• 検索結果がありません。

⑷ 現 代

ドキュメント内 法 文 化 論 序 説 ︵ 三 ︶ (ページ 36-39)

日本 語と いえ る共 通語 が広 がっ たの は、 関東 大震 災後

︵一 九二 五年 三月

︶に 始ま った ラジ オ放 送に よる もの であ る。 その 一般 方針 は﹁ 現代 語の 大勢 に順 応し て、 大体

、帝 都の 教養 ある 社会 層に おい て普 通に 用い られ る 語彙

・語 法・ 発音

・ア クセ ント

︵イ ント ネー ショ ンを 含︶ を基 本と する

﹂︵ 七五 七頁

︶で あっ た。 そし て現 代に おい ても

、敬 語は 一つ の法 則性 をも った 日本 語の 特色 であ り、 そこ には 人間 関係 のあ り方 の緊 密度 が表 現さ れて おり

、 その 要素 とし て、

①人 間関 係、

②関 係の 場が 考え られ てい る︵ 七六 七頁

︶。 が、 日本 語の 簡素 化に よっ て、 その 法則 性も 乱雑 にな り、 現在 では

、敬 語法 も形 だけ に単 純化 して

︿お

﹀の 乱用 と謙 譲語

・尊 敬語 の混 同が めだ って いる

。現 代の 敬語 法を 例示 する のは 繁雑 にす ぎる ので

、抑 制し 省略 する こと に した い︵ 例示 は﹃ 事典

﹄七 七〇

︱七 七一 頁に 詳し い︶

。敬 語は

、な いほ うが 楽な こと は確 かで ある

。し かし

、そ れに よ って 相手 の心 をな ごま せる こと がで きる のな ら、 まだ まだ 存在 理由 を主 張し うる だろ う。 敬語 は日 本語 の木 に咲 い た花 であ ると

、﹃ 事典

﹄の

( )

著者 はい う。

V

しか し、 長い 年月 にわ たる 人称 代名 詞や 敬語 の複 雑な 使用 法の 慣例 化に よっ て自 意識 の確 立や 自我 の発 現が 不安 定に なっ た︵ 誇張 か?

︶と して も不 思議 では ない

つぎ に、 複式 言語 の特 性を 活用 した 言葉 の遊 びに つい て述 べよ う。 読者 にと って は﹁ 息抜 き﹂ にな るだ ろう とい う思 い付 きか らで ある が? いわ ゆる

﹁言 葉遊 び﹂ は﹁ 漢詩 人か ら歌 人、 連歌 師、 俳諧 師、 戯作 者と

、次 第に 作者 の層 に交 替を 見せ て、 つい には 連歌 から 狂歌 に、 連俳 から 発句 に、 前句 付け から 川柳 に﹂ と変 遷し てき た︵ 鈴木 裳三 編﹃ 新版 こと ば遊 び辞 典﹄ はし がき 一九 八一 年︶

とこ ろで 言葉 遊び のな かで 文化 的と いえ ば、 芸術 的も しく は宗 教的 分野 が直 ちに 想い うか ぶが

、そ れに 関す る話 題は 後述 する こと にし て、 ここ では いか にも 日本 語臭 い趣 きを もつ と筆 者が 考え る﹁ なぞ

﹂と

﹁し ゃれ

﹂に つい て 幾つ かの 例を 拾っ てみ たい と思 う︵ 以下 鈴木

﹃辞 典﹄ より

︶。

﹁な ぞ﹂ の初 例は

、吉 備真 備が 入唐 した さい

、迷 路の よう に並 べた 漢字 を、 松尾 明神 と長 谷観 音の 力に よっ て首 尾よ く読 み通 した とい う逸 話で あろ うか

︵こ れは テス トで ある とい う意 見も ある

︶。 中世 の公 卿の 間で 行わ れた

﹁な ぞ﹂ は和 歌・ 物語

・漢 詩の 知識 を背 景に コト ワザ を素 材に 発生 した 遊び であ るが

、中 国で は、 古く 六世 紀半 ば

﹁魏 書﹂ にそ の例 がみ える とい う。 日本 では

﹃日 本書 紀﹄ の例 があ げら れて いる が、 平安 時代 には ナゾ ナゾ 物語

・ナ ゾナ ゾ 合 があ り、 言霊 の認 識 があ った とい われ てい る。

﹃古 今集

﹄以 後の 物 歌︵ かけ 言葉 で物 の名 を詠 みこ む︶ はそ の新 生面 で、 次第 に

しゃ れ

笑い

を さそ うも のに なっ たよ うで ある

。﹃ 枕草 子﹄

・﹃ 徒然 草﹄ の例 など など

、ナ ゾを 掛け たり 解い たり して 遊ぶ

︵和 歌が 中心 こ︶ とは

、古 くか ら行 われ たこ とが わか る︵ 九三 七︱ 九四 五頁

。︶

①ナ ゾの 注目 すべ き発 展は 複式 ナゾ

、特 に三 段ナ ゾの 出現 であ る。 例を あげ よう

。 お寺 の坊 さん

その 日の 新聞

︵今 朝来 て今 日読 む↓ 袈裟 着て 経よ む︶

。 あす の天 気と かけ て何 とと く 風呂 敷包 みと とく

その 心は 開︵ 明︶ けて みな けり ゃ分 らな い。 女の 櫛と かけ て何 とと く 出雲 の大 社と とく

その 心は 神︵ 髪︶ をよ せる じゃ ない かい の。 こん な調 子で 集め たナ ゾは

、民 間伝 承の もの 九頁

、近 世以 後の もの 二六 九頁 にの ぼる

②﹁ やま とこ とば

﹂︵ 恋の なぞ こと ば︶ の例 とし て、 一升 一合 の米

↓搗

︵付 い︶ て一 升︵ 一緒 に︶ なり たい

。 蛇の 一年 子↓ まだ 穴は 知ら ぬ、 童貞

椎の 木の 上に 鎌八 丁↓ やか まし い︵ 八鎌 椎︶

。 背中 の鉄 砲↓ 逢う て︵ 負う て︶ 話し

︵放 し︶ たい

。 ほか に多 いの が、 和歌 にか けた 言葉

・ダ ジャ レ︵ 歌枕 にも

︶な ど。 例え ば、 天の 橋立

↓ま だみ たこ とが ない

︵小 式部 内侍

、︶ 鮑

↓片 思い

︵藤 原俊 成︶

、う たた 寝↓ 恋し い人 を待 ちか ねる

︵小 野小 町﹁ うた た寝 に恋 しき 人を 見て しよ り 夢て ふも のは 頼み そめ てき

﹂︶

、沖 漕ぐ 船↓ 焦れ て︵ 漕が れて

︶物 思う

、賀 茂の 社↓ 物思 い︵ 古今 集﹁ 千早 振る 加茂 の社 のゆ ふ襷 ひと 日も 君を かけ ぬ日 はな し﹂

、︶ 雲間 の月

↓心 配で ある

︵白 河院

﹁卯 の花 のむ らむ ら咲 ける 垣根 をば 雲間 の月 の 影と ぞ見 る﹂

︶な どな ど切 りが ない

。平 安文 学に 通じ た読 者に は広 く知 られ た話 であ る。

﹁し ゃれ

﹂に つい て

﹁し ゃれ

﹂と は、

①気 がき いた さま

、② 滑稽

・ふ ざけ るな ど、 微妙 なニ ュア ンス の使 い分 けが なさ れて いる が、 同音 異義 によ る言 い掛 けの おか しみ を主 とす る遊 びを 中心 にし て、 日本 語の 味わ いを デッ サン して みた い︵ 総一 五

〇頁 あり

。︶

①赤 ん坊 の小 便↓ やや こし い︵ 嬰 尿

︶ 田舎 芝居 で花 道が ない

↓鼻 筋が 通っ てな い 蛙の 行列

↓向 うみ ずな 奴 垣根 の竹 の子

↓出 ると 取ら れる

︵外 出す ると 出費 する

︶ 鐘つ きの 昼寝

↓一 ゴン

︵言 も︶ ない

②﹁ 無理 問答

﹂に つい て︵ 五六 頁あ り︶ 赤い 花で も葵

︵青 い︶ とは 如何

↓見 るも ので も菊

︵聞 く︶ とい うが 如し 生き てい ても 士︵ 死︶ 族と は如 何↓ うち に揃 うて 居て も家 内︵ 無い

︶と いう が如 し

衣服 に用 いて 着ぬ

︵絹 と︶ は如 何↓ 夜昼 着て も麻

︵朝 と︶ いう が如 し

ドキュメント内 法 文 化 論 序 説 ︵ 三 ︶ (ページ 36-39)

関連したドキュメント