的な実施のためのconcept noteについて検討し 以下のフィードバックを行うとともに、次回の理事会において検討するために、 UNFCCC事務局に対してホスト国による合意の表明(EoA, the expression of

agreement)及びCCSをCDMプロジェクトとして実施する場合の政府承認(LoA)の 雛形のドラフトを作成するよう求めた。さらに、理事会はUNFCCC事務局に対して、 今後の理事会において検討するために、以下の項目を検討した上でPS,VVS及び「CDM project cycle procedure(PCP)」の改正するよう求めた。

(a)EoAの交付:締約国は将来の全てのプロジェクトへの適用に対し、EoAを一度提 出することが可能とすること。EoAは、CDMプロジェクトとして実施されるCCS 事業のModalities and Procedures(CCSM&P)の要件を満たすために国内法や規制 の一覧表を示すことができる。 (b)有効化審査と登録:DOEはホスト国の法律や規則がCCSM&Pの8(a)から(f)に規定 されているような参加要件を満たしているか調査しなければならない。 (c)CERの発行:PCPに規定されているCER発行申請の処理期間について他のCDMプ ロジェクトに適用されている現行の28日間の期間をCCSプロジェクトの発行にも 適用されるべき。 (d)モニタリング:CCSプロジェクトのヒストリーマッチングの間における重大な乖 離は方法論ごとに処理されるべき。仮に重大な乖離がプロジェクトサイクルのい ずれかの段階で発生した場合には、プロジェクト参加者は速やかにそのホスト国 に文書で通知しなければならない。 (e)SoP:既存のPCPに規定されているCDMプロジェクトに対する規定は、CCSプロ ジェクトにも適用されるべき。 (f)非永続性の問題の扱い:CDMへの登録に際しては、それぞれのCCSプロジェクト に対し、貯留したCO2の漏洩が生じた場合や検証報告書が提出されない場合のため の口座を、プロジェクト毎に与えられるべき。

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(g)資金に関する規定:プロジェクト参加者の資金力に関する規定は、ホスト国の法 律や規則やCCSM&Pに規定されている要請に従い、DOEによって審査されるべき。 (h)プロジェクト及びプロジェクトサイトの管理責任:プロジェクト参加者は適当な DNAを通じて、責任の移転の発生が予定される6ヶ月以上前に、理事会に文書で通 知するべき。 (i) 以下の事項については、PS案、VVS案、PCP案のなかで選択肢が提供される: (i)CCSM&Pに基づくプロジェクトへの参加要件に適用可能なホスト国の法律や規 則のリスト; (ii)飲料水供給に適した場所におけるCCSプロジェクト活動の問題; ・ 「投資分析を通じた追加性の証明におけるE-政策に係るガイドライン、結合ツール及 び追加性ツールの改訂」案について検討し、EB75までに以下の問題についてさらに検 討するようUNFCCC事務局に要請。 (a)アプローチは義務的なものとはならないこと: (b)さまざまな選択肢が分析されること; (i)政策の効果的な実施時期; (ii)プロジェクト参加者に生じる政策の便益が考慮されない期間; (c)アプローチは追加性の証明とベースラインシナリオ選択の両方に整合性をもって 適用されること; (d)UNFCCC事務局はもし他に該当する規定があるならば、理事会に対しさらなる改 訂の提案がなされること。 3.2 手順 ・ PoAに関するPCPにおける修正案を採択。さらにパラ35において示した理事会からの UNFCCC事務局の要請に関連して、理事会はUNFCCC事務局に対してPCPのパラ185 において特に示されているように、発行申請の間隔を最低でも90日間置くことを義務 とすることについてこの間隔を削減する可能性についての評価を継続するよう求めた。 ・ 理事会は、「標準化ベースラインの導入にともなう関連する規則の改正」について検 討した結果、UNFCCC事務局に対して、この会合の理事会における検討結果及び以下 のパラ40に示された「標準化ベースラインの策定、改正、明確化及び更新に関する手 続き」に関する議論を踏まえて、第75回理事会で検討するために関連する文書の改正 を行うことを要請した。 ・ 理事会は「標準化ベースラインの策定、改正、明確化及び更新に関する手続き」の改 正案を検討し、UNFCCC事務局に第75回理事会において検討するため以下の点を考慮 して、当該手続きの改正を行うように要請した。考慮が求められる点は以下の通り。 (a) 現時点では、手続きは方法論を持たない標準化ベースライン(ASB)のみを含むこ ととする。

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(b) 標準化ベースラインの中のポジティブリストに示された特定の技術/燃料/原材料の 追加は標準化ベースラインの改正として見做され、他の別の手続きとは見做されな い。 (c) パネルとワーキンググループ、あるいはそれぞれのメンバーは、標準化ベースライ ンの評価手続きに関与した提案については、理事会への勧告の最終案が完成するま での手続きにおいて、当該提案への責任を負う。 ・ 「CDM認定手順」の改訂案を採択。 3.3 政策課題 ・ SoPに係る草案について検討。現在の仕組みを継続することで同意。 ・ MoCの議論における草案に対しフィードバック。PCPを改訂し草案にあるオプション1 からオプション3を組み入れるようUNFCCC事務局に要請。また、以下のアプローチ についてさらに検討するようUNFCCC事務局に要請。 (a) 理事会あるいはUNFCCC事務局が倒産に起因する紛争や問題について通知を受 けていること、あるいは倒産が原因の紛争や問題の解決がなされるまで発行され て引き渡される予定のCERについて、一時的に移転が留保されることに対し、 UNFCCCのCDMサイトにおいて情報を提供すること。 (b)UNFCCC事務局により要請されたMoCの更新を怠っているプロジェクト参加者 についてはUNFCCC事務局がCERの移送を保留状態と出来ることを理事会がプ ロジェクト参加者に通知する規定をPCPの中に取り入れること。

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<参考> 表:第 74 回 CDM 理事会参加メンバー 地域区分 理事 理事代理 欧州他 ●Mr. Peer Stiansen ノルウェー Mr. Olivier Kassi 欧州委員会 アフリカ Mr. Victor Kabengele コンゴ民主共和国 Mr. Kadio Ahossane コートジボアール アジア Ms. Laksmi Dhewanthi インドネシア Mr. Hussein Badarin ヨルダン 東欧 Ms. Diana Harutyunyan アルメニア Ms. Natalie Kushko ウクライナ 中南米 Mr. Antonio Huerta-Goldman メキシコ Mr. Eduardo Calvo ペルー AOSIS ○Mr. Hugh Sealy

バルバドス Mr. Amjad Abdulla モルディブ 非附属書Ⅰ国 Mr. Maosheng Duan 中国

Mr. Qazi Kholiquzzaman Ahmad バングラディシュ Mr. Jose Miguez ブラジル Mr. Washington Zhakata ジンバブエ 附属書Ⅰ国 Mr. Martin Cames ドイツ Mr. Christoper Faris オーストラリア Mr. Lambert Schneider ドイツ Mr. Kazunari Kainou 日本 注) ・ ●議長、○副議長。1年ごとに、附属書Ⅰ国・非附属書Ⅰ国からの理事が交替で務める。 ・ 網掛けのメンバーは今次会合欠席。 ・ 任期は、改選の翌年の最初のCDM 理事会まで。理事は連続最大 2 期まで、理事代理は任期の制限は ない。 ・ 理事メンバーは国連定義の5 地域から 5 名、附属書Ⅰ国から 2 名、非附属書Ⅰ国から 2 名、島嶼国か1 名の代表として就任。

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第 75 回CDM理事会報告 第75 回 CDM 理事会(EB75)が 2013 年 9 月 28 日から 10 月 4 日にドイツのボンで開 催され、主に以下の内容が決議された。 1.統治と管理 1.1 戦略的計画と方向性 ・ 「CDMビジネスプラン2014-2015」を採択。 1.2 パフォーマンス管理 ・ CMPへ提出する年間報告書に同意。 2.個別案件 2.1 認定 ・ スポットチェックの結果に基づき、次の機関の認定と指定を確認することに同意。 (a)E-0003 “DNV Climate Change Services AS”(DNV)

(b)E-0022 “TÜV NORD CERT GmbH”(TÜV NORD) ・ 次の機関を3年間認定し暫定的に指定することに同意。

(a)E-0062 “EPIC Sustainability Services Pvt. Ltd.”(EPIC) (b)E-0063 “Northeast Audit Co., Ltd.”(NAC)

・ 次の機関を3年間再認定することに同意。

(a)E-0020 “Conestoga Rovers & Associates Limited”(CRA (b)E-0022 “TÜV NORD CERT GmbH”(TÜV NORD) (c)E-0032 “LGAI Technological Center, S.A.”(LGAI)

・ E-0055 “URS Verification Private Limited”(URS)をスポットチェックすることに 同意。 2.2 プログラム活動(PoA) ・ 2013年10月4日までに223件のPoAが登録となり、この中には1,562件のCPAが含まれ ている。 ・ 2013年10月4日までにPoAに係るCERが58,401トン発行された。 2.3 登録 ・ 2013年10月4日までに7,305件のCDMプロジェクトが登録された。

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・ プロジェクト#7985、#8752、#9168の登録に同意。 2.4 発行 ・ 2013年10月4日までに13億8,935万5,255トンのCERが発行された。 3.規制事項 3.1 基準/ツール (a)CDMプロジェクトおよびPoA基準 ・ 理事会は「CDM認定基準」の改訂を採択。 (a)CDM認定基準バージョン05.0は2014年3月1日から施行となる。 (b)2014年7月1日からは、全てのDOEが新基準を遵守しなければならない。 ・ 「標準化ベースライン導入に伴う規定文書の改訂案」について検討し、以下のフィー ドバックを行った。 (a)追加性に関する標準化ベースラインを用いたプロジェクトについても、事前検討 の証明が必要となる。 (b)提案されたCDMプロジェクト活動の開始日が標準化ベースラインの承認日の前 である場合には、プロジェクト参加者は追加性に関する標準化ベースラインを選 択し得ない。 ・ 「標準化ベースライン導入に伴う規定文書の改訂案」の検討に際して、以下のフィー ドバックを行った。 (a)標準化ベースラインの選択は義務的か自発的か分析; (b)この問題に関する理事会の決定が、多国間での標準化ベースライン、PoAにおけ る標準化ベースラインの適用、さらに環境十全性などさまざまな状況にどのよう に影響を与えるのか分析; ・ 理事会は、標準化ベースライン開発のためのガイドライン案について検討し、UNFCCC UNFCCC事務局に対してガイドライン案について、方法論パネルと協議のもとで 修正することを要請するとともに、今後の理事会の検討に付すために提出するよう要 請。理事会は、またMAP2014-2015の作成の際に、標準化方法論に関する今後の作業 について、戦略的な方向性を議論することで合意した。修正作業においては、以下の 内容を考慮することが求められた。 (a)すでにCDMプロジェクト登録されている施設のデータを、特定の分野の標準化方 法論の開発の際に含めるか否かについて、理事会は、さまざまな種類の分野にお ける更なる分析が必要である点で合意。更なる分析が必要とされる点としては、 どの程度の割合の産出物が登録CDMプロジェクトの施設によるものとなった場合 に、特定の分野における標準化ベースラインの開発にそのような施設を含めるか

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の閾値に関する論点も含まれる。今後の修正作業において、これらの論点に関す る更なる分析が必要であることに理事会は合意 (b)セクター別標準化ベースラインの進展のためのガイドラインについては、CDMに おける文書分類上、「基準」とされる。 (c)ガイドラインの改訂に繋がるロードテストの結果については、理事会に提出され るガイドライン修正案文書のカバーノートの中に記載されなければならない。 ・ 運輸部門における標準化ベースライン設定のためのガイドライン案について検討し、 当該文書はプロジェクト参加者やステークホルダーによってすぐに使用可能な方法論 ツールとするべきことに同意。理事会は、方法論パネルに、今回の理事会での理事か らのコメントを踏まえて、ガイドライン案の修正を行うよう要請。 ・ 標準化ベースラインの設立において使用されるデータの質の保証や管理に係るガイド ライン案について検討し、以下のインプットを行った。 (a)ガイドラインはより簡素化し、DNAに要求するものをできるだけ少なくするよう にする。 (b)ガイドライン中の相互不一致を除去するようにする。 ・ PoAに関して、「CDMプロジェクト基準」「CDM有効化審査および検証基準」「CDM プロジェクトサイクル手順」「モニタリング報告様式を完成するためのガイドライン」 の改訂に同意。 ・ 「CDMプロジェクト活動およびPoAにおけるサンプリングと調査に係るガイドライン」 を採択。 ・ 理事会は「プロジェクト基準」「有効化審査および検証基準」「プロジェクトサイク ル手順」の改訂に係るコンセプトノートについて、関係当事者からのコメントや UNFCCC事務局におけるこれまでの経験を踏まえて検討。その上で、理事会は UNFCCC事務局に対して、今回の理事会での議論の中で、特に指摘された以下の内容 を考慮して、これらの文書の修正を行うとともに、広く一般からの意見を募るよう求 めた。理事会は、さらにUNFCCC事務局に対して修正案を77回あるいは78回理事会ま でに提出するよう求めた。なお、以下に示した点については、PoAにおいても適用され る論点である。 (a)事前検討:プロジェクト参加者が事前検討に含める情報について、さらなる明確 化が必要。現行の事前検討の通知の例外(新しいベースライン・モニタリング方 法論あるいは、承認済み方法論の改正が提案されている場合)を削除することを 検討。 (b)公表済PDDの登録前変更で改めてPDDの公表が必要な場合:DOEと契約関係にあ る全てのプロジェクト参加者が変更になる場合にはPDDを改めて公表することが 必要となることを明確化。それ以外にも、DOEあるいは事業計画(場所、技術な ど)の変更があった場合、同様な要件を設ける必要性があるのか、プロジェクト

参照

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