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スケールされた生存確率: Ω/ω ∗ が二進有理数の場合

2.4 数値計算:単純な特異連続スペクトルを仮定した環境系

2.4.4 スケールされた生存確率: Ω/ω ∗ が二進有理数の場合

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

0 2 4 6 8 10

(x10^4/ω*)

Kernel Amp.

Time α=0.52 Ω/ω*=0.5

Re[G(t)]

0.92t0.0566+1.85

0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

(x10^4/ω*)

Kernel Amp.

Time α=0.52 Ω/ω*=0.5

Re[G(t)]

0.92t0.0566+1.85

2.12 α= 0.52, Ω = 0.5の時のG(t)の実部と時間の関係。長時間領域での振舞いが、実践で記 されたべき関数(at1ln(α)/ln 2+b)により記述可能であることが読み取れる。下図は上図の点線部 分を拡大したものである。

-6 -5 -4 -3 -2 -1 0

0 2 4 6 8 10

(x10^4/ω*)

Kernel Amp.

Time α=0.52 Ω/ω*=0.5

Im[G(t)]

-10.3t0.0566+14.2

-3.5 -3 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

(x10^4/ω*)

Kernel Amp.

Time α=0.52 Ω/ω*=0.5

Im[G(t)]

-10.3t0.0566+14.2

2.13 α= 0.52, Ω = 0.5の時のG(t)の虚部と時間の関係。長時間領域での振舞いが、実践で記 されたべき関数(at1ln(α)/ln 2+b)により記述可能であることが読み取れる。下図は上図の点線部 分を拡大したものである。

したがってこの場合、c¯の値を考慮する必要が出てくるが、いま考えている領域においてはG(t)の振

る舞いが激しい振動を含むために¯cの値を見積もることが困難である。したがって、この後の議論におい て¯cはフィッティングパラメータとして扱っていくことにするが、いずれの場合においてもc¯は1から大 きくずれることは無く、即ちフィッティングパラメータを入れない場合と大きくずれないことを意味して いる。数値的に求めたC(±)を用い¯cをフィッティングパラメータとして理論式を数値計算結果に当ては めたものが図2.14である。理論的なスケーリングη= 2/(2 + lnα/ln 2)によってスケールされた時間で みた生存確率の振る舞いは、パラメータαが0.55未満のとき、スケールされた時間に対してτ → ∞で 0へと単調減少を示している。一方0.55< α <0.61の時はt→ ∞0へと向かう点は同じだが単調減 少ではなく、途中で生存確率が一旦回復した後に再度減少傾向に戻るという特徴を持つ。さらにパラメー タが大きい領域0.61< α <0.9では、生存確率は0に向かって減衰は起こさず、振動をしながら有限の 値を持つ一定値へと収束していく様相を呈す。最後に0.9< α(<1)に於いては、生存確率は収束するこ となく大きく振動を繰り返し暴れるために、比較的短時間の領域でしかスケーリング則を満たしていない ことが分かる。いずれのパラメータ領域に於いても、Mittag-Leffler関数で記述された生存確率の理論式 は、関数の特徴をよく捉えていることが分かる。0.9< αの領域では、比較的長時間の領域での振舞いは 数値計算結果から大きくずれてしまっているが、η = 2/(2 + lnα/ln 2)でのスケーリングが良く適応でき ている範囲では、Mittag-Leffler関数による記述は振動の振幅や周期などを良く再現している。これは、

もともとの理論の構成自体がスケーリング則の成立を仮定していたため理論の適用範囲内に於いては、理 論予想は良く数値計算を再現していることを意味している。

生存確率の、長時間極限での振舞いはMittag-Leffler関数E2κ+(z) の漸近形を用いて解析的に評価す ることが可能である。今考えている範囲は、1<2−κ+ <2なので|z| → ∞の時

E2κ+(z) =





exp(z1/(2κ+)) 2−κ+

+ O( 1

|z|

) , (

argz= π(22κ+) ) O( 1

|z|

) .

(π(2κ+)

2 <|argz|< π

) (2.67)

という漸近形が知れらている。今、˜a(τ) = ¯cE2κ+(zτ)と書くと zτ = ¯cei

π(2κ+ )

2 (C(+)+C()eiπκ+)Γ(κ++ 1)Γ(1−κ+2κ+

なので、arg(zτ) = π(22κ) となり、したがって生存確率はτ → ∞で一定値へと収束することが理論から 示される:

τlim→∞Pe(τ) =

c¯ exp(i|zτ|1/(2κ+)) 2−κ+

2= |c¯|2

(2−κ+)2 . (2.68)

数値計算において、生存確率が一定値へと収束しているパラメータ領域0.65< α <0.9において、その収 束値を数値的に調べると、上記の式(2.68)から与えられる漸近形と良く一致している。このとき、C()C(+)に比べ非常に小さい値をとり、フィッティングパラメータc¯は殆ど1であることを注意しておく。

(a)

(x1/ω*) 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

Survival Prob.

Theoretically Scaled Time α=0.52 Ω/ω*=0.5

λ=0.0020 λ=0.0024 MLF

(b)

(x1/ω*) 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.5 1 1.5 2 2.5

Survival Prob.

Theoretically Scaled Time α=0.57 Ω/ω*=0.5

λ=0.0020 λ=0.0024 MLF

(c)

(x1/ω*) 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 2 4 6 8 10 12

Survival Prob.

Theoretically Scaled Time α=0.65 Ω/ω*=0.5

λ=0.0020 λ=0.0024 MLF

(d)

(x1/ω*) 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 5 10 15 20

Survival Prob.

Theoretically Scaled Time α=0.84 Ω/ω*=0.5

λ=0.0020 λ=0.0024 MLF

2.14 Ω/ω = 0.5の場合における、スケールされた時間での生存確率。図の(a),(b),(c)およ (d)はそれぞれα = 0.52,0.57,0.65及び0.84 に対応。Mittag-Leffler 関数(MLF)を用いた 理論曲線において、租視化されたolder係数とフィッティングパラメータ¯cはそれぞれ以下様に 取った: (a)g(+)α = 0.93, gα() = 0.33, ¯c= 0.99e155i, (b) g(+)α = 0.78, gα() = 2.1×10−2, ¯c= 0.87e0.6i, (c)g(+)α = 0.55, gα(−)= 2.2×10−4, c¯= 0.94e−0.1i, (b)g(+)α = 0.2, g(−)α = 0.0, c¯= 1.0

以上示してきたように、生存確率はMittag-Leffler関数によって上手に記述できているが、その振る舞 いはパラメータαを0.5から大きくしていくに従って(つまりκ+は1から減少していくとき)、単調減 少関数から極大値をもった減少関数を経て有限値への振動収束関数とその振る舞いを変化させていくこと をもう一度確認しておこう。これらの異常緩和過程はスケールされた時間での˜a(τ) に対しての微積分方 程式(2.52)の振る舞いを考えることで理解可能である。方程式(2.52)の積分核の形はσκ+ と時間に対 してのべきで減衰する形で書かれている。つまり、κ+がより小さくなるに従って減衰の早さは遅くなり、

したがってより強く過去の履歴がa(τ˜ )に影響を及ぼすことを意味するが、この影響によって生存確率の 回復過程や一定値への収束などが引き起こされると予想される。また、これらの特徴は環境や相互作用の 項を全て含んだ全Hamiltonianのスペクトルの性質からも説明することが可能であるが、その議論は次 の節で展開する。