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スペクトル比較

ドキュメント内 master thesis sugimoto (ページ 77-82)

第 4 章 シミュレーションと実験データ との比較との比較

4.6 スペクトル比較

図4.15: Cathode各ヒットパターンについて、検出エネルギーの和の比。3ヒットであ れば、各3ヒットのイベントについて最も大きいエネルギーの和をヒストグラムの1に 積めている。同様に2、3番目に高いエネルギーの和はヒストグラムの2、3に積めた。

また1番大きいエネルギーの和は1に規格化した。

ホールの移動度を大きく見積もり過ぎているためである。青と緑はそれぞれparam1と param4のデータであるが、この違いはホール移動度が1.0×104 [mm2 · V1 · s1]と 0.5×104[mm2·V1·s1]というものである。すなわち、ホールの移動度を小さく見積 もった計算を行うと、ホールが収集されるまでに時間がかかりトラップされるキャリ アが増加するため低エネルギー側のカウント数が増える。これはホールの寿命を小さ くしても同じ結果となる。今回の比較において、チューニングすべきパラメータは4 つと非常に多くそれを行うことは非常に難しい。従って、スペクトルのテール構造と、

Cathodeの複数ヒットを再現できるようなキャリアのµτを求める効率的な手法を生み

出すことが今後は必要となる。

図4.16: Anode側662 keVスペクトルの実験比較。赤が実験、青がparam1、緑がparam4 である。表4.4参照。

4.6.2 0.5 mm CdTe のスペクトル

0.5 mm厚の検出器の場合、検出器の深さZの位置で光子が相互作用したときに出力

される信号の大きさを、無限積分モードでEin f(Z)、ピークホールドモードでEsh(Z)と すると、 Esh(Z)

Ein f(Z) = constant (4.1) となる。このため、0.5 mm厚では無限積分モードで計算をしてもピークホールドモー ドとスペクトルの形は変化しないことが言える。無限積分モードでは出力は電荷収集 効率の大きさから決めることができ、また電荷収集効率は

η(Z)= Q(Z)

ne0 = (µτ)eE L

"

1−exp

#

− L−Z (µτ)eE

$%

+ (µτ)hE L

"

1−exp

#

− Z (µτ)hE

$%

(4.2) と計算できる。Lは検出器の厚み、Eは内部電場を表す。これより、パラメータは(µτ)e 及び(µτ)hの2つにすることができるため、2 mm厚に比べスペクトルの形を再現しや すい。

比較するためのデータとして0.5 mm厚、400µmピッチ、温度-20℃、バイアス電圧 500 V、波形整形時定数約2.0µs、線源として57Coを用意した。3.4.3より122 keVが 入射した際にはキャリアの熱拡散等がなければ、Anode,Cathodeともに1ヒットイベン トが支配的となる。よって1ヒットスペクトルであればその形は(µτ)eと(µτ)h及び重み 付けポテンシャルから決まると予測し、ここでは(µτ)調整によってその形の再現を試 みた。図4.17に実験と同様の検出器ジオメトリと入射エネルギーでのシミュレーショ ンと実験の1ヒットスペクトルを示す。105 keV以上、126 keV以下のものを抜き出し た。µτの調整により低エネルギー側のテール構造の傾きを再現できており、このとき の値は(µτ)eが5.0×101[mm2·V1]、(µτ)hが1.2×102[mm2·V1]となっている。な お、Anodeでは118 keV以下、Cathodeでは116 keV以下の部分からエネルギー軸と平 行するようにエネルギーが分布している。これは周囲物質からコンプトン散乱した光 子が入射してきている可能性があるがこの原因を今後は解明していく必要がある。

図4.17: 0.5 mm厚CdTeストリップ検出器のスペクトル実験比較。

第 5 Astro-H 衛星検出器周りのデザ

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