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⑵ 中 村

ドキュメント内 法 文 化 論 序 説 ︵ 三 ︶ (ページ 94-97)

元監 修﹃ 比較 思想 事典

﹄に よれ ば、

﹁漢 字文 化圏 にお いて

、哲 学・ 思想 のみ なら ず、 あら ゆる 文化 の基 底に 存す る語

。春 秋・ 戦国 時代 から 儒家

、道 家を はじ めと する 各学 派の 文献 に登 場し た﹂ と。 中国 にお い

ては

、①

﹁見 えな い﹃ ある もの

﹄﹂

。天 地自 然の 間に あっ て威 力を もっ て確 かに 存在 する もの

。②

﹁あ らゆ る現 象の 根源

﹂、

﹁万 物を 構成 する 究極 極微 のア トム 的要 素﹂

、﹁ 人間 の精 神の 源泉

﹂。

③万 物万 象の 根源 であ る気 は宇 宙に 遍 満し て凝 集・ 拡散

・流 動す るこ とに より 一切 の現 象が 生起 する

、と 語義 を説 明す る。 それ は﹁ 自然 の気

﹂・

﹁人 間の 気﹂

・陰 陽・ 五行 のよ うな

﹁原 理と して の気

﹂の 三種 に分 化し てい る。 ただ し宋 以後 の性 理学 では 気よ りも 理を 根 源の 存在 原理 とし

︵朱 子︶

、気 は物 質的 根源 とし ての 性格 を確 立し た。 特に 医学 では 体内 の生 命エ ネル ギー を意 味 し気 を養 うた めの 身体 技法 が開 発さ れた

、と いう

。 日本 にお ける 気は

、﹁ 心の 持ち 方や 情緒

、な いし 一定 の精 神状 態﹂ を、 もし くは

﹁物 事の 漠然 とし た状 態﹂

︵雰 囲 気・ 気配

︶で ある

、と

。改 めて

﹃国 語大 辞典

﹄に よれ ば、

①空 間に あっ て目 に見 えな いも の。 空気

、大 気、 湿気

、 香気

、臭 気、 寒気

、暑 気、 暖気

、熱 気、 水蒸 気。

②く うき

。気 化、 換気

・通 気、 気圧

・気 温・ 気体

・気 団・ 気泡

・ 気流

・気 根・ 気孔

。③ いき

。気 息、 気絶

、口 気・ 酒気

・気 管。

④心 もち

・心 のは たら き。 意気

・心 気・ 志気

・才 気・ 気魄

・気 鋭・ 鋭気

・俠 気・ 狂気

・豪 気・ 剛気

・士 気・ 稚気

・覇 気・ 平気

・本 気・ 勇気

・短 気、 気炎

、気 概、 気 質・ 気性

、気 風、 気力

、気 脈。

⑤自 然界 の目 に見 えな いは たら き。 天気

・寒 気・ 磁気

、気 候・ 気象

。⑥ 物を 動か す 根元 のは たら き。 気勢

、正 気、 精気

、元 気、 病気

、気 運。

⑦け はい

、よ うす

・お もむ き・ いき おい

。活 気・ 生気

・ 和気

・陰 気・ 陽気

・鬼 気・ 怒気

・殺 気・ 語気

・霊 気・ 邪気

、雰 囲気

、気 色、 気味

。⑧ 二十 四気

・節 気︵ 小寒

・大 寒・ 立春

・雨 水・ 啓蟄

・春 分・ 清明

・穀 雨・ 立夏

・小 満・ 芒種

・夏 至・ 小暑

・大 暑・ 立秋

・処 暑・ 白露

・秋 分・ 寒露

・霜 降・ 立冬

・小 雪・ 大雪

・冬 至︶ の使 い方 があ る。

﹁気

﹂の 意義 とし て、

︹一

︺変 化、 流動 する 自然 現象

。ま たは

、そ の自 然現 象を 起こ す本 体。

①風 雨。 寒暑 など

、 天地 間に 現わ れる 自然 現象

。② 陰暦 の二 十四 気︵ 前述

。︶

③万 物を 生育 する 天地 の精

。天 地に みな ぎっ てい る元 気。

④空 気。 大気

。⑤ 雲、 霧、 煙な どの よう に、 上昇 する 気体

。⑥ その もの 特有 の味 わい

。か おり

。香 気。

︹二

︺生 命、

精神

、心 の動 きな どに つい てい う。 自然 の気 と関 係が ある と考 えら れて いた

。① いき

。呼 吸。

②精 気。 生活 力。

③ 心の はた らき

。意 識。

④精 神の 傾向

。気 だて

。気 ごこ ろ。

⑤緊 張し た、 さか んな 精神

。気 力。 気勢

。⑥ 何事 かを し よう とす る心 のは たら き。 つも り。 考え

。意 志。

⑦あ れこ れと 考え る心

。心 配。

⑧感 情。 気持

。気 分。

⑨興 味。 関 心。 また

、人 を恋 い慕 う気 持。

⑩十 分に はっ きり とは しな いが

、そ うで はな いか と思 う考 え︵ 気が する

。︶ 以上

、 その 使い 分け が困 難な ほど 多義 的で ある

。一 般に 使わ れて いる 用例 をあ げて みよ うと 思っ たが

、そ の数

、何 と一 五

〇弱 とい うの には 開い た口 がふ さが らな い思 い。

とこ ろで

︵以 下、 赤塚 行雄

﹃﹁ 気﹂ の文 化論

﹄一 九九

〇年 の助 力を えた

︶、

は どう 違う のか

。﹁ 気は 心か ら﹂ とい う。 つま り、

は 内に 閉ざ され てい るが

は外 に向 かっ て動 いて いる さま であ る。 内な る

に よっ て外 に現 れる とい えば 判り 易い かも しれ ない

。だ から

、﹁ 人の 間﹂ では

﹁気 を使 う﹂ が、 心ま では ふみ こま ない

︵あ るい はふ みこ めな い︶

。外 に現 れる から

、そ の具 合︵ 味︶ が判 り、

﹁気 味が 悪い

﹂な どと いう

﹁気 心が 知れ ない

﹂と いう

。こ れは 気と 心が 合っ てい そう もな く判 らな いの 意で あろ う。

﹁虫 が好 かな い﹂

﹁虫 が おさ まら ぬ﹂ も﹁ 気に くわ ない

﹂の 代り だろ うが

、気 の中 味が 判ら なく て、 虫に 代り をさ せた のだ ろう

。 仲間 には

﹁気 がと がめ る﹂ こと はせ ず、 特に

﹁気 の合 う﹂ 者と は﹁ 気分 よく

﹂﹁ 気の すむ

﹂ま で語 り合 うと いう ふう に、 気が 入っ てい なけ れば

、﹁ その 気﹂ にな れず

、気 がく じけ れば

、気 が滅 入っ てし まう

。相 手は 気を 損じ

、 気が 害さ れる

を めぐ る用 法は 無尽 蔵と いい たい くら いだ

。日 本人 なら 判る が、 これ らの 言葉 の外 国語 訳は 不可 能で あろ う。 そこ には

、心 理と か論 理で は考 えら れな い微 妙な ニュ アン スを 含ん だ日 本人 の心 的情 況が 存在 する よう であ る。 もっ とも

﹁気 がな い﹂ とか

﹁気 を引 く﹂ とい うと きは

関心

の こと であ り、

﹁気 まず い﹂ とか

﹁気 を悪 くす る﹂ は

感情

の こと であ り、 外国 語訳 は可 能で ある だろ う。

ドキュメント内 法 文 化 論 序 説 ︵ 三 ︶ (ページ 94-97)

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