第 4 章 シミュレーションと実験データ との比較との比較
4.3 シミュレーションデータの作成
ので適当な規格化定数を用いて最高値が1に近づくようにする。なお、これだけでは シミュレーションデータのスペクトルピーク位置が入射エネルギーに対応しない可能 性が高いので、全シミュレーション終了後にピーク位置をさらに補正する。
図4.8にピークホールドモードによって計算した、Anode、Cathode両面で検出され るエネルギーを決めるための、相互作用位置と損失エネルギーの収集効率の3Dマッ プを示した。相互作用があった位置から2つ隣のストリップまでの信号を計算するた め、400µmの5つ分(2.0 mm)の幅で作成している。-1.0〜-0.6、-0.6〜-0.2、-0.2〜
0.2、-0.2〜0.2、0.2〜0.6、0.6〜1.0となるごとにストリップが異なる。またAnode面は
Z=-1、Cathode面はZ=+1としている。これを用いて以下のように検出エネルギーを
計算する。詳しい説明を以下に書いた。なお、AnodeのストリップはY方向に移動す ると切り替わり、CathodeのストリップはX方向に移動すると切り替わるとする。(図 4.9参照)
1. モンテカルロシミュレーションから損失エネルギーEと反応位置(Xr,Yr,Zr)が決 まる。
2. Z が Anode面に対応するときの(Xr,Yr,-1)、Z がCathode面に対応するときの (Xr,Yr,+1)からどのストリップ上で起きた反応かを判断する。反応が起きたス トリップはAn、Cnと呼ぶ。
3. Anの中心のY座標をY=Yn、Cnの中心のX座標をX=Xnとする。
4. 3Dマップから、AnとCnでの検出エネルギーを決定する。Anodeでは、Anの中 心のY座標YnからYrを引いた値を求める。Cathodeも同様にCnの中心のX座 標XnからXrを引いた値を求める。
5. (Yn- Yr,Zr)に対応するCCE MAP (Anode)の中身、(Xn - Xr,Zr)に対応するCCE MAP (Cathode)の中身を求め、それをエネルギー損失に掛け合わせAnとCnでの 検出エネルギーが決まる。
6. An、Cnに隣合う前後2本までの検出エネルギーを求める。(図4.9参照)Anode ではYn−2からYn+2までに対してYnと同様のステップを踏み、CathodeではXn−2
からXn+2までに対してXnと同様のステップを踏む。
以上のように、一つの相互作用が起きたときに、各電極面で5チャンネルずつの検出 エネルギーが求められる。これらの値を、検出器回路のノイズの影響を考慮するため に、あるσのガウシアンで広げる。σの値は、実験データのペデスタルの分布から決 定する。
各イベントごとの出力に対して、あるスレッショルドを設けそれを上回ったものを ヒットと判定する。ヒット判定されたエネルギーはチャンネル情報とともにヒットリス トへと登録される。このヒットリストの形式は実験データと全く同様のものであり、こ のため解析の際には同じソフトから実験とシミュレーションを処理することができる。
図4.8: 相互作用位置と損失エネルギーの収集効率の3Dマップ。
図4.9: ストリップと座標の関係