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PDF 説明的な文章 - 教英出版

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Academic year: 2024

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全文

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− 7 −

ここがポイント

国 

説明的な文章

4

Point!

   次の文章を読んで︑あとの問いに答えなさい︒

  自分の好きなことをしたい︒自分のものは自分で選びたい︒それは誰もが望ん

でいることだろう︒他者に関係したり︑あまりにも費用がかかったり︑そんなに

大きな望みは無理にしても︑小さな身の回りの自由ならば︑普通にみんなが持っ

ているものだと考えている人は多いと思う︒でも︑はたしてそうだろうか?

  自分が着る洋服は︑自分の好みで選ぶ︒他者から﹁これしか着てはいけない﹂

と命じられるようなことはまれだ︒会社や学校などで制服が指定されている場合

はあるけれど︑それ以外ではまず考えられない︒ちなみに︑僕が中学生だったこ

ろには︑多くの生徒が学校の制服に反対をしていた︒生徒会が制服を廃止する決

議をして︑先生たちに訴えたこともある︒

  それに比べると︑今の若者たちは︑当時よりもずっと自由になったからなのか︑

こういった自由への運動というものが表面化することはまずない︒a逆に︑

﹁支配﹂を求めているようにさえ感じることがある︒最近の中学生たちを見ると︑

日曜日でも制服を着ているし︑それどころかみんなが﹁同じように﹂着こなして

いる︒僕からすると︑それが不思議でしかたがない︒まあ︑でも︑これも自由な

のだから︑文句をいう筋合いではないだろう︒

  流行というものがあって︑大勢の人たちがそれを気にして︑できるかぎり従お

うとしている︒自分の着るものくらい自由に選びたくないのだろうか?  どうし

て流行に左右されるのだろう?  どちらでも良いことではあるけれど︑こんなさ

さやかな部分にも︑自由を考えるための好例がある︒

  洋服を着ているのは自分だけれど︑それを見るのは自分ではない︒鏡を眺めた

とき以外は︑自分で自分の姿は見ることができない︒b︑他人にどう見られ

たいのか︑ということがファッションの主たる動機といえる︒だから︑自分が着

たいものを素直に着る︑というわけにもいかないのが実情なのだろう︒

  しかしそれでも︑もう少し個性的な選択があるように思える︒流行を取り入れ

ることは︑つまりは考えなくて良い︑手軽な安心の選択なのだ︒それに従ってい

説明的な文章の読み方

主題

何について書かれた文章か

を読みとる   

・全文を通して読み

︑ おおまかな内容をつかむ

指示語や接続語に注意して

文脈を正しくたどる   

指示語 が示している内容を正確にとらえる

︒   

接続語 に注意し

︑ 文の前後関係や文章の流れをつかむ

語句や表現を理解する   

・語句は

︑ 辞書の意味だけでなく

文中での意味

をとらえる

︒   

・  くり返し使われている重要な語句

や︑

同じ内容をちがう表現に言 いかえた部分

などに注意しながら

︑ 細かい点を読みとる

引用や具体例など

主張や説明の根拠となる部分を読みとる   

・ 取り上げられた

事実や例の内容

を理解し

︑ それに対して筆者がど のような

意見 を持っているかをとらえる

段落や構成をとらえる   

・全体の

構成

︵ 序論・本論・結論/起承転結

︶ をつかむ

︒   

・  各段落のはたらき

筆者の主張

などをとらえ

段落相互の関係

考える

︒   

中心となる段落

を見つけ

︑ ポイントとなる文や語句をおさえる

要旨

筆者が最も言いたいことのまとめ

をつかむ   

・  全体の

結論 となっている段落を見つけ

︑ その中の

中心的な文や表

をおさえる

正解数

10

基 本 問 題

解答

P.

48

別冊

(2)

− 8 −

国  も︑将来の誰か︵自分も含まれる︶に向けてメッセージを残したい場合もある︒  だから︑他者の影響をすべて排除しろ︑といっているのではない︒知らず知ら

ずに流されていないか︑他人の目を気にするあまり︑自分が本当に好きなものを

見失っていないか︑と自問することで︑cを獲得することができる︑という

話だ︒

︵森  博嗣﹃自由をつくる  自在に生きる﹄集英社新書による︶

⑴   本文中のa︑bには︑どのような言葉が入りますか︒最も適切な組

み合わせを︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

  a やはり    b または

  a あるいは   b しかし

  a むしろ    b つまり

  a おそらく   b そして

⑵   ﹁ 緩やかな﹃支配﹄に甘んじている﹂とありますが︑これはどういうことですか︒

最も適切なものを︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

   行動を規制されているわけではないので︑流行に左右されにくいものを選

択していること︒

   他者から命じられているわけではないのに︑知らず知らず流行に自らを合

わせていること︒

  流行を一方的に押しつけられることで︑常に他人の目を気にして行動する

ようになること︒

  定められた規則に従って行動していくために︑意識的に流行を取り入れる

ようになること︒ れば︑誰かに文句を言われないで済む︑という 緩やかな﹁支配﹂に甘んじている

といえる︒

  これに似たことが︑インターネットで大いに普及したブログにも観察される︒

あれは基本的に自由になんでも書いて良いはずのものだけれど︑もちろん実情は

そうではない︒人目を気にしなければならない︒そこが従来の日記とはまったく

異なっている︒

  本当は誰も読んでいないかもしれない︵その可能性が非常に高い︶のに︑仮想

の大勢の読者を想定して︵自分の行為が注目されているものと妄想して︶︑ブロ

グを書く人は多いだろう︒そういう心理がよく表れている文章が散見される︒

  本来︑自分の時間は自分のためにある︒何をするかは自由なはずだ︒しかし︑

ブログを書くことが日常になると︑ついブログに書けることを生活の中に探して

しまう︒人が驚くようなものを探している︒写真に撮って人に見せられるものを

見つけようとしている︒たとえば︑一年かけてじっくりと考えるようなもの︑十

年かけなければ作れないようなもの︑そういった大問題や大作ではなく︑今日一

日で成果が現れるような手近な行為を選択するようになるのだ︒知らず知らず︑

ブログに書きやすい毎日を過ごすことになる︒

  これは︑﹁支配﹂以外のなにものでもない︒人の目を気にし︑日々のレポート

に追われるあまり︑ 自分の可能性を小さくする危険がある︒充分に気をつけた方

が良いだろう︒そういう人は︑ためしにブログを一カ月くらい休むと良いかもし

れない︒人に見せない︑というだけで︑自分が選ぶものが変わってくる︒

  誰にも見せない︑誰にも話さない︑としたら︑あなたは何を選ぶ?  自分のた

めに選べるだろうか︒自分が本当に欲しいもの︑自分が本当に好きなものは何か︑

と考えることになるはずだ︒ものを買うとき︑選ぶとき︑他者からどう思われる

かを判断基準にしている︑少なくとも︑その基準が大半を占めていることに気づ

くはずだ︒

  ある程度はしかたがないこととはいえ︑他人の目を気にしすぎると︑いつか虚

しくなるときが来るだろう︒何のために自分は生きているのか︒他人のためでは

ない︑自分のためではないのか︑と⁝⁝︒

  もちろん︑これも程度の問題ではある︒人間は︑孤島に一人で生きているわけ

ではない︒また︑たとえ今は誰にも会いたくないという孤独を愛する人であって

(3)

− 9 −

国 

   次の文章を読んで︑あとの問いに答えなさい︒

  コミュニケーションとは︑﹁言葉抜きの理解﹂ではない︒あくまで﹁言葉を経

た理解﹂である︒改めてこういわれると︑﹁当たり前のことじゃないか﹂という

気になるかもしれない︒a実際には︑このあたりを誤解し︑﹁フィーリング

で自分のことを一瞬にしてわかってもらうことこそがコミュニケーション﹂と

思っている人が少なくない︒また︑たとえ言葉を介しての理解を試みたとしても︑

それが少しでもすれ違いを起こすと︑﹁あ︑嫌われた﹂とその時点でコミュニケー

ションをあきらめる人も多い︒

  b︑なぜ彼らは﹁コミュニケーションは言葉抜きの直観的な理解﹂と思っ

てしまうのだろう︒ その理由の一つに︑最近の社会を覆う﹁

感情優位﹂の思考

パターンがある︒これは世代にかぎらないものだが︑物事を決めるとき︑客観的・

冷静な判断ができず︑﹁かわいい﹂﹁かわいそう﹂﹁なんとなく好き﹂といった理

由で決定する傾向があるのだ︒さらにこれは︑日本だけの問題でもなく︑国際的

な世論調査でも︑﹁分析や理屈﹂より﹁感情﹂が人びとの意識を決定していると

指摘されている︒このように︑社会が﹁感情優位﹂で動くようになっている昨今

だが︑人びとがもっとも気にしているのは︑じつは﹁私はこれが好きか︑嫌いか﹂

ではなく︑﹁周りの人たちはこれが好きか︑嫌いか﹂なのである︒

  こう考えると︑﹁感情優位の社会﹂とはいえ︑そこで優先されている﹁感情﹂は︑

自分自身のものですらなく︑周りの人や世間の人の それであることがわかってく

る︒﹁みんなはどう感じているのか?﹂﹁世間の風向きは変わっていないか?﹂と

いうことに戦々恐々としながら︑私たちは日々の生活を送っているのである︒

  この﹁腹の探り合い﹂が︑従来︑考えられていたコミュニケーションからほど

遠いものであることは︑いうまでもない︒しかし︑この﹁感情の探り合い﹂にお

いては︑はっきり口にされたり︑文字に書き表されたりする言葉より︑相手の表

情︑文書の文体︑あるいは絵文字などの記号の多少などがより重要な手がかりと

なる︒  相手が﹁私もそう思います﹂と口にしながらも︑あまりうれしそうでない表情

をしたら︑﹁あ︑この人は気に入らないな﹂と︑表情のほうをメッセージとして

重要視する︒﹁それはいいですね﹂とメールに書かれていても︑そのあとに﹁!﹂マー ⑶ ﹁ 自分の可能性を小さくする危険がある﹂とありますが︑この﹁危険﹂を避

け︑﹁自分の可能性﹂を広げるためには︑どのようなことをすればいいですか︒

本文全体の内容をふまえ︑﹁選択﹂という言葉を用いて︑六十字以上七十字以

内で書きなさい︒

⑷ 本文中のcには︑どのような言葉が入りますか︒あてはまる言葉を︑本

文中から漢字二字で抜き出して書きなさい︒

⑸ 本文の説明として最も適切なものを︑次のから一つ選び︑記号を書き

なさい︒

  まずは筆者の考えを提示し︑その根拠として二つの具体例を読み手に示す

ことで︑説得力のある解決策へと導いている︒

  最初に論点を明確に整理し︑二つの具体例で読み手に異なる立場を示しな

がら︑最終的に一方を結論として示している︒

  読み手が理解しやすい身近な具体例をまず提示し︑その二つに共通する考

えを根拠として︑筆者の考えを提案している︒

  当然と思われていることに疑問を投げかけ︑具体的な例を二つあげて問題

を明らかにした上で︑解決策を提示している︒

60 70

(4)

− 10 −

国  ⑵ ﹁ ﹃感情優位﹄の思考パターン﹂とありますが︑その説明として最も適切なもの

を︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

  自分の気持ちを言葉に出すことを優先する思考パターン

  物事を決めるときに︑客観的・冷静な判断を下す思考パターン

  他者の考えよりも︑自分の考えを優先する思考パターン

  分析や理屈よりも︑感情で物事を判断する思考パターン

⑶ ﹁ それ﹂の指している言葉を︑本文中から抜き出して書きなさい︒

⑷ ﹁ 相手が発する非言語的なサインや記号﹂とありますが︑その説明として適

切でないものを︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

  文字に書き表された言葉

  顔文字や絵文字

  服装や髪型

  表情や声

⑸ 本文を読んだあとに︑四人の生徒が意見を述べました︒筆者の考えと一致す

る意見として最も適切なものを︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

  ︵生徒A︶コミュニケーションでは相手への信頼が一番重要だよ︒それさえ

あれば︑言葉の行き違いはすぐに解消できるんだから︒

  ︵生徒B︶それよりも︑相手の表情やしぐさをきちんと観察することの方が

大切だと思うな︒そうすれば相手の考えも理解できるし︒

 ︵生徒C︶だけどまず最初にするべきことは︑言葉で自分の意思や考えを伝

える努力のはずだよ︒

 ︵生徒D︶そうかな︑自分の意見は必要だけど︑それよりも相手の気持ちや

考えを優先しないとコミュニケーションは成立しないよ︒ クがなければ︑﹁ああ︑それほど喜んでいないんだ﹂と否定的に受け取る︒コミュ

ニケーションで何より重要であったはずの﹁言葉﹂が︑信頼性を失いつつあるのだ︒

  そうはいっても︑﹁言葉﹂を信頼せずに︑ 相手が発する非言語的なサインや

記号に過剰に注意を払い︑﹁この人はいまどう感じているのだろう?﹂と当て

ようとするゲームがコミュニケーションのあるべき姿だとは︑とても思えない︒

c︑行き違って対立があったとしても︑あくまで感情ではなく﹁言葉﹂によっ

て意思や思考を伝え︑ギリギリまで理屈で理解しようとする︑そんなコミュニケー

ションの基本をもう一度︑思い出してみるべきだ︒

  その際︑必要なのは︑﹁私はこう感じる﹂︑さらには﹁私はこう考える﹂という

自分の意思や意見をはっきりさせることであるのは︑いうまでもない︒そして﹁言

葉﹂﹁自分﹂﹁未来や社会﹂を︑ガッチリとでなくていいから︑それとなく信頼し

てみる︒コミュニケーションはそこから始まるのではないだろうか︒

︵香山リカ﹃貧乏クジ世代  この時代に生まれて損をした

!?﹄

PHP新書による  一部省略等あり︶

︵注︶戦々恐々⁝おそれて︑びくびくすること︒

⑴ 本文中のa〜cには︑どのような言葉が入りますか︒最も適切な組

み合わせを︑次のから一つ選び︑記号を書きなさい︒

  a けれども    b もしも     c たしかに

  a しかし     b では      c たとえ

  a おそらく    b やはり     c しかし

  a そして     b そのため    c もしも

参照

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