• 検索結果がありません。

エピローグ

ドキュメント内 2012_ID_text (ページ 100-103)

1. ニーズ 2. ゴール

5.7   エピローグ

――なるほど,コースを設計するには,まずニーズを検討するのですね.

その通り.世の中にはニーズを検討しないまま,「このようなことが教えられる【べき】であ る」として設定されているコースが多い.

――学び手が,「なぜこのコースを受けなければならないのか」ということをキチンと 納得していなければ,教えられる内容が身につくはずもないですね.

だから,コースの一番最初に「なぜこれを学ぶことが必要なのか」ということを説明して,納 得してもらわないといけないね.

――でも,教え手にとっては,今自分が教えていることは,「みんなに必要なこと」だ と思っていますから,そこらへんのことはあまり説明しないんですよね.

そうだね.教え手は,いつでもその手の「妄想」を持っているよ.本当に,全員が学んでおく 必要のある内容なんてそうそうないのに.

――まず,学び手が,自分自身でニーズを感じなければ,学びはスタートしませんよ ね.

学び手の準備ができていないのに,いくら教えても時間のムダだよ.それどころか,その内 容が嫌いになってしまうという,ネガティブな副作用までついてくる.

――いったん嫌いになってしまうと,本当にそれが必要になったときに,困りますね.

コースを設計して,実施するにはコストがかかるので,そのコースを実施する必要性,つまり ニーズがあるのかどうかを十分に検討しなくてはいけない.

――そのニーズも,絶対的なものではないんですよね.

そうだ.ニーズは学び手と文脈によって決まってくる.

――その文脈というのは,個人的なものだったり,組織的なものだったり,社会的なも のだったりするわけですね.

それによってゴールも変わってくる.

――そう考えると,ニーズ分析とゴール設定は重要ですね.

そうなんだ.ゴール設定ができれば,それによって事前テスト・事後テストが作れる.テスト が作れれば,コースの内容が決まってくるというわけだ.

――それだけゴール設定が大切なことはわかりますが,なかなか簡単には決まらないん じゃないでしょうか.

そうだね.これは,認知技能のインストラクションのところで出てきた,不良構造化問題の ひとつなので,簡単には決まらない.

――簡単には決まらないとしても,ニーズとゴールについて十分に考えておくことは必要 ですね.

そういうことだ.

⽂文献紹介

鈴鈴⽊木克明『教材設計マニュアル―独学を⽀支援するために』,  北北⼤大路路書房,  2002  誰が読んでもわかりやすく,学習効果の上がるプリント 教材をどのように作っていけばよいかを,ステップ・バ イ・ステップで丁寧に学んでいく.最終的には,教師がい なくても学習者だけで独学できるようなプリント教材を完 成させる.インストラクショナルデザインの原則にした がったこの方法を身につければ,授業やコースの効果を上 げることができる.また,Web教材やeラーニング教材を作 成するときにも活かすことができる.

■ホームワーク5

 以下の内容を,全体で800字〜1000字で記述してください.見出しは,以下の通り とします.適宜,段落を変えてください.

タイトル:(どんな人)に,(どんな技能)を,(どれくらいの時間で)教える 1. ニーズ分析

2. 教育ゴール 3. 学習者分析 4. コンテキスト分析 5. 事前・事後テスト (1)  ニーズ分析(20点)

 あなたの回りにいる人で,何かを学ぶ必要のある人を想定してください(必ずしも 実在しなくてもよい).その人が「ここまでできる」けれども「こうなりたい!」と いうニーズを設定して,それを記述してください.

(例)

• 就活中の人が,グループディスカッションでのリードの仕方を学ぶニーズ

• 部署に新しく配属された人が,Excelで計算式を使う方法を学ぶニーズ (2)  教育ゴール(20点)

 (1)の想定に基づいて,ゴール分析をして,教育ゴールについて記述してください.

(3)  学習者分析(20点)

 想定した学び手について,学習者分析をして,それを記述してください.既有知 識,態度,学習スタイルについて,記述します.

(4)  コンテキスト分析(20点)

 学習コンテキストとパフォーマンスコンテキストについて記述し,その違いをどう 埋めるかについても記述してください.

(5)  事前・事後テスト(20点)

 学び手がコースの内容を習得したかどうかを測るための,事前・事後テストについ て記述してください.事前・事後テストの内容は同一のものでかまいません.

ドキュメント内 2012_ID_text (ページ 100-103)