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サービス業については、平成 16 年 (2004) より、業務区分の見直しが行われたことからデータの連続性が困難なため、平成 15 年度までのデータを採用した。

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長期時系列データにみる労務費の変遷

2  サービス業については、平成 16 年 (2004) より、業務区分の見直しが行われたことからデータの連続性が困難なため、平成 15 年度までのデータを採用した。

(2)決まって支給する額、所定内給与

国土交通省「第 1 回建設技能労働者の人材確 保のあり方に係る検討会」の資料に「建設労働 者の収入は、製造業生産労働者よりも低い水 準。建設投資の減少局面、就業者の減少局面に おいて、19 歳以下を除き年収カーブが低下。給 与支払形態は、固定費である月給制から変動 費に近い日給月給制にシフトしている」、「平 成 9 年度(1997)は、月給制 57.6%、日給月給制 30.6%、出来高制 8.5%であったが、平成 20 年度

(2008)は、月 給 制 29.3 %、日 給 月 給 制 58.3 %、

出来高制 8.5%と逆転している」と最近の労務費 に関する動向が記されている。

図表 -3及び図表 -4では、これとは逆に、他産 業よりも、決まって支給する額及び所定内給与 は、高い傾向にある。これは引用した厚生労働 省「賃金基本構造基本統計調査」の調査対象が、

ある特定月に支払われた実績で、年収は対象と していないためと思われる。

月単位の決まって支給する額は他産業より多 く、年収が逆に低いのは、換言すれば、仕事に対 する 1 回当たりの報酬は建設業が他産業よりも 多いものの、給与支払形態が固定給から日給月給 制へシフトしているなど、仕事のない月は極端 に収入が落ちる。そのような背景から年収ベー スでは低くなっているのではないだろうか。

図表 -4:所定内給与の比較

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果」データをグラフ化 図表 -3:決まって支給する額の比較

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果」データをグラフ化

(3)年間賞与その他特別手当

前段において、「最近の賃金支払い形態が、固 定費である月給制から変動費に近い日給月給制 にシフトしている」との指摘があった。

図表 -5をみると、建設業における年間賞与そ の他特別手当は平成 4 年(1992) 1,104,100 円を ピークに下がり始め、平成 9 年(1997)1,033,200 円、平成 20 年(2008) は 713,700 万円まで下落 している。

年間賞与がここまで減少したことは、固定給 者が減少している指摘を裏付けるものではない かと思われる。

(4)労務費について

これまで、昭和初期からの変遷をみてきた が、昨今の労務費の漸減傾向には、建設業の商 慣習等にあまり変化がみられないことも、一因 としてあるのではないだろうか。

それは、これまで調べた資料において、「建設 業は請負契約が一般的であり、元請に発注され た仕事は、複数の会社に下請され、そこからさ らに重層的に業種毎に再下請され全体としての 仕事を完成させて請負金額がもらえる仕組みと

なっている」、「建設技能労働者の賃金は毎月現 金であるが、その原資である請負契約の支払い 慣行は、毎月現金払いとなっていない」と指摘 されている点である。このようなことも固定給 者の減少など年収減少に及んでいったのではな いだろうか。

また、後述するが、建設投資額減少による受 注額の減少、建設技能労働者が過剰気味である ことなども要因としてあげられるだろう。

国土交通省「公共工事設計労務単価のあり方 について 報告 」で、「建設投資額の急速な 減少により価格競争が激化し落札率が低下し、

・・・ 中略 ・・・ 下請け企業や労働者にしわ寄せが 行われ、公共工事に従事する労働者の賃金も下 がり ・・・ 中略 ・・・ 賃金の支払い実態を調査して いる公共工事設計労務単価も低下 ・・・ 中略 ・・・

それを基に積算されることから、予定価格が低 下するといった、負のスパイラルともいうべき 状況となっている」と記されている。

このように労務費の現状は、厳しい経済状況 による企業収益の悪化、下請け企業や労働者へ のしわ寄せ、労働者の賃金低下と、これまでに ない厳しい局面にあると言えよう。

図表 -5:年間賞与その他特別手当

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査報告」データをグラフ化

3.長期時系列データの作成方法

弊会が、昭和 23 年(1948)から平成 22 年(2010)

年に発行した「労働賃金版」「労働経済版」「積算 資料」から、代表的な 9 職種の労務費を選定し、

データを作成した。

(1)職種の選定

本稿で対象とした工種は、掲載当初からでき るだけ多くのデータが収集できるもの、積算で の使用頻度が高いものを考慮して選定した。

対象職種は以下の通り。

①特殊作業員  ②普通作業員  ③とび工

④電 工  ⑤鉄筋工  ⑥塗装工

⑦運転手(一般)  ⑧型枠工  ⑨配管工

(2)労務費推移表集計の手法

①収集したデータ

収集したデータは、昭和 23 年度(1948)から 平成 7 年度(1995)までは弊会調査結果を、平成 8 年度からは公表が開始された公共工事設計労 務単価3とした。

データの時間軸は、調査実実績をベースとし た。例えば、平成 8 年度のデータは平成 9 年度 公共工事設計労務単価である。これは同単価の 賃金実績が前年平成 8 年 10 月4のため、平成 8 年度の労務費としたものである。

また、弊会では、公表された公共工事設計労 務単価を毎年「積算資料」5 月号に新年度単価と して掲載。弊会調査も、昭和 44 年(1968)より 同様に前年 10 月実績を「積算資料」5 月号に掲 載(昭和 44 年以前は、前述のように毎月、年 4 回など複数回調査している)してきた。

これらのことから、年度単価は前年 10 月実績 が主流であること、「積算資料」5 月号に新年度 単価を掲載してきたこと、作業効率も考慮し、

本稿では、原則として、「積算資料」5 月号に掲 載された労務費の調査実績を確認のうえ、年度 単価(労務費)として集計した。

②価格と単位

価格はすべて「消費税等抜き」で表示した。

単位は 8 時間を一日とし、円 / 人・日とした。

(3)名称の異なる職種について

今回採用した 9 職種のうち、掲載当初から名 称が同一な職種は、④電工、⑤鉄筋工、⑥塗装工、

⑨配管工の 4 職種で、①特殊作業員、②普通作業 員、③とび工、⑦運転手(一般)、⑧型枠工の 5 職 種は異なるため、つぎの手法により統一した。

【①特殊作業員】

掲載当初の昭和 23 年〜昭和 47 年までの名 称は、「土工」、昭和 48 年〜昭和 55 年は、「土 工(特殊)」、昭和 56 年より現在の「特殊作業 員」となっている。これらの接続については、

職種の定義を確認することはもちろんのこ と、価格推移を昭和 56 年より遡って追跡しス ムーズな推移となっているか。また、記載欄 から作業編成等も検討した上で判断した。

一方、作業内容であるが、「土工」は現在の

「特殊作業員」と同じとすることは困難であ る。これは電工、鉄筋工など他の職種におい ても言えることで、現在の作業内容と同一の ものはない。原則論では、すべての職種にお いて接続が困難であるため、ある程度作業内 容が同じもの、労務費の推移が著しくおかし くないものは職種を統一した。

3   平成 9 年度及び 10 年度に公表された公共事業設計労務単価は、特殊作業員、普通作業員、軽作業員、とび工、鉄筋工、運転手 ( 一般 )、運転手 ( 特殊 )、型わく工、

大工、左官、交通整理員の 11 職種であった。そのため本稿では、その年度の電工、塗装工、配管工のデータは記載していない。

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