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エネルギースペクトルの導出

ドキュメント内 master thesis sugimoto (ページ 82-86)

第 5 章 Astro-H 衛星検出器周りのデザ イン最適化に向けてイン最適化に向けて

5.2 エネルギースペクトルの導出

第 5 Astro-H 衛星検出器周りのデザ

について、ピークとなっているPHAを59.5 keV、PHA=0となるときのエネルギーが

0 keVであるという仮定の下にエネルギー較正を行ったとしている。

図5.1: 59.5 keVが入射したときの反応量の分布。縦軸は全体の反応量のうちの何%が

その位置で起きたかを示す。

スペクトルのFWHMについての比較を行う。移動度µと寿命τが比較的大きい電 子の寄与が強いAnodeでは、バイアス電圧ごとのFWHMは大きな違いはない。図5.3 より、100、300、500、1000 Vとバイアス電圧を上げるとそれにともないエネルギー 分解能FWHMも優れた値を示す。だが、100 Vで1.3 keV、1000 keVで1.15 keVであ り、割合にして10%ほどしか改善しない。反対に移動度µと寿命τが小さいホールの 寄与が強いCathodeでは、バイアス電圧を上げることで、FWHMが飛躍的に改善する。

100 V下ではFWHMが2.3 keVとなっているが、300V以上の電圧を印加することで FWHMは1.0 keV代になる。1000 VでFWHMは1.5 keVであり、100 Vのときと比べ 0.8 keV、割合にして35%改善する。Anode、Cathode共通の傾向として、FWHMの変 化率はバイアス電圧を上げるごとに徐々に0へと近づいていく。

テール成分の量について述べる。ここでのテール成分の定義は59.5 keVのピークに

対し58.3 keV以下の成分のこととしている。また58 .3 keV以上の成分は全て非テー

ル成分としている。図5.4の縦軸は非テール成分のカウント数に対するテール成分のカ ウント数を表しており、この値が小さいほど、スペクトルはテール成分を持たないと 判断することができる。AnodeとCathodeを比較した場合、バイアス電圧が100 Vの

条件でもAnodeはテール成分の割合は少ないがCathodeは非常に強いテール成分を持

ち、その数は非テール成分の1.6倍となっている。バイアス電圧を上げることでこの 割合を減らすことができる。バイアス電圧を1000 Vまで上げるとテール成分の割合は Anode、Cathodeともに0.01%となり、その変化率はAnode、Cathodeともに0に近づ いてくる。これから、1000 Vは理論上はテール成分を減らすには十分なバイアス電圧 であるということになる。

図5.2: HXI用CdTeストリップ検出器による59.5 keVのスペクトル。左がAnode、右 がCathode。ただしスレッショルドを5 keVとして1hitのみのスペクトルである。

図5.3: HXI用CdTeストリップ検出器のFWHM。左がAnode、右がCathode。横軸が

HV、縦軸がFWHMとなっている。

図5.4: HXI用CdTeストリップ検出器のテール成分。左がAnode、右がCathode。横軸

がHV、縦軸が非テール成分のカウント数に対するテール成分のカウント数となって

いる。

5.3 重み付けポテンシャルによる隣接ストリップへの漏れ

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