自己表現するオーラルコミュニケーション活動
-教職課程におけるタスク設定と個別録画カメラ使用の効果-
東矢 光代
11琉球大学国際地域創造学部 〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地 E-mail: 1 [email protected]
あらまし 2020年度からの次期学習指導要領施行に合わせ、教職課程を設置している大学等では、新課程移行の ための教職再課程認定手続きを行ったが、外国語(英語)においてはコアカリキュラムが導入された。コアカリキ ュラムにおいては、英語学、英語文学、コミュニケーション、異文化理解領域の「教科に関する科目」においても、
中学校・高等学校での教授を前提とした「教えるための専門性」が求められている。本稿では、コアカリキュラム の施行前に実施した学部改組において教職課程の再認定を申請するにあたり、コアカリキュラムの内容を反映させ た科目内容を取り入れた実践とその効果について、「オーラルコミュニケーション」科目を実例として報告・議論す る。この実践においては、CEFR の A2~B1レベルを想定し、次期学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」
を意識したタスク設定を行い、授業の後半で個別録画カメラによる録画を取り入れた。
キーワード 英語コアカリキュラム,オーラルコミュニケーション,主体的・対話的で深い学び, 個別録画カメ ラ,ペア活動
Oral Communication Class in Teaching Licensing Curriculum
- Tasks and Individual Camera Recording for Self-expression Enhancement -
Mitsuyo T OYA
11 Faculty of Global and Regional Studies, University of the Ryukyus
1 Senbaru, Nakagusuku, Okinawa 903-0213 Japan E-mail: 1 [email protected]
Abstract Japanese institutions that hold teaching licensing curriculums were requested to apply for accreditation as to match the new Course of Study implementation scheduled to start in April, 2020. English as a subject received the toughest requirement of all in this process because “core curriculum” was introduced for the first time. With this in mind, we applied for accreditation one year prior to regular application due to a substantial restructuring of faculties on campus. That led us to plan the contents of our teaching licensing courses ahead of time. In this paper, I report the practice of “Oral Communication” class:
how tasks were carefully planned and organized as well as how recording of individual performance with individual camera must have enhanced the students’ self-expression skills in English.
Keywords Core curriculum for teaching licensing course, Oral communication, Active learning, Camera recording, Pair activity
1. 序 論
1.1. 大 学 教 職 課 程 (英 語 )のコアカリキュラム化 平 成 29 年 3 月 末 、 高 等 学 校 を 除 く 次 期 学 習 指 導 要 領 が 告 示 さ れ た[1, 2]。高 等 学 校 の 次 期 学 習 指 導 要 領 も 平 成30年3月 告 示 と な り[3]、こ こ に 平 成 32年(2020 年 )度 か ら の 次 期 学 習 指 導 要 領 の 本 格 施 行 が 開 始 す る 。 学 習 指 導 要 領 は 10年 ご と に 改 訂・告 示 さ れ る が 、次 の 学 習 指 導 要 領 に 向 け て は 、 国 内 外 の 動 向 や 有 識 者 の 提
言 を 踏 ま え 、10年 の 審 議 を 尽 く さ れ 告 示 さ れ る も の で あ る[4, 5]。今 回 告 示 さ れ た 次 期 学 習 指 導 要 領 は 、学 習 内 容 だ け で は な く 、 そ の 学 び 方 に つ い て も 「 ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ 」 と い う 方 向 性 が 示 さ れ て い る 点 で 、 今 ま で の 学 習 指 導 要 領 よ り 踏 み 込 ん だ 内 容 と な っ て い る と い う 指 摘 が あ る[5]。 ま た 今 回 の 改 訂 で 英 語 教 育 は 、 (1)小 学 校 外 国 語 活 動 (5・6 年 生 ) の 教 科 化 、(2)同 外 国 語 活 動 開 始 時 期 の 低 年 齢 化 ( 小 学 3年 生 よ り 開 始 )
と い う 大 き な 変 革 が 実 施 さ れ 、 こ の 学 校 教 育 に お け る 英 語 教 育 開 始 の 低 年 齢 化 に 伴 い 、 中 ・ 高 等 学 校 の 英 語 教 育 の 高 度 化 が 期 待 さ れ て い る 。 教 育 目 標 達 成 の 視 点 か ら は 、特 に「 話 す 」「 書 く 」と い う 発 信 ス キ ル の 育 成 強 化 を 狙 っ た 大 学 入 試 改 革 、 即 ち 外 部 試 験 の 活 用 も 含 め た 入 試 の4技 能 化 が 推 し 進 め ら れ て い る[4]。
こ れ ら の 改 革 に 大 き な 影 響 を 与 え た の が 、 平 成 26 年9月 に 『 英 語 教 育 の 在 り 方 に 関 す る 有 識 者 会 議 』 が 答 申 し た 「 今 後 の 英 語 教 育 の 改 善 ・ 充 実 方 策 に つ い て
~ グ ロ ー バ ル 化 に 対 応 し た 英 語 教 育 改 革 の 5つ の 提 言
~ ( 報 告 )」( 以 下 、5 つ の 提 言 ) で あ る 。 そ の 中 に は 児 童 生 徒 に 対 す る 英 語 教 育 の 改 善 ・ 充 実 プ ラ ン と 同 時 に 、 そ の 教 育 を 担 う べ き 英 語 担 当 教 員 の 養 成 と 研 修 に 関 す る 改 革 に つ い て も 言 及 さ れ て い た[6]。即 ち 次 期 学 習 指 導 要 領 の 実 施 は 、 そ の 実 施 を 担 う 教 員 の 養 成 課 程 の 見 直 し 、 充 実 を 意 味 す る も の で あ っ た 。
こ の よ う な 流 れ の 中 で 、 次 期 学 習 指 導 要 領 の 実 施 に 伴 う 「 教 育 職 員 免 許 法 施 行 規 則 お よ び 免 許 状 更 新 講 習 規 則 の 一 部 を 改 正 す る 省 令( 平 成29年 文 部 科 学 省 令 第 41 号 )」 の 公 布 を 受 け 、 教 員 養 成 を 行 う 大 学 等 で は 、 教 員 の 免 許 状 授 与 の 所 要 資 格 を 得 さ せ る た め の 課 程 認 定 申 請 の 手 続 き を 行 う こ と と な っ た 。2019年4月1日 か ら 実 施 さ れ る 新 課 程 の 中 で 、 中 ・ 高 等 学 校 の 英 語 科 免 許 取 得 の た め の 教 職 課 程 は 「 コ ア カ リ キ ュ ラ ム 」 に よ り 、 網 羅 さ れ る べ き 項 目 を 詳 細 に 規 定 さ れ る こ と に な っ た 。 こ の コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 策 定 に お い て は 、 東 京 学 芸 大 学 が 中 心 と な っ て 一 連 の 調 査 研 究 を 行 い[6]、
そ の 結 果 が2018年4月 を 締 切 と し た 再 課 程 認 定 申 請 手 続 き に 反 映 さ れ た 。 こ の 申 請 に お い て は ま た 、 そ れ ま で 「 英 米 文 学 」 と さ れ て い た 教 科 に 関 す る 科 目 の 領 域 が 、「 英 語 文 学 」 に 拡 大 さ れ 、 世 界 の 英 語 (World Englishes) の 概 念 が 取 り 入 れ ら れ た 。
1.2. 教 科 に関 する科 目 と英 語 力 の育 成
筆 者 の 所 属 す る 大 学 は 教 育 学 部 を 有 す る と と も に 、 他 学 部 に お い て も 中 ・ 高 等 学 校 の 教 員 免 許 が 取 得 で き る 開 放 性 の 教 職 課 程 が 、 複 数 教 科 存 在 す る 。 英 語 科 の 教 員 免 許 に つ い て は 、 教 育 学 部 以 外 に 法 文 学 部 の 英 語 文 化 専 攻 課 程 に お い て 教 員 養 成 を 行 っ て き た 。し か し 、 大 学 の 学 部 改 組 に 伴 い 、英 語 文 化 専 攻 は 平 成 30年 度 か ら 国 際 地 域 創 造 学 部 の 所 属 へ と 移 行 す る こ と に な っ た 。 大 掛 か り な 改 組 で あ っ た た め に 、旧 学 部 の 教 職 課 程( 国 語 、 社 会 、 地 理 歴 史 、 公 民 、 英 語 ) は 全 て が 改 め て 教 職 課 程 認 定 の 手 続 き を 行 う 必 要 に 迫 ら れ た 。 英 語 の コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 動 き は 、 こ の 頃 か ら 本 格 化 し 始 め て い た た め 、 英 語 科 に つ い て は 、 そ の 後 に 控 え た 次 期 学 習 指 導 要 領 施 行 に 伴 う 再 課 程 認 定 に も 可 能 な 限 り 合 致 す る よ う に 提 供 予 定 科 目 の 内 容 を 整 え て い っ た 。
中 ・ 高 等 学 校 の 英 語 科 教 職 課 程 で は 、 教 員 免 許 法 に よ り 、「 教 科 に 関 す る 科 目 」 が 「 英 語 学 」「 英 米 文 学 」
「 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」「 異 文 化 理 解 」の 4領 域 に 分 か れ て お り 、 各 領 域 か ら 最 低 1科 目2単 位 を 含 ん で 20 単 位 以 上 の 取 得 が 必 須 と な る 。た だ し 、開 放 性 の 教 職 課 程 に お い て は よ り 高 い 専 門 性 を 有 す る 教 員 の 育 成 が 期 待 さ れ て い る こ と か ら 、 よ り 幅 広 く 専 門 性 の 高 い
「 教 科 に 関 す る 科 目 」 の 提 供 が 求 め ら れ る こ と が 、 申 請 の 過 程 に お い て 明 ら か に な っ た 。ま た 2015年 に お け る 東 京 学 芸 大 学 の コ ア カ リ キ ュ ラ ム 案 の 策 定 で 、 将 来 中 ・ 高 等 学 校 で 英 語 を 担 当 す る 教 員 の 養 成 に あ た っ て は 、教 科 に 関 す る 科 目 に お い て も 、英 語 学 や 英 米 文 学 、 異 文 化 理 解 の 専 門 性 だ け で は な く 、 教 え る と き の 視 点 を 盛 り 込 む こ と が 望 ま し い と の 方 向 性 が 示 さ れ た 。 そ し て 、4 つ の 領 域 の 中 で 特 に 「 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 は 、 知 識 と し て の 専 門 性 と い う よ り 、 英 語 ス キ ル の 質 の 確 保 と い う 位 置 づ け と な っ て い た 。
コ ア カ リ キ ュ ラ ム 策 定 途 中 の 2015 年 の 段 階 で 、 必 修 と な る 教 科 に 関 す る 科 目 全 体 の 単 位 数 に 対 す る 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 取 得 す べ き 単 位 数 は 、 議 論 の 中 心 で あ っ た[6]。そ れ は 5つ の 提 言 も 含 め 、英 語 を 担 当 す る 英 語 教 員 の 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 に 、 教 職 課 程 が ど の 程 度 責 任 を 持 つ の か 、 と い う 問 い に 直 結 す る か ら で あ っ た 。 特 に 社 会 的 に 要 請 の 高 い 「 ス ピ ー キ ン グ 力 」 を 生 徒 に 身 に 付 け さ せ る た め に 、 現 行 の 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 で の 「 英 語 の 授 業 は 英 語 で 行 な う 」 と い う 原 則 は 、 次 期 学 習 指 導 要 領 に お い て 中 学 校 ま で 拡 大 さ れ た 。 つ ま り 、 次 期 学 習 指 導 要 領 の 下 で 英 語 を 担 当 す る 中 ・ 高 等 学 校 の 教 員 は 、 英 語 で 授 業 を 行 う だ け の 口 頭 英 語 能 力 を 備 え て い る こ と が 前 提 と さ れ る 。 そ の 養 成 と 資 質 の 確 認 は 、 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 領 域 の 教 科 に 関 す る 科 目 に よ り 行 う こ と が 求 め ら れ る の で あ る 。
次 期 学 習 指 導 要 領 実 施 に 伴 う 教 職 再 課 程 認 定 の 手 続 き で 示 さ れ た 、英 語 の コ ア カ リ キ ュ ラ ム に お い て は 、 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 領 域 の 全 体 目 標 が 「 中 学 校 及 び 高 等 学 校 に お い て 、 生 徒 の 理 解 の 程 度 に 応 じ た 英 語 で 授 業 を 行 う た め の 英 語 運 用 能 力 を 身 に 付 け る 。 英 語 運 用 能 力 と し て は CEFR B2レ ベ ル 以 上 を 目 標 と す る 。 ま た 、生 徒 に 対 し て 理 解 可 能 な 言 語 イ ン プ ッ ト を 与 え 、 生 徒 の 理 解 を 確 か め な が ら 英 語 で イ ン タ ラ ク シ ョ ン を 進 め て い く 柔 軟 な 調 整 能 力 を 身 に 付 け る 。」の よ う に 示 さ れ 、こ の 全 体 目 標 に 対 応 す る 到 達 目 標 と し て「 聞 く 」
「 読 む 」「 話 す 」「 書 く 」 と 「 ス キ ル 統 合 」 の 5つ が 挙 げ ら れ た( 後 述 の 表 1参 照 )。筆 者 の 所 属 す る プ ロ グ ラ ム で は 当 領 域 に「 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」「 リ ー デ ィ ン グ 」「 ラ イ テ ィ ン グ 」の 6単 位 を 必 修 と し て 提 供 す る こ と に し た が 、 す で に 開 始 し た 改 組 後 の 教 職 課 程
に お い て 、 こ れ ら の 科 目 は 開 講 さ れ て い る 。
2. 研 究 の 目 的 と 研 究 課 題
本 研 究 で は 、 教 職 課 程 の 枠 組 み で 提 供 さ れ た 、 教 科 に 関 す る 科 目 と し て の「 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 の あ り 方 に つ い て 、 コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 目 標 を 反 映 さ せ た タ ス ク 設 定 へ の 配 慮 と 、 個 別 カ メ ラ の よ う な 機 器 が 授 業 の 目 的 達 成 を ど の よ う に 支 援 す る か に つ い て 考 察 す る 。 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 に 続 き 、 次 期 学 習 指 導 要 領 で は 中 学 校 で も 「 英 語 に よ る 授 業 」 の 実 施 が 明 記 さ れ 、 ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ ( 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び )の 手 法 を 取 り 入 れ る こ と が 求 め ら れ る[2]。そ の 中 で 、 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 授 業 は 、 学 生 が 将 来 教 師 と な っ た と き の モ デ ル で あ る こ と が 、 期 待 さ れ る 。 第 2言 語 習 得 を 促 進 す る 英 語 教 授 法 の 枠 組 み で は 、 ペ ア ワ ー ク 、 グ ル ー プ ワ ー ク は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 と し て 取 り 入 れ ら れ て き た が 、 次 期 指 導 要 領 の 下 で は そ れ ら が 自 己 表 現( リ ア ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ) の 楽 し さ を 実 感 す る 機 会 と な り 得 る も の で あ る 必 要 性 が 、 よ り 高 ま っ た 。 そ の よ う な 背 景 か ら 、 授 業 設 計 者 に は 、 こ れ ら を 意 識 し た 授 業 計 画 が 求 め ら れ る 。
次 期 学 習 指 導 要 領 を 念 頭 に 計 画・実 施 し た オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 授 業 に お い て 、15回 の 授 業 計 画 の 構 成 並 び に タ ス ク 設 定 が 、 受 講 生 の ど の よ う な 反 応 を 引 き 出 し た か に つ い て 、毎 回 Google Formsで 得 た フ ィ ー ド バ ッ ク の 書 き 込 み を 基 に 分 析 を 行 な っ た 。 タ ス ク デ ザ イ ン に お い て は 、 特 に 自 己 表 現 と 他 者 と の か か わ り を 十 分 実 感 で き る よ う に 構 成 し た 。 そ し て 授 業 の 後 半 に お い て 、 会 話 の 様 子 や ス ピ ー チ を 各 自3分 程 度 で 毎 回 録 画 し た 。
3. 研 究 方 法 3.1. 参 加 者
本 研 究 の 参 加 者 は 、2018年 前 期 (4月 ~8月 ) に 専 門 科 目 で あ る 「 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅰ ( 夜 間 主 開 講 )」 に 登 録 し た 、 英 語 専 攻 学 生 2年 次 15名 、1 年 次6名 で あ っ た 。 新 学 部 初 年 度 で あ る た め 、 旧 カ リ キ ュ ラ ム と 新 カ リ キ ュ ラ ム が 並 立 し て お り 、 本 科 目 は 旧 カ リ キ ュ ラ ム で は2年 次 、 新 カ リ キ ュ ラ ム で は 1年 次 の 履 修 科 目 と し て 設 定 さ れ て い た 。 し た が っ て カ リ キ ュ ラ ム 運 営 上 、1年 次 と2年 次 の 合 併 授 業 と し て 実 施 し た 。2年 次 は 最 低 1年 間 、 英 語 専 攻 と し て 大 学 の 授 業 を 受 講 し て お り 、 英 語 に よ る 授 業 に も 慣 れ て い た の に 対 し 、1年 次 は 入 学 と 同 時 に 同 科 目 を 登 録 し て い た た め に 、英 語 に よ る 授 業 の 経 験 に は 個 人 差 が あ っ た 。 一 方 で 、1年 次 は 1学 部1学 科 の 入 学 形 態 と な っ て お り 、 プ ロ グ ラ ム 配 属 前 の 科 目 履 修 で あ る た め 、 極 め て 熱 心 な 学 生 が 登 録 す る 傾 向 で あ っ た 。
3.2. シラバスと授 業 内 容 の設 計
以 下 は15 週 間 ( 週1コ マ90分 ) の 授 業 計 画 で 、 再 課 程 認 定 の 申 請 時 に 提 出 し た シ ラ バ ス 内 容 を 反 映 し て い る 。 な お シ ラ バ ス は 日 本 語 だ が 、 授 業 は す べ て 英 語 で 実 施 す る こ と が 前 提 で あ る 。
【授業計画】
第1回 :「 私 」 に つ い て 話 す ( 偏 愛 マ ッ プ を 活 用 ) 第2回 : 相 手 へ の 質 問 を 考 え る
第3回:映 画 や 動 画 を 見 て 、要 点 を ま と め る 。感 想 を 伝 え る
第4回 : 自 分 の 経 験 を 語 る ① : 英 語 学 習 を 始 め た こ ろ 第5回 : 自 分 の 経 験 を 語 る ② : 一 番 の 思 い 出
第6回:健 康 に つ い て の 英 語 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ①:自 分 が 行 っ て い る こ と
第7回:健 康 に つ い て の 英 語 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ②:健 康 法 に つ い て の 英 文 記 事 を 読 ん で 、 是 非 を 考 え る 第8回:健 康 に つ い て の 英 語 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ③:病 気
や け が の 処 置 に 見 る 地 域 や 家 庭 の 対 応 の 違 い 第9回 : 日 本 の 若 者 に つ い て の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ① :
生 活 ス タ イ ル
第10回 : 日 本 の 若 者 に つ い て の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ② : 友 人 関 係
第11回 : 日 本 の 若 者 に つ い て の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ③ : 大 学 生 活 と 進 路
第12回 : 沖 縄 に つ い て のShow&Tell① : 物 産 第13回 : 沖 縄 に つ い て のShow&Tell② : 慣 習
第14回 : 興 味 の あ る ト ピ ッ ク に つ い て 調 べ て き て 発 表 す る ( ク ラ ス の 半 分 )
第15回 : 興 味 の あ る ト ピ ッ ク に つ い て 調 べ て き て 発 表 す る ( ク ラ ス の 残 り 半 分 )
期 末 テ ス ト ( 動 画 を 見 て 、 そ れ に つ い て 英 語 で 相 手 に 説 明 す る )
コ ミ ュ ニ ケ ー ト す る コ ン テ ン ツ と し て は :
1st Module自 分 自 身 が 持 っ て い る 内 容 ( 経 験 ・ 知 識 ) 2nd Module 自 分 の 知 識 の 掘 り 起 こ し と イ ン プ ッ ト を
前 提 と し た ア ウ ト プ ッ ト
3r d Module身 近 な も の に 関 す る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の よ う に 、3 グ ル ー プ (Module) に 分 類 す る こ と が で き 、1st Module( 第1~6回 ) と 2nd Module( 第 7~12 回 ) は イ ン タ ラ ク シ ョ ン ( 二 方 向 性 の ス ピ ー キ ン グ ス キ ル 育 成 )、3r d Module( 第13~15回 )は プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ( 一 方 向 性 の ス ピ ー キ ン グ ス キ ル 育 成 ) を 主 眼 と し た 。
上 記3モ ジ ュ ー ル は ス キ ル 視 点 に よ る 設 計 で あ る が 、 同 時 に 15回 の ト ピ ッ ク は 、(1)今 の 自 分( 第 1~3回 )、
(2)過 去 の 自 分( 第4~5回 )、(3)健 康( 第6~8回 )、(4) 日 本 の 若 者 ( 第 9~11回 )、(5)地 域 の 紹 介 ( 第 12~13
回 ) と い う テ ー マ に も 分 類 で き る 。 さ ら に 健 康 の テ ー マ に お い て は 、 自 分 ( 第 6回 ) → 英 文 記 事 に よ る 健 康 情 報 と 意 見 ( 第 7回 ) → 自 分 と 相 手 ( 第 8回 ) の よ う に 視 点 を 変 え 、 日 本 の 若 者 を テ ー マ と す る 授 業 回 に お い て も 、国 際 比 較( 第9回 )→ 自 分( 第 10回 )→ 一 般 調 査 結 果( 第 11回 )と 情 報 源 と 表 現 す る 範 囲 の シ フ ト を 意 識 し た 。 第 12~13回 の テ ー マ は 連 続 し て い る が 、 ペ ア で の 個 別Show&Tell( 第12回 )か ら ク ラ ス 全 体 へ の Show&Tell( 第 13 回 ) へ と シ フ ト さ せ 、 続 く 第 14
~15 回 で 完 全 に プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン へ と シ フ ト す る よ う に し た 。第12~15回 に お い て は 、自 分 の 興 味・知 識 を 出 発 点 と し て 、 さ ら に リ サ ー チ し た 上 で の 発 表 を 意 図 し て お り 、 こ こ で も 情 報 を 自 分 と 周 り の 環 境 の 往 来 の 中 で 広 げ た 自 己 表 現 活 動 を 意 識 し た 。
ち な み に 、 本 科 目 の 達 成 目 標 は 以 下 の 通 り で あ る : 本 授 業 で は 、CEFR の A2~B1 レ ベ ル[7]の 口 頭 英 語 能 力 を 養 う こ と を 目 的 と す る 。具 体 的 に は 、「 ① 自 己 及 び 身 の 回 り の 環 境 や 出 来 事 に つ い て 英 語 で や り と り が で き る 」、「 ② 語 彙 や 文 法 に 自 信 が な く と も 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス ト ラ テ ジ ー を 用 い て 、 相 手 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る 」、「 ③ 英 語 で 自 分 の 考 え を 述 べ た り 、 相 手 の 意 見 を 聞 い て 、反 応 す る こ と が で き る 。」の 3つ を 目 指 す 。 本 講 義 内 容 の 授 業 計 画 は 達 成 目 標 の ① と ③ に 対 応 し て お り 、 ② に つ い て は 、 授 業 方 法 に よ る 実 現 を 意 図 し た 。
3.3. タスクデザイン
課程認定を受けたシラバスにはまた、以下の授業概要を 記載している:
身近な話題について、写真やイラスト、現物を準備し、そ れらを用いて自己表現を行う。授業はペア・グループ活動 を基本とし、プレゼンテーションも行う。その中で、要点 を理解し、自分の意見や理由を述べる練習を行う。
特 に 下 線 部 の「 要 点 の 理 解 」「 意 見 や 理 由 を 述 べ る 」は 、 学 習 指 導 要 領 で 求 め ら れ て い る ス キ ル と 合 致 す る も の で あ る 。
先 述 の 達 成 目 標 と 授 業 概 要 は 総 合 し て 、 同 じ く 学 習 指 導 要 領 が 外 国 語 ( 英 語 ) 教 科 に 求 め る 「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 」 を 強 く 反 映 し て い る 。 そ し て 2020年 か ら の 新 学 習 指 導 要 領 の 根 幹 を 成 す 「 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び( = ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ )」に 合 致 す る 「 ペ ア ・ グ ル ー プ 活 動 」 を 、 本 授 業 科 目 に お い て も プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 回 を 除 く 第 1~12回 の 講 義 の 中 心 と し た 。 そ の 上 で 毎 回 の タ ス ク に お い て は 、 学 生 が 話 し 続 け ら れ る 、 す な わ ち コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 途 切 れ な い よ う に す る 課 題 設 定 と 支 援 (scaffolding) を 心 が け た 。
具 体 的 な 例 を 挙 げ る と 、 英 語 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ
ョ ン の 基 本 で あ る 自 己 紹 介 で は 、「 偏 愛 マ ッ プ 」[8]を 取 り 入 れ 、 自 身 の 情 報 を 多 面 的 に 話 す こ と が で き る よ う に 設 計 し 、 自 己 紹 介 か ら 質 問 を 取 り 入 れ た イ ン タ ラ ク シ ョ ン へ 、 自 己 紹 介 か ら 他 己 紹 介 へ と い う 発 展 を 組 み 込 ん だ 。 偏 愛 マ ッ プ は 、 自 身 の 好 き な も の や こ だ わ り を 紙 に 書 き だ し 、 カ テ ゴ リ ー 化 し た り 、 イ ラ ス ト を 付 け た り し て 、 視 覚 化 し た も の で あ る 。 こ の マ ッ プ を 共 有 し な が ら 話 す こ と で 、 話 す 方 も 尋 ね る 方 も 途 切 れ る こ と な く 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 取 り や す く な る と い う 利 点 が あ る 。 第 3回 の 好 き な 動 画 紹 介 で は 、 受 講 生 の ス マ ー ト フ ォ ン を 活 用 し 、 あ ら か じ め 紹 介 し た い 動 画 を 選 ん で き て も ら い 、 ペ ア 活 動 で は そ の 動 画 を お 互 い に 見 せ 合 い な が ら 、 英 語 で 要 約 ・ 説 明 と 好 き な 理 由 を 伝 え る タ ス ク に 取 り 組 ま せ た 。 健 康 を テ ー マ と し た 3回 の 講 義 で は 、 予 習 課 題 と し て 、 自 身 の 健 康 へ の 取 り 組 み に つ い て の 質 問 プ リ ン ト に 応 え る こ と で 準 備 さ せ た り( 第 6回 )、健 康 に 関 す る 4つ の 英 文 記 事 を 予 習 と し て 割 り 当 て て 要 約 を 準 備 さ せ る こ と で 、 ク ラ ス 内 で イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ の ペ ア 活 動 を 行 な っ た ( 第 7回 )。 そ し て 第 8回 で は 予 習 課 題 プ リ ン ト で
「What do you do when …」に 続 く 13 の 病 状(「you have a sore throat?」、「you have a headache?」 な ど ) を 示 し 、 そ れ に 答 え る こ と で 自 身 の 対 処 法 を 答 え や す く す る と 同 時 に 、 相 手 と の 相 違 点 に つ い て の イ ン タ ラ ク シ ョ ン を 途 切 れ に く く さ せ る 効 果 を 持 た せ た 。
こ れ ら の タ ス ク へ の 取 り 組 み 状 況 は 、 後 述 す る よ う に 、課 題 プ リ ン ト へ の 記 入 内 容 の 確 認 と 、Google Forms に よ る 当 日 の 取 り 組 み へ の Reflection に よ っ て 確 認 し 、 受 講 生 の 理 解 度 に 問 題 が 生 じ な い よ う 配 慮 す る と と も に 、 適 宜 フ ォ ロ ー す る よ う に し た 。All Englishで 進 め ら れ た 同 科 目 で は 、 学 習 者 が 動 機 づ け を 失 わ な い た め に 、 難 易 度 の 調 整 と 、 多 少 難 し く て も 英 語 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン す る 面 白 さ と 達 成 感 を 実 感 さ せ る こ と を 重 要 視 し た 。 ま た 内 発 的 動 機 付 け を 誘 発 す る と さ れ る 自 己 決 定 理 論[9] に よ り 、 学 習 者 が 自 ら の 意 志 で 選 択 で き る 機 会 を 第 12~15回 に お い て 設 け る よ う に し た 。次 期 学 習 指 導 要 領 で は 、 英 語 を 実 際 に 使 っ て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う 場 面 を 可 能 な 限 り 多 く 設 定 す る こ と が 求 め ら れ て お り 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 領 域 の 科 目 で あ る オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で 、 英 語 で 自 己 表 現 す る 体 験 を し 、 そ の 楽 し さ を 実 感 す る こ と は 、 コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 方 針 に 沿 っ た も の で あ る 。
3.4. コアカリキュラムとの対 応
次 期 学 習 指 導 要 領 に 対 応 す る 、 英 語 科 の 教 職 再 課 程 認 定 に お い て は 、 各 提 供 科 目 に つ い て 、 コ ア カ リ キ ュ ラ ム と の 対 応 表 の 提 出 が 義 務 付 け ら れ た 。 今 回 実 践 し た オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の シ ラ バ ス 作 成 時 に は 、
こ の 情 報 は 知 る べ く も な か っ た が 、 当 時 得 る こ と が で き た 基 本 的 な コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 方 針 ( 中 高 の 学 習 指 導 要 領 に 基 づ い た 英 語 科 の 授 業 を 将 来 担 当 す る 教 員 の 育 成 に 資 す る ) に 即 し て 授 業 内 容 を 策 定 し た 結 果 、 表 1の 対 応 表 が 示 す 通 り 、網 羅 す べ き 5つ の 到 達 目 標( 表 1下 )に す で に 対 応 で き て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。
表1. 「 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅰ 」 の コ ア カ リ キ ュ ラ ム 対 応 表
到 達 目 標
/ 授 業 回 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 )
1 ○
2 ○ 〇
3 ○ ○ 〇 ○
4 ○ 〇
5 ○ 〇
6 ○ ○ ○
7 ○ 〇 ○ ○
8 ○ ○ ○
9 ○ ○ ○
10 ○ ○ ○
11 ○ ○ ○
12 ○ ○ ○
13 ○ ○ ○
14 ○ ○ ○ 〇 ○
15 ○ ○ ○ 〇 ○
【 到 達 目 標 】
1) 様 々 な ジ ャ ン ル や 話 題 の 英 語 を 聞 い て 、目 的 に 応 じ て 情 報 や 考 え な ど を 理 解 す る こ と が で き る 。
2) 様 々 な ジ ャ ン ル や 話 題 の 英 語 を 読 ん で 、目 的 に 応 じ て 情 報 や 考 え な ど を 理 解 す る こ と が で き る 。
3) 様 々 な 話 題 に つ い て 、目 的 や 場 面 、状 況 等 に 応 じ て 英 語 で 話 す こ と [ や り 取 り ・ 発 表 ] が で き る 。 4) 様 々 な 話 題 に つ い て 、目 的 や 場 面 、状 況 等 に 応 じ て 英 語 で 書 く こ と が で き る 。
5) 複 数 の 領 域 を 統 合 し た 言 語 活 動 を 遂 行 す る こ と が で き る 。
求 め ら れ た 5つ の 到 達 目 標 を 概 観 す る と 、1)か ら4)が 学 習 指 導 要 領 の 「 聞 く 」「 読 む 」「 話 す 」「 書 く 」 の 4 つ の ス キ ル に 対 応 し て い る こ と が わ か る 。 さ ら に 、 次 期 指 導 要 領 で 上 記 4ス キ ル の う ち 、「 話 す こ と 」が「 や り 取 り 」 と 「 発 表 」 に 分 か れ 、5 領 域 と い う 概 念 が 採 用 さ れ た 点 も[2, 7]、 こ の 到 達 目 標 の3)に 表 れ て い る 。 ま た 、 ス キ ル ご と の 達 成 目 標 に 加 え 、5)に は ス キ ル の
「 統 合 」 が 示 さ れ て お り 、 こ の 到 達 目 標 も ス キ ル の 育 成 を 単 体 と し て 扱 う の で は な く 、 複 数 の 言 語 ス キ ル を 組 み 合 わ せ て タ ス ク を 解 決 す る と い う 視 点 が 盛 り 込 ま
れ て い る 。こ の 表 か ら は 、到 達 目 標 3)の 全 回 実 施 に 加 え 、 他 の 3ス キ ル 並 び に ス キ ル 統 合 型 の 活 動 が 組 み 込 ま れ て お り 、 本 授 業 の 設 計 が 、 オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 要 で あ る ス ピ ー キ ン グ を 中 心 に 据 え つ つ も 、 他 の ス キ ル と の 関 連 性 を 意 識 し て デ ザ イ ン さ れ て い る こ と を 示 す も の で あ る 。
3.5. 各 時 間 の授 業 構 成
授 業 回 に よ り 多 少 の 違 い は あ っ た も の の 、 ペ ア 活 動 に よ る イ ン タ ラ ク シ ョ ン を 中 心 に 据 え た 第 1~12回 の 90 分 の 構 成 は 、Warm-up/Review activity(20~25分 )、
Main activity(30~35 分 )、Recording(20~25 分 )、
Reflection( 約 10 分 ) で 同 じ パ タ ー ン を 踏 襲 し た 。 授 業 中 教 授 者 は 英 語 の み を 話 す よ う に し 、 音 声 に よ る 理 解 を 補 完 す る も の と し て 、 パ ワ ー ポ イ ン ト 資 料 で そ の 日 の 流 れ を 最 初 に 示 し 、 そ れ ぞ れ の 活 動 に つ い て は 指 示 を パ ワ ー ポ イ ン ト ス ラ イ ド で 常 時 提 示 し た 。 ま た ペ ア 活 動 中 は 机 間 指 導 を 行 う と と も に 、 出 席 者 が 奇 数 の 場 合 は ペ ア の 相 手 役 と し て 活 動 に 参 加 し た 。 な お 、 個 別 カ メ ラ のRecordingの 指 示 ス ラ イ ド は 日 本 語 で 示 し 、 ま た 提 出 課 題 な ど で 重 要 な 点 に 絞 り 、 ス ラ イ ド 中 に 日 本 語 を 用 い た が 、 授 業 中 の 指 示 は 英 語 で 行 な っ た 。 発 表 活 動 が 中 心 で あ っ た 第 13~15回 に つ い て は 、発 表 ス ラ イ ド を 学 内 の 学 習 管 理 シ ス テ ム (LMS) で あ る Webclass に 事 前 提 出 さ せ 、 授 業 時 間 は 時 間 を 区 切 り 、 学 生 の 口 頭 発 表 と 質 疑 応 答 を 行 っ た 。
こ の 授 業 構 成 は 、 そ の 日 の 授 業 で 話 す 内 容 を 、 課 題 プ リ ン ト に 沿 っ て 予 習 ・ 準 備 し て く る こ と を 前 提 と し て い た 。 授 業 中 の ペ ア 活 動 ・ 発 表 活 動 は 予 習 プ リ ン ト を 活 用 し 、 活 動 中 に は 同 じ プ リ ン ト に 設 け ら れ た 、 相 手 の 名 前 や メ モ を 記 入 す る 欄 を 埋 め る よ う に な っ て い た 。 ま た 記 入 し た プ リ ン ト を 、Webclassに 画 像 で ア ッ プ ロ ー ド 提 出 さ せ る こ と に よ り 、 予 習 並 び に 授 業 中 の 活 動 状 況 の 把 握 を 行 な っ た 。
授 業 前 半 の Warm upは 毎 回 、前 回 の ペ ア 活 動 を 再 度 行 う こ と で 、 欠 席 者 が 活 動 を 行 わ な か っ た と い う 事 態 を 避 け る こ と が で き 、 ま た 繰 り 返 す こ と で そ の タ ス ク に 対 す る 表 現 力 の 定 着 と ス ピ ー キ ン グ の 自 動 化 を 意 図 し た 。Warm up とMain activityの ペ ア は 授 業 時 間 内 で そ れ ぞ れ 2~3回 、合 計 で5回 程 度 組 み 替 え る こ と が で き た た め 、 時 間 内 で は 異 な る ク ラ ス メ ー ト と ペ ア を 組 む よ う 促 し た が 、Recordingの 際 は 、相 手 が 欠 席 し な い 限 り 同 じ 相 手 と の ペ ア で 録 画 さ せ た 。
Warm up/Review及 びMain activityは ペ ア 活 動 を 原 則 と し た が 、 自 分 で 話 し 続 け る こ と が で き る ス キ ル の 獲 得 を 目 指 し た こ と か ら 、 ペ ア の う ち ど ち ら が 話 す か を 決 め た 順 番 制 を 取 り 入 れ 、 話 し 手 に は 2 分 、3 分 な ど の 時 間 を 設 定 し て 話 さ せ る よ う に 統 制 し て い た 。 話 し
手 が 話 し て い る 間 、 聞 き 手 は う な ず い た り 、 止 ま っ た ら 助 け 舟 を 出 し た り し て 、 設 定 さ れ た 時 間 中 、 話 し 手 が 途 中 で 終 わ っ た り 、 沈 黙 が 続 か な い よ う に 支 援 す る 役 割 が 求 め ら れ た 。RecordingはMain activityの 総 仕 上 げ の 位 置 づ け で あ っ た ( 詳 細 は 次 項 参 照 )。
授 業 の 最 後 に は 10 分 程 度 の 時 間 を 設 け 、Google Forms に よ り 毎 回 の 取 り 組 み に つ い て 報 告 さ せ た 。 パ ワ ー ポ イ ン ト に よ る 授 業 資 料 の 最 後 の ス ラ イ ド に は Google FormsのURLとQRコ ー ド を 掲 載 し 、受 講 生 は 自 身 の ス マ ー ト フ ォ ン か ら ア ク セ ス し て 回 答 し た 。 な お 質 問 及 び 回 答 言 語 は 原 則 英 語 で 、 よ り 具 体 的 な フ ィ ー ド バ ッ ク を 得 た い と 教 師 側 が 意 図 し た 場 合 の み 、「 日 本 語 で も 可 」 の 指 示 を 加 え た 。 質 問 項 目 は そ の 日 の 活 動 の 内 容 を ラ イ テ ィ ン グ で ま と め さ せ る 意 図 を 持 つ も の と 、 活 動 に つ い て ど う 感 じ た か を 尋 ね る 項 目 に 分 か れ て い た 。
3.6. 個 別 録 画 カメラの活 用
今 回 の 実 践 の 特 徴 と し て 、 学 習 者 個 々 の ス ピ ー キ ン グ を 録 画 で き る 小 型 カ メ ラ (SONY HDR-AZ1) が 人 数 分 使 用 で き る 環 境 で あ っ た こ と が 挙 げ ら れ る 。 授 業 開 始 に 先 立 ち 活 用 を 検 討 し た 結 果 、 圧 迫 感 を 避 け る た め 、 個 人 の 頭 部 に 装 着 す る の で は な く 、2 つ の カ メ ラ を 互 い に 外 側 に 向 け CD ケ ー ス に ク リ ッ プ 固 定 し た 装 置 を 、 ペ ア 座 席 の 真 ん 中 に 設 置 し て 録 画 を 行 っ た 。 講 義 時 間 内 の バ ッ テ リ ー 切 れ を 回 避 し 、 講 義 時 間 内 の 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 を 阻 害 し な い よ う に 、 個 別 録 画 は ペ ア 活 動 を 行 っ た 第1~12回 の 授 業 後 半 の20~ 25分 程 度 で 実 施 し た 。
図1. 2台 の 個 別 カ メ ラ を ク リ ッ プ 固 定 し た 録 画 装 置 . 手 前 の ク リ ッ プ で 角 度 を 付 け て い る .
図 2. 録 画 装 置 を 教 室 内 2 人 掛 け テ ー ブ ル の 中 心 に 据 え 置 き 、座 席 に 座 っ た 2名 を そ れ ぞ れ 個 別 録 画 し た .
録 画(Recording)は 当 日 の Main activityの ペ ア 活 動 を 基 に 、 相 手 が 欠 席 で な い 限 り 、 で き る だ け 同 じ 相 手 と ペ ア を 組 ん で 実 施 し た 。 偏 愛 マ ッ プ を 使 っ た 最 初 の 2 回 で は 、 話 し 手 の 持 ち 時 間 は 1 分 で 、 録 画 を 始 め る 前 に 準 備 時 間 を 取 っ た り 、 質 問 を す る と い う そ の 回 の 目 的 に 即 し た タ ス ク を 限 定 し て 盛 り 込 む よ う に し た 。 そ の 後 、 第 3回 の 動 画 を 紹 介 し 合 う タ ス ク で は2名 で 5 分 間 話 し 続 け る こ と や 、 第 4回 で は 自 分 の 持 ち 時 間 を 3 分 以 内 (2分 以 上 は 話 し 続 け る こ と ) な ど 徐 々 に 話 し 手 が 英 語 で 長 く 話 せ る よ う に タ ス ク を 設 定 し 、 ペ ア 活 動 の 最 終 段 階 で あ る 第 11回 で は 、ペ ア 活 動 で 自 身 の 話 し た 内 容 と ペ ア か ら 得 た 内 容 を 足 し て 、4 分 で 述 べ る 録 画 課 題 に し た 。
4. デ ー タ と 分 析
本 稿 で は 、 授 業 で の 提 出 物 に 対 し 研 究 利 用 に 同 意 し た19名 のGoogle Forms回 答 デ ー タ を 分 析 す る 。な お 、 Google Forms の デ ー タ 数 (N) は 、 各 回 の 出 席 状 況 に よ り 19を 下 回 る 場 合 が あ り 、最 初 の 2回 は 登 録 調 整 期 間 で あ っ た た め に さ ら に 参 加 者 数 は 少 な か っ た 。 ま た 英 語 で 書 か れ た コ メ ン ト に 関 し て は 文 法 的 な 間 違 い を 含 ん で い る が 、 本 報 告 に お い て は 、 意 味 が 通 じ る 限 り ス ペ ル 間 違 い の み の 修 正 に と ど め た 。
5. 結 果 と 考 察
5.1. 第1~3回 (偏 愛 マップによる自 己 紹 介 、好 きな 動 画 の紹 介 )
第 1回 授 業 で は Ice breakingの ペ ア 活 動 の 後 、 偏 愛 マ ッ プ を 作 成 し 、 そ れ を 基 に 英 語 で 自 分 に つ い て の 照 会 を 行 な っ た 。こ の 回 の 授 業 コ メ ン ト に は 、「This map is clear to know what I like or l ike to do something.」や「It is not easy for me to write abou t myself. However this map helped to talk myself.」 あ る い は 、「I can know what
I like more deeply. And that made my introduce easier.」な ど 、 マ ッ プ の 効 用 が 書 き こ ま れ て い た ( 下 線 は 筆 者 に よ る 。日 本 語 英 語 に 関 わ ら ず 、「 」で コ メ ン ト を 表 示 。 文 法 的 な 間 違 い は 修 正 せ ず 掲 載 。 以 下 同 じ )。
こ の 授 業 は 初 回 だ っ た た め か 、difficult/hard/not easy と い う 語 が 、14 名 中 6名 (42.9%) の コ メ ン ト に 出 現 し て い た 。そ れ に 対 し 、第 2回 目 の 授 業 で は 、What did you think of hen -ai map? Was it fun? Difficult? What part did you like? What didn't you like? と い う 問 い に 対 し 、 fun と い う 語 を 使 っ て 回 答 し た 受 講 生 が 17 名 中 13 名
(76.5%) い た 。 使 わ な か っ た 4 名 に つ い て も 、good
(1名 )、important(1名 )、like(1名 )を 使 っ て お り 、 難 し さ の み に 言 及 し て い た の は 1名 で あ っ た 。 な お 、 肯 定 的 な コ メ ン ト を 書 い た 16 名 中 4 名 (25.0% ) は 、
「It's fun! But little difficult for me to ask the questions about Hen-ai map to partner. I like Hen-ai map because I can know more about the person who write Hen -ai map.」
や 「I think it was difficult. But I like it. Because I can know myself and my friends.」 の よ う に 、 否 定 と 肯 定 の 両 方 を 表 現 し て い た 。
記 述 の 中 に は 上 記 例 が 示 す よ う に 、becauseの 後 に 理 由 が 述 べ ら れ て お り 、 偏 愛 マ ッ プ が 自 己 分 析 並 び に 他 者 を 知 る た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル と し て 機 能 し 、 肯 定 的 に 捉 え ら れ た こ と が わ か っ た 。 ま た 「It is very fun and difficult. I can't say correct word.」の 記 述 が 示 す よ う に 、difficult と 感 じ た 理 由 と し て 、 英 語 で 十 分 自 己 表 現 す る た め の 言 語 能 力 不 足 を 感 じ る こ と も 確 認 で き た 。 こ の 回 の 内 容 で あ っ た 「 質 問 す る 」 と い う 焦 点 に つ い て は 、「I like writing questions to other people.」 と の コ メ ン ト が あ り 、 日 本 語 で の 任 意 の 自 由 回 答 に も「 質 問 を 英 語 で す る の が 難 し か っ た で す 。」「 友 だ ち か ら の 質 問 で 、 話 の 幅 が 広 が っ た の で 、 前 よ り 話 し や す く な っ て 良 か っ た で す 。」と の 書 き 込 み が あ っ た 。 英 語 コ メ ン ト に 、 活 動 が 楽 し か っ た 理 由 と し て 他 者 を 知 る こ と に つ な が っ た と の 言 及 が 多 か っ た こ と も 、「 質 問 」 に 特 化 し た 回 の 必 要 性 を 支 持 す る も の と い え る 。 自 身 の ス マ ー ト フ ォ ン で 好 き な 動 画 を 見 せ な が ら 英 語 で 紹 介 す る 活 動 を 行 っ た 第3回 の コ メ ン ト(Japanese OK) に は 、「 三 人 の か た と 話 を し た の で す が 、 お 互 い の こ と を よ く 知 れ た 良 い 機 会 だ っ た と 思 い ま す 。 YouTube を 見 せ な が ら 会 話 を す る と い う 形 式 の 授 業 は は じ め て で し た が 、 斬 新 で 、 緊 張 を ほ ぐ す 良 い 方 法 だ と 思 い ま し た 。」と い う 記 述 が あ っ た 。ま た「 い ろ ん な 動 画 が 見 れ て 楽 し か っ た ! 」 と い う コ メ ン ト が あ っ た 一 方 で「 映 画 の 説 明 は ち ょ っ と 難 し か っ た で す 。」と い う コ メ ン ト も あ っ た 。 分 析 対 象 と な る 出 席 者18名 中 、 肯 定 (fun/enjoyed/like/good/楽 し い ) と 否 定 (difficult/
難 し い/う ま く で き な か っ た )で は 、肯 定 が 7名 、否 定
5 名 、 肯 定 と 否 定 の 両 方 を 書 い た 者 が 2名 い た 。 ま た こ の 回 で は「I thought I want to improve my vocabulary to explain about myself.」 や 「 前 回 よ り も 英 語 で 話 せ る よ う に な っ て た の で 、 も っ と 頑 張 っ て 上 手 く な り た い っ て や る 気 が 出 た 。」の よ う に「 英 語 の 表 現 力 を 向 上 さ せ た い 」 と い う 自 身 の 言 語 能 力 を 見 つ め た コ メ ン ト が 見 ら れ た 。「 映 画 の ス ト ー リ ー ラ イ ン を 説 明 す る 時 、う ま く 言 葉 が 出 な く て 大 変 だ っ た し 、 難 し か っ た 。 も っ と も っ と 授 業 の 準 備 を す る こ と 、 英 語 の 単 語 力 、 英 語 に 触 れ る こ と が 必 要 だ と 感 じ た 。」と い う コ メ ン ト が 示 す よ う に 、 そ の 日 の 自 身 の 英 語 に よ る 表 現 活 動 が 成 功 し た か は 、 タ ス ク 設 定 だ け で は な く 、 本 人 の 授 業 の 準 備 状 況 や 、 持 っ て い る 単 語 力 等 に も 影 響 を 受 け る 。 し た が っ て 第 4回 か ら は 、How was your talking today? と い う 質 問 に Good/So-so/I could have done betterの3段 階 で 答 え て も ら う 項 目 を 付 加 し た 。 次 項 で は 、 第 4~15 回 の 自 己 評 価 に つ い て 分 析 ・ 報 告 す る 。
5.2. 講 義 回 による自 己 評 価 の違 い
第 4回 か ら 第 13回 で は 、Google Formsで そ の 日 の 自 分 の Talkを3段 階 で 自 己 評 価 し て も ら っ た 。図3は そ の 結 果 を ま と め た も の で あ る 。
図 3. 毎 回 の 活 動 に 対 す る 自 己 評 価 結 果 . 日 本 人 学 生 は 控 え め に 評 価 し が ち な た め 、Good、So-so、I could have done betterの 3つ か ら 選 択 し て も ら っ た . 各 回 に 記 載 さ れ た ( ) 内 の 数 字 は 有 効 デ ー タ 数 を 示 す 。 上 記 の 結 果 に 対 し 、Goodを3点 、So-soを2点 、I could have done betterを 1点 と し て 平 均 値 を 算 出 し た と こ ろ 、
最 も 高 か っ た の は 第 12 回 (2.47)、 次 に 高 か っ た の は 第 6 回 (2.36) と い う 結 果 で あ っ た 。 ま た 平 均 値 が 低 か っ た 回 は 、 第 7 回 (2.00)、 第 13 回 (2.05)、 第 11 回(2.07)で あ っ た 。な お 、第13回 は プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 回 で あ っ た た め 、 自 己 評 価 は ペ ア 活 動 で は な く 、 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に 対 す る 評 価 と な っ て い る 。
平 均 値 が 高 か っ た 第 6 回 と 第 12 回 の 講 義 内 容 は 各 々 、 自 分 が 健 康 の た め に 行 っ て い る こ と の シ ェ ア リ ン グ 、 沖 縄 の 物 産 ・ 慣 習 を 1つ 決 め 、 お 互 い に 説 明 し 合 う 活 動 を 行 な っ て い た 。 一 方 自 己 評 価 が 低 か っ た 3 回 の う ち 、 第7回 は 健 康 に つ い て の 英 文 記 事 を 紹 介 し 合 う イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ 活 動 、第 11回 は 大 学 生 対 象 の 調 査 結 果 ( 日 本 語 ) か ら 、 情 報 を 選 択 し て 伝 え 合 う イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ 活 動 で あ っ た 。 第 13回 は 沖 縄 の 物 産・慣 習 に つ い て の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン で あ っ た が 、 こ れ ら を 並 べ て み る と 、 第 6 回 と 第 7 回 が ど ち ら も 健 康 、 第 10回 と 第 11回 が 共 通 し て 日 本 の 若 者 と い う テ ー マ の 範 疇 に 入 る に も か か わ ら ず 、 そ の タ ス ク 設 定 に よ っ て 自 己 評 価 が 変 動 し た こ と が 明 ら か に な っ た 。ま た 第 7回 と 第11回 は 平 均 値 こ そ ど ち ら も 低 い が 、第 7回 は 中 間(So-so)の 層 が 厚 い こ と か ら の2点 程 度 の 平 均 値 に な っ た の に 対 し 、第11回 はSo-so の 回 答 が 他 の 回 よ り 少 な く 、GoodとI could have done better の 二 極 に 分 か れ た 平 均 値 の 低 さ に な っ て い る こ と が わ か る 。 上 位 の2回 に つ い て は 、 第 12回 で Good が17名 中10 名 と 半 数 を 超 え て い る の に 対 し 、 第6回 は 参 加 者 が14名 と 少 な い こ と か ら 、6名 の Good回 答 が 比 率 と し て 高 い 結 果 に な っ た と い う 違 い が あ る 。
次 項 で は 同 一 テ ー マ を 扱 い つ つ も 自 己 評 価 に 違 い が 見 ら れ た 第6~8回( 健 康 )並 び に 第9~11回( 日 本 の 若 者 ) に つ い て 分 析 ・ 考 察 す る 。
5.3. 同 一 テーマで異 なるタスクへの反 応 (健 康 :第6
~8回 と日 本 の若 者 :第 9~11回 )
前 項 の 分 析 に お い て 、 第 6~8回 の 自 己 評 価 は 各 々3 点 満 点 中 の 2.36、2.00、2.20で あ っ た 。 表 1 か ら も 第 7回 の 自 己 評 価 が そ の 前 の 第 6回 、 そ の 後 の 第 8回 に 比 較 し て 低 め で あ る こ と が 読 み 取 れ る 。 こ の 差 は 第 7 回 が 、 教 員 が 準 備 し た 英 文 記 事 を 分 担 し て 要 約 し 伝 え る 、と い う タ ス ク だ っ た こ と に 起 因 し た と 考 え ら れ る 。 第7回 の コ メ ン ト 「I think it is hard to tell information somebody [who] do not read same article as me clearly.」
が 示 す よ う に 、 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ は 聞 き 手 と 話 し 手 が 持 つ 情 報 の 違 い ( ギ ャ ッ プ ) を 利 用 す る 活 動 で は あ る が 、 こ の 回 で は 自 分 が 読 ん で 理 解 し た こ と を 聞 き 手 に 伝 え る 必 要 が あ っ た 。 そ の 際 に 、 要 約 す る 難 し さ だ け で は な く 、 相 手 が 言 っ て い る こ と が ( 医 学 用 語 な ど の 問 題 も あ り ) う ま く 理 解 で き な か っ た と す
る 書 き 込 み や 、 読 ん だ 記 事 が 易 し 過 ぎ た ( 難 易 度 の 問 題 ) あ る い は 、 自 分 の 興 味 に 合 わ な か っ た ( 考 え た こ と も な い 内 容 だ っ た 、 自 分 は コ ー ヒ ー は 飲 ま な い の に コ ー ヒ ー に つ い て の 記 事 だ っ た 、 な ど ) と の 記 述 が 見 ら れ た 。 当 初 、 こ の タ ス ク が 受 講 生 に 難 し く 受 け 止 め ら れ た の は 、「( 自 分 の 言 葉 で 言 い 換 え て ) 要 約 す る 」 と い う ス キ ル の 不 十 分 さ に よ る も の と 考 え て い た が 、 む し ろ 受 講 生 と 記 事 内 容 の 距 離 感 に よ る も の だ と 仮 定 す る よ う に な っ た 。
第7回 と 比 較 し て 、 第 6回 で は 「 自 分 が 健 康 の た め に 行 っ て い る こ と 」、 第 8回 で は 「 様 々 な け が や 病 気 、 身 体 の 不 具 合 に 対 し て 自 分 が 行 う こ と 」 に つ い て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 を 行 っ た が 、 ど ち ら も 第 7回 よ り
「 自 己 表 現 が う ま く い っ た 」 と 学 生 は 感 じ て い た 。 こ の 2つ の タ ス ク は 学 生 に と っ て よ り 身 近 で 、 自 身 が 持 っ て い る 情 報 を 言 語 化 す れ ば よ い こ と か ら 、 第 7回 よ り も 表 現 し や す か っ た 、 う ま く 話 せ た 、 と 感 じ た と 考 え た 。 つ ま り 、 第 7回 は 自 身 の 中 に あ る 情 報 で な い こ と を 、 言 語 化 し て 伝 え る 必 要 が あ っ た た め 難 し か っ た の で は 、と 評 価 し た の だ が 、そ れ だ け が 原 因 で は な く 、 話 し 手 自 身 が ( 話 し た い と 思 っ て ) 必 要 と し た 情 報 か ど う か 、 と い う 視 点 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。
一 方 「 日 本 の 若 者 に つ い て 」 と い う テ ー マ で 展 開 し た 第 9~11回 の 中 で 比 較 分 析 を 行 っ て み る と 、 自 己 評 価 の 平 均 値 は 3点 満 点 中 、2.19、2.17、2.07 で 、 第 11 回 が 第 9・10 回 よ り 低 く な っ て い た 。 こ の う ち 第 10 回 は「 自 分 の 親 友 を 紹 介 し 、friendshipに つ い て 意 見 を 述 べ る 」 と い う ペ ア 活 動 で 、 学 習 者 自 身 が 持 つ 知 識 ・ 情 報 の 言 語 化 で あ る た め 、 表 現 し や す い こ と が 想 定 さ れ た 。 対 し て 、 第 9回 は 高 校 生 の 生 活 ス タ イ ル に つ い て の 国 際 比 較 、第 11回 は 大 学 生 活 の 調 査 結 果 が 伝 え る べ き 情 報 源 と し て 、 日 本 語 で 与 え ら れ た タ ス ク で あ っ た 。 や り と り す る 内 容 が 自 身 の 持 つ 知 識 に 基 づ い て い な い 、 と い う 点 で は 第 9回 も 第 11回 も 同 条 件 で あ り 、 ど ち ら も 情 報 源 は 日 本 語 で あ っ た 。 に も か か わ ら ず 、 自 己 評 価 の 結 果 で は 、 第 9 回 と 10 回 が 僅 差 で 、 第 11 回 が 落 ち 込 ん で い た 。
第9回 の コ メ ン ト か ら は「It is fun to share the survey results.」 や 「I think It is very interesting to compare with four countries.」 の よ う に 、 準 備 さ れ た 情 報 そ の も の が 興 味 を 持 っ て 受 け 入 れ ら れ た こ と が わ か っ た 。 一 方 同 じ く 情 報 が 与 え ら れ た 第 11 回 の コ メ ン ト を 概 観 す る と 、 準 備 不 足 に よ り う ま く 行 か な か っ た 記 述 は あ る も の の 、 調 査 結 果 が 興 味 深 か っ た と の コ メ ン ト も あ り 、 第 9回 と の 違 い は 一 見 明 確 で は な い 。 し か し 、 第 9回 の 資 料 は 前 半 と 後 半 の 情 報 を ペ ア で 分 担 さ せ 、 比 較 的 わ か り や す い 内 容 に な っ て い た の に 対 し 、第 11回 の ペ ア 活 動 で は 、 情 報 分 担 を 明 確 に せ ず 、 資 料 を 一 度 に 提
示 し 、 そ の 中 の ど こ を 説 明 す る か は 、 話 し 手 に 任 せ る よ う に し て い た 。そ の 指 示 の 違 い が 、第 11回 の タ ス ク を よ り 難 し い も の に し た 可 能 性 が あ る (「So difficult.
There are many information to pick up, difficult to summarize them.」)。 ま た 「We talked about Japanese college student. It was make sense for me.」と い う 記 述 か ら は 、 こ の 調 査 の 内 容 が 身 近 で は あ っ て も 、 国 際 比 較 結 果 ほ ど は 興 味 を 持 っ て 吸 収 さ れ な か っ た こ と を 示 す と 思 わ れ る 。 こ こ で も 、 う ま く 英 語 で 話 せ た か の 自 己 評 価 は 情 報 が 学 習 者 自 身 の も の か 、 与 え ら れ た も の か と い う 条 件 に よ っ て 左 右 さ れ る の で は な く 、 与 え ら れ た 情 報 が 興 味 に 合 致 し 、 話 し た い と 思 う 内 容 で あ る か ど う か に 起 因 し て い る と 捉 え る こ と が で き る 。
5.4. 自 身 での選 択 とプレゼンテーション(第 12~15
回 )
沖 縄 ( 出 身 地 域 ) の 慣 習 ま た は 物 産 を 1つ 選 び 、 そ の 紹 介 を 行 な っ た 第 12 回 と 第 13 回 で は 、 特 に 第 12 回 で 自 己 評 価 が 高 か っ た 。第 13回 は プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン で あ っ た の に 対 し 、第 12回 は ペ ア 活 動 と し て 紹 介 を 行 な っ た が 、 本 科 目 を 通 じ て の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 練 習 は 第12 回 ま で 一 貫 し て「 や り 取 り 」で あ り 、肯 定 的 に 捉 え ら れ て い た こ と か ら 、 第 12 回 の 自 己 評 価 が 第 13 回 よ り 高 く な る で あ ろ う こ と は 容 易 に 予 測 で き た 。 そ れ に し て も 、12回 の 自 己 評 価 は 高 く 、伝 え る べ き 情 報 が 学 習 者 の 手 持 ち で は な く 、 外 部 か ら 得 る こ と を 必 要 と し て い た 点 で は 、 前 項 の 第 7 回 、 第 9 回 、 第 11 回 と の 比 較 対 象 と な り 得 る 。
前 項 ま で 議 論 し て き た 「 話 す た め に 得 る 情 報 が 、 自 身 の 持 つ 知 識 で は な く 外 部 か ら で あ っ て も 、 自 身 の 興 味 と 合 致 し て い れ ば 、 自 己 表 現 は う ま く 行 く 」 と い う 仮 説 は 、第12回 の 結 果 に も 当 て は ま る 。こ の タ ス ク で は 、 発 表 す る 慣 習 ・ 物 産 は 話 し 手 自 身 が 選 択 す る 。 そ し て 話 す た め の 準 備 と し て 、 自 分 の 知 識 で 足 り な け れ ば 、 情 報 を 外 部 か ら 得 て こ な け れ ば な ら な い 。 こ こ で は 得 る 外 部 情 報 も 、 学 習 者 本 人 が 自 ら の 興 味 関 心 に 合 っ た も の を 探 す 。 そ の 場 合 は 外 部 か ら 得 た 情 報 を 基 に し な け れ ば な ら な い と し て も 、 話 す ・ 表 現 す る ハ ー ド ル は 高 く な ら な い の で あ る 。
第13~15回 は プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 活 動 を 行 な っ た 。 第13回 は 、 第 12回 の ペ ア 活 動 を ク ラ ス 全 体 へ 拡 大 し た と い う 認 識 で 、 第14~15回 は 第13 回 の 発 表 ス キ ル を 学 習 す る 延 長 線 上 で 、 テ ー マ を 自 分 で 選 択 さ せ る こ と は 、 そ れ ま で ペ ア 活 動 で 取 り 組 ん で き た 様 々 な 「 話 す こ と 」に つ い て の 内 容 の 集 大 成 と い う 意 義 も あ っ た 。 第13 回 の コ メ ン ト で 顕 著 だ っ た の は 、nervousと い う 語 が19人 中 7名(36.8%) に 見 ら れ た こ と で あ る 。 聴 衆 の 前 に 立 っ て 自 分 一 人 が 話 す 状 況 が 、 受 講 者 を 緊 張
さ せ た こ と が わ か っ た 。 し か し 、 自 身 が 選 ぶ best presenter を 書 き こ ま せ 、 改 善 点 を 尋 ね た 項 目 で は 、 そ の 次 の タ ス ク に 向 け 、 声 の 大 き さ や ア イ コ ン タ ク ト 、 原 稿 を 見 ず に 話 す 、 リ サ ー チ ( 準 備 ) を も っ と 行 う な ど 、 自 身 が 気 を 付 け る べ き 課 題 に つ い て も 、 多 岐 に わ た る 書 き 込 み が あ っ た 。 そ の 結 果 、 第 14 回 の 発 表 者 13 名 で は 、nervousの 書 き 込 み は 2名 、そ れ も「I was so nervous. But I enjoyed it.」 と 「I practiced my orally than last week, but I forgot my speech's contents because of nervous.」 の よ う に 前 回 か ら の 進 展 を 示 し て い た 。 第 15 回 で は 発 表 者6名 の う ち 2名 が 、う ま く 行 か な か っ た 点 を 、 そ の 理 由 と し て の nervous と い う 語 を 使 っ て 書 き こ ん で い た (「I could not make a satisfactory presentation. I had nervous, so I could not see everyone.」)。
こ れ ら を 総 合 し て 、 テ ー マ の 枠 組 み は あ っ た と し て も 、そ の 範 囲 内 で 学 習 者 が 自 身 に 合 っ た 情 報 を 選 択 し 、 伝 え る 内 容 も 自 身 が 必 要 と 感 じ る 取 捨 選 択 を 与 え る こ と が 、 英 語 で の 自 己 表 現 に 対 す る ハ ー ド ル を 下 げ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た ペ ア 活 動 ( や り 取 り ) か プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ( 発 表 ) か 、 と い う 形 態 は 、 ペ ア 活 動 で 徐 々 に 自 信 を 付 け て い た と し て も 、 発 表 に 向 か わ せ る と き は 、そ の タ ス ク に 回 数 を 重 ね て 慣 れ な け れ ば 、 心 理 的 な 緊 張 は 除 き が た い こ と が 示 唆 さ れ た 。
5.5. 個 別 録 画 の効 果
本 授 業 に お い て は 時 間 の 後 半 で 行 な う 、 ペ ア と 個 人 で の ス ピ ー キ ン グ 録 画 を 毎 回 実 施 し た が 、Google Forms の 記 入 に お い て は 、 第 6回 に 第 4 回 の 録 画 を ク ラ ス 限 定 で 公 開 し 、「speaking録 画 を 見 て 気 づ い た こ と や 、 今 後 気 を 付 け た い こ と を 教 え て く だ さ い ( 英 語 で も 日 本 語 で も 可 )。」と い う 情 報 収 集 を 行 な っ た 。14名 の 回 答 者 の 中 で 9名 が 自 ら ま た は ク ラ ス メ ー ト の 録 画 か ら 、話 し 方 へ の ふ り 返 り が 見 ら れ た 。「 よ く 言 葉 が 詰 ま っ た り 出 て こ な か っ た り し て 相 手 に 質 問 等 が 出 来 な い 。も っ と 積 極 的 に 聞 い て い き た い 。」と い う 具 体 的 な コ メ ン ト 、「 し か め っ 面 が 多 く て 反 応 が 薄 い の で 、英 語 を 理 解 で き た と き に は し っ か り 反 応 し た り 、 英 語 で 質 問 す る 内 容 を 複 雑 に し た り す る こ と が で き る よ う に 頑 張 り た い ! 」 の よ う に 自 ら の 表 情 や 反 応 を 分 析 し 、 話 し て い る 英 語 に つ い て の 記 述 も あ っ た 。「 つ ま る 」「 間 が 多 い 」 こ と を 気 に す る 記 述 も あ り 、 自 ら の 話 し 方 を 録 画 で 見 る こ と に よ り 、 客 観 的 に 改 善 す べ き 点 を と ら え て い た 。 し か し 3名 は 「 話 す と き の 音 量 が 小 さ か っ た 」、1名 は「 前 の め り に な っ て い た 」な ど 録 画 状 態 に 目 が 向 い て し ま い 、 肝 心 の 自 身 の 話 し 方 や 英 語 の 分 析 に ま で 至 っ て い な い ケ ー ス も 見 ら れ た 。
な お 15 回 の 授 業 を 総 括 さ せ た 学 期 末 の コ メ ン ト に は 、 英 語 を 話 す 楽 し さ や 自 身 の 表 現 力 の 向 上 を 実 感 し
た 、 と の コ メ ン ト は あ っ た が 、 個 別 録 画 に 関 す る 記 述 は な く 、 こ の 方 法 が 単 体 で 受 講 生 に 及 ぼ し た 影 響 よ り も 、 活 動 タ ス ク の 設 定 が 学 習 者 の 満 足 度 に 繋 が っ た と 考 え ら れ る 。し か しGoogle Formsの コ メ ン ト は 主 観 的 な も の で あ る た め 、 今 後 実 際 の 録 画 を 書 き 起 こ し て 分 析 し 、受 講 生 の 主 観 的 評 価 と の 関 連 を 見 る 必 要 が あ る 。
6. 全 体 考 察 と 結 論
以 上 得 ら れ た 知 見 は 、 本 科 目 が 教 員 養 成 課 程 に お け る オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 科 目 の 意 義 に 合 致 す る こ と を 示 す も の で あ っ た だ ろ う か 。 現 行 の 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 で は 、 英 語 の 授 業 は 原 則 英 語 で 行 な う と さ れ て お り 、 コ ア カ リ キ ュ ラ ム に お い て は 4つ の 言 語 ス キ ル と そ の 統 合 が 取 り 入 れ ら れ て い る か の 視 点 の み 、 確 認 を 求 め ら れ た( 表 1)。ま た 教 職 課 程 が 修 了 す る ま で に は 英 語 力 の B2 レ ベ ル が 求 め ら れ る の に 対 し 、 新 課 程 で 1 年 次 を 対 象 と し た 本 科 目 で は 、A2~B1 レ ベ ル と や さ し め に 設 定 さ れ て い た 。
し か し 難 易 度 を 下 げ 、 タ ス ク の 配 列 を ス モ ー ル ス テ ッ プ[10]に す る こ と に よ り 、受 講 生 は「 話 し て み よ う 」 と い う 動 機 づ け を 保 つ こ と が で き た と 考 え ら れ る 。 次 期 学 習 指 導 要 領 に お け る 外 国 語 ( 英 語 ) で は 、 他 者 と 関 わ り 、 自 分 の 考 え を 伝 え た り 、 意 見 の 多 様 性 に 対 応 で き る 能 力 の 育 成 が 望 ま れ る が 、 英 語 教 育 に お い て は 表 現 の ツ ー ル で あ る 英 語 力 そ の も の の 、 学 習 者 の レ ベ ル も 問 わ れ る 。 つ ま り タ ス ク ・ 活 動 に お い て 、 日 本 語 ば か り で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 取 る わ け に は い か ず 、 活 動 を 通 し て 言 語 能 力 の 向 上 も 担 保 さ れ な け れ ば な ら な い 。 特 定 の 表 現 の 機 械 的 な 定 着 練 習 で は な い 、 意 味 の あ る 口 頭 で の や り 取 り を 行 う 際 に は 、 ま ず 自 分 の 中 に あ る 手 持 ち の 知 識 と 英 語 表 現 を 総 動 員 し て 活 動 に あ た る 必 要 が あ る 。 そ し て そ れ を 繰 り 返 す こ と に よ り 、 お 互 い を 知 る こ と に つ な が る 情 報 の や り 取 り や 、 自 身 に つ い て 語 る こ と を 楽 し い と 感 じ る よ う に な っ た と 考 え ら れ る 。 す な わ ち 、 教 職 課 程 に お け る オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 授 業 で は 、 自 分 の 言 語 表 現 を 磨 く と い う 意 識 よ り も 、 表 現 で き る こ と を 楽 し む こ と が 大 切 で あ り 、 ス キ ル ビ ル デ ィ ン グ よ り も 、 言 語 表 現 活 動 と し て の タ ス ク 設 定 が 求 め ら れ る と 言 え る 。
本 授 業 で は 、 自 身 が 持 た な い 知 識 を 別 の 情 報 源 か ら 得 た 場 合 の タ ス ク に つ い て も 組 み 入 れ た 。 分 析 か ら 見 え て き た の は 、 外 部 の 情 報 源 の 内 容 が 受 講 者 の 知 的 好 奇 心 を 刺 激 し 、 知 り た い 、 伝 え た い と 感 じ る も の で な け れ ば 、 活 動 を 難 し い と 感 じ 、 楽 し む こ と が で き な い 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 例 え ば リ ー デ ィ ン グ を 組 み 合 わ せ て ペ ア 活 動 を 行 う よ う な 場 合 、 読 ん だ 内 容 は 「 相 手 に 伝 え た い 」意 欲 を か き た て る よ う な も の が 望 ま し い 。
翻 っ て 中 学 校 、 高 等 学 校 で は 教 科 書 と い う 言 語 材 料
が あ り 、 学 習 時 間 内 に そ の 内 容 を 網 羅 す る こ と も 必 要 で あ る 。 例 え ば 教 科 書 の 内 容 を 使 っ て 、 伝 え 合 う 活 動 を 行 お う と す る 場 合 、 教 授 者 も 学 習 者 も 読 む 内 容 に 関 す る 選 択 肢 は 与 え ら れ て い な い 。 高 等 学 校 で は 次 期 学 習 指 導 要 領 に お い て 「 論 理 ・ 表 現 」 と い う 英 語 科 目 に 移 行 し て い く が 、 そ の 場 合 の 教 科 書 の 役 割 が ど う な る の か 、 注 視 し た い 。 伝 え 合 う 活 動 、 自 己 表 現 す る 活 動 に お い て は 、 学 習 者 が 自 ら 調 べ 情 報 を 持 ち 込 む こ と が 望 ま し く 、 教 室 内 の 表 現 活 動 に お い て 、 そ の よ う な タ ス ク 設 定 が 行 わ れ る こ と を 期 待 す る 。
次 年 度 の オ ー ラ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で は 、 与 え る リ ー デ ィ ン グ 材 料 を 工 夫 し 、 よ り 学 習 者 が 興 味 を 持 っ て 自 分 の も の と し て 話 せ る 内 容 を 選 び た い 。 ま た 、 学 生 同 士 の ペ ア 活 動 を 90 分 の 講 義 時 間 内 で 最 大 限 取 っ て い る が 、 学 生 の 活 動 参 加 状 況 を ど う 把 握 し 確 保 す る か は 大 き な 課 題 で あ る 。 最 後 に 録 画 タ ス ク が あ る と い う 理 解 が 、 そ の 前 の 活 動 へ の 参 加 度 を 促 進 す る と 考 え て い る が 、今 回 の 分 析 で は そ の 実 証 に は 至 ら な か っ た 。 個 別 カ メ ラ に よ る 録 画 の 効 果 を 最 大 限 に 生 か す 活 用 方 法 に つ い て も 、 今 後 研 究 し て い き た い 。
謝 辞 本 研 究 は , 科 学 研 究 費 助 成 金 ・ 基 盤 研 究 (B):
課 題 番 号 15H03226『 日 本 人 英 語 学 習 者 の イ ン タ ラ ク シ ョ ン ( 相 互 行 為 ) を 通 じ た 自 律 的 相 互 学 習 プ ロ セ ス 解 明 』( 研 究 代 表 者:原 田 康 也 )の 助 成 を 受 け て い る 。
文 献
[1] 文 部 科 学 省 , 小 学 校 学 習 指 導 要 領 ( 平 成 29 年 3 月 告 示 ),2017.
[2] 文 部 科 学 省 , 中 学 校 学 習 指 導 要 領 ( 平 成 29 年 3 月 告 示 ),2017.
[3] 文 部 科 学 省 ,高 等 学 校 学 習 指 導 要 領( 平 成 30年3 月 告 示 ),2018.
[4] 文 部 科 学 省 ,次 期 学 習 指 導 要 領 等 に 向 け た こ れ ま で の 審 議 の ま と め ,https://goo.gl/7hZ2X8, 2019/
1/4ダ ウ ン ロ ー ド .
[5] 藤 村 裕 一 ,わ か る ! 書 け る ! 授 業 改 善 の た め の 学 習 指 導 案 :教 育 実 習 ・ 研 究 授 業 に 役 立 つ ア ク テ ィ ブ ・ ラ ー ニ ン グ , ジ ャ ム ハ ウ ス , 東 京 ,2015.
[6] 東 京 学 芸 大 学 ,「 英 語 教 員 の 英 語 力 ・ 指 導 力 強 化 の た め の 調 査 研 究 事 業 」 シ ン ポ ジ ウ ム 報 告 書 , https://goo.gl/2eWJS7 (2018/12/30 ダ ウ ン ロ ー ド),2015.
[7] 投 野 由 紀 夫( 編 ),CAN‐DOリ ス ト 作 成・活 用 英 語 到 達 度 指 標 CEFR‐Jガ イ ド ブ ッ ク , 大 修 館 , 東 京 ,2013.
[8] 斎 藤 孝 ,偏 愛 マ ッ プ : キ ラ イ な 人 が い な く な る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン メ ソ ッ ド ,NTT 出 版 , 東 京 , 2004.
[9] エ ド ワ ー ド・L. デ シ ,リ チ ャ ー ド・フ ラ ス ト( 著 ),
人 を 伸 ば す 力 ― 内 発 と 自 律 の す す め ,新 曜 社 ,東 京 ,1999.
[10] 島 宗 理 ,イ ン ス ト ラ ク シ ョ ナ ル デ ザ イ ン : 教 師 の た め の ル ー ル ブ ッ ク( 第4版 ),産 業 図 書 ,東 京 , 2004.