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ここがポイント
国 語説明的な文章
4
Point!
次の文章を読んで︑あとの問いに答えなさい︒
自分の好きなことをしたい︒自分のものは自分で選びたい︒それは誰もが望ん
でいることだろう︒他者に関係したり︑あまりにも費用がかかったり︑そんなに
大きな望みは無理にしても︑小さな身の回りの自由ならば︑普通にみんなが持っ
ているものだと考えている人は多いと思う︒でも︑はたしてそうだろうか?
自分が着る洋服は︑自分の好みで選ぶ︒他者から﹁これしか着てはいけない﹂
と命じられるようなことはまれだ︒会社や学校などで制服が指定されている場合
はあるけれど︑それ以外ではまず考えられない︒ちなみに︑僕が中学生だったこ
ろには︑多くの生徒が学校の制服に反対をしていた︒生徒会が制服を廃止する決
議をして︑先生たちに訴えたこともある︒
それに比べると︑今の若者たちは︑当時よりもずっと自由になったからなのか︑
こういった自由への運動というものが表面化することはまずない︒a逆に︑
﹁支配﹂を求めているようにさえ感じることがある︒最近の中学生たちを見ると︑
日曜日でも制服を着ているし︑それどころかみんなが﹁同じように﹂着こなして
いる︒僕からすると︑それが不思議でしかたがない︒まあ︑でも︑これも自由な
のだから︑文句をいう筋合いではないだろう︒
流行というものがあって︑大勢の人たちがそれを気にして︑できるかぎり従お
うとしている︒自分の着るものくらい自由に選びたくないのだろうか? どうし
て流行に左右されるのだろう? どちらでも良いことではあるけれど︑こんなさ
さやかな部分にも︑自由を考えるための好例がある︒
洋服を着ているのは自分だけれど︑それを見るのは自分ではない︒鏡を眺めた
とき以外は︑自分で自分の姿は見ることができない︒b︑他人にどう見られ
たいのか︑ということがファッションの主たる動機といえる︒だから︑自分が着
たいものを素直に着る︑というわけにもいかないのが実情なのだろう︒
しかしそれでも︑もう少し個性的な選択があるように思える︒流行を取り入れ
ることは︑つまりは考えなくて良い︑手軽な安心の選択なのだ︒それに従ってい
説明的な文章の読み方
▼
主題
︵ 何について書かれた文章か
︶ を読みとる
・全文を通して読み
︑ おおまかな内容をつかむ
︒
▼
指示語や接続語に注意して
︑ 文脈を正しくたどる
・
指示語 が示している内容を正確にとらえる
︒
・
接続語 に注意し
︑ 文の前後関係や文章の流れをつかむ
︒
▼
語句や表現を理解する
・語句は
︑ 辞書の意味だけでなく
︑ 文中での意味
をとらえる
︒
・ くり返し使われている重要な語句
や︑
同じ内容をちがう表現に言 いかえた部分
などに注意しながら
︑ 細かい点を読みとる
︒
▼
引用や具体例など
︑ 主張や説明の根拠となる部分を読みとる
・ 取り上げられた
事実や例の内容
を理解し
︑ それに対して筆者がど のような
意見 を持っているかをとらえる
︒
▼
段落や構成をとらえる
・全体の
構成
︵ 序論・本論・結論/起承転結
︶ をつかむ
︒
・ 各段落のはたらき
や
筆者の主張
などをとらえ
︑ 段落相互の関係
を
考える
︒
・
中心となる段落
を見つけ
︑ ポイントとなる文や語句をおさえる
︒
▼
要旨
︵ 筆者が最も言いたいことのまとめ
︶ をつかむ
・ 全体の
結論 となっている段落を見つけ
︑ その中の
中心的な文や表
現
をおさえる
︒
正解数
/
10
基 本 問 題
解答P.
48
⇩
別冊
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国 語 も︑将来の誰か︵自分も含まれる︶に向けてメッセージを残したい場合もある︒ だから︑他者の影響をすべて排除しろ︑といっているのではない︒知らず知ら
ずに流されていないか︑他人の目を気にするあまり︑自分が本当に好きなものを
見失っていないか︑と自問することで︑cを獲得することができる︑という
話だ︒
︵森 博嗣﹃自由をつくる 自在に生きる﹄集英社新書による︶
⑴ 本文中のa︑bには︑どのような言葉が入りますか︒最も適切な組
み合わせを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア a やはり b または
イ a あるいは b しかし
ウ a むしろ b つまり
エ a おそらく b そして
⑵ ﹁ ①緩やかな﹃支配﹄に甘んじている﹂とありますが︑これはどういうことですか︒
最も適切なものを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア 行動を規制されているわけではないので︑流行に左右されにくいものを選
択していること︒
イ 他者から命じられているわけではないのに︑知らず知らず流行に自らを合
わせていること︒
ウ 流行を一方的に押しつけられることで︑常に他人の目を気にして行動する
ようになること︒
エ 定められた規則に従って行動していくために︑意識的に流行を取り入れる
ようになること︒ れば︑誰かに文句を言われないで済む︑という ①緩やかな﹁支配﹂に甘んじている
といえる︒
これに似たことが︑インターネットで大いに普及したブログにも観察される︒
あれは基本的に自由になんでも書いて良いはずのものだけれど︑もちろん実情は
そうではない︒人目を気にしなければならない︒そこが従来の日記とはまったく
異なっている︒
本当は誰も読んでいないかもしれない︵その可能性が非常に高い︶のに︑仮想
の大勢の読者を想定して︵自分の行為が注目されているものと妄想して︶︑ブロ
グを書く人は多いだろう︒そういう心理がよく表れている文章が散見される︒
本来︑自分の時間は自分のためにある︒何をするかは自由なはずだ︒しかし︑
ブログを書くことが日常になると︑ついブログに書けることを生活の中に探して
しまう︒人が驚くようなものを探している︒写真に撮って人に見せられるものを
見つけようとしている︒たとえば︑一年かけてじっくりと考えるようなもの︑十
年かけなければ作れないようなもの︑そういった大問題や大作ではなく︑今日一
日で成果が現れるような手近な行為を選択するようになるのだ︒知らず知らず︑
ブログに書きやすい毎日を過ごすことになる︒
これは︑﹁支配﹂以外のなにものでもない︒人の目を気にし︑日々のレポート
に追われるあまり︑ ②自分の可能性を小さくする危険がある︒充分に気をつけた方
が良いだろう︒そういう人は︑ためしにブログを一カ月くらい休むと良いかもし
れない︒人に見せない︑というだけで︑自分が選ぶものが変わってくる︒
誰にも見せない︑誰にも話さない︑としたら︑あなたは何を選ぶ? 自分のた
めに選べるだろうか︒自分が本当に欲しいもの︑自分が本当に好きなものは何か︑
と考えることになるはずだ︒ものを買うとき︑選ぶとき︑他者からどう思われる
かを判断基準にしている︑少なくとも︑その基準が大半を占めていることに気づ
くはずだ︒
ある程度はしかたがないこととはいえ︑他人の目を気にしすぎると︑いつか虚
しくなるときが来るだろう︒何のために自分は生きているのか︒他人のためでは
ない︑自分のためではないのか︑と⁝⁝︒
もちろん︑これも程度の問題ではある︒人間は︑孤島に一人で生きているわけ
ではない︒また︑たとえ今は誰にも会いたくないという孤独を愛する人であって
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国 語
次の文章を読んで︑あとの問いに答えなさい︒
コミュニケーションとは︑﹁言葉抜きの理解﹂ではない︒あくまで﹁言葉を経
た理解﹂である︒改めてこういわれると︑﹁当たり前のことじゃないか﹂という
気になるかもしれない︒a実際には︑このあたりを誤解し︑﹁フィーリング
で自分のことを一瞬にしてわかってもらうことこそがコミュニケーション﹂と
思っている人が少なくない︒また︑たとえ言葉を介しての理解を試みたとしても︑
それが少しでもすれ違いを起こすと︑﹁あ︑嫌われた﹂とその時点でコミュニケー
ションをあきらめる人も多い︒
b︑なぜ彼らは﹁コミュニケーションは言葉抜きの直観的な理解﹂と思っ
てしまうのだろう︒ その理由の一つに︑最近の社会を覆う﹁ ①
感情優位﹂の思考
パターンがある︒これは世代にかぎらないものだが︑物事を決めるとき︑客観的・
冷静な判断ができず︑﹁かわいい﹂﹁かわいそう﹂﹁なんとなく好き﹂といった理
由で決定する傾向があるのだ︒さらにこれは︑日本だけの問題でもなく︑国際的
な世論調査でも︑﹁分析や理屈﹂より﹁感情﹂が人びとの意識を決定していると
指摘されている︒このように︑社会が﹁感情優位﹂で動くようになっている昨今
だが︑人びとがもっとも気にしているのは︑じつは﹁私はこれが好きか︑嫌いか﹂
ではなく︑﹁周りの人たちはこれが好きか︑嫌いか﹂なのである︒
こう考えると︑﹁感情優位の社会﹂とはいえ︑そこで優先されている﹁感情﹂は︑
自分自身のものですらなく︑周りの人や世間の人の ②それであることがわかってく
る︒﹁みんなはどう感じているのか?﹂﹁世間の風向きは変わっていないか?﹂と
いうことに戦々恐々としながら︑私たちは日々の生活を送っているのである︒
この﹁腹の探り合い﹂が︑従来︑考えられていたコミュニケーションからほど
遠いものであることは︑いうまでもない︒しかし︑この﹁感情の探り合い﹂にお
いては︑はっきり口にされたり︑文字に書き表されたりする言葉より︑相手の表
情︑文書の文体︑あるいは絵文字などの記号の多少などがより重要な手がかりと
なる︒ 相手が﹁私もそう思います﹂と口にしながらも︑あまりうれしそうでない表情
をしたら︑﹁あ︑この人は気に入らないな﹂と︑表情のほうをメッセージとして
重要視する︒﹁それはいいですね﹂とメールに書かれていても︑そのあとに﹁!﹂マー ⑶ ﹁ ②自分の可能性を小さくする危険がある﹂とありますが︑この﹁危険﹂を避
け︑﹁自分の可能性﹂を広げるためには︑どのようなことをすればいいですか︒
本文全体の内容をふまえ︑﹁選択﹂という言葉を用いて︑六十字以上七十字以
内で書きなさい︒
⑷ 本文中のcには︑どのような言葉が入りますか︒あてはまる言葉を︑本
文中から漢字二字で抜き出して書きなさい︒
⑸ 本文の説明として最も適切なものを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書き
なさい︒
ア まずは筆者の考えを提示し︑その根拠として二つの具体例を読み手に示す
ことで︑説得力のある解決策へと導いている︒
イ 最初に論点を明確に整理し︑二つの具体例で読み手に異なる立場を示しな
がら︑最終的に一方を結論として示している︒
ウ 読み手が理解しやすい身近な具体例をまず提示し︑その二つに共通する考
えを根拠として︑筆者の考えを提案している︒
エ 当然と思われていることに疑問を投げかけ︑具体的な例を二つあげて問題
を明らかにした上で︑解決策を提示している︒
60 70
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国 語 ⑵ ﹁ ①﹃感情優位﹄の思考パターン﹂とありますが︑その説明として最も適切なもの
を︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア 自分の気持ちを言葉に出すことを優先する思考パターン
イ 物事を決めるときに︑客観的・冷静な判断を下す思考パターン
ウ 他者の考えよりも︑自分の考えを優先する思考パターン
エ 分析や理屈よりも︑感情で物事を判断する思考パターン
⑶ ﹁ ②それ﹂の指している言葉を︑本文中から抜き出して書きなさい︒
⑷ ﹁ ③相手が発する非言語的なサインや記号﹂とありますが︑その説明として適
切でないものを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア 文字に書き表された言葉
イ 顔文字や絵文字
ウ 服装や髪型
エ 表情や声
⑸ 本文を読んだあとに︑四人の生徒が意見を述べました︒筆者の考えと一致す
る意見として最も適切なものを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア ︵生徒A︶コミュニケーションでは相手への信頼が一番重要だよ︒それさえ
あれば︑言葉の行き違いはすぐに解消できるんだから︒
イ ︵生徒B︶それよりも︑相手の表情やしぐさをきちんと観察することの方が
大切だと思うな︒そうすれば相手の考えも理解できるし︒
ウ ︵生徒C︶だけどまず最初にするべきことは︑言葉で自分の意思や考えを伝
える努力のはずだよ︒
エ ︵生徒D︶そうかな︑自分の意見は必要だけど︑それよりも相手の気持ちや
考えを優先しないとコミュニケーションは成立しないよ︒ クがなければ︑﹁ああ︑それほど喜んでいないんだ﹂と否定的に受け取る︒コミュ
ニケーションで何より重要であったはずの﹁言葉﹂が︑信頼性を失いつつあるのだ︒
そうはいっても︑﹁言葉﹂を信頼せずに︑ ③相手が発する非言語的なサインや
記号に過剰に注意を払い︑﹁この人はいまどう感じているのだろう?﹂と当て
ようとするゲームがコミュニケーションのあるべき姿だとは︑とても思えない︒
c︑行き違って対立があったとしても︑あくまで感情ではなく﹁言葉﹂によっ
て意思や思考を伝え︑ギリギリまで理屈で理解しようとする︑そんなコミュニケー
ションの基本をもう一度︑思い出してみるべきだ︒
その際︑必要なのは︑﹁私はこう感じる﹂︑さらには﹁私はこう考える﹂という
自分の意思や意見をはっきりさせることであるのは︑いうまでもない︒そして﹁言
葉﹂﹁自分﹂﹁未来や社会﹂を︑ガッチリとでなくていいから︑それとなく信頼し
てみる︒コミュニケーションはそこから始まるのではないだろうか︒
︵香山リカ﹃貧乏クジ世代 この時代に生まれて損をした
!?﹄
PHP新書による 一部省略等あり︶
︵注︶戦々恐々⁝おそれて︑びくびくすること︒
⑴ 本文中のa〜cには︑どのような言葉が入りますか︒最も適切な組
み合わせを︑次のア〜エから一つ選び︑記号を書きなさい︒
ア a けれども b もしも c たしかに
イ a しかし b では c たとえ
ウ a おそらく b やはり c しかし
エ a そして b そのため c もしも