IV-4.鶏肉の機能性関与成分(イミダゾールジペプチド)とバラツキに関する知見
4. 品種による成分・栄養素のバラツキ 4.1 鶏肉に含まれる栄養素、成分
成鶏肉と若鶏肉の部位ごとの成分を以下に示す。成鶏肉と若鶏肉の成分に大きな違いはないが、
例えば部位においては、もも肉と胸肉とでカロリーはそう変わらないが、胸肉の方がタンパク質は多 い。脂質は皮に多く含まれるので、皮なしであれば鶏肉は高たんぱく低脂肪である5)。
4.2 品種による栄養素、成分のバラツキ
国内のブロイラーのほとんどを占める、チャンキー種とコッブ種のデータについては、英国スコットラ ンドのエビアジェン社(チャンキー種)と、米国のコッブ・バントレス社(コッブ種)という海外育種会社 が、種の管理を独占的に支配しているため、該当する資料は入手できなかった。
4.3 品種によるイミダゾールジペプチドのバラツキ
英国スコットランドのエビアジェン社(チャンキー種)と、米国のコッブ・バントレス社(コッブ種)の成 分・栄養素のバラツキに関するデータは、文献検索の結果見当たらなかった。また関連研究機関と のヒアリングの結果においても、該当する資料は入手できなかった。
4.4 加熱処理によるアミノ酸及びイミダゾールジペプチドのバラツキ
鶏肉に含まれているアミノ酸及びイミダゾールジペプチド(カルノシン、アンセリン)が熱抽出によって 変動するかについて検討したところ、大きな変動は認められていない。
鶏肉を95℃で加熱抽出した際の経過時間別含有量の変化6-7)
カルノシン 0 h 110.0±5.5 μmol/g 10 h 117.6±6.3 μmol/g 20 h 116.5±6.2 μmol/g 40 h 111.8±5.1 μmol/g アンセリン 0 h 355.3±12.7 μmol/g 10 h 382.7±21.1 μmol/g 20 h 384.3±23.4 μmol/g 40 h 372.8±21.3 μmol/g
食品名
エ ネ ル ギー
水 分
た ん ぱ く 質
脂 質
炭 水 化 物
灰 分
ナ ト リ ウ ム
ヒ ス チ ジ ン
ア ラ ニ ン
kcal g g g g g mg ㎎ ㎎
にわとり(成鶏 肉)
手羽(皮付 生) 195 66 23 10.4 0 0.6 44 むね(皮付 生) 244 62.6 19.5 17.2 0 0.7 31 むね(皮無 生) 121 72.8 24.4 1.9 0 0.9 34 もも(皮付 生) 253 62.9 17.3 19.1 0 0.7 42 もも(皮無 生) 138 72.3 22 4.8 0 0.9 50 ささ身(生) 114 73.2 24.6 1.1 0 1.1 40 にわとり(若鶏
肉)
手羽(皮付 生) 211 47.2 17.5 14.6 0 0.7 76
むね(皮付 生) 191 68 19.5 11.6 0 0.9 38 1000 1200 むね(皮無 生) 108 75.2 22.3 1.5 0 1 42 1200 1300 もも(皮付 生) 200 69 16.2 14 0 0.8 59 630 980 もも(皮無 生) 116 76.3 18.8 3.9 0 1 69 750 1100
ささ身(生) 105 75 23 0.8 0 1.2 33
(可食部100g中)
アミノ酸
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4.5 給餌等によるイミダゾールジペプチドのバラツキ 餌の影響により成分濃度に大きく開きがある。
鶏の胸筋におけるジペプチド及び遊離アミノ酸濃度に及ぼすβアラニン投与の影響8) カルノシン濃度 5459±608 nmol/g
同上 8774±679 nmol/g (βアラニン投与)
アンセリン濃度 10341±320 nmol/g
同上 8268±635 nmol/g (βアラニン投与)
鶏肉に含まれているイミダゾールジペプチド(カルノシン、アンセリン)の含有量に関する知見として、
生育中の飼料によってアミノ酸などの含有量に違いが生じることが知られている10)。 鶏肉からイミダゾールジペプチドを摂取する場合、これを考慮する必要がある。
また、評価対象論文中にて試験に供された「鶏胸肉抽出物(CBEX)」は、日本ハム株式会社により 開発された食品素材であり、鶏胸肉より温水〜熱水で抽出し、珪藻土濾過、限外濾過などで精製し て得られる。
5. 引用文献
1) Z. Lebensm. Unters.-Forsch. 1976;161(1):7-11
2) Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi 2004;51(2):87-91
3) International Journal of Food Science and Technology 2007;42:593-600 4) J. Agric. Food Chem. 2007;55:4664-9
5) 「文部科学省日本食品標準成分表」より 6) Poultry Science 2002;81:590-594
7) Chicken extracts were obtained from United States and France.
8) Animal Science Journal 2005;76:249-54
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