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図 情報提示手法としての比較
情報量,一度に伝達可能な人数,情報提示の安定性,情報を受け取る側の運動,という視点から評価 したものが図である.
67のテレビなどの空間的効率化がなされていない情報提示手法は,一度に多くの情報を再現性よ く提示可能である.このようなディスプレイでは,必ず伝達しなければならない情報を提示する手段 としては優れている.しかし,必要とされる空間的リソースやエネルギーは多くなってしまう.6'7 の光点列の移動による情報提示手法は,光点列 列で再現性を持って情報提示可能であるが,必ず駆 動部を必要とする.そして,エネルギー消費は少なくなるものの,提示に必要な空間的自体は,提示 したい像と同じ大きさの空間が必要となる.眼球運動(サッカード)を利用した情報提示手法は,光 源の点滅の時間変化を空間的な広がりに変換することが可能であり,空間的リソース,エネルギーと も効率よく利用することができる.しかし,一度に提示できる情報量は他の手法に比べると少なく,
情報提示の再現性は低い.運動知覚を利用したディスプレイは少ない空間的リソース,エネルギーで 情報提示が可能であり,サッカードを利用した情報提示手法に比べれば,提示可能な情報量が多く,
情報提示の安定性は高い.このように,情報提示手法によってその利点・欠点は異なっており,提示 したい情報の質,情報量によって提示手法を選ぶことができる.また,人間の知覚特性を利用してい る6$7や67の情報提示手法は章,章後半で述べたような,これまでにない,新たな応用も考え られる.
本論文のまとめ
視覚情報提示において,情報を時分割で提示するという手法は,様々なディスプレイで採用され ている.図67で示したような光源が高速運動するデバイスだけではなく,:/ディスプレイの 走査線や;)マトリックスのダイナミック点灯等,幅広い範囲で利用されている.さらに,人間の眼
球運動や運動知覚を利用して,時分割情報提示を行った図6'7(サッカードを利用した情報提示)
や図6$7(スリット視を利用した情報提示)も提案されている.
これまで,時分割視覚情報提示における基本原理は図67中段の時空間図のように,直交する時 間・空間軸を前提として考えられてきた.光源自体が高速運動して次元情報を提示する場合,光源 は時間とともに点滅パターンを変化させながら時空間上を斜めに移動する.そして,ある一定時間内 に提示された光点群は,それらを空間軸に射影したものと同等の視覚情報して知覚される.しかし,
時間・空間を直交する軸として考え,その上で光源情報の移動を考えるというモデルは,人間自身の 眼球運動や運動知覚が生じているときには,知覚像を正しく説明できない(図6'76$7中段の時空 間図).人間自身の眼球運動や運動知覚が生じているときには,根本的な時空間の構成原理から考え 直す必要がある.そこで,本論文では眼球運動時,運動知覚時の時空間統合知覚特性がどのように変 化するのかを調べ,その視覚情報提示ディスプレイの設計指針を示した.
本論文章,章,章においては,自身の眼球運動時の時空間特性を調べるために,サッカード を利用した情報提示を取り上げ,その時空間知覚特性を調べた.章においては,知覚像の空間特性
(定位位置・形態)に関して述べた.章の結果は,サッカード時にある時間幅を持って提示された光 点刺激は,刺激間の形態表象(一点や点列)が網膜像に基づいて形成され,その形態表象をまとめて 定位していることを示唆するものであった.章においては,知覚の時間特性(像の知覚上の持続時 間)について調べた.その結果,サッカードによって生じる残像も固視時に生じる残像と同等の持続 時間を持つことがわかった.そして,章では点滅周期の最適化,眼球運動とあわせた応用の設計指 針を示した.章,章の実験結果から,サッカード時の時空間特性は,図6'7下段の時空間図の ように,時間軸は不変であるものの,空間軸においてはその知覚特性が大きく変化している.その情 報処理機構は形態生成,定位のつのプロセスに分けて考えられ,形態生成時に知覚像は網膜像の約 半分の大きさになる(この原因については様々な説があるが未だ決定的な議論はなされていない).
そして,その形態をまとめて定位が行われ,その際にはある一定の傾向をもって誤定位がなされる.
本論文章においては,運動知覚時の時空間特性を調べるために,スリット視を利用した情報提示 を取り上げ,その時空間特性を調べた.スリットを通して運動物体を観察するとき,瞬間瞬間には物 体の一部分しか見えないにも関わらず,知覚される運動情報を利用して形態情報を再構成している.
この知覚自体は眼球静止時においても生じている.そのため,図6$7中段の網膜上の時空間図で考 える限り,この形態知覚を説明することは困難である.そこで,章において,運動知覚時の物体属 性情報の統合メカニズムについて調べ,その応用例を示した.章の実験結果は,物体の属性は,網 膜上の同じ位置ではなく,運動軌道上で統合されるということを示唆するものであった.運動知覚時 には,同じ場所に継時的に提示された光源情報を,知覚された運動軌道上に展開することによって,
形態の再構成,色の統合を行っていると考えられる.つまり,運動知覚には,図6$7下段の時空間 図のように,基準となる軸が運動方向に変換されたという解釈が可能である.
眼球運動時,運動知覚時に基準となる時空間は,そのときの眼球運動や運動物体の運動情報によっ て修飾され,変化する.つまり,自身もしくは知覚している物体の「運動情報」が「時空間」を変化 させていると考えられる.この考えは図67に対しても適用可能であり,図67において運動 が知覚されないということは,そこにいるという運動信号,時空間図で考えるところの垂直方向の運 動信号を持っており,その方向に対して時空間が修飾されている(変化しないという修飾)と考える こともできる(図67下段の時空間図).
以上,本論文においては,眼球運動時(図6'7),運動知覚時(図6$7)の時空間知覚特性の 変化について調べ,そのメカニズムについて考察した.そして,その知覚特性を利用した視覚情報提 示手法の設計指針を示した.
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図 本論文において議論した内容
参考文献
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0 1 村上 龍3 人生における成功者の定義と条件 A*@出版 67
0 1 後藤 繁雄3 僕たちは編集しながら生きている 中央公論新社 67
0 1 西垣 通3 基礎情報学 生命から社会へ A//出版 67
0 1 ゲオルク・クニール アルミン・ナセヒ3 ルーマン社会システム理論 新泉社6 7
0 1 レジス・ドブレ3 メディオロジー入門 A//出版 67
0 1 映像情報メディア学会 編3 電子情報ディスプレイハンドブック 培風館6 7
0 1 オーム社 編3 C"!!-光シリーズ A!光ディスプレイ オーム社 67
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