第 5 章 表面開始原子移動ラジカル重合を用いた
5.5 MES と HEMA による混合ポリマー表面
5.5.5 まとめ
第5章 表面開始原子移動ラジカル重合を用いたセンサ表面による TNTの高感度検出
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第5章 表面開始原子移動ラジカル重合を用いたセンサ表面による TNTの高感度検出
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5.6 5章のまとめ
4章のポリマー表面ではポリマーをあらかじめ作製した後でセンサ表面に 固定していたが, 本章ではポリマーがセンサ表面を起点として成長する表面開 始原子移動ラジカル重合(SI-ATRP)によってポリマー表面を作製した. まずポ リマーの重合反応である原子移動ラジカル重合(ATRP)について説明した. ATRP では反応を終了させた後も再開することが可能なリビング重合で, 分子 量が時間とともに増加するため大きな分子量かつ狭い分子量分布をもつポリマ ーを合成可能である他, 複数種類のポリマーを直列に繋げることが出来るなど 様々な構造のポリマーを合成可能である. 一方で反応機構が複雑で, 反応に影 響を与えるパラメータが多く, モノマーによっても反応速度が全く異なるので, 新たなポリマーを合成するには反応条件の厳密な調整が必要になる.
こ の 重 合 法 を 用 い て 2 種 類 の ポ リ マ ー 表 面 を 作 製 し た. 1 つ 目 は
poly-MES-co-DEAEM表面でMESとDEAEMを混合することで電気的に中性
かつ親水性のポリマーを作製し非特異吸着を抑制した. 次にSI-ATRPの開始点 となる物質とそうでない物質の混合SAMを用いてSI-ATRPを行うことでポリ マーの密度を変化させセンサ表面と抗体の親和性を制御した. 親和性の低いセ ンサ表面を用いて間接競合法で TNT の検出を行ったところ検出限界は 5.7ppt となった. 2つ目は poly-MES-co-HEMA 表面で, こちらは抗体の結合サイトを 減らす目的で MES と HEMA を混合した. まず MES に対して 10 倍以上の HEMAを混合することで非特異吸着を抑制した. またMES:HEMAの混合比を 変えることで抗体の結合サイトの存在密度を変化させて親和性の制御を行った.
このセンサ表面を用いて間接競合法で測定を行ったが測定できなかった. 次に 置換法で測定したところ最も親和性の低いセンサ表面で検出限界は 0.4 ppb と
第5章 表面開始原子移動ラジカル重合を用いたセンサ表面による TNTの高感度検出
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なった. また MES:HEMA の混合比を変えることで検出限界とセンサのダイナ ミックレンジが調整可能であった.
こ れ ら 2 つ の ポ リ マ ー 表 面 を 通 し て 最 も 高 感 度 な の は poly-MES-co-DEAEMを用いた5.7 pptだった. poly-MES-co-HEMAでは置換 法でしか測定できなかった. しかし解離速度定数はpoly-MES-co-DEAEM と同 程度なので, 間接競合法で測定できればこれと同程度の検出限界を得られる可 能性はある.