1.5.1. 関連法規制・制度
FIT制度を活用する場合は、買取価格の区分と設定、および「発電利用に供する木質バイオマ スの証明のためのガイドライン(林野庁)」の記載内容を十分に理解する
特に未利用材の調達を計画する場合は、事業実施地域で森林経営計画を立てている森林や 保安林の面積や分布を把握する
製材端材や建築発生木材、剪定枝および木屑の調達を計画する場合は、必要に応じて「廃棄 物の処理及び清掃に関する法律」において必要とされる資格を取得する
活用する価格区分によっては証明書の入手が必要
FIT制度における価格区分は、基本的に木材資源の履歴によって分かれている(一部、
設備規模や技術による分類を含む、表 Ⅱ.1-17)。特に「間伐材等由来木質バイオマス」
と「一般木質バイオマス」については適切に識別や証明を行う必要があり、伐採や加工・
流通を行う事業者は、その木材資源が属する区分とほかの区分が混在することなく分別 管理されていることを証明する書類を交付する必要がある。FIT制度を活用する場合は、
価格区分によってはこの証明書の入手が必要になる。
「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」には、用語の定義や 証明書類への記載事項、制度運用の考え方、そのほか留意事項などが取りまとめられてい る。
☞Ⅲ章1.2.3
FIT事業計画認 定申請と系統連 系申請
表 Ⅱ.1-17 固定価格買取制度におけるバイオマス発電の買取価格および買取期間(2016 年度)
未利用材 一般材 廃棄物 リサイクル材
バイオマス メタン発酵ガス
間伐材等由来の 木質バイオマス※1
一般木質 バイオマス・
農作物の収穫 に伴って生じる
バイオマス※2
一般廃棄物 そのほかの バイオマス※3
建設資材 廃棄物※4 2,000kW未満 2,000kW以上
買取価格 39円+税 40円+税 32円+税 24円+税 17円+税 13円+税 買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
※1 間伐材や主伐材であって、後述する事業計画認定において未利用であることが確認できたものに由来するバイオマスを燃焼させる発電
※2 未利用木材及びリサイクル木材以外の木材(製材端材や輸入木材)並びにパーム椰子殻、稲わら・もみ殻に由来するバイオマスを燃焼さ せる発電
※3 一般廃棄物、下水汚泥、食品廃棄物、RDF、RPF、黒液等の廃棄物由来のバイオマスを燃焼させる発電
※4 建設廃材に由来するバイオマスを燃焼させる発電
(出典)資源エネルギー庁ウェブサイト(http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html)
森林経営計画を立てるための条件が定められている
FIT 制度で未利用材としての認定を受けるためには、森林経営計画が策定されている森 林、あるいは保安林から搬出された材であることを証明する必要がある。森林経営計画と は、森林計画制度の下で森林所有者や所有者から経営委託を受けた者が策定する、具体的 な伐採・造林、森林保護、路網整備等に関する計画である。計画を立てるにあたっては、
必要な面積や必要なまとまり具合などが定められており、誰でも好きな面積で計画を立て られるわけではない。また、1回に立てる計画は5年間分と定められている。
1.5 その他 33
森林経営計画の立て方等について理解し、調達先の森林経営計画策定状況を必要 に応じて把握する
産業廃棄物処理業の許可の取得には都道府県への手続きが必須
事業者が製材端材や建築発生木材などの廃棄物を外部から調達する場合、産業廃棄物処 理業等の許可の取得が必要となる。許可の取得には事業実施地域の都道府県に対して各種 手続きを行わなくてはならず、手続期間には少なくとも1年程度を要する。また、手続書 類の差し戻しなどが発生して2年以上も要する事例もあるため、事業スケジュールに大き く影響する。
34 1.5 その他
1.5.2. ⻑期変動リスク
原料調達先の産業動向を把握し、調達可能量と調達価格の中長期的な推移を検討する
調達量の減少が見込まれる場合の代替調達先を検討する
原料の調達は関連産業動向に左右
原料となるバイオマスは農林水産業や木材関連産業、食品関連産業、あるいは廃棄物処 理業などの各種産業から得られる。したがって、調達量は関連産業の動向に大きく左右さ れる。さらに、調達可能量の変動は需給の変化をもたらし、価格の変動をも引き起こしう る。
長期的な調達可能量の変化に備え、調達先を複数確保する
調達は中長期的なリスクが伴う可能性有
調達先であるチップ工場や素材生産業者等は、小規模な事業体であることが少なくな い。この場合、その事業者の状況(たとえば事業承継の状況)によっては調達が困難にな る可能性がある。株式会社等の比較的大規模な組織から調達する場合も同様のリスクを抱 えていることには変わりがないが、リスクは小規模事業者との契約の方が大きい。
また、調達先が小規模であるほど、木材資源の取引において契約締結ではなく協定や覚 書を交わすことを提案される場合が多い。これも、事業者から見ればリスクの高い取引形 態であり、仮に長期の協定であっても長期的な調達量変動のリスクを完全に軽減できるも のではない。
調達先の経営状況の変化に備え、調達先を複数確保する
協定や覚書ではなく契約の締結が可能か打診する
調達先と密にコミュニケーションをはかり、十分な信頼関係を築く